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メラン編
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ふわふわ温かい。
湯船に浸かってるようなホッとする温かさだ。あれ、俺何してたんだっけ。さっきまでフィン様にーーー・・・じゃあ、今は俺寝てんのか?そろそろ起きなきゃ、次は確かーーー・・・
「あは、やっと起きたぁ。悪い子だねぇ、トウヤ。こんなに無防備な格好でさぁ。恥ずかしいことに積極的になっちゃったのぉ?・・こーんなに赤いの付けられちゃってさぁ。」
「・・・んぇ?タ、ミル。いつのまに・・?」
トウヤが目を覚ますと、タミルがニコニコしたながらペロリと唇を舐め、トウヤの腹に跨り見下ろしている。そっと自分の口元を触ると唾液でしっとりと湿っている。さっきまで魔力を流されていたらしい。温かく感じたのもそのせいだろう。そしてタミルの目線はトウヤの胸元だ。恐る恐るそこを覗くと、おびただしい数の赤い痕が見える。ボンッとトウヤの顔が赤くなり、脳裏にはあのフィンの姿が浮かんだ。
「こ、これは!うう・・!そ、そもそも!タ、タミルが・・・・タミルが!最初にぃ~~!うう~!」
「へぇ~、僕の痕にフィン様がヤキモチ焼いたってことかぁ。ふふ、怖いねぇ。でも、こんなにたくさんずるいなぁ。僕も・・付けていいよねぇ?トウヤ。今日は危ない事したんだからさぁーー・・・」
タミルはその天使のような顔をゆっくりとトウヤに近づける。トウヤの視界はタミルでいっぱいになった。キラキラと輝く黄金の瞳が弧を描いたすぐ後に「お仕置きだよ」と耳元で天使の囁きが聞こえた。
ピチャ、ピチャ、と耳元で水音が響く。子猫がミルクを飲むようにタミルがトウヤの耳をペロンと舐めとっている。耳に移る前に口付けで濃厚な魔力譲渡をされ、トウヤはクラクラするほどの熱で蕩けきっている。
「ひゃ、ん、ん、ん~!タミ、ル~!みみ、やだぁ、や、やめ、て、んん」
「まだダメだよぉ。お仕置きって言ったでしょ?トウヤの耳小さくて美味しそうだなぁって前から思ってたんだぁ。ふふ、真っ赤で可愛い。」
「お、おいしくな、いぃ~!んん、そ、そんなに怒って、んのかよぉ・・?」
「怒ってるよぉ。だって散々みんなで注意してたのにさぁ。あいつ何か執念深そうだしぃ。はぁ~、悪い虫が付いちゃった。ヤダヤダ。」
タミルも十分執念深いのでは?とぺろぺろ耳を舐められながらトウヤは思ったが、舌の感触と恥ずかしさで声にならなかった。
タミルはしばらくトウヤの耳を堪能した後、徐に身体を離し「さーてと!」と独り言を呟いた。
そろそろ飽きたのか?とトウヤは淡い期待を抱いたが、ゴロンと身体を回転させられ、半分脱げていたシャツを剥ぎ取られた。一瞬の技に驚きつつも、遂に上半身裸にされたトウヤは力の入らない身体を引きずってシーツを手繰り寄せようとする。身体を何かで隠したい、その一心だった。手の先にあったシーツはあえなくタミルに回収され、耳元で「まだそんな元気あったんだねぇ」とくすくす笑われた。
上半身裸でうつ伏せにされているトウヤの背中にタミルの手が這う。ただでさえ、感覚が敏感になっていたトウヤはそのくすぐったさにピクンと身体を跳ねさせた。
「トウヤってさぁ、服で隠れてるところは肌白いよねぇ。こーんなにすべすべだしさぁ。」
「うひゃ!タミル、く、くすぐった、い、な、何してんだ・・・?」
「・・・あの人達にも本当は触ってほしくないけど、僕、我慢するよぉ。・・・でもね、それ以外の奴は許せない。」
「ん、ん、くすぐったいって、うは、やめろってばぁ!わかった!わかったから!」
「本当にわかったのかなぁ?僕心配してるんだよぉ。自分でも暴走しそうで怖いんだぁ・・・。そのうちトウヤをどこかにさ、」
どんどん声が小さくなっていくタミルの方を振り返る。そこにはトウヤの背中をじぃっと見つめるタミルがいた。トウヤは言葉の続きを促すように「タミル?」と声をかける。するとタミルが少し微笑んだ。そのままトウヤの耳元に口を寄せ呟くのである。
「僕いつかトウヤを閉じ込めちゃうかも。」
どこか楽しそうなタミルにトウヤはひゅっと喉を鳴らす。トウヤの顔を見て「冗談だよぉ」と茶化したタミルは、そのまま身体を倒しトウヤの背中にピタッとくっついた。
