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1章 神は私に希望を与えた。

逆行②

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馬車に乗り込み、乳母との会話を楽しむ。

「なあ乳母。リード様との顔合わせは今日が初めてだったか?」

「はい、そうですよ?御手紙でのやり取りはしておりましたが…………やはり今日はやめておきますか?」

「い、いや、大丈夫だ。」

もしも乳母に「自分は生まれ変わりだ」なんて告げてみろ。
即家に引き返され、医者に診察されるであろう。
私は至って健康だ。
例え本当であっても、私は休むわけにはいかない。
私は……復讐をしなければならないから。

「グローディ様、あと十数分程で到着するかと思われます。心の準備をしておいて下さいね!」

満面の笑みで見つめられる。
嗚呼、私はリードには会いたくないのだ。
つい先程、時が戻ったばかり。

「はぁ…………」

深く溜息をつき、これからの作戦を考える。
ローズと出会うのは学校に入学してからだ。
現在は10歳。
基本的に入学するのは15歳から。
そして私が処刑されたのは20歳の頃。
あと、5年。
5年で彼を───
リードを私の手中に収めてみせる。
その為には、私は優秀でいなければ。
帝王の息子、次期皇帝であるリードを。
あいつは騙されやすい性分だ。
なら、私はそれを操る。
なあリード。
お前は私の操り人形マリオネットとなってくれるか?

「フフッ」

「あら、楽しみなんですか?」

「勿論。これからの生活を考えると、な。」

目の前にいる乳母も少し喜んでいるようだ。
乳母にはこれからも迷惑かける。
だから、これからもよろしく頼みたい。
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