22 / 128
メラン編
22
しおりを挟む
『ほお。相当な魔力持ちに譲渡でもしてもらったのか?おかげで今夜は形が保てる。』
「・・・毎晩あんたも飽きねーな。暇なのかよ。」
3日も続くとトウヤも慣れる。
またここだ、と黒い柱を目の前にして舌打ちをすると目の前から今日はしっかりと人間の形をした黒髪の男が出てきた。
黒髪は胸元まであり、ここに風が吹いていたのならサラサラとなびきそうだ。
切長の目元を見ると、その瞳は今まで見たことのない、黒。
おしゃべりなリサとダンバーに聞いた話では、黒神様の恩恵を強く受けている者の瞳は黒に近い色だという。
国王のサファード、中央神殿の神官長のダニエル、という人が灰色だと教えてもらった。
だが、目の前にいる元モヤモヤ男はどうだ。
灰色ではなく、黒なのだ。
「あんた・・本当に何者だ。黒い瞳はいないって聞いたぜ?・・・魔法使ってんのか?」
『魔法でこの色は出せない。黒は私の色だから。』
私の色、と確かに目の前にいる美しい男はそう言った。
トウヤは「何言ってんだ、こいつ」と顔を顰めたが、男は気にせず言葉を続けた。
『この色はお前のものになる。トウヤは私の後継者だから。』
この言葉にトウヤの眉間の皺は更に深くなった。
「・・・俺ただの靴職人見習いだけど。あんたまず自己紹介しろよ。」
理解が追いつかず黙り込んでいたトウヤがようやく言葉を捻り出す。
そしてまた名乗りもせず、訳わかんない奴が出てきたーー・・とトウヤは頭を抱えたのだった。
「・・・毎晩あんたも飽きねーな。暇なのかよ。」
3日も続くとトウヤも慣れる。
またここだ、と黒い柱を目の前にして舌打ちをすると目の前から今日はしっかりと人間の形をした黒髪の男が出てきた。
黒髪は胸元まであり、ここに風が吹いていたのならサラサラとなびきそうだ。
切長の目元を見ると、その瞳は今まで見たことのない、黒。
おしゃべりなリサとダンバーに聞いた話では、黒神様の恩恵を強く受けている者の瞳は黒に近い色だという。
国王のサファード、中央神殿の神官長のダニエル、という人が灰色だと教えてもらった。
だが、目の前にいる元モヤモヤ男はどうだ。
灰色ではなく、黒なのだ。
「あんた・・本当に何者だ。黒い瞳はいないって聞いたぜ?・・・魔法使ってんのか?」
『魔法でこの色は出せない。黒は私の色だから。』
私の色、と確かに目の前にいる美しい男はそう言った。
トウヤは「何言ってんだ、こいつ」と顔を顰めたが、男は気にせず言葉を続けた。
『この色はお前のものになる。トウヤは私の後継者だから。』
この言葉にトウヤの眉間の皺は更に深くなった。
「・・・俺ただの靴職人見習いだけど。あんたまず自己紹介しろよ。」
理解が追いつかず黙り込んでいたトウヤがようやく言葉を捻り出す。
そしてまた名乗りもせず、訳わかんない奴が出てきたーー・・とトウヤは頭を抱えたのだった。
応援ありがとうございます!
7
お気に入りに追加
314
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる