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第17章 風の国ストムバアル『暴食』の大罪騒乱編
第478話 首都ボレアース崖下に出現した特殊個体
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そして舞台は最終局面、アルトラへと移る――
「私たちも向かいましょう!」
ティナリスにそう促され、マップD-3地点に向かおうとしたところ、またも近くに空間の裂け目が出現。
「これって……ゲート? 今度は誰?」
そこから現れたのはアスタロトと、彼が引き連れた数人の部下たち。そしてゲート発動者である空間魔術師の女の子だった。
「ベルゼビュート様、状況はどうでしょうか? 今日十二パーセントとの話でしたが、援軍は間に合いましたか?」
ベストタイミング! こんなバッチリのタイミングで現れるなんて!
「ちょうど今襲撃があったところよ! 加勢して!」
「了解しました! イルリースとエアリア! あなたたちはここに留まり、引き続き空間魔法でカゼハナから可能な限り援軍の補充を! それと可能であればヴァントウに行ったアリアエールも引き戻して援軍補充の手伝いをさせてください」
「「了解しました!」」
「ある程度援軍が召喚できれば、あとは精鋭部隊が主導で動いてくれるはずです」
イルリースさんはお世話になっているが、エアリアさんとアリアエールさんは私にとっては新しい名前。
この場にアリアエールさんが揃えば風の国の空間魔術師三人が揃い踏みってところか。 (エアリアについては第468話を、アリアエールについては第457話を参照)
「さあ襲撃ポイントへ急ぎましょう!」
アスタロトと援軍を引き連れてマップD-3へ向かう。
その道中、素早く移動しながらもティナリスに話しかけられる。
「ベルゼビュート様、手身近に紹介します。私の夫のロックスです」
「あなたが?」
旦那さんも巨鳥ルフ族らしく、結構ゴツめのしっかりした肉体を持つ。
フレアハルトらと同様に、人型形態、鳥人形態、怪鳥形態の三形態があるらしく、現在は鳥人形態で飛翔。両腕が巨大な翼になっており羽ばたく姿は、しなやかなティナリスとは対照的で雄々しい。
二人とも槍を武器として使うが、両腕が翼に変わる鳥人形態では手で持てないから槍を足で掴んで運ぶか、風で覆って空中に浮かせて運ぶらしい。このまま風を操って追尾槍のような性能も持たせられるとか。
これが風の国の双璧であるルフ夫婦か。
「よろしくお願いね」
「はぁ、よろしく頼みます」
何か素っ気ないな……あまり歓迎されてない?
「ロックス! きちんと挨拶してよ! すみません、最近私がベルゼビュート様の話題をよく口にするのでちょっと拗ねてるみたいなんです」
「ああ、そう……」
何だ……ただのバカップルか。
「まあ何はともあれ、ロックスさん期待してます」
そうこう話しながら移動しているうちにD-3地点に着くと、既に戦闘が始まっていた。
だが、何かおかしい。
「アリはどこに?」
空中から見回してみるがそれらしい巨大な虫がいない。
ジャイアントアントがどれほど威圧的なのか、生きているものを初めて見られると思っていたが、そこには働きアリの姿すら見えなかった。
「どういうことだ? アリらしき虫はいないし、亜人同士で戦ってるじゃないか!」
なぜ亜人同士で戦いあってるのか分からないが、風の国で私に付いてくれた部下と灰色の鎧を着た亜人の集団が戦っていた。
何が起きているか整理もできない中、下から声をかけられる。
「アルトラ様! アスタロト様も!」
声をかけたのは主要感知要員に据えた、土の精霊アーシャだった。
「緊急連絡したのはあなたよね? どういうことなの?」
「と、突然あの灰色の鎧の者たちが土の中から襲撃してきたんです! それにアイツらはどんどん味方を増やしている状態で……」
焦って話し出すアーシャ。
その後、別の方向から声がした。
「あなた方がこの方たちの援軍ですか?」
そちらを見ると全身灰色の亜人が立っていた。
「誰だ貴様!?」
その異様な姿に、槍を構えてロックスが声を張り上げる。
ティナリスがそれに続いて槍を構えた。
「貴様は誰だ!? 亜人か!?」
「お初にお目にかかります。わたくし、あなた方がジャイアントアントと呼んでいる種族でございます。女王様には『デュプリケート』と名付けられました」
と、流暢な言葉で話し出す。
「ジャ、ジャイアントアントがヒトの言葉を……?」
「さっきフレアハルト殿とフレイムハルト殿が倒した敵はしゃべることなんかなかったぞ!」
ロックスの口からフレアハルトたちの名前が出てきた。
あっちでも敵と戦ってたのか。
倒したってことは、フレアハルトたちが勝ったってことか。じゃあカゼハナはもう鎮圧されたってことなのかな?
「倒した敵って?」
アスタロトに説明を求めると、
「赤黒色の異形の姿で、全身を高熱で覆われたアリが現れたんです。それをお二人の力で倒してもらったんですが……それが……いえ、すみません、今言うのは止しておきます。後ほど」
最後、何か言い淀んだような感じがするが、まずはアリの対処が先決だし今言いたくないのなら後で聞くか。
「ああ……『ブレイズタイラント』は倒されてしまったのですね。亜人ごときがあれを倒せるとは思いませんでしたよ。いやぁ、凄い凄い。あれは私などより遥かに破壊力で勝りますから」
パンパンと拍手をしながらしゃべり続ける。
「『ブレイズタイラント』? それは燃えるアリのことか? ヤツらに名前があるのか!?」
「働きアリや兵隊アリにはありません。彼女らは所詮あなた方で言うところの奴隷でしかありませんから。しかし、私のように存分に魔力を与えられて大事に大事に育てられた高位の存在は違います。それぞれ名前があるのですよ。誇らしい名前がね。我が種族で最高高度を持つ『マキシマムハードネス』、植物の成長を早め実りをもたらしてくれる『プラントメタボリズム』、電撃を完全に無効化し、ゴムのようにしなやかな身体を持つ『ラバーソウル』、そして今後世界征服のために移動の要となる『ディメンショナルオーバー』が今生まれている高位の存在です。まだまだ弟や妹はおりますから楽しみにしていると良いですよ?」
そ、そんなに特殊個体がいるのか……?
デスキラービーの時はたった三体ですら、多くの犠牲者が出たのに……
しかし、何だか名前が随分記号的な感じがするが……
もしかして名前がそのまま能力を示しているのか?
コイツの名前は『デュプリケート』……デュプリケートは確か『複製』とか『複写』とか、そういう意味だったはず。
「『デュプリケート』……あなたの能力はコピー能力ですか?」
アスタロトが私より先に相手に聞いた。
コピーってことは、私の【スキルドレイン】と似たような能力? どんな発動条件があるんだろう? 私と同じように魔力の吸収か対象の捕食か?
これだと『暴食』の大罪にかなり近い性能ってことになるけど。
「おや? 能力とは名前で分かってしまうものなのですか?」
「いや、聞いている限り名前がそのままの能力が多いようでしたので」
「そうですか、女王様でも亜人の文化はまだよく分からないので、能力で名付けられたのでしょう。それは名前で能力が判別されないように女王に進言しておかなければなりませんね。まあ問題ありません。何せ複製と言っても自分自身を複製するものですから」
話してる最中に、デュプリケートから不定形の肉の塊のようなものが飛び出した。
「な、何!?」
「何だアレは!?」
肉の塊は徐々にデュプリケートと同じ姿に変化していく。
「あなた方の部下が戦っているものは、これと同じものですよ」
周囲を見回してみると、確かに同じ姿のものと兵士たちが戦っている。
「私と同じ姿に固着するのに少々時間がかかるのですが、まあそれはあなた方から隠れて増殖すれば全くデメリットにはなりません。ちなみに――」
デュプリケートがそう話しながら再び自身から肉の塊を生み出す。
そして近くに倒れていた兵士の遺体に覆いかぶさった。
「貴様! 遺体とは言え、我らの部下に何をするつもりだ!!」
いたずらに遺体を弄ぼうとするさまに、ロックスが怒りの声を上げる。
「うるさい方ですね、今わざわざ説明しているのだから黙っていてください。固着する前に別の要素を混ぜれば――」
肉の塊は兵士の遺体を取り込み、徐々に人型を成していく。
「――このように、少し姿の違う『私』が出来ます。この方法で増殖した『私』は、元々の私が持たない能力も得られましてね、この方を取り込んだ場合『複製』とは別に風の能力を得られたようですね。そら、この通り」
複製されたデュプリケートは、その場で両手を振り払い、一陣の突風を発生させた。
「なるほど、使ってみて分かりましたが風をもっと沢山集めれば切れ味の鋭い風も生み出せるようですね。自分の持たない能力を得るというのは楽しいですねぇ」
「貴様~~……」
「くっ……」
「我々騎士団員の身体を材料にしたということか……」
兵士の遺体をアリに取り込まれ、更に新たな能力まで与えてしまったと分かり、この場の全員が絶句。
「私たちも向かいましょう!」
ティナリスにそう促され、マップD-3地点に向かおうとしたところ、またも近くに空間の裂け目が出現。
「これって……ゲート? 今度は誰?」
そこから現れたのはアスタロトと、彼が引き連れた数人の部下たち。そしてゲート発動者である空間魔術師の女の子だった。
「ベルゼビュート様、状況はどうでしょうか? 今日十二パーセントとの話でしたが、援軍は間に合いましたか?」
ベストタイミング! こんなバッチリのタイミングで現れるなんて!
