8 / 15
8
しおりを挟む
どすんっ、と、とんでもなく奥を下から突き上げられた拍子に、俺は無意識に翼を出してしまったらしい。
突然突き上げが止み、動かなくなったシハーヴを不思議に思いながらも、イッた余韻で体が思うように動かせない。
口の端からは唾液がたらり、と垂れたまま、俺の下で寝転んで両腕を掴んで離さないシハーヴの方に目を向けた。
その燃えるような赤い瞳が虹色の何かを映し出していることに気づいて、ようやく俺は自分の背中に意識が向く。
「・・・あ・・・、ご、めん、翼でちゃった・・・」
「・・・・・・・・・な。」
「んえ・・・?」
「本当に・・・・・・綺麗だな、翼。」
ふわりと、触れるか触れないか程度の力で俺の翼に手を伸ばすシハーヴ。
目が輝いているのは、俺の翼が映ってるからという理由だけではないだろう。
あの鳥が「南の人は信仰心の強いのだ」と言っていたことを思い出す。
神に愛された(気に食わんが)人間である俺を抱いて、急に感慨深くなったのだろうか・・・?
「・・・・・・ありが、と・・・?」
「ふ、ふふ、何だその反応。まあ・・・そんな翼無くてもアヤトは綺麗だし、可愛いけどな?」
「・・・・・・は、はぁ??」
「おっ。ちょっと意識が戻ったか?じゃ、遠慮なく再開といこうか。俺はアヤトの蕩けた顔も良いが、反応も愛でたいんだわ。」
「ちょっ、何勝手なこ、と、ああっ、と、止まっ、んあっ、あああっ、」
さっきの言葉、訂正する。
感慨深くなった男がこんな容赦無く突き上げて、愛し子を鳴かせたりしない(多分)。
それにしてもシハーヴ・・・・・・体力有り余ってんな??!
絶倫、ってやつなの?!さっきから一体何回俺の中に出し・・・・・・・・・ん゛んっ!やっぱ何でもない!
俺の口からもう声らしい声は出なくなって、精液も出なくなって、外がどっぷり暗くなった頃。
ようやく最後の中出・・・・・・ん゛んっ。最後の行為が終わると「あとは俺に任せて寝とけ」というシハーヴの言葉が微睡の中降ってきた。
そして俺がその言葉を待たずともほぼ気絶するように眠りに着いたのは言うまでもないだろう。
「まだ少し甘みが足りない神力だな。」
「・・・・・・念願の再会だなぁ、おい。」
ここは多分夢の中。
羽も出てないのに体がふわふわと浮かんでいて、目の前にはあの虹色の鳥がいた。
「好き勝手言いやがって・・・!テメェの神力とかいう飯!何だあのエロ仕様は!!」
「何を言っておる。人間達の交尾から得られる神力はどの世界の神にも献上されておるわ。」
「・・・・・・・・・(引)」
「何だその顔は。それよりお主、彼奴を逃すなよ。情熱的で真っ直ぐ、それに丈夫な逸物。お前のことをかなり好いておるようだが、アヤトもさっさと」
「ちょちょちょちょ!!彼奴って誰!逸物とか神様が言うな!!馬鹿か!」
「先程までアヤトとまぐわっていた奴のことだが、まさか忘れたのか?お主は阿呆なのか?」
「・・・・・・羽全部毟ってやるよ。こっち来いや!!」
「ふん。所詮は夢の中。お主の手は届かぬ。」
「~~~っ!!」
鳥が言うように俺がいくら手を伸ばそうと、走り出そうと、鳥の方へは何故か行けなかった。
アッハッハ、と笑い出す鳥にはマジで殺意を覚えたが、もしかしてさっきまでのシハーヴとの情事をまさかこいつに見られていたのでは?という考えたくもない疑問が浮かび、体が勝手にわなわなと羞恥心で震えだす。
