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どすんっ、と、とんでもなく奥を下から突き上げられた拍子に、俺は無意識に翼を出してしまったらしい。
突然突き上げが止み、動かなくなったシハーヴを不思議に思いながらも、イッた余韻で体が思うように動かせない。
口の端からは唾液がたらり、と垂れたまま、俺の下で寝転んで両腕を掴んで離さないシハーヴの方に目を向けた。
その燃えるような赤い瞳が虹色の何かを映し出していることに気づいて、ようやく俺は自分の背中に意識が向く。
「・・・あ・・・、ご、めん、翼でちゃった・・・」
「・・・・・・・・・な。」
「んえ・・・?」
「本当に・・・・・・綺麗だな、翼。」
ふわりと、触れるか触れないか程度の力で俺の翼に手を伸ばすシハーヴ。
目が輝いているのは、俺の翼が映ってるからという理由だけではないだろう。
あの鳥が「南の人は信仰心の強いのだ」と言っていたことを思い出す。
神に愛された(気に食わんが)人間である俺を抱いて、急に感慨深くなったのだろうか・・・?
「・・・・・・ありが、と・・・?」
「ふ、ふふ、何だその反応。まあ・・・そんな翼無くてもアヤトは綺麗だし、可愛いけどな?」
「・・・・・・は、はぁ??」
「おっ。ちょっと意識が戻ったか?じゃ、遠慮なく再開といこうか。俺はアヤトの蕩けた顔も良いが、反応も愛でたいんだわ。」
「ちょっ、何勝手なこ、と、ああっ、と、止まっ、んあっ、あああっ、」
さっきの言葉、訂正する。
感慨深くなった男がこんな容赦無く突き上げて、愛し子を鳴かせたりしない(多分)。
それにしてもシハーヴ・・・・・・体力有り余ってんな??!
絶倫、ってやつなの?!さっきから一体何回俺の中に出し・・・・・・・・・ん゛んっ!やっぱ何でもない!
俺の口からもう声らしい声は出なくなって、精液も出なくなって、外がどっぷり暗くなった頃。
ようやく最後の中出・・・・・・ん゛んっ。最後の行為が終わると「あとは俺に任せて寝とけ」というシハーヴの言葉が微睡の中降ってきた。
そして俺がその言葉を待たずともほぼ気絶するように眠りに着いたのは言うまでもないだろう。
「まだ少し甘みが足りない神力だな。」
「・・・・・・念願の再会だなぁ、おい。」
ここは多分夢の中。
羽も出てないのに体がふわふわと浮かんでいて、目の前にはあの虹色の鳥がいた。
「好き勝手言いやがって・・・!テメェの神力とかいう飯!何だあのエロ仕様は!!」
「何を言っておる。人間達の交尾から得られる神力はどの世界の神にも献上されておるわ。」
「・・・・・・・・・(引)」
「何だその顔は。それよりお主、彼奴を逃すなよ。情熱的で真っ直ぐ、それに丈夫な逸物。お前のことをかなり好いておるようだが、アヤトもさっさと」
「ちょちょちょちょ!!彼奴って誰!逸物とか神様が言うな!!馬鹿か!」
「先程までアヤトとまぐわっていた奴のことだが、まさか忘れたのか?お主は阿呆なのか?」
「・・・・・・羽全部毟ってやるよ。こっち来いや!!」
「ふん。所詮は夢の中。お主の手は届かぬ。」
「~~~っ!!」
鳥が言うように俺がいくら手を伸ばそうと、走り出そうと、鳥の方へは何故か行けなかった。
アッハッハ、と笑い出す鳥にはマジで殺意を覚えたが、もしかしてさっきまでのシハーヴとの情事をまさかこいつに見られていたのでは?という考えたくもない疑問が浮かび、体が勝手にわなわなと羞恥心で震えだす。
「お前さ!人の・・・せ、セックス覗き見するなよ!」
「?見ておらんぞ。お前の神力から読み取っただけだ。・・・何だ、見て欲しいのか?そう言うことなら次は、」
「見て欲しいわけあるか!!絶対見んな!クソ鳥が!!」
「おー、おー、顔を赤うして。可愛いものよの。せいぜい愛されると良い。相手を変えるのも構わんぞ。味が変わっ」
「変えるか!!!!!お前もう喋んな!!!」
「くっくっくっく・・・変えぬのか。ではな、アヤト。早く目を覚ましてやれ。彼奴が今か今かと待っておるようだぞ。」
突然歳上の余裕、みたいなのを醸し出してきた鳥。
くっそ・・・っ!夢じゃなけりゃ八つ裂きにしてやったのに・・・!!消えかかってるってことは、俺そろそろ目を覚ますってことだな。
すると鳥は何か思い出したかのように「あ」と大きな声を上げ、大きく翼を広げた。
「そうそう、言い忘れておった。愛し子は精を受け続ければ神力で子を産める。何人産んでも構わんが、しっかりと面倒を」
「ちょちょちょちょちょ!!消えかけ始めて、新しい・・・し、しかも、どデカい爆弾ぶっ込むのやめろ!!こ、こ、ここ、子ど、こ、」
「いつの世も子は宝。我の世界を繁栄させるためにも頑張ってくれ。さらばだ。」
「あ゛っ!て、テメェ!逃げんな!このっ・・・・・・クソ鳥がぁぁあ~~~~!」
バサリと大きく翼を動かし、天高く飛んでいく鳥と、ふわふわ浮かんでいた体があの時みたいに急降下していく俺。
神なんてものはいつ、どの世界でも、こんなに自由で身勝手なのだろうか。
「絶対次こそ羽全部毟ってやる・・・・・・っ!」
落ちていきながら、呟いた言葉が聞こえたのか。天高くから、ホッホッホ、と高貴な笑い声が聞こえてきて、俺は目を閉じた。
突然突き上げが止み、動かなくなったシハーヴを不思議に思いながらも、イッた余韻で体が思うように動かせない。
口の端からは唾液がたらり、と垂れたまま、俺の下で寝転んで両腕を掴んで離さないシハーヴの方に目を向けた。
その燃えるような赤い瞳が虹色の何かを映し出していることに気づいて、ようやく俺は自分の背中に意識が向く。
「・・・あ・・・、ご、めん、翼でちゃった・・・」
「・・・・・・・・・な。」
「んえ・・・?」
「本当に・・・・・・綺麗だな、翼。」
ふわりと、触れるか触れないか程度の力で俺の翼に手を伸ばすシハーヴ。
目が輝いているのは、俺の翼が映ってるからという理由だけではないだろう。
あの鳥が「南の人は信仰心の強いのだ」と言っていたことを思い出す。
神に愛された(気に食わんが)人間である俺を抱いて、急に感慨深くなったのだろうか・・・?
