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番になるためには

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シャワー中、ランドルフは自分の興奮を少しでも落ち着かせるため番のことを一からナディルに説明した。
ナディルの耳には半分も届かなかったが大事なところは覚えている。


お互いの頸を性交中にガブ、と噛む。
要約すればこうだ。
愛し合いながら、ガブリと噛んじゃえばいいのだ。




準備を終えベッドに寝かされたナディルはすでに羞恥心でヘロヘロになっていた。
あんなところを洗われるなんて考えていなかった。
・・・でもそれもそうか。
女の人みたいに挿れる穴なんて無いのだからと、半分悟りを開いた気分だった。


そんなことをぼーっと考えているとランドルフがナディルに覆いかぶさってきた。
お互いにバスローブを着ていたがすぐに剥ぎ取られ、あっという間に丸裸になる。
ナディルの目の前には筋肉質で逞しいランドルフの体。
一方ナディルは色白で体毛が薄いコンプレックスだらけの体をこんな至近距離でランドルフに見られたことにカァァ、と顔が赤くなる。






「っ、そんなに見ないで・・・!お、俺、この体、はず、恥ずかしくてっ、」

「なぜだ?こんなに美しいのに。」

「?!う、うつ、?!」

「もっと見せろ。」

「っ、ん、」





ランドルフは体中にキスを落としながらナディルの薄赤色の乳首をピン、と指で弾いた。
「ひゃあっ」と甲高い声を上げてナディルの背中が弧を描く。

ナディルの感度も良さを感じとり興奮がますます高まるランドルフはザラザラした舌で体の至る所を舐めとった。
その度ナディルの華奢な体がはねて、ランドルフは勢いに任せて噛みついてしまわないよう自分を抑えるのに必死。



しばらくすると舐める先が一点に集中する。
これから自分のモノを挿れる場所だ。
ナディルは恥ずかしさのあまり、そこを手で覆い抵抗を見せた。
が、軽々と押さえつけられそれもできなくなった。





「うう・・・っ、あ、んまり舐めない、でぇ、ひゃあっ」

「・・・今日は全部挿れ・・・入らないだろうが、それでも十分慣らしておかないとナディルが辛くなる。」

「?!そ、そうかもしれないけどっ・・・恥ずかしくて、ひゃっ、」






先程のシャワーでも見えたし、今もナディルの視界の端で見え隠れするランドルフのモノは「巨大」、その一言に尽きる。


猫科の獣人の特徴らしいが小さく柔らかい棘がついているらしい。
ナディルは直視できていないので見てはいないが、「と、棘って何?!」と内心ビクビクだ。


ランドルフの指と香油を使ったこの"慣らし行為"は、この後小一時間続いた。







「~~っ、ランドルフ、も、もう入る!入るからぁっ、ああっ、」

「ん、そうだな・・・だいぶ広がった。どうなることかと心配したがもう指が三本も入ったぞ、ほら。見えるか?」

「んやっ、~~~っ!」




ずるり、とナディルから指を引き抜くと香油で妖艶に光る太い指を見せつけた。
ナディルは自分の喘ぎ声に未だ慣れない上、壮絶な色気を漂わせるランドルフをまともに見ていられない。
「うう~」と唸り声をあげ顔を手で覆い、広げていた足をぎゅっと固く閉じた。



だがその閉じた足はすぐにまた左右に割り開かれることになり、ナディルの体には熱くて硬い何かが当てられていることに気付く。

そろりと遠慮がちにランドルフの方を見ると、巨大なモノが自分にあてがわれる光景が見えた。

体験したことのない、生々しい様。
湿った夜の空気に体がざわざわした。




「・・・ナディル・・・いいか?」

「・・・うん、いいよ。俺、簡単に壊れたりしないから、そんな心配そうな顔しないで?」

「・・・ありがとう、ナディル。」

「・・・ん。へへ・・・ひゃっ、あ、ああ、」

「っ、ナディル・・・っ、力を抜いて、くれっ・・・」








ゆっくりとナディルの体にランドルフが入っていく。
あまりの圧迫感にナディルは呼吸が上手くできない。
ランドルフは呼吸を整えながら、ナディルの頭を撫でた。
頬や口にキスを落とし、鼻先を甘噛みする。
ナディルはランドルフの柔らかな気遣いに、ふふっと、笑いをこぼす。

体の力が抜けた隙を狙って、ぐっとナディルにランドルフは押し入る。
棘の感触なのかナディルのナカは継続的に強い刺激が駆け巡る。
微かに漏れる声と共に、涎が垂れて口がはくはくと動く。


ナディルのナカにランドルフのモノが半分ほど入った。
少しずつ、抽送が始まった。




「あっ、ああ、ゔあっ、ああっ、」

「ナディル、もう、離さんからなっ、」

「あ゛あっ、ラン、ドルフ、噛ん、噛んでほしいっ、」

「~~~っ、クソッ」




ナディルの叫ぶような言葉にランドルフは興奮を隠しきれない。
ナディルの体を器用に反転させ、うつ伏せにさせた。
ナディルはいきなり変わった体位に「あぐっ」と呻き声あげる。


ランドルフの目の前にはナディルの白く細い頸が見えた。
抽送はやめない。
ナディルはずっと喘いだまま。

白く透き通るような背中には玉のような汗が浮かび、ランドルフの抽送に合わせてその小さな体が反応する。
ランドルフはそのナディルの情欲的な様に喉が鳴る。
まさしく、獣のような気分だった。





「ナディル、噛むぞ。いいか?」

「ひゃっ、はやく、噛んでぇっ、ランドルフの、番に、してぇ、あん、」

「・・・煽ったのはナディルだからな。」






ランドルフは興奮のあまり、力加減がうまくできない。
ガブリ、と効果音が付く程強くナディルの頸に噛み付いた。
ナディルの体には痛みと共に、強い快感が駆け抜ける。
ナディルの小さな鈴口からは白濁液がダラダラと漏れた。


白濁液に気付いたランドルフは頸を噛んだばかりの口を楽しそうに緩ませた。





「イってるじゃ、ないかっ、良い子だ。ほら、俺の頸も噛んでくれっ、」




ナディルの鈴口をぐりぐりと弄りながら、対面座位になって自分の頸を差し出す。
ナディルは強い快感にうまく頭が回らない。
ぐりぐりと弄られ続けている鈴口からは、まだ白濁液が溢れている。



目の前に差し出されたランドルフの太い頸を見ると、何故か強い使命感のようなものを感じた。


『このヒトは、俺のもの。』


口の中には唾液が溜まっていく。
ナディルは残りの力を何とか振り絞って噛み付くと、そのまま意識を失った。
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