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第17章 風の国ストムバアル『暴食』の大罪騒乱編

第490話 『暴食』の大罪

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 女帝蟻から紋章のようなものが付いた光る球が出現していることに気付いた。中心部分は光でその周りに闇を纏っている、そういう歪な光り方をしている球。

「何あれ!? もしかしてあれが?」
「そう、あれが七つの大罪よ。『暴食グラトニー』が出現したってことは……」
「……女帝蟻……ようやく事切れたようだね……」

 女帝蟻が死亡したことで、彼女を宿主としていた『暴食グラトニー』の大罪が外に出てきたらしい。
 『しばらく動けない』そう思っていたが、『継承しないように』という意志の元、咄嗟に出た火事場のバカ力によって魔王二人よりも後ろへ飛び退いた。
 そのことにより、私より前に居たレヴィの方へ寄っていく『暴食グラトニー』。しかし、彼女は既に『嫉妬エンヴィー』の宿主であるため、身体に入らず弾かれた。

「痛てて……」

 飛び退いたことにより、太ももの傷が開いて再度出血。
 しかしそんな傷のことなど考えてる暇は無い!

「ああ! ヤバイヤバイ! 早くアスタロトをび寄せないと!」

 次にアスモの方へ行くものの、同じく『色欲ラスト』の宿主であるため弾かれる。
 急いで【ゲート】を出そうとするも、今の私は左腕は無く、右腕は女帝を倒す時に激しい動きをしたため再び上がらなくなってしまった。このままでは【ゲート】が開けない!
 更に都合が悪いことに、今咄嗟に飛び退いたことでもう一ミリも動く力が残されていなかった。
 だったらカイベルに空間魔法を使ってもらって、アスタロトをび寄せれば……

「カイベル! すぐに【ゲート】を開いてアスタロトをんで!」

 アスタロトがボレアースこっちに帰って来てくれてて良かった。
 もしカゼハナに派遣されたままだったら、私はカゼハナにまだ行ったことがないから【ゲート】でび寄せることもできなかったところだ。
 そう考えてホッとしていたところ、なぜか私の呼びかけにカイベルが反応しない。

「カイベル?」

 もう一度呼んでみるが、その言葉に全く反応が無い。
 周囲を見回しても、カイベルが近くに居ない!

「あれ!? カイベルは!? カイベルどこ!?」
「あ、ベルゼ、こっちこっち!」

 レヴィが指さした方向にカイベルが倒れていた。

「さっき私たちが隔離空間を壊した勢いで発生した衝撃波で弾き飛ばされて気絶したみたいだね」

 気絶!? カイベルが!?
 強い魔力に当てられて一時的に機能停止したのか!?
 あ、あれじゃアスタロトをび寄せられない!! ま、まずい、このままだと私の方に寄って来る!
 カ、カイベルならしばらく寝かせておいても大丈夫だろうから、まずは目の前の『暴食グラトニー』を継承しないことに注力しないと!

「あ、そうだ! ふ、二人とも! 私が『暴食グラトニー』を継承しないように守って!」

 風の国の誰かがここへ到着するまで、私のところへ寄って来ないように足止めしててもらおう!
 大罪同士は反発し合うって言ってたから、この二人が壁になってくれれば私のところへは来れないはず!
 七つの大罪の一つを私が継承することによって、今後発生し得る弊害は二人も重々承知しているだろう。二人にとっても無関係ではないし。

「オッケー」
「……私たちには弾かれるから、壁になってベルゼを守れば……あれ……?」
「あら?」

 二人が私の前に立ちふさがってくれたと思ったら、『暴食グラトニー』が二人の身体をすり抜けてこちらへ向かってくる!

「ふ、二人とも! コレどういうこと!?」

 七つの大罪同士は反発し合うんじゃないの!?

「何コレ!? 私たちも触れられなくなった! 大罪にこんな性質があるなんて知らなかったよ!」
「……他の魔王の大罪継承に立ち会うことなんて滅多に無いからね……一度拒否された者は、身体を通り抜けてしまうのかも……」
「完全に拒絶されたってことかな? ごめんベルゼ、もう壁にはなれないみたい」

 う、嘘でしょ!?
 もう私は一歩も動けない! こ、このままだと……

「ち、近くに誰かいない!? 風の国の騎士団員とか!」

 彼女らの魔力感知能力なら、近くにヒトがいるのが分かるはず! 押し付けるような形になってしまうけど、もしすぐ近くにいるならばそのヒトにでも継承してもらおう。
 私が継承することに比べたら、遥かにトラブルの種が少ない。

「近くに小隊がいるね。多分援軍のための偵察部隊かな? 平原ここで膨大な魔力の放出があったから向かってきてるみたい。けど……ここに来るまで早くても三十分くらいはかかりそうよ」

 そんなに『暴食グラトニー』が待ってくれるはずがない! 今でも徐々に私に近寄って来ている!
 でも動こうにも痛みと疲れで動けない……

「あ! そうだ! 二人とも! 私を抱えて――」

 『遠くへ行って!』と続けようとしたが、時既に遅し……もう大罪が触れるような距離まで来ている……もはや二人の位置からじゃどんなに早く動いても間に合わない……

「ああ……万事休す……」

 『暴食グラトニー』は、ゆっくりと私の身体の中に入ってくる。
 その直後、私の身体から眩い光が発せられる。

「大罪の継承が終わったみたいね」
「……呆けてるけど大丈夫……?」
「はっ! うぅ……何てこった……」

 結局のところ、アスタロトをび寄せることはできず、七つの大罪の一つ『暴食グラトニー』は私が継承することになってしまった……
 継承するつもりなんて毛頭無かった……いや、太らない性質があるから、ほんの少しくらいしか無かったのに……
 これはもう実質風の国の女王に収まらないといけない流れなんだろうか?

 ……
 …………
 ………………
 少しの間考え、そして思い付いた。

 いや、まだ手はある!
 知らばっくれれば良いのだ!

 そういうわけで、私は“『暴食グラトニー』を継承していないことにする”ことにした!
 それをするにはまずこの二人を説得しておかなければならない!

「二人とも……ちょっと相談がある。幸いなことに『暴食グラトニー』を私が継承したのを見たのはここにいる三人しかいない。私が『暴食グラトニー』を継承したことは黙っておいてもらえる?」
「そりゃまた無茶な相談ね」
「………………」

 アスモは黙っているが、レヴィはお願いを聞いてくれそうなので、そのまま話を続ける。

「女帝蟻を倒してみたら、それは魔王でも何でもなく『突然変異した特殊個体』だったってことで口裏を合わせて! 『暴食グラトニー』は今回のジャイアントアント討伐では見つからなかったってことにしておいて! お願い!」

 左腕が無く、右腕は上がらないものの、心の中では両手を合わせて必死に頭を下げ、二人にお願いする。

「う~ん……どこまで隠し通せるか分からないけど、まあ分かったわ」
「……何で女王になりたくないの……?」

 まあ、普通に女王なんて重責を担いたくないってのがある。いくら権力強くても自由が無いのではなりたいとは思えない。
 昔は『王子様に見初められて、幸せに暮らしました』なんて物語が多かったように思うけど、『どう幸せに暮らしたのか』結婚後の物語が描かれていない。一番面倒な公務や社交界のことがほとんど触れられていなかったのだ!
 と、こんな理由を言ったところで、文化の違いで理解してもらえない可能性も高いので、この意見は引っ込め、二人にも危機感抱かせるような話を構築する。

「中立地帯と風の国の国家元首を兼任するなんて話になったら大ごとじゃ済まないでしょ? 私が“どこの国にも属していない”ってことで一応の中立地帯の統治を認められてたにすぎないし、ここで兼任するなんて話になったら、他の国が認めるはずがない。下手をすれば『風の国が中立地帯を領地とするために策を弄した』と取られる可能性だってある」
「そうねぇ……特に火と氷の国は好戦的だしねぇ……」

 レヴィには中立地帯の面倒くさい慣習が終われば良い、みたいな感じの意見を以前聞いているから、このヒトは私が二つの国家元首を兼任しようがどうしようが、態度を変えることは無いだろう。 (第179話参照)
 問題は、意見を聞いたことがないアスモの方だ。彼女の考えはまだ分かっていない。

「中立地帯を“元々の中立の地帯”として取り返す名目で攻められるような口実を与えてしまうことになりかねないから、兼任は絶対不可ってことになるんだけど……」

 ただでさえ、『中立地帯を国にしてしまった』ってことで煙たがっている国もあると言うのに、これで風の国まで兼任するなんてことになったら、下手したら戦争にもなりかねない!
 しかも火の国とは、絶賛トラブル真っ最中だ!

「……ふ~ん……そうなんだ……」

 それを話してもアスモにとってはそんなことはどこ吹く風という態度に見える。
 アスモは私が兼任するのに特に不平不満とか無いのかな?
 と言うか、国同士のいざこざ自体に興味無さそうに見える。
 この反応なら一応隠蔽に協力してもらえると取って良いのかな?

「でも風の国はどうするの? 新女王が誕生する可能性で結構話題になっていたみたいだけど」
「勘違いだったけど、『国家の安全を脅かしていた女帝蟻が倒されたことで国の脅威は取り払われた』ってことで有耶無耶になると思う。統治も引き続きアスタロトにやってもらおうと思う」

 これで問題無いはず!
 この二人さえ黙っていてくれれば、この計画でいけるはず!

