29 / 35
番外編
その後の2人②
しおりを挟む
バスケのルールは分かんなかったけど、陽太が凄いことはよく分かった。
点を次々入れていて、その度観客席から黄色い声援があがった。
大喜曰く、陽太は結構人気があるそうで、毎回こんな感じなんだと言う。
耳にピアス開けまくりの侑も同じコート内にいて、陽太と同じようにかなり人気があるようだった。
試合は本当にあっという間で、114-34という圧勝で陽太のチームが勝った。
久しぶりに生でスポーツ観戦をしたこともあり、俺はめちゃめちゃ興奮した。
大きな声も結構出したから、さすがに陽太も俺に気付いたらしい。
試合の最中でも、俺と目があった・・・・・・気がする。
「いやぁ~、陽太は相変わらずセンスの塊。かっこよかったでしょ~?ね、尚さん?」
「う、うん!かっ・・こよかった。何か凄かった!」
「うんうん、そうでしょう?やっぱ連れてきて正解だわ。ボソボソ(じれったくて見てらんねーもん。)」
「・・・ん?なんか言った?」
「いーえ、何もないっす。あ、尚さん、一階の通路に行きましょ?陽太がそこから出て来るはずなんで。声掛けてやってくださいよ!」
「へっ!?お、俺は、後でLIMEするから・・・ってええ?!引っ張るなって!おい!」
「ゴーゴー!」
大喜はずるずる俺の手を引き、一階の通路に引っ張って行く。
通路に着く手前で大喜がトイレに駆け込み、俺はトイレの近くのベンチに座り、すかさずスマホを取り出した。
最近、ナイモンのスマホゲームが出たんだよ~~!
リリースが発表された時はまた興奮して、花に電話をかけた。あと大喜にも。
その興奮冷めやらない今も、こうやって隙間時間は全部ゲームに費やしている。
ゲームのスタート画面を意気揚々とクリックしようとした時、誰か近づいてきた。
ふと顔を上げると知らない若い男が2人、俺の前に立っている。
どこかの大学のチームなのか、陽太が着ていたものとは違うユニフォームを着ていて、心当たりがない俺は、首を横に傾げた。
すると2人は瞬時に互いに目を合わせ、1人は俺の隣に遠慮なく座り、もう1人は俺の前に屈んで目を合わせようとしてくる。
はあ?
「ねえ、君高校生?1人?誰かの応援に来たの?この後俺らとアイス食べに行かない?奢るからさ。」
「バスケ興味あるの?色白いけど、運動何かしてる?ちょっと足触ってもいい?」
「・・・・・・・・・触んないでください。」
最近の大学生っていうのは人見知りしないのか?
何でこんなに距離感が近いんだ?
質問攻めだし、本当に足を触ろうとしてくるし。
足を触ろうとする奴から距離を取ろうと、立ちあがろうとした。
すると、目の前にいたやつが両手を伸ばし、俺を挟み込んできたのである。
「そんなに怖がんないでよ~。嫌なことしないしさぁ?」
「・・・もう十分嫌なんだけど。」
「スマホ見てるぐらいだから1人なんでしょ?アイス食べに行こ?俺らもう試合終わったし。」
「・・・・・・・・・1人じゃないし、アイスも食べに行かない。退け。」
「うは~!ツンも可愛い。俺ら見る目ある~!」
「早く行こ行こ!後で着替えれば良いし・・・何なら着替えられるところ・・・・・・一緒に行くぅ?」
「行かねぇよ。」
全く話が通じない。
それどころか、横に座った男は俺の左足を撫でた。
その手を振り払うと、2人して俺の手を引き始める。
力めっちゃ強いし、2人とも180㎝は確実にある大柄。
ずるずると引っ張られ、ベンチからどんどん離れて行く。
足をギューっと踏ん張り、ブレーキをかけるような体勢で必死に耐えていると、聞き慣れた声がして、俺を後ろから抱え込んだ。
「俺の大事な人に、手ぇ出したらぶっ殺すぞ。」
後ろを振り返る。
汗をダラダラ流したままの陽太が、まさに鬼の形相で目の前の2人を睨んでいるのが見えた。
点を次々入れていて、その度観客席から黄色い声援があがった。
大喜曰く、陽太は結構人気があるそうで、毎回こんな感じなんだと言う。
耳にピアス開けまくりの侑も同じコート内にいて、陽太と同じようにかなり人気があるようだった。
試合は本当にあっという間で、114-34という圧勝で陽太のチームが勝った。
久しぶりに生でスポーツ観戦をしたこともあり、俺はめちゃめちゃ興奮した。
大きな声も結構出したから、さすがに陽太も俺に気付いたらしい。
試合の最中でも、俺と目があった・・・・・・気がする。
「いやぁ~、陽太は相変わらずセンスの塊。かっこよかったでしょ~?ね、尚さん?」
「う、うん!かっ・・こよかった。何か凄かった!」
「うんうん、そうでしょう?やっぱ連れてきて正解だわ。ボソボソ(じれったくて見てらんねーもん。)」
「・・・ん?なんか言った?」
「いーえ、何もないっす。あ、尚さん、一階の通路に行きましょ?陽太がそこから出て来るはずなんで。声掛けてやってくださいよ!」
「へっ!?お、俺は、後でLIMEするから・・・ってええ?!引っ張るなって!おい!」
「ゴーゴー!」
大喜はずるずる俺の手を引き、一階の通路に引っ張って行く。
通路に着く手前で大喜がトイレに駆け込み、俺はトイレの近くのベンチに座り、すかさずスマホを取り出した。
最近、ナイモンのスマホゲームが出たんだよ~~!
