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フラーウム編
122※
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タミルの登場でトウヤの羞恥心の導火線に火がつけられた。思わず大きく息を吸い「わーーーーーーーーー!」と叫ぼうとしたが、フィンに片手で口を塞がれる。
「トウヤ、今叫んだら、あいつらまで来るぞ?いいのか?」
その言葉にトウヤはハッと固まった。扉は開けっぱなし、上半身裸で、上にはフィンがのし掛かっている。こんな光景をイーサンとエドガーが見ようもんなら蔓でグルグル、乱闘物だ。せっかく大きく肺いっぱい吸った息を、フゥー、と静かに吐き出した。
トウヤが息を吐いている隙に、タミルがそーっと扉を閉めた。そしてバチッとフィンと目を合わせ、何か目で訴えかけるように悩んでいるようだ。フィンもフィンで、タミルに向かって、目で何か訴えたり、首を横や縦に振ったりしている。トウヤは目を瞑ってフゥーっと息を吐いているのでその光景に気付かない。そしてトウヤが息を吐き終わる僅かな時間で、タミルとフィン合同決行の妥協案が誕生したのである。
息を吐き終わり、パチっと目を開けるとそこにはタミルとフィンがいた。ベッドに倒されたトウヤの顔を上から覗き込んでいる。もちろん何やらニヤニヤした顔だ。
「・・・タミル、助けてくれない?」
「あ゛ぁ?何だその言い方。俺は別に悪ぃことしてねぇぞ。」
「やっほぉ、トウヤ。またまた気持ち良さそうな顔だねぇ。フィン様にナニされたのかなぁ?」
「べ、べつ、に・・・うう・・・なにも・・・」
「な訳ないでしょぉ?いいんだよ、別に。僕も今から混ざるから。ねぇ、フィン様ぁ?」
「・・・・・・仕方なく許す。チッ」
「はっ?!な、な、何言ってん、んんんんーーー!」
トウヤの反論はタミルの口付けによって最後まで言えなかった。少し小さめの、タミルの柔らかな唇が、すでにねっとりと湿っているトウヤの唇と重なる。
ツンツンと唇を舌で突かれ、口を開けるようにタミルから促されるがトウヤは口を開かない。さっき言えなかった反論の続きである。
そんなトウヤにタミルの綺麗な目が弧を描く。「そんなことしちゃうんだぁ」と言いたげな瞳だ。
その瞳にぞくり、としたが次の瞬間にはトウヤの乳首にタミルの手が伸びていた。ギュッと強く摘まれ、思わず悲鳴を上げる。自然と大きく口が開き、その隙にタミルの唾液と舌がにゅるん、と侵入してきたのだった。
多めの魔力にぶわり、と身体が熱くなり、思考も覚束なくなってくる。入念に舌を絡められるとそちらに集中してしまうのだ。口の端からはどちらのものか分からない唾液が溢れ、そのままシーツにシミをつくっていく。
しばらくそうしていると、トウヤはいつのまにかとろん、と蕩けていた。気持ちいい、もっと欲しい、と多幸感に包まれる。
ふわふわした気持ちいい感覚をトウヤが味わっていると、そのトウヤが履いているズボンにスルッと手を伸ばす人物がいた。もちろんフィンである。
ズボンの履き口に手を掛けたかと思ったのも一瞬で、一気にバサーーーっとトウヤの足からズボンを抜き取ったのである。
「ん゛んん?!ん゛んんんーーーーー!」
急な覚醒とあまりの驚きで叫び声を上げたが、トウヤの叫び声は、タミルの小さな口に全部綺麗さっぱりと吸い込まれたのだった。
「トウヤ、今叫んだら、あいつらまで来るぞ?いいのか?」
その言葉にトウヤはハッと固まった。扉は開けっぱなし、上半身裸で、上にはフィンがのし掛かっている。こんな光景をイーサンとエドガーが見ようもんなら蔓でグルグル、乱闘物だ。せっかく大きく肺いっぱい吸った息を、フゥー、と静かに吐き出した。
トウヤが息を吐いている隙に、タミルがそーっと扉を閉めた。そしてバチッとフィンと目を合わせ、何か目で訴えかけるように悩んでいるようだ。フィンもフィンで、タミルに向かって、目で何か訴えたり、首を横や縦に振ったりしている。トウヤは目を瞑ってフゥーっと息を吐いているのでその光景に気付かない。そしてトウヤが息を吐き終わる僅かな時間で、タミルとフィン合同決行の妥協案が誕生したのである。
息を吐き終わり、パチっと目を開けるとそこにはタミルとフィンがいた。ベッドに倒されたトウヤの顔を上から覗き込んでいる。もちろん何やらニヤニヤした顔だ。
「・・・タミル、助けてくれない?」
「あ゛ぁ?何だその言い方。俺は別に悪ぃことしてねぇぞ。」
「やっほぉ、トウヤ。またまた気持ち良さそうな顔だねぇ。フィン様にナニされたのかなぁ?」
「べ、べつ、に・・・うう・・・なにも・・・」
「な訳ないでしょぉ?いいんだよ、別に。僕も今から混ざるから。ねぇ、フィン様ぁ?」
「・・・・・・仕方なく許す。チッ」
「はっ?!な、な、何言ってん、んんんんーーー!」
トウヤの反論はタミルの口付けによって最後まで言えなかった。少し小さめの、タミルの柔らかな唇が、すでにねっとりと湿っているトウヤの唇と重なる。
ツンツンと唇を舌で突かれ、口を開けるようにタミルから促されるがトウヤは口を開かない。さっき言えなかった反論の続きである。
そんなトウヤにタミルの綺麗な目が弧を描く。「そんなことしちゃうんだぁ」と言いたげな瞳だ。
その瞳にぞくり、としたが次の瞬間にはトウヤの乳首にタミルの手が伸びていた。ギュッと強く摘まれ、思わず悲鳴を上げる。自然と大きく口が開き、その隙にタミルの唾液と舌がにゅるん、と侵入してきたのだった。
多めの魔力にぶわり、と身体が熱くなり、思考も覚束なくなってくる。入念に舌を絡められるとそちらに集中してしまうのだ。口の端からはどちらのものか分からない唾液が溢れ、そのままシーツにシミをつくっていく。
しばらくそうしていると、トウヤはいつのまにかとろん、と蕩けていた。気持ちいい、もっと欲しい、と多幸感に包まれる。
ふわふわした気持ちいい感覚をトウヤが味わっていると、そのトウヤが履いているズボンにスルッと手を伸ばす人物がいた。もちろんフィンである。
ズボンの履き口に手を掛けたかと思ったのも一瞬で、一気にバサーーーっとトウヤの足からズボンを抜き取ったのである。
「ん゛んん?!ん゛んんんーーーーー!」
急な覚醒とあまりの驚きで叫び声を上げたが、トウヤの叫び声は、タミルの小さな口に全部綺麗さっぱりと吸い込まれたのだった。
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