【完結】落とし物は、虹色の。

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「いや!安心してんじゃねーよ、俺!」

「急にどうした。ほら、口開けろ。食え。」

起きて早々、さっきの自分の行動にツッコミを入れた。
そんなことはお構いなしに、俺の口に小さな赤い果物をぽいっと放り込む男。
勿論俺を膝に乗せて、一向に降ろす気がないシハーヴだ。
決して安心する相手じゃないぞ。
俺の初体験を根こそぎ掻っ攫っていったのは正真正銘こいつなんだ!

「うう・・・俺こんなに危機感がない男だったっけ・・・・・・もう外暗いじゃんかよ・・・」

「よく寝てたな。おかげでアヤトの体の至る所を気兼ねなく触れられた。ご馳走様。」

「・・・はぁぁあ???なっ、えっ、はぁあ?!」

満足げなシハーヴの顔。
ち、近い~・・・近いんだよぉ・・・っ!
顔が、耳が、体がカッカッと火照っていく。
どうせ俺は童貞(非処女)だよ!慣れてねーんだよ!


「・・・・・・冗談だったが、冗談にするのも惜しくなる反応だな。今から触らせてくれ。」

「え゛っ!?え、遠慮しまっ、ひゃうっ!どこ触っ、んんっ、」


さわさわと、撫でられるだけで反応してしまう。
だって昨日・・・いや、数時間前まで、俺あんあん喘いでたしぃぃい~~!
あんな強い刺激、すぐ思い出すに決まってんだろ!俺だって健全な男なんだから!

「アヤトは本当感度がいい。今日はゆっくり・・・しよう。」

「ゆ、ゆっくりって、な、なにっ?!い゛いっ!???ち、ち、ちくびをつねんなぁ~っ!」

「薄桃色で美味そう・・・いただきます。」

「ひゃっ!?」

ぱくり、と俺の乳首を遠慮なく頬張るシハーヴに俺はぎょっとしたが、シハーヴはそんな俺を見てニヤニヤと意地悪な笑みをこぼし、ゆっくりと乳首に舌を這わせ出す。

チロチロと舌が動き、その動きに合わせて俺の体が面白いほど跳ねた。


「やぁっ、やめっ、ろ!びり、びりする、やあっ」


舌で転がされたり、軽く噛まれたりしながら、しばらくいじめ抜かれた俺の乳首。
シハーヴが口を離す頃には、ピンッと立ち上がって存在を主張するようになっていた。
充血したように赤みを増し、先ほど食べていた桜桃みたいな果物に似てる。


「お、俺の体を、おかしくすんなよぉ・・・」

「この程度で何言ってる。もっと磨き上げてやるから期待しとけよ?」

「い、い、いらなぃぃい~~~っ!!!」

「~~~♪さて、全部服を脱ごうな~♪ア・ヤ・ト・様♪」

「こんな時だけ、様をつけんなぁ!!ひゃうぅっ!ち、くび!やめろ!」


この後ルンルンのシハーヴにされるがまま服を脱がされ、今宵も存分にあんあん、喘がされた俺は、翌日の早朝まだすやすや眠るシハーヴの横で莫大な魔力を駆使して腕輪を破壊、そして半裸のまま窓から飛び立って逃走。



見事あの森の家へ帰り着いて、湖で水浴びをしてからまた泥のように眠りについた。



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