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メラン編
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5人はケインの屋敷に来ていた。
あれからダニエルに神殿の他の部屋に案内されそうになったが、今は神殿から離れたかった。丁重にお断りすると、ダニエルも渋々頷いてくれたのだった。ただし、契約者4人の護衛付き、というのが条件だった。
王城に行くのも嫌だったトウヤは、ケインを思い出したのである。おそらくケインなら受け入れてくれるはず、と事前の連絡もせず5人で荷物を持って移動した。
「ケインおじさん・・今日からしばらく泊めてくれない?」
玄関先でぽかんと口を開けているのはケインとシャロンだ。先日荷物をまとめて大義を背負い神殿へ向かった甥っ子が、背後に美しい男たちを引き連れてまた戻ってきたのである。
ケインは思わずフハッと笑い「お前は俺を驚かせるのが趣味だろ?」とトウヤの頭をわしゃわしゃ撫でた後、快く部屋に案内してくれた。
「・・・・ご、ご心配、をおかけしまし・・・た?」
トウヤは以前ハンスと一緒に使っていた部屋をまた使うことにした。ゴミは一つもなく、すっかり綺麗になっている。きっとシャロンが手伝ったのだろうな、とトウヤは思った。
5人でソファにはさすがに座れなかったので、トウヤはソファ、他の4人は別の部屋かかき集めてきた椅子に座り、今、向き合っている。
トウヤは何から話せばいいのか、礼を言えばいいのか・・・考えた挙句、とりあえず謝罪をすることにしたのだった。
あの時駆けつけてくれた4人はそれぞれ物凄くラドリーに怒っていて、トウヤの無事を本当に案じてくれていたことがひしひしと伝わってきた。
エドガーに教えてもらったが、馬車で王城から神殿に戻る途中の4人を捕まえてミュラーがトウヤの危機を知らせてくれたんだそうだ。
それを聞いたタミルがミュラーの馬を、馬車と一緒に居た護衛騎士の馬をエドガーが奪い、先に駆けつけた。先を越されたフィンとイーサンは猛烈ダッシュで向かったが、着いた時にはあの状態だった、というのがこの度の事の顛末である。今度ミュラーにお礼を言わないと、とトウヤは心から感謝した。ミュラーが知らせてくれていなければ、ラドリーからちょっと齧られる、ぐらいされていただろう。そう少し想像しただけでも気持ち悪いし、怖いし、吐きそうだった。
「別に今回のは、トウヤが悪いわけじゃねぇよ。・・・心配はクソほどしたがな。首に痣まで残しやがって・・・やっぱ殺すか、あいつ。」
「そうだよぉ~!やっぱ何で止めたのさ、エドガー様!丸焦げにしてやればよかった!」
「い、いやだって、トウヤくんさすがに狼狽えてたし、殺したら困るのタミル様でしょう?・・私だって去勢ぐらいさせたかったですよ。」
「・・なるほど?去勢はいいかもしれないな・・・。」
「もう!物騒なこと言わないでくださいってば!あいつの事一瞬でも思い出したくないんで!鳥肌立ちます!」
トウヤはそう言って自分の腕を摩る。思い出したら少し震えてきてしまった。誰かに首を絞められたことなんて無かったのだ。ラドリーも殺す気はなかっただろうが、ほかに何をされていていたかわからない。ただ単純に怖かった。
そんなことを考えていると、トウヤの透明な瞳がゆらりと揺れ、ぽたり、と涙が溢れた。
あれからダニエルに神殿の他の部屋に案内されそうになったが、今は神殿から離れたかった。丁重にお断りすると、ダニエルも渋々頷いてくれたのだった。ただし、契約者4人の護衛付き、というのが条件だった。
王城に行くのも嫌だったトウヤは、ケインを思い出したのである。おそらくケインなら受け入れてくれるはず、と事前の連絡もせず5人で荷物を持って移動した。
「ケインおじさん・・今日からしばらく泊めてくれない?」
玄関先でぽかんと口を開けているのはケインとシャロンだ。先日荷物をまとめて大義を背負い神殿へ向かった甥っ子が、背後に美しい男たちを引き連れてまた戻ってきたのである。
ケインは思わずフハッと笑い「お前は俺を驚かせるのが趣味だろ?」とトウヤの頭をわしゃわしゃ撫でた後、快く部屋に案内してくれた。
「・・・・ご、ご心配、をおかけしまし・・・た?」
トウヤは以前ハンスと一緒に使っていた部屋をまた使うことにした。ゴミは一つもなく、すっかり綺麗になっている。きっとシャロンが手伝ったのだろうな、とトウヤは思った。
5人でソファにはさすがに座れなかったので、トウヤはソファ、他の4人は別の部屋かかき集めてきた椅子に座り、今、向き合っている。
トウヤは何から話せばいいのか、礼を言えばいいのか・・・考えた挙句、とりあえず謝罪をすることにしたのだった。
あの時駆けつけてくれた4人はそれぞれ物凄くラドリーに怒っていて、トウヤの無事を本当に案じてくれていたことがひしひしと伝わってきた。
エドガーに教えてもらったが、馬車で王城から神殿に戻る途中の4人を捕まえてミュラーがトウヤの危機を知らせてくれたんだそうだ。
それを聞いたタミルがミュラーの馬を、馬車と一緒に居た護衛騎士の馬をエドガーが奪い、先に駆けつけた。先を越されたフィンとイーサンは猛烈ダッシュで向かったが、着いた時にはあの状態だった、というのがこの度の事の顛末である。今度ミュラーにお礼を言わないと、とトウヤは心から感謝した。ミュラーが知らせてくれていなければ、ラドリーからちょっと齧られる、ぐらいされていただろう。そう少し想像しただけでも気持ち悪いし、怖いし、吐きそうだった。
「別に今回のは、トウヤが悪いわけじゃねぇよ。・・・心配はクソほどしたがな。首に痣まで残しやがって・・・やっぱ殺すか、あいつ。」
「そうだよぉ~!やっぱ何で止めたのさ、エドガー様!丸焦げにしてやればよかった!」
「い、いやだって、トウヤくんさすがに狼狽えてたし、殺したら困るのタミル様でしょう?・・私だって去勢ぐらいさせたかったですよ。」
「・・なるほど?去勢はいいかもしれないな・・・。」
「もう!物騒なこと言わないでくださいってば!あいつの事一瞬でも思い出したくないんで!鳥肌立ちます!」
トウヤはそう言って自分の腕を摩る。思い出したら少し震えてきてしまった。誰かに首を絞められたことなんて無かったのだ。ラドリーも殺す気はなかっただろうが、ほかに何をされていていたかわからない。ただ単純に怖かった。
そんなことを考えていると、トウヤの透明な瞳がゆらりと揺れ、ぽたり、と涙が溢れた。
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