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3・絶たれ、断たれる(閲覧注意)
しおりを挟むこわいこわいこわいこわいこわい。
なにこの男達。
誰か助けて。
でも、見えるのは私を取り囲む下品な男達だけ。
ここには何の、希望もない。
真っ暗などん底に突き落とされた、感覚がした。
男達の、人間の本質のような言葉が、私の心に突き刺さる。
私を取り囲んで、女の私にとって酷い言葉を次々ぶつける。
私が言葉に傷付く事が愉しくて堪らないといった顔。
「お前の知ってる男は違った? だから女は馬鹿なんだ」
「お前の周りの男だって、ホントの本音は俺達と同じ」
「男は女と違って賢いからな。身近な女は誤魔化す位はするんだよ」
「人間の男なら、一皮むけば皆同じ」
「お前のピンチを助けられるのは、女と違って強い男だけだけど、俺らと同じ男なら、この状況を助けはしない。同意見だからな」
「あるいは助けられてもお前の未来は変わらない。助けた相手に犯されるからな」
「犯され続けて孕み続けるだけの正しい女の人生のみが待っている」
サビ混じりの剣がゆっくりとした速度で私の右足首に向けられる。
まるで私の心を嬲るようなゆっくりとした速度。
「ぃや、いやです……止めて下さい、ごめんなさいごめんなさい、どうか許して下さい……!」
私の必死の懇願に、完全に小馬鹿にした表情で顔を見合わせた男達はどっと爆笑をくれる。もう、心の底から私を嘲りきった笑い声。
ああ、本当に、ひとっ欠片も私の言葉がこの人間らに届く事はないのだと。深い深い失望と共に植え付けられた。
人間の、男はきっとそうなのだと。
だって、暴力と共に私に植え付けられた言葉がそう教育したから。
「そんじゃジャンジャン犯されるために足の腱を斬りましょうねえ」
ザクッ!
「ぅあああああああああッ!!!」
私は絶叫と共に、自由に歩く脚を喪った。
私は激痛にのたうち回る。
カチャカチャという音も、私の耳には入らない。
その隙間からぽろんとこぼれ落ちた穢らしいモノも。
「ああ、若い女の絶望顔って股間にくるぅ」
「悲鳴っていいわぁ」
「ああ、可哀相に。お前もう歩けないねえ。犯されるの嫌でも逃げられないねえ。可哀相に、早く壊れて良いメスになれると良いねえ」
「そら。丁度良いだろ感謝しろ。予行練習だぜ」
「あ、あ、ぁ、メス、めす。ほんものの、めすぅ……!」
痛みに悲鳴を上げて悶え苦しむ私に浴びせられたのは男達の爆笑。
心を殺す、酷い言葉。
白くて生臭いどろどろとした体液。
取り囲んだ男達は粗悪なブツを取り出して、次々私に精液を浴びせかけてきたのだ。
気持ち悪い! 気持ち悪い! 気持ち悪い!!
生暖かくて、酷い臭いの、とてもとてもいやなもの。
身体中にべとべとと汚らしいモノがこびり付いている。
「大怪我したばかりで犯されるのは可哀相だからな」
「ほんんっと俺らって優しいよなあ。薄情な女どもと違って」
「失血死されたら使い込めないから、とりま回復まほ――ガアッ!」
男の心臓部から、別の男の手が生えていた。
どう見ても、人間の手ではない。人間の出来る所業じゃない。
鋭い爪が伸びている。
血に、塗れた爪が。
うち捨てるように払われる腕。
死んだ人間の男の向こう側から見えたのは。
頭部にピンと立った三角の耳。
そして苛立たしげに揺らめく、ふさふさとした尻尾。
ああ、彼は人間じゃない。
私はその事に酷くホッとした。
私だって人間なのに。
彼が人間だったらと、一瞬怯えてしまっていたのだ。
「出やがったな人狼!」
「最後の古代種だ! 殺せ!」
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