【完結】合法ショタの 尚 さん

N2O

文字の大きさ
上 下
9 / 35

イケるか、イケないか

しおりを挟む


「どっちって何だ?ハーレイかリディかって話か?」




突然振られた話に頭が追いつかない。
推しの話をしにきたんだから、多分キャラクターおしのことだろうと思って返事をしたが、どうやらそうではないらしい。
目があった大喜は一瞬きょとんとした後、ひひひっと、悪戯をする子どものように笑った。






「尚さん、ナイモンから一旦離れて?"どっちも"っていうのは女も、男も、ってことです!」

「女も男も・・・?ああ、愛とか恋だとかの話か?」

「大喜、その質問はいきなりすぎるわ。尚さんほぼ初対面やぞ。割と仲良くなってからする質問やん、それ。」

「え~?いいじゃんか。尚さん可愛いしさぁ。俺仲良くなりたいもん。ね?尚さん、どーお?」






どーお?って言われてもな、と俺はまた一口酒を口に含む。
別に好きになれれば、女だろうが、男だろうが、どっちでもいいんじゃねえの?

・・・・・・経験ないからわからんけどさ。





「・・・よく分からん。」

「分からんって!?じゃあ、今まで付き合ったのはどうなん?女ばっかり?」

「いねえよ。」

「え?」

「付き合ったことなんか今までねえよ!くそ!別にいいんだかんな!俺はずっと独身で生きていく!」

「「「「・・・・・・っ?!」」」」






今日会ったばかりの年下連中に、年齢=恋人いない歴がバレてしまった。
一気に視線が集まって、何だか居た堪れない。
持っていた缶ビールを一気に煽ると、アルコールが頭をふわふわさせる。

笑いたきゃ笑え!とばかりに、カンっと強めに空き缶をローテーブルに置くと、恐る恐る大喜がまた口を開いた。






「・・・ってことは・・・もしかして・・・・・・」

「・・・っんだよ!童貞だっつーの!イケイケ大学生には分からんだろうが、こんな男だっているんだかんな!」

「最早天然記念物じゃん・・・」

「ああ?!喧嘩売ってんのか!?」

「違う違う!そういう意味じゃなくて!」

「・・・・・・?」





大喜は大きく横に手を振って、「えー!」とか「最高!」とか意味のわからないことを言っている。
そんな大喜を俺は白い目で見ていたんだが、周りにいた他の奴らはというと、俺とは違った反応。
三者三様だが大喜寄りな反応で、どことなく・・・嬉しそう?

なんで?





「・・・え?こんな美味しい展開ある?ねぇ?え?!嘘でしょ?!みんな!顔怖いって!尚さん俺が貰うから!ねぇってば!」

「あ゛?!俺に水くれた天使、お前にばっかやるかよ!」

「・・・・・・俺が貰うからみんな黙って」

「やべぇ、おもしろ。三つ巴じゃなくて四つ巴?俺もちょっと齧るぐらいしたいから残しといて~」

「??」





揶揄われるかと思って身構えていたが、4人で急にでかい身体で集まって何やら小競り合いを始めた。
何言ってるかはあまり聞こえない。
でも、揶揄わないなんて思ってたより良心のある大学生か?と考えながら俺は3本目の梅酎ハイに手を伸ばす。



そしていつの間にか小競り合いを終えた4人の目付きが鋭くなっていたことに、酔っていた俺は気付かないままだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...