【完結】透明の石

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フラーウム編

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フィンのとんでもない爆弾発言に、トウヤの顔はボホボ、と瞬時に真っ赤になった。



分かっていた、分かっていたんだ。だって恥ずかしいけど、それ以上に気持ちがいいんだもの。
トウヤは17という歳の割にはそういう性のことには疎かった。村にも同年代の女の子はいなかったし、そんなに性欲も強くない自覚がある。自慰だって、月に一回するかどうかだった。実家は隣で両親が寝ていたし、そんな気分にもなりにくかった。
何度かハンスとそういう下世話な話をした時に「え?何か悩みでも抱えてんの?死ぬの?」と失礼な心配をされた。勿論、脛を蹴ったけど。

それがどうだ。ここ最近の濃厚な魔力譲渡・・・に限らず、過度なにより、トウヤの身体はみるみる変貌を遂げてしまった。頑なに、バレないように、身を捩り隠してきたけど、敏感にしてしまうのだ。そしてついに今日、その懸命な努力も虚しく、よりによってフィンにバレてしまったのだ。そりゃ、リンゴみたいに顔も赤くなるし、声も出なくなる。

「トウヤ勃ってんなら早く言えよ。俺が下手くそなんじゃねぇかと心配したわ。」

「~~~っ!!たたた、勃ってない!も、もう終わり!!そろそろタミルが来るでしょ!フィンは早く出てって!」

「あ゛あ?!おっまえ、こんな状況で他の男の名前出すなんか・・・本当いい度胸してんなぁ?」

「お、俺わるくないっ!は、やく!落ち着かせるから!出てって!」

トウヤは初めて自分のの醜態を誰かに見られた、という羞恥心で顔は真っ赤、目には涙、そしてポカポカとフィンの身体を叩いた。
フィンはそんなトウヤを見て、それはそれは嬉しそうである。叩かれていることなんて全く気にしていないどころか、その手を軽々と捕まえると、そのままベッドに押し倒してちゅ、ちゅ、と顔中に口付けた。

「そんな恥ずかしがんなって。俺らもう婚約者だろ?・・・その内、もっとことするんだからよ。遅かれ早かれこうなってたんだ。安心しろよ?」

「あ、あ、安心ってなんですか!それに・・・た、た、ことって、な、な、何!?」

「・・・お前、童貞だろ。しかも処女だな。楽しいことなんかセックスに決まってんだろ。・・・いや、分かってたけどよぉ・・・目の当たりにするとたまんねぇなぁ・・・もういいか?」


ギラギラを増した朱い瞳がどんどんトウヤに近づいてくる。トウヤはその瞳から目を逸らすことができず、声もうまく出せない。心の中で「わーわーわーわー!」と叫んでいる。
フィンがトウヤの身体をねっとりとした手つきで触り出し、ついには履いていたズボンに手が伸ばされた。



その時。



「ゴルァーーーー!!いっっつも手ぇ出すの早いんだよ!!!フィン様!そこどいて!!!!」


バリバリ、と電気を纏ったこの家の家主、タミルの登場である。扉はバーーーーーンと開け放たれたままだ。

フィンは思わず「・・・これ、前もどっかで見たな」と苦虫を噛み潰したような顔で呟いていた。
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