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出会い
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パーク内は天国だった。
至る所にナイモン、ナイモン、ナイモン!グッズもめちゃくちゃある。
こんな大規模コラボ、考えた人天才じゃん、と花とはしゃいだ。
明日はもう帰るから、今日一日楽しまないと!とテンションは上がる一方だった。
それなのに・・・っ!
「ナイトモンスター、ってそんな人気あんの?俺、全く知らんけど。」
「はあ?お前知らんくせによく並ぼうと思ったな。150分待ちやぞ?俺ならぜってぇ並ばんわ。」
「・・・まじうるせー。お前ら黙って並べよ。」
「黙って並ぶわけないやん!花の大学生やぞ!騒いでなんぼやん!俺何気に初めてなんよなぁーGSA!可愛い女の子も男の子もいっぱいやん!目の保養っつーんだろ、これ。最高!」
「・・・・・・・・・(怒)」
ナイモンのアトラクションに並ぶことかれこれ40分。
まだまだ先は長そうだが、何より鬱陶しいのはこの後ろの集団。
やや高めの花の身長よりもみんな背が高く、加えて筋肉質。
ってことは、俺より遥かに背も高くガタイもいい男の集団。
みんな180cm越えだな。
どうやら大学生のグループらしい。
4人組のこいつらは、まあ~~~、うるさい。
しかもさっきからふわふわ頭の男のリュックが、地味に俺の体に当たる。鬱陶しいこと、この上ない。
そんな俺に気付いた花が「場所変わる?」と申し訳なさそうに目で訴えてくるが、こんな連中に花を近づけたくない。
俺は「大丈夫」と無表情で首を横に振る。
花は苦笑いだった。
このぐらいナイモンのためなら我慢できる・・・我慢我慢がま・・・んんんんんーーー!?
「ぐえっ!?」
「わっ、な、尚!」
頭の中で呪文のように我慢を唱えていた時、ドーーーーンと、勢いよくリュックがあたり、その勢いで俺は前のめりにべしゃっと膝をついた。
・・・・・・おい、コラ。悪ふざけの度が過ぎだ。
お前たちなら耐えられる力加減も俺には耐えられない。
体格が違いすぎる。
「お姉さんっすか、ぶつかったの。本当すみません・・・」
「うわ!美人っすね~!社会人っすか!?」
「まさか一人で並んでるんですか?俺らと一緒に乗ります?!」
「こんな美人が一人なわけないやろ。目、開いとるか?」
「ぶ、ぶつかったのは私じゃなくて・・・・・・っ、な、尚、大丈夫?」
花が慌てて俺の腕を引く。
イライラしながら上を向くと、リュック野郎と目があった。
耳下までの焦茶色の髪に軽くウェーブがかかっている。
長めの前髪の隙間から綺麗なアーモンド型の目元が見えた。
「・・・高校生か?小さくてわかんなかった、ごめん。怪我ないか?」
「・・・ぜってぇ、あんたより歳上なんだけど。」
「・・・とし、うえ?」
「・・・・・・っ!つーか!さっきから俺にリュック当たってる!もう少し周りを見たほうがいい!・・・クソッ」
「・・・すみ、ません・・・」
せっかくのナイモンアトラクションの前なのに!クソが!
俺が"高校生"だとぉお~~!?
こちとら27だぞ!
立派なアラサーだっつの!
大人だから怒鳴り散らさないだけで、内心ブチギレだかんな!
楽しい気分を返せ!見下ろすな!頭を下げろ!
俺は感情を隠しきれてなかったのだろう。
リュック野郎は頭を下げて謝り直してきた。
そいつの隣から金髪のベリーショートヘアの男がひょこっと顔を出す。
「うお~!可愛い彼氏?っすね!そういう趣味なんだ~。じゃあ俺らは眼中にない感じだな~!失礼しました~!」
「あ、えっと?この人は、私の、お、弟で・・・」
「花、もう前向けって。お前ら、声のボリューム考えろよ。」
「ハーイ、スミマセーン。」
「・・・・・・・・・・・・(怒怒)」
この軽いノリ、俺は合わない。
これ以上言うのも癪だし、花と前を向き直す。
出来るだけ距離をあけて。
前を向く時、あのリュック野郎は俺の方を凝視していたが、俺はふんっと不機嫌さを前面に出して無視した。
至る所にナイモン、ナイモン、ナイモン!グッズもめちゃくちゃある。
こんな大規模コラボ、考えた人天才じゃん、と花とはしゃいだ。
明日はもう帰るから、今日一日楽しまないと!とテンションは上がる一方だった。
それなのに・・・っ!
