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番外編
その後の2人①
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俺は今、アパートから車で40分ほどの距離にある総合体育館に来ている。
あのGSA旅行から約3ヶ月。
陽太とは・・・まだ、付き合っていない。
あの日、帰りの空港で連絡先を交換してから毎日のように連絡が来るし、2回ほど一緒に飯を食った。
陽太は俺のアパートから車で1時間ちょいのところに大学があり、その近くで一人暮らしをしているらしい。
今日は何でも、大事なバスケ部の試合があるとかで、見学のお誘いが来たのだ。誘って来たのは大喜である。
「あいつも尚さんの応援があれば超やる気が出ると思うんで!」と妙にノリノリだった。
陽太からは試合があるなんて聞いていなかったから、「何だよ、声掛けてくれたらいいじゃん」と少しモヤっとした。ほぼ毎日好き好き言ってくる割に、自分の活躍する姿は見せたくないのか?と矛盾を感じたから。
・・・付き合う返事をまだしてない俺も俺。
そんなこと言えないけど。
とにかく!今日は張り切って応援!
初めて来たけど、総合体育館ってめっちゃでかい。
駐車場もめちゃめちゃ広い。
俺は車を停めて、出入り口がどこかしばらくうろうろ探した(迷子)後、大喜と無事合流することができた。
大喜とはGSA旅行の後、何度かナイモンの新しいゲームのことで連絡を取り合ったが、直接会うのはこれが初めて。
俺に気付くと、ブンブン手を大きく振る大喜は夏ということもあってかなり日に焼けていた。
「うっわー!尚さん、会うのGSA以来じゃーん!相変わらずかっっっわいい!肌白い!しかも何その格好!男心くすぐるわ~!」
「ひ、久しぶり・・・?別に変な格好してないだろ?普通にTシャツと短パンじゃん・・・相変わらず変なこと言うやつだな。」
「いやいやいやいや、尚さん分かってないなぁ。そんな毛の薄い白い足出してたら触りたくなるっしょ!」
「はああ?!」
「足首ほっそ!透けてあのピンク乳首見えるんじゃ、って、イテ、イテテテ!そんなに叩かないで!」
「~~~~っ、お、お、お前が!大声で変なこと言うから!もうっ、早く中に案内しろよ!」
「へいへい♡」
大喜の背中を叩きながら、体育館の方へと向かう。
騒いでたから、周りからの視線が痛い・・・!
俺は逃げるようにその場から走り去った。
体育館の中は空調が効いているとは言え、熱気に溢れていた。
運動はほとんどしないから、こんな場所に来るのも初めて?かも知れない。結構ワクワクする。
近隣の大学からかなりの数のチームが集まる大きな試合のようで、体育館の中は選手だけではなくら応援に駆け付けたであろう家族や大学生達で、どこを見ても人、人、人!
「尚さん!はぐれないでくださいね!」
「子ども扱いすんな!」
「ちょっと手握りますよ~!やましい気持ちは、ちょっとしかないっすからねー!」
「はっ!?お、おい!引っ張んなって!」
大喜に手を引かれながら人をかき分け、ようやく観客席に着くとすでに試合が始まっていた。
大喜はキョロキョロとコートを見渡し、「あっ!いた!」と勢いよく指差す。
背の高い、ゆるいウェーブのかかった焦茶色の髪をバンドで固定した男が、ちょうどゴールを決めている瞬間で、ぱしゅっと気持ちのいい音体育館に響く。
当の本人はそれが何でもないかのように、すぐ移動を始めた。
「・・・陽太、かっこい・・・」
俺の口から無意識に本音がこぼれた。
周りの応援で掻き消されたが、すぐ隣にいた大喜はそれを聞き逃さず、ニヤリ、と笑っていたことを俺は気づかなかった。
あのGSA旅行から約3ヶ月。
陽太とは・・・まだ、付き合っていない。
あの日、帰りの空港で連絡先を交換してから毎日のように連絡が来るし、2回ほど一緒に飯を食った。
陽太は俺のアパートから車で1時間ちょいのところに大学があり、その近くで一人暮らしをしているらしい。
今日は何でも、大事なバスケ部の試合があるとかで、見学のお誘いが来たのだ。誘って来たのは大喜である。
「あいつも尚さんの応援があれば超やる気が出ると思うんで!」と妙にノリノリだった。
陽太からは試合があるなんて聞いていなかったから、「何だよ、声掛けてくれたらいいじゃん」と少しモヤっとした。ほぼ毎日好き好き言ってくる割に、自分の活躍する姿は見せたくないのか?と矛盾を感じたから。
・・・付き合う返事をまだしてない俺も俺。
そんなこと言えないけど。
とにかく!今日は張り切って応援!
初めて来たけど、総合体育館ってめっちゃでかい。
駐車場もめちゃめちゃ広い。
俺は車を停めて、出入り口がどこかしばらくうろうろ探した(迷子)後、大喜と無事合流することができた。
大喜とはGSA旅行の後、何度かナイモンの新しいゲームのことで連絡を取り合ったが、直接会うのはこれが初めて。
俺に気付くと、ブンブン手を大きく振る大喜は夏ということもあってかなり日に焼けていた。
「うっわー!尚さん、会うのGSA以来じゃーん!相変わらずかっっっわいい!肌白い!しかも何その格好!男心くすぐるわ~!」
「ひ、久しぶり・・・?別に変な格好してないだろ?普通にTシャツと短パンじゃん・・・相変わらず変なこと言うやつだな。」
「いやいやいやいや、尚さん分かってないなぁ。そんな毛の薄い白い足出してたら触りたくなるっしょ!」
「はああ?!」
「足首ほっそ!透けてあのピンク乳首見えるんじゃ、って、イテ、イテテテ!そんなに叩かないで!」
「~~~~っ、お、お、お前が!大声で変なこと言うから!もうっ、早く中に案内しろよ!」
「へいへい♡」
大喜の背中を叩きながら、体育館の方へと向かう。
騒いでたから、周りからの視線が痛い・・・!
俺は逃げるようにその場から走り去った。
体育館の中は空調が効いているとは言え、熱気に溢れていた。
運動はほとんどしないから、こんな場所に来るのも初めて?かも知れない。結構ワクワクする。
近隣の大学からかなりの数のチームが集まる大きな試合のようで、体育館の中は選手だけではなくら応援に駆け付けたであろう家族や大学生達で、どこを見ても人、人、人!
「尚さん!はぐれないでくださいね!」
「子ども扱いすんな!」
「ちょっと手握りますよ~!やましい気持ちは、ちょっとしかないっすからねー!」
「はっ!?お、おい!引っ張んなって!」
大喜に手を引かれながら人をかき分け、ようやく観客席に着くとすでに試合が始まっていた。
大喜はキョロキョロとコートを見渡し、「あっ!いた!」と勢いよく指差す。
背の高い、ゆるいウェーブのかかった焦茶色の髪をバンドで固定した男が、ちょうどゴールを決めている瞬間で、ぱしゅっと気持ちのいい音体育館に響く。
当の本人はそれが何でもないかのように、すぐ移動を始めた。
「・・・陽太、かっこい・・・」
俺の口から無意識に本音がこぼれた。
周りの応援で掻き消されたが、すぐ隣にいた大喜はそれを聞き逃さず、ニヤリ、と笑っていたことを俺は気づかなかった。
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