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番外編
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「今日はうんっと、うーーんと、ピカピカにしましょうね!もう完璧に磨きあげますから!!シン様!」
「ネ、ネネさんっ!お、落ち着いてください・・・何か、恥ずかしく、なっちゃい、ます・・・」
ネネさんの「んまぁ~!お可愛らしい!」と言う声が聞こえた後すぐ、僕はネネさんに背中を押され、そのまま浴室へと向かうことになった。
ロシュさんがめちゃくちゃ・・・本当にめちゃくちゃ不機嫌そうに旅立って行ったのが、五日前。
何でも、大掛かりな魔物討伐の命令が出たんだとか。
「ヘルトの嫌がらせだろ。クソッ・・・時期を考えろっつーんだ・・・!今度角折ってやる・・・っ」
僕をぎゅっと抱きしめながら、物凄く物騒なことを言っていたから、僕は必死に宥めたんだけど・・・
正直言うと、僕も寂しいし、かなりドキドキしてしまう。
「いよいよ、この日が参りましたわ!今日はシン様のお誕生日!!ついに、ロシュ坊ちゃんと番に!!」
「ネネさん!!そんなに大声出したら倒れちゃいますよ!!」
『騒がしいぞ、ネネ。・・・俺は全く嬉しくない。』
「ソルフ~・・・怒らないでよぉ・・・」
『・・・怒って・・・ない。シンの誕生日は祝いたいが・・・、あの虎の番になるのは心底面白くない。』
ふんっ、と鼻を鳴らし、腕を組むヒト型のソルフ。
僕は、ソルフにそっと近付いて、頭を優しく撫でた。
「ソルフ、僕、番になるの少し怖いんだ。」
『なら、やめればいい。あいつが来ない場所なら、どこへでも連れて行ってやる。』
「えっとね、怖いのは・・・ロシュさんのこと、これ以上好きになるのが怖いってことで・・・でも、もっともっと、ロシュさんのこと好きになりたいって、気持ちもあってね・・・」
『・・・・・・・・・』
「ソルフには、僕のこと、見守ってて欲しいし、味方でいて欲しいんだ。もし、番になってから・・・怖い気持ちが大きくなった時には助けてくれる?」
『・・・・・・惚気と、言うんだろう?そういうのは。』
「んなっ、の、のろけ・・・かも、えっ!?」
ボッと、顔に火がつく。
ほっぺたを両手で押さえると、熱かった。
ソルフはじとっと、した目で僕を見つめ続けたあと、はあ、とため息をついた。
『俺はシンの幸せな顔を見たい。・・・そのためにあいつが必要なこともわかる。・・・全く。神よりも、あの虎を選ぶとは、大した愛し子だよ、お前は。』
「ソルフ・・・・・・」
『だからっ!その目で見るな。今日は・・・今日だけだからな!ヨミの所にでも行ってやる。二人で好きに過ごすといい。・・・クソッ』
「~~っ、ソルフ!ありがとう!!たくさん、お魚用意してもらえるようにロシュさんにお願いするね!!」
『・・・シン、お前は本当に・・・、まあいい。その顔に免じて許そう。たっぷり、愛されるといい。』
ソルフは僕のおでこに、触れるだけのキスをして、優しく笑った。
その後すぐ、ポンっと小竜の姿になって『もうすぐ帰ってくるぞ。気配が近づいて来た』と、悪戯そうに牙を見せて、ヨミさんがいる騎士団の詰所へと飛んでいく。
「も、もうすぐ・・・?」
「まあ!それは大変ですわ!!ささ、急いでください、シン様!お召し替えを!こちらも良いし・・・こちらも、ああ!どうしましょう!」
「ネネさん!!ぼ、僕、そんな服着たことない、って、うわっ!脱がせないでください~!」
ネネさんはこう見えて、物凄く力が強い。