「お前さ!人の・・・せ、セックス覗き見するなよ!」
「?見ておらんぞ。お前の神力から読み取っただけだ。・・・何だ、見て欲しいのか?そう言うことなら次は、」
「見て欲しいわけあるか!!絶対見んな!クソ鳥が!!」
「おー、おー、顔を赤うして。可愛いものよの。せいぜい愛されると良い。相手を変えるのも構わんぞ。味が変わっ」
「変えるか!!!!!お前もう喋んな!!!」
「くっくっくっく・・・変えぬのか。ではな、アヤト。早く目を覚ましてやれ。彼奴が今か今かと待っておるようだぞ。」
突然歳上の余裕、みたいなのを醸し出してきた鳥。
くっそ・・・っ!夢じゃなけりゃ八つ裂きにしてやったのに・・・!!消えかかってるってことは、俺そろそろ目を覚ますってことだな。
すると鳥は何か思い出したかのように「あ」と大きな声を上げ、大きく翼を広げた。
「そうそう、言い忘れておった。愛し子は精を受け続ければ神力で子を産める。何人産んでも構わんが、しっかりと面倒を」
「ちょちょちょちょちょ!!消えかけ始めて、新しい・・・し、しかも、どデカい爆弾ぶっ込むのやめろ!!こ、こ、ここ、子ど、こ、」
「いつの世も子は宝。我の世界を繁栄させるためにも頑張ってくれ。さらばだ。」
「あ゛っ!て、テメェ!逃げんな!このっ・・・・・・クソ鳥がぁぁあ~~~~!」
バサリと大きく翼を動かし、天高く飛んでいく鳥と、ふわふわ浮かんでいた体があの時みたいに急降下していく俺。
神なんてものはいつ、どの世界でも、こんなに自由で身勝手なのだろうか。
「絶対次こそ羽全部毟ってやる・・・・・・っ!」
落ちていきながら、呟いた言葉が聞こえたのか。天高くから、ホッホッホ、と高貴な笑い声が聞こえてきて、俺は目を閉じた。
突然突き上げが止み、動かなくなったシハーヴを不思議に思いながらも、イッた余韻で体が思うように動かせない。
口の端からは唾液がたらり、と垂れたまま、俺の下で寝転んで両腕を掴んで離さないシハーヴの方に目を向けた。
その燃えるような赤い瞳が虹色の何かを映し出していることに気づいて、ようやく俺は自分の背中に意識が向く。
「・・・あ・・・、ご、めん、翼でちゃった・・・」
「・・・・・・・・・な。」
「んえ・・・?」
「本当に・・・・・・綺麗だな、翼。」
ふわりと、触れるか触れないか程度の力で俺の翼に手を伸ばすシハーヴ。
目が輝いているのは、俺の翼が映ってるからという理由だけではないだろう。
あの鳥が「南の人は信仰心の強いのだ」と言っていたことを思い出す。
神に愛された(気に食わんが)人間である俺を抱いて、急に感慨深くなったのだろうか・・・?
「・・・・・・ありが、と・・・?」
「ふ、ふふ、何だその反応。まあ・・・そんな翼無くてもアヤトは綺麗だし、可愛いけどな?」
「・・・・・・は、はぁ??」
「おっ。ちょっと意識が戻ったか?じゃ、遠慮なく再開といこうか。俺はアヤトの蕩けた顔も良いが、反応も愛でたいんだわ。」
「ちょっ、何勝手なこ、と、ああっ、と、止まっ、んあっ、あああっ、」
さっきの言葉、訂正する。
感慨深くなった男がこんな容赦無く突き上げて、愛し子を鳴かせたりしない(多分)。
それにしてもシハーヴ・・・・・・体力有り余ってんな??!
絶倫、ってやつなの?!さっきから一体何回俺の中に出し・・・・・・・・・ん゛んっ!やっぱ何でもない!