「まあ、確かに中立地帯の国家元首が、『風の国の王の証』を継承したってのは問題よね……私も隠しておくのがベターだと思う。でもねベルゼ……多分ソレ無理か、もしくは隠し通すのが相当厳しいと思う」
「どうして?」
「あなた、魔力の総量が滅茶苦茶上がって、もはや私やアスモを凌駕してるから……今のあなたならさっきの女帝蟻と同等以上に戦えるよ」
「そんなに魔力上がったの!?」
「……少しでも魔力感知ができるヒトなら、その違いにはすぐ気付くと思う……」
「アスタロトは魔力感知能力高いからすぐ分かると思うよ。側近のティナリスやロックスだって魔力感知能力高いからすぐ気付くでしょ。転生したあなたに気付いたのだってティナリスだったんでしょ?」 (第235話参照)

 そういえばそうだった!
 それは困ったぞ……

「後で魔力を隠蔽する魔道具を届けさせようか? まあ、現在裏で出回ってる魔道具だとローブみたいな形してるから、ずっとローブ纏ってないといけなくなるけど……あと魔王の魔力とまでなると隠蔽しようとしても、それでもかなりの魔力が漏れ出てしまうと思う……」

 そういえば、疑似太陽の写真撮られた時の監視者はローブみたいなの着てたってカイベルが言ってたな。 (第264話参照)

「……でもレヴィ、“今ここで”バレないようにしないとダメだから……」
「あ、そうか。アスタロトに会った後でじゃダメなんだ、この後風の国に帰ってアスタロトに会った時に『継承してない』と認めさせないといけないわけか。でも緊急でカイベルに連れられて来たから、サリーもルイスも国に置いて来てるからね……ここに隠蔽の魔道具を持って来られる空間魔術師は居ないね……」

 と、私とカイベルにチラチラと視線を移すレヴィ。

 今この場に居る空間魔術師二人が役立たずなんだよね……

「でもまあ、魔力隠蔽のローブなんて着てたら、あからさまに『隠してます』って言ってるようなもんだよね~」

 ちょっとニヤケ気味に話すレヴィ。

「じゃあさ、魔力隠蔽の魔法を使ったらどうかな?」
「確かに魔力隠蔽の魔法では隠すことはできると思うけど……そんなの継続してかけ続けるってこと? 魔法には持続時間があるからアスタロトたちが居る場所で一瞬でもかけ忘れればあっという間に魔力感知されるよ?」

 その点は大丈夫。私には魔法を永続でかけられるって特徴があるから、って思ってても言えないが……

「大丈夫、隠すのは得意分野だから」

 現時点でも隠し事多過ぎて、いつバレるか分からんけども……

「まあ、ちょっと試してみるから意見をちょうだい。【魔力遮断シャットアウト・スペル】」

 幸いにも右手は上げられなくても手を内側に向ければ体全体に効果がある魔法はかけられそうだ。普段頻繁に使う魔力を隠すための魔法。これで魔力を隠せるはずだが……

「どう?」
「うん、全く魔力を感じられなくなった。けど魔力が全く無いのは逆に不自然だね。生物と話してるように感じないから不気味だわ……どう考えてもナニカ隠してるって相手に悟られると思う」

 じゃあ、と創成魔法で『暴食グラトニー』を包むイメージで【魔力遮断シャットアウト・スペル】をかけた。
 “魔王の魔力のみ”をシャットアウトするイメージ。

「今度はどう?」
「何やったの!? 大罪を継承する前のベルゼと同じくらいの魔力になったよ!?」
「隠蔽魔法の範囲を狭めてみた」
「……そんなことできるの……?」
「でも、隠蔽魔法の効果が切れた時に魔王とバレたら、もう私たちでは擁護し切れないからね? 継続して魔法かけ直すのも大変だと思うけど、がんばってね」
「……バレた時の言い訳は考えておいて……」
「そ……そうだね……」

 私は『効果:永続』の能力を持ってるから隠蔽魔法の効果が切れる心配は無い。
 よし! これなら私が風の魔王だと悟られることも無いでしょう。

「あと、もう一つお願い良い? どっちか回復魔法使えない? カイベル気絶しちゃってるし、両腕が上がらなくて回復するのも難しいから……【自己再生魔法リジェネレート】がかかってるけど、右腕だけでも上げられるように回復を早めたいんだけど……」

 レヴィとアスモで顔を見合わせ――

「ごめんね、私たちは光魔法使えないから……」
「……ごめん……私が白天使だったら良かったんだけど……」
「もし使えてたら真っ先に回復してあげてるだろうからね」

 そ、それもそうだよなぁ……使えないからこそ話題にもしなかったわけで……

「あ、そうだ! 魔王回帰レグレシオンすれば完全回復できるんじゃない?」

 敵もいないこの状況で、そんな魔力が膨張するような能力使ったら、ここに来ようとしてる小隊に余計怪しまれるわ!
 それに――

「まだ魔王回帰レグレシオンを“理解”できてないから使えないよ」
「『暴食グラトニー』の大罪が出戻ったのに使えないの?」
「“理解”するにはまだ時間が必要みたいだね」
「まあ回復したいなら、今からここに来る小隊の中に回復魔術師が混ざってると思うよ。もうベルゼでも感じられるようになったはずよ? 魔王になったからには魔力感知能力も大幅に上がってるでしょ?」

 そう言われて魔力感知してみると――

「ああ、本当だ。結構離れた場所に居るのに人数まで分かるようになった」

 ここに近付いてるのは十人の小隊か。アスタロトらしき魔力を持ってるヒトも居るみたいだ。多分本人。
 でもさっき一緒に居たティナリスとロックスらしき魔力は感じられない。隊を分けたのかな?
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