【完結】白い森の奥深く

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「・・・様!リューナ様!!!!」


聞き慣れた執事の声にハッと目を開ける。
目の前には、汗を流し、必死に私を揺さぶる執事のアピがいた。


「リューナ様・・・!ご無事だと信じておりました・・・!良かった・・・本当に・・・!」

「アピ・・・ここは・・・」

「《白い森》の麓の川近くです。リューナ様のご無事を信じ、連日ハシャード家一同探しておりました・・・!」

「・・・シュエ・・・黒い龍を見なかったか?!」

「・・・リューナ様、傷の衝撃で記憶が錯乱しておられるのですね?屋敷へ戻りましょう。皆に知らせて参ります。」

「ま、待て!そうじゃないんだ!シュエ・・・!少年を見なかったか?」

「黒い龍と少年・・・ですか?まるで御伽噺の『龍語り』のようなことを言いますね。昔からお好きじゃ無かったでしょう?御伽噺の類は。」

「・・・『龍語り』・・・?」

「さあっ!屋敷へ戻りますよ!しばらく騎士団の業務も休んで頂きますからね!全く、働きすぎなのですよ、リューナ様。」





混乱する頭の中で、私はあの悲しそうなシュエの微笑みを思い出していた。
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