俺の口からもう声らしい声は出なくなって、精液も出なくなって、外がどっぷり暗くなった頃。
ようやく最後の中出・・・・・・ん゛んっ。最後の行為が終わると「あとは俺に任せて寝とけ」というシハーヴの言葉が微睡の中降ってきた。
そして俺がその言葉を待たずともほぼ気絶するように眠りに着いたのは言うまでもないだろう。
「まだ少し甘みが足りない神力だな。」
「・・・・・・念願の再会だなぁ、おい。」
ここは多分夢の中。
羽も出てないのに体がふわふわと浮かんでいて、目の前にはあの虹色の鳥がいた。
「好き勝手言いやがって・・・!テメェの神力とかいう飯!何だあのエロ仕様は!!」
「何を言っておる。人間達の交尾から得られる神力はどの世界の神にも献上されておるわ。」
「・・・・・・・・・(引)」
「何だその顔は。それよりお主、彼奴を逃すなよ。情熱的で真っ直ぐ、それに丈夫な逸物。お前のことをかなり好いておるようだが、アヤトもさっさと」
「ちょちょちょちょ!!彼奴って誰!逸物とか神様が言うな!!馬鹿か!」
「先程までアヤトとまぐわっていた奴のことだが、まさか忘れたのか?お主は阿呆なのか?」
「・・・・・・羽全部毟ってやるよ。こっち来いや!!」
「ふん。所詮は夢の中。お主の手は届かぬ。」
「~~~っ!!」
鳥が言うように俺がいくら手を伸ばそうと、走り出そうと、鳥の方へは何故か行けなかった。
アッハッハ、と笑い出す鳥にはマジで殺意を覚えたが、もしかしてさっきまでのシハーヴとの情事をまさかこいつに見られていたのでは?という考えたくもない疑問が浮かび、体が勝手にわなわなと羞恥心で震えだす。
「お前さ!人の・・・せ、セックス覗き見するなよ!」
「?見ておらんぞ。お前の神力から読み取っただけだ。・・・何だ、見て欲しいのか?そう言うことなら次は、」
「見て欲しいわけあるか!!絶対見んな!クソ鳥が!!」
「おー、おー、顔を赤うして。可愛いものよの。せいぜい愛されると良い。相手を変えるのも構わんぞ。味が変わっ」
「変えるか!!!!!お前もう喋んな!!!」
「くっくっくっく・・・変えぬのか。ではな、アヤト。早く目を覚ましてやれ。彼奴が今か今かと待っておるようだぞ。」
突然歳上の余裕、みたいなのを醸し出してきた鳥。
くっそ・・・っ!夢じゃなけりゃ八つ裂きにしてやったのに・・・!!消えかかってるってことは、俺そろそろ目を覚ますってことだな。
すると鳥は何か思い出したかのように「あ」と大きな声を上げ、大きく翼を広げた。
「そうそう、言い忘れておった。愛し子は精を受け続ければ神力で子を産める。何人産んでも構わんが、しっかりと面倒を」
「ちょちょちょちょちょ!!消えかけ始めて、新しい・・・し、しかも、どデカい爆弾ぶっ込むのやめろ!!こ、こ、ここ、子ど、こ、」
「いつの世も子は宝。我の世界を繁栄させるためにも頑張ってくれ。さらばだ。」
「あ゛っ!て、テメェ!逃げんな!このっ・・・・・・クソ鳥がぁぁあ~~~~!」
バサリと大きく翼を動かし、天高く飛んでいく鳥と、ふわふわ浮かんでいた体があの時みたいに急降下していく俺。
神なんてものはいつ、どの世界でも、こんなに自由で身勝手なのだろうか。
「絶対次こそ羽全部毟ってやる・・・・・・っ!」
落ちていきながら、呟いた言葉が聞こえたのか。天高くから、ホッホッホ、と高貴な笑い声が聞こえてきて、俺は目を閉じた。
91
お気に入りに追加
532
あなたにおすすめの小説
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)

異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。

恐怖症な王子は異世界から来た時雨に癒やされる
琴葉悠
BL
十六夜時雨は諸事情から橋の上から転落し、川に落ちた。
落ちた川から上がると見知らぬ場所にいて、そこで異世界に来た事を知らされる。
異世界人は良き知らせをもたらす事から王族が庇護する役割を担っており、時雨は庇護されることに。
そこで、検査すると、時雨はDomというダイナミクスの性の一つを持っていて──

王子様のご帰還です
小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。
平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。
そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。
何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!?
異世界転移 王子×王子・・・?
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
秘めやかな愛に守られて【目覚めたらそこは獣人国の男色用遊郭でした】
カミヤルイ
BL
目覚めたら、そこは獣人が住む異世界の遊郭だった──
十五歳のときに獣人世界に転移した毬也は、男色向け遊郭で下働きとして生活している。
下働き仲間で猫獣人の月華は転移した毬也を最初に見つけ、救ってくれた恩人で、獣人国では「ケダモノ」と呼ばれてつまはじき者である毬也のそばを離れず、いつも守ってくれる。
猫族だからかスキンシップは他人が呆れるほど密で独占欲も感じるが、家族の愛に飢えていた毬也は嬉しく、このまま変わらず一緒にいたいと思っていた。
だが年月が過ぎ、月華にも毬也にも男娼になる日がやってきて、二人の関係性に変化が生じ────
独占欲が強いこっそり見守り獣人×純情な異世界転移少年の初恋を貫く物語。
表紙は「事故番の夫は僕を愛さない」に続いて、天宮叶さんです。
@amamiyakyo0217

みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで
キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────……
気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。
獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。
故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。
しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる