【完結】合法ショタの 尚 さん

N2O

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番外編

その後の2人②

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バスケのルールは分かんなかったけど、陽太が凄いことはよく分かった。
点を次々入れていて、その度観客席から黄色い声援があがった。
大喜曰く、陽太は結構人気があるそうで、毎回こんな感じなんだと言う。
耳にピアス開けまくりの侑も同じコート内にいて、陽太と同じようにかなり人気があるようだった。






試合は本当にあっという間で、114-34という圧勝で陽太のチームが勝った。
久しぶりに生でスポーツ観戦をしたこともあり、俺はめちゃめちゃ興奮した。
大きな声も結構出したから、さすがに陽太も俺に気付いたらしい。

試合の最中でも、俺と目があった・・・・・・気がする。









「いやぁ~、陽太は相変わらずセンスの塊。かっこよかったでしょ~?ね、尚さん?」

「う、うん!かっ・・こよかった。何か凄かった!」

「うんうん、そうでしょう?やっぱ連れてきて正解だわ。ボソボソ(じれったくて見てらんねーもん。)」

「・・・ん?なんか言った?」

「いーえ、何もないっす。あ、尚さん、一階の通路に行きましょ?陽太がそこから出て来るはずなんで。声掛けてやってくださいよ!」

「へっ!?お、俺は、後でLIMEするから・・・ってええ?!引っ張るなって!おい!」

「ゴーゴー!」








大喜はずるずる俺の手を引き、一階の通路に引っ張って行く。
通路に着く手前で大喜がトイレに駆け込み、俺はトイレの近くのベンチに座り、すかさずスマホを取り出した。


最近、ナイモンのスマホゲームが出たんだよ~~!



リリースが発表された時はまた興奮して、花に電話をかけた。あと大喜にも。
その興奮冷めやらない今も、こうやって隙間時間は全部ゲームに費やしている。

ゲームのスタート画面を意気揚々とクリックしようとした時、誰か近づいてきた。
ふと顔を上げると知らない若い男が2人、俺の前に立っている。
どこかの大学のチームなのか、陽太が着ていたものとは違うユニフォームを着ていて、心当たりがない俺は、首を横に傾げた。

すると2人は瞬時に互いに目を合わせ、1人は俺の隣に遠慮なく座り、もう1人は俺の前に屈んで目を合わせようとしてくる。




はあ?









「ねえ、君高校生?1人?誰かの応援に来たの?この後俺らとアイス食べに行かない?奢るからさ。」

「バスケ興味あるの?色白いけど、運動何かしてる?ちょっと足触ってもいい?」

「・・・・・・・・・触んないでください。」









最近の大学生っていうのは人見知りしないのか?
何でこんなに距離感が近いんだ?
質問攻めだし、本当に足を触ろうとしてくるし。


足を触ろうとする奴から距離を取ろうと、立ちあがろうとした。
すると、目の前にいたやつが両手を伸ばし、俺を挟み込んできたのである。









「そんなに怖がんないでよ~。嫌なことしないしさぁ?」

「・・・もう十分嫌なんだけど。」

「スマホ見てるぐらいだから1人なんでしょ?アイス食べに行こ?俺らもう試合終わったし。」

「・・・・・・・・・1人じゃないし、アイスも食べに行かない。退け。」

「うは~!ツンも可愛い。俺ら見る目ある~!」

「早く行こ行こ!後で着替えれば良いし・・・何なら着替えられるところ・・・・・・一緒に行くぅ?」

「行かねぇよ。」








全く話が通じない。
それどころか、横に座った男は俺の左足を撫でた。
その手を振り払うと、2人して俺の手を引き始める。
力めっちゃ強いし、2人とも180㎝は確実にある大柄。
ずるずると引っ張られ、ベンチからどんどん離れて行く。


足をギューっと踏ん張り、ブレーキをかけるような体勢で必死に耐えていると、聞き慣れた声がして、俺を後ろから抱え込んだ。








「俺の大事な人に、手ぇ出したらぶっ殺すぞ。」







後ろを振り返る。
汗をダラダラ流したままの陽太が、まさに鬼の形相で目の前の2人を睨んでいるのが見えた。
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