リリースが発表された時はまた興奮して、花に電話をかけた。あと大喜にも。
その興奮冷めやらない今も、こうやって隙間時間は全部ゲームに費やしている。
ゲームのスタート画面を意気揚々とクリックしようとした時、誰か近づいてきた。
ふと顔を上げると知らない若い男が2人、俺の前に立っている。
どこかの大学のチームなのか、陽太が着ていたものとは違うユニフォームを着ていて、心当たりがない俺は、首を横に傾げた。
すると2人は瞬時に互いに目を合わせ、1人は俺の隣に遠慮なく座り、もう1人は俺の前に屈んで目を合わせようとしてくる。
はあ?
「ねえ、君高校生?1人?誰かの応援に来たの?この後俺らとアイス食べに行かない?奢るからさ。」
「バスケ興味あるの?色白いけど、運動何かしてる?ちょっと足触ってもいい?」
「・・・・・・・・・触んないでください。」
最近の大学生っていうのは人見知りしないのか?
何でこんなに距離感が近いんだ?
質問攻めだし、本当に足を触ろうとしてくるし。
足を触ろうとする奴から距離を取ろうと、立ちあがろうとした。
すると、目の前にいたやつが両手を伸ばし、俺を挟み込んできたのである。
「そんなに怖がんないでよ~。嫌なことしないしさぁ?」
「・・・もう十分嫌なんだけど。」
「スマホ見てるぐらいだから1人なんでしょ?アイス食べに行こ?俺らもう試合終わったし。」
「・・・・・・・・・1人じゃないし、アイスも食べに行かない。退け。」
「うは~!ツンも可愛い。俺ら見る目ある~!」
「早く行こ行こ!後で着替えれば良いし・・・何なら着替えられるところ・・・・・・一緒に行くぅ?」
「行かねぇよ。」
全く話が通じない。
それどころか、横に座った男は俺の左足を撫でた。
その手を振り払うと、2人して俺の手を引き始める。
力めっちゃ強いし、2人とも180㎝は確実にある大柄。
ずるずると引っ張られ、ベンチからどんどん離れて行く。
足をギューっと踏ん張り、ブレーキをかけるような体勢で必死に耐えていると、聞き慣れた声がして、俺を後ろから抱え込んだ。
「俺の大事な人に、手ぇ出したらぶっ殺すぞ。」
後ろを振り返る。
汗をダラダラ流したままの陽太が、まさに鬼の形相で目の前の2人を睨んでいるのが見えた。
58
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ナイトプールが出会いの場だと知らずに友達に連れてこられた地味な大学生がド派手な美しい男にナンパされて口説かれる話
ゆなな
BL
高級ホテルのナイトプールが出会いの場だと知らずに大学の友達に連れて来れられた平凡な大学生海斗。
海斗はその場で自分が浮いていることに気が付き帰ろうとしたが、見たことがないくらい美しい男に声を掛けられる。
夏の夜のプールで甘くかき口説かれた海斗は、これが美しい男の一夜の気まぐれだとわかっていても夢中にならずにはいられなかった。
ホテルに宿泊していた男に流れるように部屋に連れ込まれた海斗。
翌朝逃げるようにホテルの部屋を出た海斗はようやく男の驚くべき正体に気が付き、目を瞠った……
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる