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フラーウム編
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一人突然走り出したトウヤを、タミルとエドガーは必死で捕まえた。だが、トウヤは2人について来てほしくないらしく、タミルは仕方なく広場の端で待機していたダスールを呼んだのである。
トウヤは最初渋ったが、一緒に連れて行く護衛を、タミルとエドガーの2人にするのか、ダスール1人にするのかの二択にされると、口をへの字に曲げながら後者を選んだのである。
タミルはダスールの耳元で「絶対目を離すな」と恐ろしい低音で囁いた。ダスールはそれに苦笑いしながらも「畏まりました」と深い礼をしたのである。
「・・・トウヤ様、先程から何をお探しですか?ずっと唸ってらっしゃいますが・・・」
「・・・ダスールさん、俺、お、贈り物したいんですけど・・・えっと・・・」
「・・・ふふっ、なるほど。お二人について来てほしくなかった理由はそれですね?婚約者への贈り物・・・ですと、いつも身につけられるような、装飾品がよろしいのではないでしょうか?喜びますよ、タミル様は特に。」
「こ、婚約者・・・!うう・・・お、俺、今まで恋人もいた事ないから、よくわ、わかんなくて・・・でも、この腕輪も、何だかんだ、う、嬉しいし・・・」
「ふふ。そうですね、トウヤ様が相手に似合うだろうな、と思う物を選べば良いのですよ。それがどんなものであっても、トウヤ様の選んだものなら嬉しいものです。」
ダスールはどこか嬉しそうに微笑んでいる。そんなダスールを見て、トウヤは少し照れながら小さく決心したように「わかりました」と頷いた。
そしてトウヤの贈り物探しが再開されたのである。
「・・・何でお前らだけなんだよ。トウヤどこ行った?まさか一人じゃねぇよな?」
「そんなわけないでしょ。うちの優秀なダスールがついて行ったから大丈夫ですぅ。」
「なら、安心ですね。彼はなかなか手練れですから。ところでトウヤは何をしに?」
「それが突然走り出したんですよ・・・ふふっ。私たちの婚約者は、何をするのか分からないから、目が離せませんね、本当。可愛らしい。ふふ。」
エドガーはあの突然思い立ったように走り出したトウヤを思い出し、思わず笑い出した。これからよくよく観察して、トウヤの行動を予測できるようにならないと、とも考えたのである。
くすくす笑い続けるエドガーをフィンがじぃ、っと見つめている。
「お前あの、おどおどメガネと同一人物かぁ?まさかメガネまでトウヤに惚れるとはなぁ、誤算だぜ、本当。」
「おどおどメガネ・・・まあ、確かにそうですね。トウヤくんには色々感謝しないと、とは思ってます。こんなにも愛おしいと思う人初めてですから。」
「うっわぁ、熱烈ぅ。エドガー様、意外と嫉妬深そうだからみんな気をつけた方がいいですよぉ。・・・それトウヤへの贈り物でしょ?抜け駆けは良くないなぁ。」
タミルがそう言って、チラッとフィンとイーサンの手元を見た。そこには品よく包まれた小さな箱のようなものがある。2人がそれぞれ熱心に探していたのは、おそらくトウヤへの贈り物だろう。それに目敏くタミルが気付いたのだった。
「抜け駆け、とはよく言いますね、タミル様。君が一番先に抜け駆けした人でしょう。全く。」
「あっは!確かに。ごめんなさーい。エドガー様はいいのぉ?トウヤへの贈り物、探さなくてさぁ?」
「ご心配なく、タミル様。もう準備してますから。」
「ハッ、本当抜け目ねぇな、メガネ。その顔で25ってのも、何かの作戦なんじゃねぇの。怖ぇー。」
フィンは嫌なものを見るような目でべぇ、と舌を出して言った。そんなフィンを見ても、エドガーは、ふふ、とただ笑って誤魔化すだけだったのである。
トウヤは最初渋ったが、一緒に連れて行く護衛を、タミルとエドガーの2人にするのか、ダスール1人にするのかの二択にされると、口をへの字に曲げながら後者を選んだのである。
タミルはダスールの耳元で「絶対目を離すな」と恐ろしい低音で囁いた。ダスールはそれに苦笑いしながらも「畏まりました」と深い礼をしたのである。
「・・・トウヤ様、先程から何をお探しですか?ずっと唸ってらっしゃいますが・・・」
「・・・ダスールさん、俺、お、贈り物したいんですけど・・・えっと・・・」
「・・・ふふっ、なるほど。お二人について来てほしくなかった理由はそれですね?婚約者への贈り物・・・ですと、いつも身につけられるような、装飾品がよろしいのではないでしょうか?喜びますよ、タミル様は特に。」
「こ、婚約者・・・!うう・・・お、俺、今まで恋人もいた事ないから、よくわ、わかんなくて・・・でも、この腕輪も、何だかんだ、う、嬉しいし・・・」
「ふふ。そうですね、トウヤ様が相手に似合うだろうな、と思う物を選べば良いのですよ。それがどんなものであっても、トウヤ様の選んだものなら嬉しいものです。」
ダスールはどこか嬉しそうに微笑んでいる。そんなダスールを見て、トウヤは少し照れながら小さく決心したように「わかりました」と頷いた。
そしてトウヤの贈り物探しが再開されたのである。
「・・・何でお前らだけなんだよ。トウヤどこ行った?まさか一人じゃねぇよな?」
「そんなわけないでしょ。うちの優秀なダスールがついて行ったから大丈夫ですぅ。」
「なら、安心ですね。彼はなかなか手練れですから。ところでトウヤは何をしに?」
「それが突然走り出したんですよ・・・ふふっ。私たちの婚約者は、何をするのか分からないから、目が離せませんね、本当。可愛らしい。ふふ。」
エドガーはあの突然思い立ったように走り出したトウヤを思い出し、思わず笑い出した。これからよくよく観察して、トウヤの行動を予測できるようにならないと、とも考えたのである。
くすくす笑い続けるエドガーをフィンがじぃ、っと見つめている。
「お前あの、おどおどメガネと同一人物かぁ?まさかメガネまでトウヤに惚れるとはなぁ、誤算だぜ、本当。」
「おどおどメガネ・・・まあ、確かにそうですね。トウヤくんには色々感謝しないと、とは思ってます。こんなにも愛おしいと思う人初めてですから。」
「うっわぁ、熱烈ぅ。エドガー様、意外と嫉妬深そうだからみんな気をつけた方がいいですよぉ。・・・それトウヤへの贈り物でしょ?抜け駆けは良くないなぁ。」
タミルがそう言って、チラッとフィンとイーサンの手元を見た。そこには品よく包まれた小さな箱のようなものがある。2人がそれぞれ熱心に探していたのは、おそらくトウヤへの贈り物だろう。それに目敏くタミルが気付いたのだった。
「抜け駆け、とはよく言いますね、タミル様。君が一番先に抜け駆けした人でしょう。全く。」
「あっは!確かに。ごめんなさーい。エドガー様はいいのぉ?トウヤへの贈り物、探さなくてさぁ?」
「ご心配なく、タミル様。もう準備してますから。」
「ハッ、本当抜け目ねぇな、メガネ。その顔で25ってのも、何かの作戦なんじゃねぇの。怖ぇー。」
フィンは嫌なものを見るような目でべぇ、と舌を出して言った。そんなフィンを見ても、エドガーは、ふふ、とただ笑って誤魔化すだけだったのである。
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