【完結】白い森の奥深く

N2O

文字の大きさ
上 下
23 / 24

番外編3

しおりを挟む
「あぁー!!シュエさんじゃないっすか!?こんなところで何してるんすか?」

「あ、え、えっと、ラドリー・・・さん、こんにちは。」

「・・・いいなぁ、副長。」

「へっ?」

「ただ羨ましいだけっす。で、どうしたんすか?副長なら、奥にいますよ?」


目の前のシュエさんは、手に弁当らしきものを持って耳を真っ赤にしている。

副長の婚約者らしいが、どこでこんな美人見つけたんだか、本当に教えて欲しい。


唯一無二の艶あり黒髪、まつ毛はくりんと上を向いていて、吸い込まれそうな黒い瞳。
色白で、背は低すぎず、高すぎず。
男なのは見てわかるんだけど、儚げで、本当に美人だ。

俺(22)より若そうだけど、一体何歳なんだろう。[※正解は、168歳です]



「俺が案内するっすよ。ついてきてください。」

「あ・・・ありがとう、ございます。」

「・・・弁当作ったんすか?」

「あっ、は、はい。美味しいか、わか、んないけど・・・」

「・・・・・・いいなぁ、副長。」


シュエさんは益々耳が赤くなったけど、俺にとっちゃ眼福の以外の何者でもない。





そしてこの後、嫉妬にまみれた副長の威圧感で、俺は気絶しそうになった。

そそくさと副長の部屋から外に出たけど、きっと部屋の中は幸せで溢れてんだろうな。





「あーあ、羨ましい。」


誰に聞かせるでもなく、勝手に俺の口からこぼれた言葉はあっという間に空へと消えていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

八雲先生の苦悩

夏目碧央
BL
高校教師の二ノ宮八雲に、教師生活5年目にして初めて「気になる生徒」ができてしまった!その生徒、池田颯太が2年生になった時、八雲は彼の担任になる。つい目が行ってしまう、話しかけたい、触れたい。けれどもこの気持ちは絶対に誰にも知られてはならない。日々、苦悩しながらも幸せを噛みしめる八雲の、心の声満載のラブコメディー。

猫の黒たんは騎士団長!?

ミクリ21
BL
ある日、青年はボロボロの黒猫を拾いました。 青年は猫に黒たんと名付け、可愛がりました。 だけどその猫は、実は………!?

幸せになりたかった話

幡谷ナツキ
BL
 このまま幸せでいたかった。  このまま幸せになりたかった。  このまま幸せにしたかった。  けれど、まあ、それと全部置いておいて。 「苦労もいつかは笑い話になるかもね」  そんな未来を想像して、一歩踏み出そうじゃないか。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

僕の王子様

くるむ
BL
鹿倉歩(かぐらあゆむ)は、クリスマスイブに出合った礼人のことが忘れられずに彼と同じ高校を受けることを決意。 無事に受かり礼人と同じ高校に通うことが出来たのだが、校内での礼人の人気があまりにもすさまじいことを知り、自分から近づけずにいた。 そんな中、やたらイケメンばかりがそろっている『読書同好会』の存在を知り、そこに礼人が在籍していることを聞きつけて……。 見た目が派手で性格も明るく、反面人の心の機微にも敏感で一目置かれる存在でもあるくせに、実は騒がれることが嫌いで他人が傍にいるだけで眠ることも出来ない神経質な礼人と、大人しくて素直なワンコのお話。 元々は、神経質なイケメンがただ一人のワンコに甘える話が書きたくて考えたお話です。 ※『近くにいるのに君が遠い』のスピンオフになっています。未読の方は読んでいただけたらより礼人のことが分かるかと思います。

王子様から逃げられない!

白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

処理中です...