「ちょうど今襲撃があったところよ! 加勢して!」
「了解しました! イルリースとエアリア! あなたたちはここに留まり、引き続き空間魔法でカゼハナから可能な限り援軍の補充を! それと可能であればヴァントウに行ったアリアエールも引き戻して援軍補充の手伝いをさせてください」
「「了解しました!」」
「ある程度援軍が召喚できれば、あとは精鋭部隊が主導で動いてくれるはずです」
イルリースさんはお世話になっているが、エアリアさんとアリアエールさんは私にとっては新しい名前。
この場にアリアエールさんが揃えば風の国の空間魔術師三人が揃い踏みってところか。 (エアリアについては第468話を、アリアエールについては第457話を参照)
「さあ襲撃ポイントへ急ぎましょう!」
アスタロトと援軍を引き連れてマップD-3へ向かう。
その道中、素早く移動しながらもティナリスに話しかけられる。
「ベルゼビュート様、手身近に紹介します。私の夫のロックスです」
「あなたが?」
旦那さんも巨鳥ルフ族らしく、結構ゴツめのしっかりした肉体を持つ。
フレアハルトらと同様に、人型形態、鳥人形態、怪鳥形態の三形態があるらしく、現在は鳥人形態で飛翔。両腕が巨大な翼になっており羽ばたく姿は、しなやかなティナリスとは対照的で雄々しい。
二人とも槍を武器として使うが、両腕が翼に変わる鳥人形態では手で持てないから槍を足で掴んで運ぶか、風で覆って空中に浮かせて運ぶらしい。このまま風を操って追尾槍のような性能も持たせられるとか。
これが風の国の双璧であるルフ夫婦か。
「よろしくお願いね」
「はぁ、よろしく頼みます」
何か素っ気ないな……あまり歓迎されてない?
「ロックス! きちんと挨拶してよ! すみません、最近私がベルゼビュート様の話題をよく口にするのでちょっと拗ねてるみたいなんです」
「ああ、そう……」
何だ……ただのバカップルか。
「まあ何はともあれ、ロックスさん期待してます」
そうこう話しながら移動しているうちにD-3地点に着くと、既に戦闘が始まっていた。
だが、何かおかしい。
「アリはどこに?」
空中から見回してみるがそれらしい巨大な虫がいない。
ジャイアントアントがどれほど威圧的なのか、生きているものを初めて見られると思っていたが、そこには働きアリの姿すら見えなかった。
「どういうことだ? アリらしき虫はいないし、亜人同士で戦ってるじゃないか!」
なぜ亜人同士で戦いあってるのか分からないが、風の国で私に付いてくれた部下と灰色の鎧を着た亜人の集団が戦っていた。
何が起きているか整理もできない中、下から声をかけられる。
「アルトラ様! アスタロト様も!」
声をかけたのは主要感知要員に据えた、土の精霊アーシャだった。
「緊急連絡したのはあなたよね? どういうことなの?」
「と、突然あの灰色の鎧の者たちが土の中から襲撃してきたんです! それにアイツらはどんどん味方を増やしている状態で……」
焦って話し出すアーシャ。
その後、別の方向から声がした。
「あなた方がこの方たちの援軍ですか?」
そちらを見ると全身灰色の亜人が立っていた。
「誰だ貴様!?」
その異様な姿に、槍を構えてロックスが声を張り上げる。
ティナリスがそれに続いて槍を構えた。
「貴様は誰だ!? 亜人か!?」
「お初にお目にかかります。わたくし、あなた方がジャイアントアントと呼んでいる種族でございます。女王様には『デュプリケート』と名付けられました」
と、流暢な言葉で話し出す。
「ジャ、ジャイアントアントがヒトの言葉を……?」
「さっきフレアハルト殿とフレイムハルト殿が倒した敵はしゃべることなんかなかったぞ!」
ロックスの口からフレアハルトたちの名前が出てきた。
あっちでも敵と戦ってたのか。
倒したってことは、フレアハルトたちが勝ったってことか。じゃあカゼハナはもう鎮圧されたってことなのかな?
「倒した敵って?」
アスタロトに説明を求めると、
「赤黒色の異形の姿で、全身を高熱で覆われたアリが現れたんです。それをお二人の力で倒してもらったんですが……それが……いえ、すみません、今言うのは止しておきます。後ほど」
最後、何か言い淀んだような感じがするが、まずはアリの対処が先決だし今言いたくないのなら後で聞くか。
「ああ……『ブレイズタイラント』は倒されてしまったのですね。亜人ごときがあれを倒せるとは思いませんでしたよ。いやぁ、凄い凄い。あれは私などより遥かに破壊力で勝りますから」
パンパンと拍手をしながらしゃべり続ける。
「『ブレイズタイラント』? それは燃えるアリのことか? ヤツらに名前があるのか!?」
「働きアリや兵隊アリにはありません。彼女らは所詮あなた方で言うところの奴隷でしかありませんから。しかし、私のように存分に魔力を与えられて大事に大事に育てられた高位の存在は違います。それぞれ名前があるのですよ。誇らしい名前がね。我が種族で最高高度を持つ『マキシマムハードネス』、植物の成長を早め実りをもたらしてくれる『プラントメタボリズム』、電撃を完全に無効化し、ゴムのようにしなやかな身体を持つ『ラバーソウル』、そして今後世界征服のために移動の要となる『ディメンショナルオーバー』が今生まれている高位の存在です。まだまだ弟や妹はおりますから楽しみにしていると良いですよ?」
そ、そんなに特殊個体がいるのか……?
デスキラービーの時はたった三体ですら、多くの犠牲者が出たのに……
しかし、何だか名前が随分記号的な感じがするが……
もしかして名前がそのまま能力を示しているのか?
コイツの名前は『デュプリケート』……デュプリケートは確か『複製』とか『複写』とか、そういう意味だったはず。
「『デュプリケート』……あなたの能力はコピー能力ですか?」
アスタロトが私より先に相手に聞いた。
コピーってことは、私の【スキルドレイン】と似たような能力? どんな発動条件があるんだろう? 私と同じように魔力の吸収か対象の捕食か?
これだと『暴食』の大罪にかなり近い性能ってことになるけど。
「おや? 能力とは名前で分かってしまうものなのですか?」
「いや、聞いている限り名前がそのままの能力が多いようでしたので」
「そうですか、女王様でも亜人の文化はまだよく分からないので、能力で名付けられたのでしょう。それは名前で能力が判別されないように女王に進言しておかなければなりませんね。まあ問題ありません。何せ複製と言っても自分自身を複製するものですから」
話してる最中に、デュプリケートから不定形の肉の塊のようなものが飛び出した。
「な、何!?」
「何だアレは!?」
肉の塊は徐々にデュプリケートと同じ姿に変化していく。
「あなた方の部下が戦っているものは、これと同じものですよ」
周囲を見回してみると、確かに同じ姿のものと兵士たちが戦っている。
「私と同じ姿に固着するのに少々時間がかかるのですが、まあそれはあなた方から隠れて増殖すれば全くデメリットにはなりません。ちなみに――」
デュプリケートがそう話しながら再び自身から肉の塊を生み出す。
そして近くに倒れていた兵士の遺体に覆いかぶさった。
「貴様! 遺体とは言え、我らの部下に何をするつもりだ!!」
いたずらに遺体を弄ぼうとするさまに、ロックスが怒りの声を上げる。
「うるさい方ですね、今わざわざ説明しているのだから黙っていてください。固着する前に別の要素を混ぜれば――」
肉の塊は兵士の遺体を取り込み、徐々に人型を成していく。
「――このように、少し姿の違う『私』が出来ます。この方法で増殖した『私』は、元々の私が持たない能力も得られましてね、この方を取り込んだ場合『複製』とは別に風の能力を得られたようですね。そら、この通り」
複製されたデュプリケートは、その場で両手を振り払い、一陣の突風を発生させた。
「なるほど、使ってみて分かりましたが風をもっと沢山集めれば切れ味の鋭い風も生み出せるようですね。自分の持たない能力を得るというのは楽しいですねぇ」
「貴様~~……」
「くっ……」
「我々騎士団員の身体を材料にしたということか……」
兵士の遺体をアリに取り込まれ、更に新たな能力まで与えてしまったと分かり、この場の全員が絶句。
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