僕はあれよあれよと、着替えさせられて、「では、ごゆっくり・・・」と満面の笑みで去っていくネネさんの顔をまともに見られなかった。
「ネ、ネネさんっ!お、落ち着いてください・・・何か、恥ずかしく、なっちゃい、ます・・・」
ネネさんの「んまぁ~!お可愛らしい!」と言う声が聞こえた後すぐ、僕はネネさんに背中を押され、そのまま浴室へと向かうことになった。
ロシュさんがめちゃくちゃ・・・本当にめちゃくちゃ不機嫌そうに旅立って行ったのが、五日前。
何でも、大掛かりな魔物討伐の命令が出たんだとか。
「ヘルトの嫌がらせだろ。クソッ・・・時期を考えろっつーんだ・・・!今度角折ってやる・・・っ」
僕をぎゅっと抱きしめながら、物凄く物騒なことを言っていたから、僕は必死に宥めたんだけど・・・
正直言うと、僕も寂しいし、かなりドキドキしてしまう。
「いよいよ、この日が参りましたわ!今日はシン様のお誕生日!!ついに、ロシュ坊ちゃんと番に!!」
「ネネさん!!そんなに大声出したら倒れちゃいますよ!!」
『騒がしいぞ、ネネ。・・・俺は全く嬉しくない。』
「ソルフ~・・・怒らないでよぉ・・・」
『・・・怒って・・・ない。シンの誕生日は祝いたいが・・・、あの虎の番になるのは心底面白くない。』
ふんっ、と鼻を鳴らし、腕を組むヒト型のソルフ。
僕は、ソルフにそっと近付いて、頭を優しく撫でた。
「ソルフ、僕、番になるの少し怖いんだ。」
『なら、やめればいい。あいつが来ない場所なら、どこへでも連れて行ってやる。』
「えっとね、怖いのは・・・ロシュさんのこと、これ以上好きになるのが怖いってことで・・・でも、もっともっと、ロシュさんのこと好きになりたいって、気持ちもあってね・・・」
『・・・・・・・・・』
「ソルフには、僕のこと、見守ってて欲しいし、味方でいて欲しいんだ。もし、番になってから・・・怖い気持ちが大きくなった時には助けてくれる?」
『・・・・・・惚気と、言うんだろう?そういうのは。』
「んなっ、の、のろけ・・・かも、えっ!?」
ボッと、顔に火がつく。
ほっぺたを両手で押さえると、熱かった。
ソルフはじとっと、した目で僕を見つめ続けたあと、はあ、とため息をついた。
『俺はシンの幸せな顔を見たい。・・・そのためにあいつが必要なこともわかる。・・・全く。神よりも、あの虎を選ぶとは、大した愛し子だよ、お前は。』
「ソルフ・・・・・・」
『だからっ!その目で見るな。今日は・・・今日だけだからな!ヨミの所にでも行ってやる。二人で好きに過ごすといい。・・・クソッ』
「~~っ、ソルフ!ありがとう!!たくさん、お魚用意してもらえるようにロシュさんにお願いするね!!」
『・・・シン、お前は本当に・・・、まあいい。その顔に免じて許そう。たっぷり、愛されるといい。』
ソルフは僕のおでこに、触れるだけのキスをして、優しく笑った。
その後すぐ、ポンっと小竜の姿になって『もうすぐ帰ってくるぞ。気配が近づいて来た』と、悪戯そうに牙を見せて、ヨミさんがいる騎士団の詰所へと飛んでいく。
「も、もうすぐ・・・?」
「まあ!それは大変ですわ!!ささ、急いでください、シン様!お召し替えを!こちらも良いし・・・こちらも、ああ!どうしましょう!」
「ネネさん!!ぼ、僕、そんな服着たことない、って、うわっ!脱がせないでください~!」
ネネさんはこう見えて、物凄く力が強い。
僕はあれよあれよと、着替えさせられて、「では、ごゆっくり・・・」と満面の笑みで去っていくネネさんの顔をまともに見られなかった。
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