「ナイトモンスター、ってそんな人気あんの?俺、全く知らんけど。」
「はあ?お前知らんくせによく並ぼうと思ったな。150分待ちやぞ?俺ならぜってぇ並ばんわ。」
「・・・まじうるせー。お前ら黙って並べよ。」
「黙って並ぶわけないやん!花の大学生やぞ!騒いでなんぼやん!俺何気に初めてなんよなぁーGSA!可愛い女の子も男の子もいっぱいやん!目の保養っつーんだろ、これ。最高!」
「・・・・・・・・・(怒)」
ナイモンのアトラクションに並ぶことかれこれ40分。
まだまだ先は長そうだが、何より鬱陶しいのはこの後ろの集団。
やや高めの花の身長よりもみんな背が高く、加えて筋肉質。
ってことは、俺より遥かに背も高くガタイもいい男の集団。
みんな180cm越えだな。
どうやら大学生のグループらしい。
4人組のこいつらは、まあ~~~、うるさい。
しかもさっきからふわふわ頭の男のリュックが、地味に俺の体に当たる。鬱陶しいこと、この上ない。
そんな俺に気付いた花が「場所変わる?」と申し訳なさそうに目で訴えてくるが、こんな連中に花を近づけたくない。
俺は「大丈夫」と無表情で首を横に振る。
花は苦笑いだった。
このぐらいナイモンのためなら我慢できる・・・我慢我慢がま・・・んんんんんーーー!?
「ぐえっ!?」
「わっ、な、尚!」
頭の中で呪文のように我慢を唱えていた時、ドーーーーンと、勢いよくリュックがあたり、その勢いで俺は前のめりにべしゃっと膝をついた。
・・・・・・おい、コラ。悪ふざけの度が過ぎだ。
お前たちなら耐えられる力加減も俺には耐えられない。
体格が違いすぎる。
「お姉さんっすか、ぶつかったの。本当すみません・・・」
「うわ!美人っすね~!社会人っすか!?」
「まさか一人で並んでるんですか?俺らと一緒に乗ります?!」
「こんな美人が一人なわけないやろ。目、開いとるか?」
「ぶ、ぶつかったのは私じゃなくて・・・・・・っ、な、尚、大丈夫?」
花が慌てて俺の腕を引く。
イライラしながら上を向くと、リュック野郎と目があった。
耳下までの焦茶色の髪に軽くウェーブがかかっている。
長めの前髪の隙間から綺麗なアーモンド型の目元が見えた。
「・・・高校生か?小さくてわかんなかった、ごめん。怪我ないか?」
「・・・ぜってぇ、あんたより歳上なんだけど。」
「・・・とし、うえ?」
「・・・・・・っ!つーか!さっきから俺にリュック当たってる!もう少し周りを見たほうがいい!・・・クソッ」
「・・・すみ、ません・・・」
せっかくのナイモンアトラクションの前なのに!クソが!
俺が"高校生"だとぉお~~!?
こちとら27だぞ!
立派なアラサーだっつの!
大人だから怒鳴り散らさないだけで、内心ブチギレだかんな!
楽しい気分を返せ!見下ろすな!頭を下げろ!
俺は感情を隠しきれてなかったのだろう。
リュック野郎は頭を下げて謝り直してきた。
そいつの隣から金髪のベリーショートヘアの男がひょこっと顔を出す。
「うお~!可愛い彼氏?っすね!そういう趣味なんだ~。じゃあ俺らは眼中にない感じだな~!失礼しました~!」
「あ、えっと?この人は、私の、お、弟で・・・」
「花、もう前向けって。お前ら、声のボリューム考えろよ。」
「ハーイ、スミマセーン。」
「・・・・・・・・・・・・(怒怒)」
この軽いノリ、俺は合わない。
これ以上言うのも癪だし、花と前を向き直す。
出来るだけ距離をあけて。
前を向く時、あのリュック野郎は俺の方を凝視していたが、俺はふんっと不機嫌さを前面に出して無視した。
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