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メラン編
60※
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「んんんん~~んむ、い、息でき・・ぁん、息できなぃ、ぁん、ん、」
「意地張ってねーで、口開けろって。お前が満足するまで魔力くれてやるよ、ほら。」
顔を横に向け、その隙に息を吸おうと試みたが、トウヤは片手で両手を縫い止められ、反対の手で顎をくいっと下げられた。口が思わずぱかっと開き、溜まっていた唾液が垂れそうになる。唾液が落ちる前に、またフィンの少し大きめの口が覆いかぶさった。
フィンの唾液がこれでもか、というぐらい入り込んできて、全身の血が沸騰するような熱さを感じる。意図的に魔力を多く送り込んでいるようだった。
あまりの熱に耐えきれず、壁にもたれかかっていたトウヤの身体はそのままベッドにずり込んでいき、フィンがトウヤに覆いかぶさるような形になる。
トウヤはフィンを足で押して退けようとするが、それに気付いたフィンに足を固定するように太腿で挟まれてしまった。
全身を固定されている。動けなくなってしまった。その体勢が更にトウヤの羞恥心を煽り、声が我慢できなくなる。必死に堪えていた呻き声が、どんどん漏れ出してしまい、更にそれがまた羞恥心を煽る・・・という無限ループが完成してしまったのである。
「ぁ、ぅん、はっ、も、もぅ、ゆ、ゆるしてぇ、ぁん、ん、」
「あ゛?何で謝んだ?お前は別に悪いことはしてねーだろ?俺のもんに手ぇ出すあいつらが悪ぃ。・・チッ、そいつにもこの顔見せたんだろ、腹立つ。」
「ん、ん、ま、まりょく、もぅ、ん、いらな、い、ぅん」
「まだ入るだろーが。お前相当な魔力持ちだろ。ほら、もっとやるよ。」
ちゅ、ちゅと顔、首筋に口付けながらトウヤの蕩けた顔を堪能している。フィンも相当な魔力持ちだが、トウヤはそれ以上だということをフィンは知っている。
本人が「もういらない」と言っても、「まだ入る」ことはわかっているのだ。
しばらく口付けをフィンが続けていると、ガチャ、という鍵を開ける音が聞こえた。思考がもはや停止したトウヤには聞こえていないが、フィンの耳には届いた。
そしてコンコンというノックのあと、返事をしないままでいると「トウヤ?まだ寝てるのか?入るぞ」と夕食を持ってきたイーサンが部屋に入ってきたのである。
扉を開けた先の、蕩けた顔のトウヤとそれに覆いかぶさって不敵に笑っているフィンを見て、イーサンは目を見開いた。
持っていたコップを思わず落としてしまい、パリン、という音が部屋に響く。トウヤはその音にビクッと反応し、ゆっくりと音のした方を向いた。
パチっとトウヤとイーサンの視線が合わさる。しかし、トウヤは急に動けない。もう完全に魔力の熱と濃厚な口付けで蕩けてしまっている。
「ん、い、イーサンさま・・・?」
トウヤはどうにか声を絞り出したが、まだぼんやりとしている。
その声を聞いたイーサンから殺気と共にヒュウ、と冷気が漂い始めた。
パキパキとイーサンの足元に霜が降り、凍っていく。
「・・・フィン様、これは・・・合意の上ですか?」
「ハッ!キスマークの相手はあんただな?随分とトウヤにご執着のようで。合意ぃ?あんたも合意とってこれ付けたのかよ?あ゛?」
「・・・・・・」
「ほらな!トウヤはお前のもんじゃねぇ。俺のもんだ。魔力譲渡は模様からしろよ。チッ。」
「・・・トウヤは誰のものでもない。本人が決めることだ。あなたも模様から譲渡すればいいだろう。」
お互い一歩も引かない。
イーサンからはどんどん冷気が溢れている。水魔法だけではなく、氷魔法も得意なようだ。
一方フィンからは火の粉が舞い始めた。
まさに一触即発である。
ちょうどその時、扉からひょこっと別の人物が現れた。
「い、イーサン様?トウヤくんの体調は・・・・って、けけけけけ喧嘩はよくありませんーーーーーー!」
