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「僕の記憶は僕のものだから、あげないよ。」
「いや、いらんし。」
気がつくと今まで見たこともない程の大木の上に造られた小さな家の前にいた。
すぐにこんな大胆な造りで雨漏りとか大丈夫なのか?と要らぬ心配をする俺。
屋根の上の幾重にも曲がりくねった枝と葉のおかげで、雨を防げて家が痛まずに済んでるんだろうなと思った。
中に入ると外観に似合わず、とても綺麗で整理整頓された空間。
小さなテーブルにベッドまであるし、子ども心くすぐる楽しそうな家。
「顔つき、かなあ?同じ体なのにちょっと違うの本当不思議だよね。」
「・・・同じ?俺と・・・お前が?」
「どう言う意味か、君にわかる?」
「・・・・・・」
家に入るなり、無遠慮に近づいてきた一人の子ども。
妙に落ち着いた喋り方が癪に触る。
テーブルを挟んだ向かい側に座るよう指差して、頬杖をついた。
少し吊り目でまつ毛が長く、生意気そうに見える顔は、俺の子どもの頃によく似ている。
十・・・いや、十三、歳くらい・・・?
「一応確認なんだけど、お前さ、夢に出てきた奴だよな?」
「そっちが勝手に見たんでしょ。あれは僕の大切な記憶なのに。」
「はあ?お前らが勝手に出てきたんだろ。」
「ふーん・・・・・・でもまあ、安心して。もう見られなくなる。」
「・・・なんでだよ。」
意味深な返答に、突っ込まずにはいられない。
尋ねたのは俺なのに、まるで俺にその問いの答えを問うように、首を傾げたそいつの顔がやたらと寂しげに見える。
そいつは俺の胸のあたりを指差した後、自分の同じ場所に両手を置いて、抱きしめるように体を丸めた。
「僕の魔力がようやく完全に消えるみたい。」
「・・・・・・匂いの、違う魔力・・・って、」
「僕のことだろうね。これは僕の魔力が見せてる幻だよ。」
「幻・・・これが・・・?」
改めて、周りを見渡す。
家も家具も、木の隙間から見える山の景色も、何ならこの匂いだって、全部幻・・・・・・?
そんなことができるって、本当こいつ一体────・・・
「・・・さっき同じ体、って言ったよな。」
「うん。」
「お前は・・・・・・、その、」
「僕は死にかけた、って言うのが正しいかな。で、君は僕の時間全てを"巻き戻した"結果。体も、心も・・・記憶も。」
「・・・ちょ、っと、待て。意味が・・・っ、」
「僕ね、怒ってるんだ。」
「・・・・・・俺に?」
「・・・ふふふ」
悪戯っ子みたいに笑ったそいつは、小さく首を振る。
急に立ち上がり、テーブルを半周して俺の横に座った。
片方の手を広げて突き出してくるもんだから、俺はその手に合わせて自分の手を重ね合わせた。
指の第一関節がはみ出るくらい、俺の手の方が大きかった。
「あの時、僕は死ぬはずだった。僕の判断が、いけなかった。」
「・・・?」
「なのにあの人は僕のために・・・大事な・・・っ、そんなことして欲しくなかったのに・・・っ」
「お、おい・・・」
合わせていた手が、力無くずるずると落ちていく。
体を二つに折るようにして肩を震わせるそいつの淡い色のズボンの上に、いくつも染みができていた。
半ば仕方なく、俺は俺よりも小さな背中をさすった。
何度も、何度も繰り返して。
お前もコルヴィみたいに泣けばいいのに。
でも、言ってしまったらお前が崩れてしまいそうな気がして、言葉にできなかった。
そうしているうちに、上半身が勢いよくスッと持ち上がる。
どこか遠くの方を見ながら長い息をふーっと吐いて、俺と同じ黒い瞳がこちらを向いた。
ごしごし擦った目元は、すっかり赤くなっていた。
「へへへ・・・、僕の大事な竜人様はとてもかわいいでしょう。」
「・・・・・・どこが?」
「全然分かってないなあ。大きな子どもみたいで、かわいくて、たまらないのに。」
「・・・趣味悪。」
「そうかなあ。」
くすくすと笑いを溢す姿が、ようやく"子どもらしく"見えた。
改めるようにして、もう一度差し出された手。
