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メラン編
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トウヤの話はこうである。
あと数日間、全員から魔力譲渡をして貰えればメランの結界を張り直せること。
同時進行で魔法の練習をしたいこと。
メランの結界が終わった後、どの領地から回ればいいのか決める基準がわからないこと。
各領地の結界を張ってまわる際にも魔力譲渡の点から、4人の力が必要不可欠だがそれは領主的に可能なのかということ。
トウヤは魔力の状態のことといくつか疑問に思っていたことを率直に話した。
自分にしかない力だが、それを生かすためには、自分じゃ決められないことが多かったのである。判断基準がわからないのだ。
「フラーウムは領地に僕いなくても大丈夫だよぉ。あとでダスールに手紙送って貰うから。むしろ、トウヤと一緒なの喜ぶと思う。どこもそうなんじゃないのぉ?だって領地に結界張って貰うんだから次期領主不在大した事ないでしょ。」
「ハッ、相変わらず締まらん喋り方するなあ、フラーウムの。どこの領主も文句なんか言わねーぞ、トウヤ。勿論ヒュドールも問題ない。な、イーサン。」
「シェマフもです。むしろこちらからお願いしなければならないこと。しっかりとトウヤ様をお守りするのだよ、エドガー。」
「ま、イグニスも右に同じだ、トウヤ。次期領主はお前のそばにいる。安心しとけ。」
「・・・心強いです。ありがとうございます、みなさん。」
ディーが言っていた『存分に助けてもらうといいー・・』と言う言葉が今身に染みている。一人で頑張らなくても、助けてくれる人がいる。トウヤは涙が出そうだった。結界を張ってまわる順番については、魔物の被害が多く出ている領地から、ということになり、これについては各領主が話し合って決めるため今は保留、ということになった。
「魔法の練習については、神官より、そちらの4人が指導者として適任かと。順番に稽古をつけていただいてはどうですか?」
「あ、そ、そうなんですね。じゃあ・・・よろしくお願いします。」
トウヤが4人の方に頭を下げるとそれぞれ了承の返事をしたが、また全員の声が重なり何を言っているのか聞き取れなかった。人となりは全く違う4人だが、意外と息が合っているのでは?と密かにトウヤは思うのである。
トウヤの疑問も解決し、ダニエルが馬車の手配に向かう。
馬車が到着するまでの間、エドガーが魔力譲渡をしてくれることになった。この魔力譲渡も、言わば魔法の練習の一環である。トウヤは頭の中で「花瓶、花瓶!吸い取りすぎない!適量!」と必死で唱えながら、あのゾクゾク感を必死に我慢したのだった。
そしてその我慢する姿をニコニコと観察するタミル。天使の顔で観察するタミルが唇をペロッと舐めているのを見て、トウヤが別の意味でゾクゾクしてしまったことは内緒の話である。
あと数日間、全員から魔力譲渡をして貰えればメランの結界を張り直せること。
同時進行で魔法の練習をしたいこと。
メランの結界が終わった後、どの領地から回ればいいのか決める基準がわからないこと。
各領地の結界を張ってまわる際にも魔力譲渡の点から、4人の力が必要不可欠だがそれは領主的に可能なのかということ。
トウヤは魔力の状態のことといくつか疑問に思っていたことを率直に話した。
自分にしかない力だが、それを生かすためには、自分じゃ決められないことが多かったのである。判断基準がわからないのだ。
「フラーウムは領地に僕いなくても大丈夫だよぉ。あとでダスールに手紙送って貰うから。むしろ、トウヤと一緒なの喜ぶと思う。どこもそうなんじゃないのぉ?だって領地に結界張って貰うんだから次期領主不在大した事ないでしょ。」
「ハッ、相変わらず締まらん喋り方するなあ、フラーウムの。どこの領主も文句なんか言わねーぞ、トウヤ。勿論ヒュドールも問題ない。な、イーサン。」
「シェマフもです。むしろこちらからお願いしなければならないこと。しっかりとトウヤ様をお守りするのだよ、エドガー。」
「ま、イグニスも右に同じだ、トウヤ。次期領主はお前のそばにいる。安心しとけ。」
「・・・心強いです。ありがとうございます、みなさん。」
ディーが言っていた『存分に助けてもらうといいー・・』と言う言葉が今身に染みている。一人で頑張らなくても、助けてくれる人がいる。トウヤは涙が出そうだった。結界を張ってまわる順番については、魔物の被害が多く出ている領地から、ということになり、これについては各領主が話し合って決めるため今は保留、ということになった。
「魔法の練習については、神官より、そちらの4人が指導者として適任かと。順番に稽古をつけていただいてはどうですか?」
「あ、そ、そうなんですね。じゃあ・・・よろしくお願いします。」
トウヤが4人の方に頭を下げるとそれぞれ了承の返事をしたが、また全員の声が重なり何を言っているのか聞き取れなかった。人となりは全く違う4人だが、意外と息が合っているのでは?と密かにトウヤは思うのである。
トウヤの疑問も解決し、ダニエルが馬車の手配に向かう。
馬車が到着するまでの間、エドガーが魔力譲渡をしてくれることになった。この魔力譲渡も、言わば魔法の練習の一環である。トウヤは頭の中で「花瓶、花瓶!吸い取りすぎない!適量!」と必死で唱えながら、あのゾクゾク感を必死に我慢したのだった。
そしてその我慢する姿をニコニコと観察するタミル。天使の顔で観察するタミルが唇をペロッと舐めているのを見て、トウヤが別の意味でゾクゾクしてしまったことは内緒の話である。
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