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フラーウム編
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ふわり、ふわりと誰かが俺の頭を撫でている。愛おしいものに触れるように優しく。
瞼が重くてなかなか目が開かない。起きたことをその見えない相手に伝えたくて、「うう・・・」と声が先に出た。そしてその優しい手に頭をすりすり擦り付ける。
「ふふ、トウヤくん起きましたか?今、外がようやく暗くなり始めたくらいの時間だよ。目が開けられないのかな?」
「・・・んん、エド、ガー・・・瞼、おも、い。」
「治癒魔法はかけたから、疲れはほとんど残りませんからね。もう少し寝ていいですよ。私がここで見張りしときますから。」
「ん・・・あり、がと、う・・・」
トウヤの頭を撫でていたのはエドガーだった。エドガーの時間になって、トウヤの部屋に来てみると、あの2人が色々な刺激で気を失っているトウヤにキスの嵐を降らせていたのである。
下穿きまで脱がされているトウヤを見て一瞬で状況を把握したエドガーが、蔓で2人をぐるぐる巻きにして部屋の外へ投げ捨てた。
それから体液でドロドロになっていたトウヤの身体を丁寧に拭き、身なりを整え、ちゃんと布団を被せて寝かせたのだ。母親のようである。
「全く・・・あの2人には少し加減というものを覚えてもらう必要がありますね。」
そう言ってため息をついたエドガーは、またすぐ眠りについたトウヤの頭をゆっくりゆっくり撫でたのだった。
トウヤが次に目を開けた時、窓の外はすっかり暗くなっていた。横になっているトウヤの目の前には誰もいない。ゴソゴソと布団の下に隠れている自分の身体に手を伸ばすと触り心地のいい服に着替えさせられている。もちろんエドガーによって、だ。
「あ、起きましたか?気分はどうですか?」
ソファの方からエドガーの声がする。そちらを見ようとトウヤは寝返りを打って体勢を変えた。
するとそこには、ランプの灯りで本を読んでいるエドガーがいた。部屋が明るいとトウヤが眠りにくいと思ったのだろう。ランプの灯りも控えめである。
「んん、エドガー、おはようございます・・・俺結構寝ちゃいましたか・・・?」
「おはよう、トウヤくん。そうだね、5時間くらいは寝たんじゃない?よっぽど疲れたんだね。全く、あの人たちは。」
「ご、5時間?!・・・ん?疲れる?・・・あの人たち・・・あ゛!」
自分がそんなに寝ていたのかという驚きと、フィンとタミルとのあの濃厚な時間を思い出し、トウヤは一瞬で顔が赤くなった。エドガーは本をとじ、ゆっくりとトウヤのいるベッドサイドに腰を下ろした。頭にそっと手を乗せ、また優しく頭を撫でる。
「素敵な贈り物をみなさんからいただいたんですね。耳飾りはイーサン様、首飾りはフィン様、でしょうか。」
「あ、は、はい。魔力もいただきました・・・じゅ、十分すぎるくらい・・・うう・・・」
「ふふ、そうでしょうね。その顔ですぐに分かります。私からも、お渡ししたいのですが、いいですか?」
「・・・へっ?」
顔に手を当て、赤い顔を隠していたトウヤが手を退けるとすぐ目の前にエドガーの深緑色の瞳があった。耳にはトウヤが今日贈ったあの耳飾りがつけられていた。瞳と耳飾りはランプの光でゆらゆら輝いて見える。
「私からも貰ってくれますか?トウヤくん。」
再度尋ねられ、トウヤは恐る恐る頷く。
エドガーがふっ、と微笑んだすぐ後に、2人の唇からゆっくりと重なった。
瞼が重くてなかなか目が開かない。起きたことをその見えない相手に伝えたくて、「うう・・・」と声が先に出た。そしてその優しい手に頭をすりすり擦り付ける。
「ふふ、トウヤくん起きましたか?今、外がようやく暗くなり始めたくらいの時間だよ。目が開けられないのかな?」
「・・・んん、エド、ガー・・・瞼、おも、い。」
「治癒魔法はかけたから、疲れはほとんど残りませんからね。もう少し寝ていいですよ。私がここで見張りしときますから。」
「ん・・・あり、がと、う・・・」
トウヤの頭を撫でていたのはエドガーだった。エドガーの時間になって、トウヤの部屋に来てみると、あの2人が色々な刺激で気を失っているトウヤにキスの嵐を降らせていたのである。
下穿きまで脱がされているトウヤを見て一瞬で状況を把握したエドガーが、蔓で2人をぐるぐる巻きにして部屋の外へ投げ捨てた。
それから体液でドロドロになっていたトウヤの身体を丁寧に拭き、身なりを整え、ちゃんと布団を被せて寝かせたのだ。母親のようである。
「全く・・・あの2人には少し加減というものを覚えてもらう必要がありますね。」
そう言ってため息をついたエドガーは、またすぐ眠りについたトウヤの頭をゆっくりゆっくり撫でたのだった。
トウヤが次に目を開けた時、窓の外はすっかり暗くなっていた。横になっているトウヤの目の前には誰もいない。ゴソゴソと布団の下に隠れている自分の身体に手を伸ばすと触り心地のいい服に着替えさせられている。もちろんエドガーによって、だ。
「あ、起きましたか?気分はどうですか?」
ソファの方からエドガーの声がする。そちらを見ようとトウヤは寝返りを打って体勢を変えた。
するとそこには、ランプの灯りで本を読んでいるエドガーがいた。部屋が明るいとトウヤが眠りにくいと思ったのだろう。ランプの灯りも控えめである。
「んん、エドガー、おはようございます・・・俺結構寝ちゃいましたか・・・?」
「おはよう、トウヤくん。そうだね、5時間くらいは寝たんじゃない?よっぽど疲れたんだね。全く、あの人たちは。」
「ご、5時間?!・・・ん?疲れる?・・・あの人たち・・・あ゛!」
自分がそんなに寝ていたのかという驚きと、フィンとタミルとのあの濃厚な時間を思い出し、トウヤは一瞬で顔が赤くなった。エドガーは本をとじ、ゆっくりとトウヤのいるベッドサイドに腰を下ろした。頭にそっと手を乗せ、また優しく頭を撫でる。
「素敵な贈り物をみなさんからいただいたんですね。耳飾りはイーサン様、首飾りはフィン様、でしょうか。」
「あ、は、はい。魔力もいただきました・・・じゅ、十分すぎるくらい・・・うう・・・」
「ふふ、そうでしょうね。その顔ですぐに分かります。私からも、お渡ししたいのですが、いいですか?」
「・・・へっ?」
顔に手を当て、赤い顔を隠していたトウヤが手を退けるとすぐ目の前にエドガーの深緑色の瞳があった。耳にはトウヤが今日贈ったあの耳飾りがつけられていた。瞳と耳飾りはランプの光でゆらゆら輝いて見える。
「私からも貰ってくれますか?トウヤくん。」
再度尋ねられ、トウヤは恐る恐る頷く。
エドガーがふっ、と微笑んだすぐ後に、2人の唇からゆっくりと重なった。
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