「・・・・・・ありが、と・・・?」
「ふ、ふふ、何だその反応。まあ・・・そんな翼無くてもアヤトは綺麗だし、可愛いけどな?」
「・・・・・・は、はぁ??」
「おっ。ちょっと意識が戻ったか?じゃ、遠慮なく再開といこうか。俺はアヤトの蕩けた顔も良いが、反応も愛でたいんだわ。」
「ちょっ、何勝手なこ、と、ああっ、と、止まっ、んあっ、あああっ、」
さっきの言葉、訂正する。
感慨深くなった男がこんな容赦無く突き上げて、愛し子を鳴かせたりしない(多分)。
それにしてもシハーヴ・・・・・・体力有り余ってんな??!
絶倫、ってやつなの?!さっきから一体何回俺の中に出し・・・・・・・・・ん゛んっ!やっぱ何でもない!
俺の口からもう声らしい声は出なくなって、精液も出なくなって、外がどっぷり暗くなった頃。
ようやく最後の中出・・・・・・ん゛んっ。最後の行為が終わると「あとは俺に任せて寝とけ」というシハーヴの言葉が微睡の中降ってきた。
そして俺がその言葉を待たずともほぼ気絶するように眠りに着いたのは言うまでもないだろう。
「まだ少し甘みが足りない神力だな。」
「・・・・・・念願の再会だなぁ、おい。」
ここは多分夢の中。
羽も出てないのに体がふわふわと浮かんでいて、目の前にはあの虹色の鳥がいた。
「好き勝手言いやがって・・・!テメェの神力とかいう飯!何だあのエロ仕様は!!」
「何を言っておる。人間達の交尾から得られる神力はどの世界の神にも献上されておるわ。」
「・・・・・・・・・(引)」
「何だその顔は。それよりお主、彼奴を逃すなよ。情熱的で真っ直ぐ、それに丈夫な逸物。お前のことをかなり好いておるようだが、アヤトもさっさと」
「ちょちょちょちょ!!彼奴って誰!逸物とか神様が言うな!!馬鹿か!」
「先程までアヤトとまぐわっていた奴のことだが、まさか忘れたのか?お主は阿呆なのか?」
「・・・・・・羽全部毟ってやるよ。こっち来いや!!」
「ふん。所詮は夢の中。お主の手は届かぬ。」
「~~~っ!!」
鳥が言うように俺がいくら手を伸ばそうと、走り出そうと、鳥の方へは何故か行けなかった。
アッハッハ、と笑い出す鳥にはマジで殺意を覚えたが、もしかしてさっきまでのシハーヴとの情事をまさかこいつに見られていたのでは?という考えたくもない疑問が浮かび、体が勝手にわなわなと羞恥心で震えだす。
「お前さ!人の・・・せ、セックス覗き見するなよ!」
「?見ておらんぞ。お前の神力から読み取っただけだ。・・・何だ、見て欲しいのか?そう言うことなら次は、」
「見て欲しいわけあるか!!絶対見んな!クソ鳥が!!」
「おー、おー、顔を赤うして。可愛いものよの。せいぜい愛されると良い。相手を変えるのも構わんぞ。味が変わっ」
「変えるか!!!!!お前もう喋んな!!!」
「くっくっくっく・・・変えぬのか。ではな、アヤト。早く目を覚ましてやれ。彼奴が今か今かと待っておるようだぞ。」
突然歳上の余裕、みたいなのを醸し出してきた鳥。
くっそ・・・っ!夢じゃなけりゃ八つ裂きにしてやったのに・・・!!消えかかってるってことは、俺そろそろ目を覚ますってことだな。
すると鳥は何か思い出したかのように「あ」と大きな声を上げ、大きく翼を広げた。
「そうそう、言い忘れておった。愛し子は精を受け続ければ神力で子を産める。何人産んでも構わんが、しっかりと面倒を」
「ちょちょちょちょちょ!!消えかけ始めて、新しい・・・し、しかも、どデカい爆弾ぶっ込むのやめろ!!こ、こ、ここ、子ど、こ、」
「いつの世も子は宝。我の世界を繁栄させるためにも頑張ってくれ。さらばだ。」
「あ゛っ!て、テメェ!逃げんな!このっ・・・・・・クソ鳥がぁぁあ~~~~!」
バサリと大きく翼を動かし、天高く飛んでいく鳥と、ふわふわ浮かんでいた体があの時みたいに急降下していく俺。
神なんてものはいつ、どの世界でも、こんなに自由で身勝手なのだろうか。
「絶対次こそ羽全部毟ってやる・・・・・・っ!」
落ちていきながら、呟いた言葉が聞こえたのか。天高くから、ホッホッホ、と高貴な笑い声が聞こえてきて、俺は目を閉じた。
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