瞬時にあの蔓で2人をぐるぐる巻きにする、救世主エドガーの登場である。
「意地張ってねーで、口開けろって。お前が満足するまで魔力くれてやるよ、ほら。」
顔を横に向け、その隙に息を吸おうと試みたが、トウヤは片手で両手を縫い止められ、反対の手で顎をくいっと下げられた。口が思わずぱかっと開き、溜まっていた唾液が垂れそうになる。唾液が落ちる前に、またフィンの少し大きめの口が覆いかぶさった。
フィンの唾液がこれでもか、というぐらい入り込んできて、全身の血が沸騰するような熱さを感じる。意図的に魔力を多く送り込んでいるようだった。
あまりの熱に耐えきれず、壁にもたれかかっていたトウヤの身体はそのままベッドにずり込んでいき、フィンがトウヤに覆いかぶさるような形になる。
トウヤはフィンを足で押して退けようとするが、それに気付いたフィンに足を固定するように太腿で挟まれてしまった。
全身を固定されている。動けなくなってしまった。その体勢が更にトウヤの羞恥心を煽り、声が我慢できなくなる。必死に堪えていた呻き声が、どんどん漏れ出してしまい、更にそれがまた羞恥心を煽る・・・という無限ループが完成してしまったのである。
「ぁ、ぅん、はっ、も、もぅ、ゆ、ゆるしてぇ、ぁん、ん、」
「あ゛?何で謝んだ?お前は別に悪いことはしてねーだろ?俺のもんに手ぇ出すあいつらが悪ぃ。・・チッ、そいつにもこの顔見せたんだろ、腹立つ。」
「ん、ん、ま、まりょく、もぅ、ん、いらな、い、ぅん」
「まだ入るだろーが。お前相当な魔力持ちだろ。ほら、もっとやるよ。」
ちゅ、ちゅと顔、首筋に口付けながらトウヤの蕩けた顔を堪能している。フィンも相当な魔力持ちだが、トウヤはそれ以上だということをフィンは知っている。
本人が「もういらない」と言っても、「まだ入る」ことはわかっているのだ。
しばらく口付けをフィンが続けていると、ガチャ、という鍵を開ける音が聞こえた。思考がもはや停止したトウヤには聞こえていないが、フィンの耳には届いた。
そしてコンコンというノックのあと、返事をしないままでいると「トウヤ?まだ寝てるのか?入るぞ」と夕食を持ってきたイーサンが部屋に入ってきたのである。
扉を開けた先の、蕩けた顔のトウヤとそれに覆いかぶさって不敵に笑っているフィンを見て、イーサンは目を見開いた。
持っていたコップを思わず落としてしまい、パリン、という音が部屋に響く。トウヤはその音にビクッと反応し、ゆっくりと音のした方を向いた。
パチっとトウヤとイーサンの視線が合わさる。しかし、トウヤは急に動けない。もう完全に魔力の熱と濃厚な口付けで蕩けてしまっている。
「ん、い、イーサンさま・・・?」
トウヤはどうにか声を絞り出したが、まだぼんやりとしている。
その声を聞いたイーサンから殺気と共にヒュウ、と冷気が漂い始めた。
パキパキとイーサンの足元に霜が降り、凍っていく。
「・・・フィン様、これは・・・合意の上ですか?」
「ハッ!キスマークの相手はあんただな?随分とトウヤにご執着のようで。合意ぃ?あんたも合意とってこれ付けたのかよ?あ゛?」
「・・・・・・」
「ほらな!トウヤはお前のもんじゃねぇ。俺のもんだ。魔力譲渡は模様からしろよ。チッ。」
「・・・トウヤは誰のものでもない。本人が決めることだ。あなたも模様から譲渡すればいいだろう。」
お互い一歩も引かない。
イーサンからはどんどん冷気が溢れている。水魔法だけではなく、氷魔法も得意なようだ。
一方フィンからは火の粉が舞い始めた。
まさに一触即発である。
ちょうどその時、扉からひょこっと別の人物が現れた。
「い、イーサン様?トウヤくんの体調は・・・・って、けけけけけ喧嘩はよくありませんーーーーーー!」
瞬時にあの蔓で2人をぐるぐる巻きにする、救世主エドガーの登場である。
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