祓い屋はじめました。

七海さくら/浅海咲也(同一人物)

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135.00 【姫はじめ】

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「ん……」


 瞳は、寝起きは良い方だという自負がある。
 だけれど、起き抜けに目の前に王子さま顔が微笑んでいたら、それは声も失うと思うのだ。
 しかも、いつもより密着している。なんだこれは、と思う。


「…………っ?」
「おはよう、瞳」
「お、おはよ……」
「ねぇ、瞳。何事も1月2日が事始めの日なんだって。知ってる?」
「あ、ああ。知ってる、けど……」


 嫌な予感がした。そして瞳のそれは、たいてい当たる。
 円が瞳の唇を奪うように口付けた。獰猛で貪るようなキスに、瞳はいつも翻弄される。


「ん、んふぅ、……ぁ、んく、あぁ……っ」


 覆いかぶさってくる円の腕をぎゅうと掴み、瞳は正気を保とうとする。けれど、その手にさらりと髪を撫でられ、かき混ぜられたら、ぞくりと身体が高揚し始めた。


「ね。シよ? 姫はじめ」


 疑問形でありながら、円の手は既に瞳のシャツを脱がせ、素肌に滑らされている。


「おまえ……、昨日、シてこなかったのは、んっ、こういう、ことかよ……っ」
「うーん。それもあるけど、瞳が疲れてたからね」
「ぅ、ふぅ……っ、そんな、あ、きをつかう、ガラかよ……、んぁ、ん……っ!」


 円の手は休まることなく瞳を煽り立てる。熱を持った手のひらで触れられ、撫でられ、弱い場所をまさぐられれば、瞳の息も上がってくる。さらりとしていた素肌が熱をまとい、しっとりと汗ばんでくる。


「もう黙って。可愛い声だけ聞かせて」
「ばか……、あ……、あぅんっ!」


 胸の突起をねぶられて、瞳の身体がビクリと震える。


「ん、可愛い」
「は、……ぁ、ん、んんっ、あぅ、ん……っ!」


 身体中に降らされるキスの雨。つけられるキスマークは常に新しく、瞳の身体からそれが消えることはない。
 胸の尖りは片方を舐められ唇で食まれては軽く歯を立てられる。残りを指先でコロコロと転がされながら押しつぶされ摘まれ爪で弾かれて、もう瞳も訳が分からなくなる。


「や、やぁ、……ん、あぅ、はぁ……んっ! あ、あぁ……っ!」


 上がる瞳の嬌声に、満足そうに微笑む円の吐息すらも瞳にはこの上ない快感になる。


「や、あぁんっ!」


 円の身体に縋る瞳がビクンと震える。


「ふ……、あ、あぁ……」
「ん、イった?」
「あぁ、ん……」


 瞳の様子に、ごそりと円が下着の中のモノに触れれば、ねとり、とした白濁に汚れていた。


「どんどんえっちで可愛い身体になってくね」
「やぁ……、あ」
「それが俺だけのものだなんて、ゾクゾクする」


 円は瞳の腰を抱え上げると、パジャマ代わりのスウェットと下着を一気に剥ぎ取る。ひやりとした空気に触れた瞳はふるりと震えた。


「あ……」
「大丈夫。すぐにあつくなるから」


 円はローションを手に取り、体温になじませてから瞳の後孔にぬめりを塗りつけ、ぬるぬると撫でながら指をつぷりと挿入する。


「は……ぁ、ん……っ」


 瞳がふるりと震えた。最近の瞳は浅いところでも快感を得るらしく、ゆるく腰が揺れるのが分かる。


「ホントえっち……。可愛い」


 瞳の目尻に浮かんだ涙をキスですくいとり、唇を重ねた。
 くちゅ、くちゅり、と舌を絡ませ会う水音に、ローションで蕾を解す、ぐちゅ、ぬぷり、という水音が重なる。


「ん、んぅ、ん……、ぁ、はぁ……ん、くぅ……ん、んふぅ……っ」


 淫猥なふたつの水音に瞳のあえかな喘ぎ声までもが重なり、瞳を耳から犯していく。それは円も同じで、もうその雄は猛りきっていた。
 それでも円はすぐに挿入することはせず、3本に増やした指をバラバラに動かしてみると、瞳は今までになくビクリと身体をのけぞらせた。