うっすら透けて見えるのはきっと気のせいなんかじゃなく、重ね合わせようとしても、さっきのようにうまくいかなかった。
「僕は自分の魔力に翻弄された人生だったよ。」
「大往生のジジイの遺言みたいだな。」
「君も今から・・・まあ・・・・・・大変だろうけど、がんばって。魔力にはすぐ慣れるよ。僕ら、割と頑丈だし。」
「さっき俺、血吐いたんだけど・・・」
「それはお気の毒に。」
どうも俺に人並み以上の魔力があるのは確定らしい。
夢であってほしかったけど、手についたあの大量の血は現実だった。
面倒くせえ、と溢す俺に、うんうん、と大きく頷くのは長い黒髪を三つ編みにした、少年。
「いつもぶっきらぼうな人なんだけどさ、」
「・・・あ、あれをぶっきらぼうで済ませるか?」
「あの人は僕を・・・、君を、必死に守ろうとしてる。それだけは信じてあげて。」
「・・・・・・考えとく。」
「えー?そこはうんって、頷いてよお。」
「・・・・・・なあ、何かあいつに言いたいことねえの?」
「・・・ええ?そんなこと、考えたことなかったなあ・・・」
俺の言葉に一瞬きょとんとして、しばらく何やら楽しそうに考えるそぶりを見せる。
そして俺たち以外誰もいないのに、内緒話をする時みたいにこそこそと耳打ちをされた。
「優しいところはちゃんと僕似で安心した。」
「お前に似たんじゃないですう。爺ちゃんと婆ちゃんの育て方がいいんですう。」
「イル様も、優しいんですう。」
「・・・・・・」「・・・・・・」
一体、何を張り合ってるんだろう。
考えることが同じだったのか、目が合うと二人で大口を開けて笑った。
笑って、笑って、少し泣いた。
最後に少年は、言った。
そこから外に出られるよ、と。
そして扉の方を指差して、さっき泣いた時のように静かに、静かに消えていった。
扉には見たことのない小さな白い花が飾られている。
どこに咲いているのか聞きたくて、後ろを振り返る。
さっきまで隣り合って座った椅子はすでに消えていた。
あいつの名前は、狂犬男にでも聞こう。
覚えてない、なんて絶対言わせない。
もし覚えてなかったら、リーディア様に協力してもらって、もう一本の角も折ってやる。
そう決意して、扉の取手に手を伸ばした。
「いや、いらんし。」
気がつくと今まで見たこともない程の大木の上に造られた小さな家の前にいた。
すぐにこんな大胆な造りで雨漏りとか大丈夫なのか?と要らぬ心配をする俺。
屋根の上の幾重にも曲がりくねった枝と葉のおかげで、雨を防げて家が痛まずに済んでるんだろうなと思った。
中に入ると外観に似合わず、とても綺麗で整理整頓された空間。
小さなテーブルにベッドまであるし、子ども心くすぐる楽しそうな家。
「顔つき、かなあ?同じ体なのにちょっと違うの本当不思議だよね。」
「・・・同じ?俺と・・・お前が?」
「どう言う意味か、君にわかる?」
「・・・・・・」
家に入るなり、無遠慮に近づいてきた一人の子ども。
妙に落ち着いた喋り方が癪に触る。
テーブルを挟んだ向かい側に座るよう指差して、頬杖をついた。
少し吊り目でまつ毛が長く、生意気そうに見える顔は、俺の子どもの頃によく似ている。
十・・・いや、十三、歳くらい・・・?
「一応確認なんだけど、お前さ、夢に出てきた奴だよな?」
「そっちが勝手に見たんでしょ。あれは僕の大切な記憶なのに。」
「はあ?お前らが勝手に出てきたんだろ。」
「ふーん・・・・・・でもまあ、安心して。もう見られなくなる。」
「・・・なんでだよ。」
意味深な返答に、突っ込まずにはいられない。
尋ねたのは俺なのに、まるで俺にその問いの答えを問うように、首を傾げたそいつの顔がやたらと寂しげに見える。
そいつは俺の胸のあたりを指差した後、自分の同じ場所に両手を置いて、抱きしめるように体を丸めた。
「僕の魔力がようやく完全に消えるみたい。」
「・・・・・・匂いの、違う魔力・・・って、」
「僕のことだろうね。これは僕の魔力が見せてる幻だよ。」
「幻・・・これが・・・?」
改めて、周りを見渡す。
家も家具も、木の隙間から見える山の景色も、何ならこの匂いだって、全部幻・・・・・・?