湯船に浸かってるようなホッとする温かさだ。あれ、俺何してたんだっけ。さっきまでフィン様にーーー・・・じゃあ、今は俺寝てんのか?そろそろ起きなきゃ、次は確かーーー・・・
「あは、やっと起きたぁ。悪い子だねぇ、トウヤ。こんなに無防備な格好でさぁ。恥ずかしいことに積極的になっちゃったのぉ?・・こーんなに赤いの付けられちゃってさぁ。」
「・・・んぇ?タ、ミル。いつのまに・・?」
トウヤが目を覚ますと、タミルがニコニコしたながらペロリと唇を舐め、トウヤの腹に跨り見下ろしている。そっと自分の口元を触ると唾液でしっとりと湿っている。さっきまで魔力を流されていたらしい。温かく感じたのもそのせいだろう。そしてタミルの目線はトウヤの胸元だ。恐る恐るそこを覗くと、おびただしい数の赤い痕が見える。ボンッとトウヤの顔が赤くなり、脳裏にはあのフィンの姿が浮かんだ。
「こ、これは!うう・・!そ、そもそも!タ、タミルが・・・・タミルが!最初にぃ~~!うう~!」
「へぇ~、僕の痕にフィン様がヤキモチ焼いたってことかぁ。ふふ、怖いねぇ。でも、こんなにたくさんずるいなぁ。僕も・・付けていいよねぇ?トウヤ。今日は危ない事したんだからさぁーー・・・」
タミルはその天使のような顔をゆっくりとトウヤに近づける。トウヤの視界はタミルでいっぱいになった。キラキラと輝く黄金の瞳が弧を描いたすぐ後に「お仕置きだよ」と耳元で天使の囁きが聞こえた。
ピチャ、ピチャ、と耳元で水音が響く。子猫がミルクを飲むようにタミルがトウヤの耳をペロンと舐めとっている。耳に移る前に口付けで濃厚な魔力譲渡をされ、トウヤはクラクラするほどの熱で蕩けきっている。
「ひゃ、ん、ん、ん~!タミ、ル~!みみ、やだぁ、や、やめ、て、んん」
「まだダメだよぉ。お仕置きって言ったでしょ?トウヤの耳小さくて美味しそうだなぁって前から思ってたんだぁ。ふふ、真っ赤で可愛い。」
「お、おいしくな、いぃ~!んん、そ、そんなに怒って、んのかよぉ・・?」
「怒ってるよぉ。だって散々みんなで注意してたのにさぁ。あいつ何か執念深そうだしぃ。はぁ~、悪い虫が付いちゃった。ヤダヤダ。」
タミルも十分執念深いのでは?とぺろぺろ耳を舐められながらトウヤは思ったが、舌の感触と恥ずかしさで声にならなかった。
タミルはしばらくトウヤの耳を堪能した後、徐に身体を離し「さーてと!」と独り言を呟いた。
そろそろ飽きたのか?とトウヤは淡い期待を抱いたが、ゴロンと身体を回転させられ、半分脱げていたシャツを剥ぎ取られた。一瞬の技に驚きつつも、遂に上半身裸にされたトウヤは力の入らない身体を引きずってシーツを手繰り寄せようとする。身体を何かで隠したい、その一心だった。手の先にあったシーツはあえなくタミルに回収され、耳元で「まだそんな元気あったんだねぇ」とくすくす笑われた。
上半身裸でうつ伏せにされているトウヤの背中にタミルの手が這う。ただでさえ、感覚が敏感になっていたトウヤはそのくすぐったさにピクンと身体を跳ねさせた。
「トウヤってさぁ、服で隠れてるところは肌白いよねぇ。こーんなにすべすべだしさぁ。」
「うひゃ!タミル、く、くすぐった、い、な、何してんだ・・・?」
「・・・あの人達にも本当は触ってほしくないけど、僕、我慢するよぉ。・・・でもね、それ以外の奴は許せない。」
「ん、ん、くすぐったいって、うは、やめろってばぁ!わかった!わかったから!」
「本当にわかったのかなぁ?僕心配してるんだよぉ。自分でも暴走しそうで怖いんだぁ・・・。そのうちトウヤをどこかにさ、」
どんどん声が小さくなっていくタミルの方を振り返る。そこにはトウヤの背中をじぃっと見つめるタミルがいた。トウヤは言葉の続きを促すように「タミル?」と声をかける。するとタミルが少し微笑んだ。そのままトウヤの耳元に口を寄せ呟くのである。
「僕いつかトウヤを閉じ込めちゃうかも。」
どこか楽しそうなタミルにトウヤはひゅっと喉を鳴らす。トウヤの顔を見て「冗談だよぉ」と茶化したタミルは、そのまま身体を倒しトウヤの背中にピタッとくっついた。
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