「あぁっ! や、それ……っ!」


 イイ所を掠めては擦るようで、予測出来ない動きが瞳を喘がせる。


「あ、あぅ……んっ! ひん……っ! あ、ひぁ……んんっ!」


 つま先まで力が入った瞳がビクビクと喘ぐさまは、円には扇情的にしか映らない。ごくり、と円の喉が鳴った。
 円は指の動きを止めると、今度は瞳の後孔を、くぱ、と拡げた。


「ひ、……あっ?」


 はあはあと呼吸を乱し、口端から伝うものさえ綺麗だと、円は思う。


挿入れるよ……」


 ぬるり、と円は指先で入り口を撫で、ぴっちりとゴムを着けた熱く猛った楔を埋め込む。


「ん、あ……、はぁ……っ」


 片足を抱えあげられ、先端を飲み込めば、そこから先を一気に突き入れられて、瞳はのけぞった。


「ああぁぁぁっ!」


 おさえられない声と共に、白濁が散る。


「あ……っ、はぁ……、は」


 達した感覚と一気に突き入れられた感覚に、目の前がチカチカする。いつもの事だけれど、これだけはまだ慣れない。


「上手にイけたね」
「あ……」


 褒めるような円の声と、頬に落とされたキスに、安堵する。
 円の雄を迎え入れて、瞳の内襞がよろこんでいるのが自分で分かるから恥ずかしくなる。


「ん……」


 それでも、恥ずかしさにふるりと震えれば新しい快感が襲ってきて、もうどうしようもなくなる。


「瞳?」


 名前を呼ばれれば、瞳の内襞が悦びにうねり、入り口がきゅうっと締まる。


「んぁ……っ」


 行為の最中は、円がくれるどんなものでも快楽に結びついてしまうことを、瞳は知っている。だからこそ際限なく求めてしまうし、求められれば応えてしまう。


「ふ……。可愛いね」
「ん……っ、おく……ほし……ぃ……」


 埋めてきたまま動かない円に焦れて、瞳がねだる。ゆらりと瞳の腰が揺れて、円が息を詰めた。


「煽るのは、おしまいにしようね?」


 言いながら、切羽詰まった表情の円がぬるりと雄を引き抜き、ズプンと奥まで突き入れる。


「あ……っ!」
「気持ちいい?」
「ん……、きもち、い……」
「もっと気持ち良くなろ?」


 言って、円は激しい抽挿を始めた。抜いては突き上げ、瞳のイイ所を擦り上げて奥を満たす。


「あ、んぁ、は、あ、あぁ……んっ、ぁは、くぅ……んっ! あぁん!」
「瞳……、瞳、好き」
「んあぁ、あ、ひぁん……っ! あ、ふぁ……っ!」
「瞳、キスしよ……」
「んっ、んく、んぅ……、ぁ……、んんっ!」


 円に突き上げられながらキスをすれば、瞳は円の身体に縋りつき、それが更に円を奥まで促して甘くイくのを何度か繰り返す。


「ん、んく……ぅ、ふぁ、あぁん、まどか……、まどかぁ……っ!」
「ん、イく? 一緒に、ね」
「あ、あ、あっ、あぁ……っ! んああぁぁぁっ!」
「……っん!」


 どぷり、と吐き出された瞳の白濁が二人の間にこぼれ、円の熱を孕んだものが同時に迸る。
 瞳のナカからずるりと抜き出されたペニスに新しいゴムを着け、円はまだ呼吸の整わない瞳の後孔にあてがう。


「あ……っ、まっ……」


 待って、という瞳の言葉は声にならなかった。


「あ……、──────っ!」


 いきなり奥までの挿入に、喘ぎ声も嬌声すらも出なかった。ただ、はくはくと口が震えて呼吸さえも忘れた。
 そんな瞳の唇をキスで奪い、円は呼吸を促す。


「…………ん、んぅ、……んく……っ」


 キスに夢中にさせられて、瞳に呼吸が戻ってくる。
 そんな瞳の、円と繋がっている場所をぬるりと撫でる指が異様にぬめっていることに、瞳は気付かなかった。
 ぬち、と暴力的な音を立てて指が挿入される。


「ひ、あぁぁっ!」


 悲鳴のような嬌声が上がる。ビクリと震える瞳の蕾は、円の楔と指を一緒に飲み込んでいた。


「あ、や……、それ……」


 前回の記憶がよみがえり、瞳は嫌だと首を振る。


「痛い?」
「……たくない、けど……」
「けど?」
「それ……、わけわかんなく、なる……」
「うん、なって。わけわかんなくなって」
「まどか……」
「俺でわけわかんなくなってる瞳が見たい」
「あ……、……ぁあん……っ!」


 瞳が円の願いを拒否できるはずがない。瞳が視線をさまよわせた時、円の指が動く。
 奥を掻き回されイイ所を擦り上げられて、瞳の頭の中は真っ白になって何も考えられない。


「ひっ、あぁ……んっ! んぁ、あ、あ、あっ! んくぅ……、あぁぁ!」
「瞳……、俺の瞳……」
「あぁん! ひぁ、あ、あぁ……っ! あ、も……っ」
「うん、イって……」
「あ、ああぁぁぁっ!」


 とぷり、とだいぶ薄くなった白濁を吐き出し、瞳が達するけれど。コリコリっと円の指がまた瞳のイイ所を擦ってくるから、瞳は思わず喘いだ。


「あぁ……っ!」


 気付けば、うしろで受け入れたままの円の雄は硬度を保ったままだった。


「あ……っ」
「うん、ごめんね。付き合って?」


 指を引き抜かれた時に、瞳はまたイイ所を擦られて声を上げた。


「んぁ……っ」
「そういう可愛い反応、すごく燃えるね」
「あ……」
「動くよ」
「ん……」


 こくりと頷き、瞳は円の肩に縋る。そんな瞳が可愛くて、円は理性を失いそうだった。
 ゆっくりと引き抜いて、ズプンと奥まで突き上げる。抜き挿しを繰り返し、少しずつ瞳を追い上げてゆく。


「ん……、あっ! ふ……、んく、んぅ……んっ! あ、ふぁ、ひ、あぁ……っ! あん!」
「瞳、気持ちいい?」
「あ、ん……、まどか、も、きもちい……?」
「…………っ!」


 涙目でそんなことを問われ、円の理性が飛んだ。


「ひあ! あぁんっ! んくぅ、ぁん! ぅあ、あぁっ!」
「ごめん、イく……っ」
「あぁっ! ひ、ああぁぁぁっ!」
「…………っく!」


 切羽詰まった声で耳元に囁かれ、瞳も達した。その収縮に引きずられて、円も欲望の証を吐き出した。
 ずる、と引き出しゴムを外せば、まだ吐き出しきれない精が残っていたようでとぷりと先端からこぼれた。
 円が髪をかき上げながら瞳を見れば、自分の精にまみれた身体は今の今まで男を受け入れていたあられもない格好で、涙に濡れた顔で荒い呼吸を繰り返し、うっすらと目を開けて円を見返す。


「まんぞく、したかよ……」


 いつも円がセーブしながら瞳を抱いていることなどお見通しな顔で瞳が言った。


「まだ、余裕そうだね……?」


 円はそう言いながら、瞳の唇を塞いだ。


「あ……、んっ、んぅ……、ん……、ふ……ぅん、ん……ぁ……っ」
「瞳はキス好きだもんね……」
「……おまえ……、あぅ、ん……っ!」


 キスの合間に囁かれ、抗議しようとしたらまたキスで口を塞がれる。
 弱い口の中を散々に舐られ味わい尽くされ、瞳は、キスだけでまたイかされたのだった。
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