そんなことができるって、本当こいつ一体────・・・
「・・・さっき同じ体、って言ったよな。」
「うん。」
「お前は・・・・・・、その、」
「僕は死にかけた、って言うのが正しいかな。で、君は僕の時間全てを"巻き戻した"結果。体も、心も・・・記憶も。」
「・・・ちょ、っと、待て。意味が・・・っ、」
「僕ね、怒ってるんだ。」
「・・・・・・俺に?」
「・・・ふふふ」
悪戯っ子みたいに笑ったそいつは、小さく首を振る。
急に立ち上がり、テーブルを半周して俺の横に座った。
片方の手を広げて突き出してくるもんだから、俺はその手に合わせて自分の手を重ね合わせた。
指の第一関節がはみ出るくらい、俺の手の方が大きかった。
「あの時、僕は死ぬはずだった。僕の判断が、いけなかった。」
「・・・?」
「なのにあの人は僕のために・・・大事な・・・っ、そんなことして欲しくなかったのに・・・っ」
「お、おい・・・」
合わせていた手が、力無くずるずると落ちていく。
体を二つに折るようにして肩を震わせるそいつの淡い色のズボンの上に、いくつも染みができていた。
半ば仕方なく、俺は俺よりも小さな背中をさすった。
何度も、何度も繰り返して。
お前もコルヴィみたいに泣けばいいのに。
でも、言ってしまったらお前が崩れてしまいそうな気がして、言葉にできなかった。
そうしているうちに、上半身が勢いよくスッと持ち上がる。
どこか遠くの方を見ながら長い息をふーっと吐いて、俺と同じ黒い瞳がこちらを向いた。
ごしごし擦った目元は、すっかり赤くなっていた。
「へへへ・・・、僕の大事な竜人様はとてもかわいいでしょう。」
「・・・・・・どこが?」
「全然分かってないなあ。大きな子どもみたいで、かわいくて、たまらないのに。」
「・・・趣味悪。」
「そうかなあ。」
くすくすと笑いを溢す姿が、ようやく"子どもらしく"見えた。
改めるようにして、もう一度差し出された手。
うっすら透けて見えるのはきっと気のせいなんかじゃなく、重ね合わせようとしても、さっきのようにうまくいかなかった。
「僕は自分の魔力に翻弄された人生だったよ。」
「大往生のジジイの遺言みたいだな。」
「君も今から・・・まあ・・・・・・大変だろうけど、がんばって。魔力にはすぐ慣れるよ。僕ら、割と頑丈だし。」
「さっき俺、血吐いたんだけど・・・」
「それはお気の毒に。」
どうも俺に人並み以上の魔力があるのは確定らしい。
夢であってほしかったけど、手についたあの大量の血は現実だった。
面倒くせえ、と溢す俺に、うんうん、と大きく頷くのは長い黒髪を三つ編みにした、少年。
「いつもぶっきらぼうな人なんだけどさ、」
「・・・あ、あれをぶっきらぼうで済ませるか?」
「あの人は僕を・・・、君を、必死に守ろうとしてる。それだけは信じてあげて。」
「・・・・・・考えとく。」
「えー?そこはうんって、頷いてよお。」
「・・・・・・なあ、何かあいつに言いたいことねえの?」
「・・・ええ?そんなこと、考えたことなかったなあ・・・」
俺の言葉に一瞬きょとんとして、しばらく何やら楽しそうに考えるそぶりを見せる。
そして俺たち以外誰もいないのに、内緒話をする時みたいにこそこそと耳打ちをされた。
「優しいところはちゃんと僕似で安心した。」
「お前に似たんじゃないですう。爺ちゃんと婆ちゃんの育て方がいいんですう。」
「イル様も、優しいんですう。」
「・・・・・・」「・・・・・・」
一体、何を張り合ってるんだろう。
考えることが同じだったのか、目が合うと二人で大口を開けて笑った。
笑って、笑って、少し泣いた。
最後に少年は、言った。
そこから外に出られるよ、と。
そして扉の方を指差して、さっき泣いた時のように静かに、静かに消えていった。
扉には見たことのない小さな白い花が飾られている。
どこに咲いているのか聞きたくて、後ろを振り返る。
さっきまで隣り合って座った椅子はすでに消えていた。
あいつの名前は、狂犬男にでも聞こう。
覚えてない、なんて絶対言わせない。
もし覚えてなかったら、リーディア様に協力してもらって、もう一本の角も折ってやる。
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