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第16章 大使就任とアルトレリア健康計画編
第429話 異世界によく登場するあのアイテム
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ネッココの特別検診が終わり、病院を出る前にフッととあるものに目が留まった。
ん? アレは?
「あそこにある球体はなんですか?」
アスク先生に訊ねたところ――
「ああ、あれは魔力測定器ですよ。触ったヒトのおおよその魔力総量が測れます」
魔力測定器キターー!!
多くの作品に登場する、触ったら魔力を測れるアイテムだ!
大抵どの作品でも主人公の魔力が高すぎて測定器の範囲に収まり切らず、破壊されてしまうある意味憐れなアイテム。
そして、物語中で主人公の能力の強さを示す重要な (?)アイテムだ!
「一応風の国から持って来ましたが、健康診断には関係無いので今回は使ってません。ですが、置いてあるのを気になった方が思いのほか多く、みなさん触って帰られましたね」
「わ、私も触ってみても?」
「どうぞ」
ちょっと憧れていた魔力測定器。
壊れるかどうか興味がある。何せ私の魔力は十五万あるからね!
いざ!
触れた瞬間に球体が白色に光輝く!
「わっ! アルトラ様、凄い! 十七万もあるんですね~! 魔王様ほどとは行きませんけど、このまま成長すればそれにも匹敵するようになるかもしれませんよ~!」
近くに居たネムさんが驚く。
でも――
あら? 壊れないの?
この世界の魔力測定器って丈夫なのね……私は主人公には成れなかったか……ちょっと残念。
まあ、私より強い魔王の魔力を測れるんなら、私が壊せる道理は無いか。
しかし、十七万か。魔界に来た時から少しだけ魔力の総量が上がってる。魔法も繰り返し使えば魔力の総量も上がるってわけね。
「ちなみに魔王様たちってどの程度の数値なんですか?」
「え~? 風の国は魔王様不在なんで直接見たこと無いんですけどぉ~――」
ああ……そうか、風の国の元魔王って私だ……『暴食』の大罪はまだ行方不明だから、現在魔王は空位だったんだっけ。
「――又聞きした話によると~、大体三十万から四十万の間くらいって聞いてますね~」
凄い! 魔王の魔力って私の倍以上!
ル、ルシファーに本気出されたらどうやって対処しよう……まあもう五大国と国交を結んでいるし、そうそう手は出してこないとは思うけど……
そんなことを考えていたところ、測定器の発光を見ていたアスク先生が説明してくれる。
「アルトラ殿の得意な魔力の性質は光みたいですね」
「性質?」
「ええ、最も得意な属性と言ったところです。属性にちなんだ幻影が現れます。火は炎の幻影が、氷は氷の結晶の幻影が出現するという具合に発動する幻影で得意な属性が分かる仕組みです」
「なるほど~」
「樹魔法は一瞬だけ測定器の周りに木が生え、物質魔法なら物質魔法の中でも得に得意なものの幻影が現れます。例えばガラスが得意ならガラスが、鉄なら鉄が一瞬見えるという感じに。幻影なのですぐ見えなくなりますが」
「へぇ~、面白いですね」
私がステータスを見て、『基本属性』って呼んだやつか。 (第7話参照)
「また、幻影は魔力の強さによって大きさも変わります。例えば火属性が得意で強い魔力を持つヒトなら炎が巨大な竜巻を描くような幻影が出ることもあります」
私は光が得意だったから、ただ強く発光しただけか……残念ながらちょっと面白味に欠けるな。
「あ、じゃあ空間魔法と時間魔法ってどういう幻影が見えるんですか?」
「その二つは、私もまだ見たことがないのでどういう幻影が出るか分かりません」
「分からない? 時間魔法の持ち主はごく稀にしかいないらしいのでまだしも、風の国で空間魔術師ならイルリースさんがいるじゃないですか」
「“使える”のと“得意”なのでは意味合いが違ってきますからね。彼女は空間魔法の使い手ではあっても、得意なのは風属性でしたよ」
なるほど。使えるからと言って得意とは限らないんだ。
「おお! リディアは水属性が得意みたいだゾ! 凄い水柱が出タ!」
『私も私も! ………………私は樹属性みたいね! でも何か小っさい木ねぇ……』
リディアとネッココが触ったらしいけど、二人とも私が予想していた得意属性だった。
ネッココは魔力自体が弱いらしく、出現した木の幻影も小さいものだった。
「カイベルも触ってみるカ?」
「いえ、私は別に触らなくても良いですが……」
『良いから触ってみなさいよ!』
リディアとネッココに促されて触ってみるものの――
「あレ? カイベル、ちゃんと触ってるのカ?」
『何も反応ないわね……!』
測定器は全く反応を示さず。
何だろう? またカイベルのことだから亜人では起こらない反応が起こってるのかしら?
……でも……何か不穏な匂いしかしないし、このまま無反応だったことには触れずに帰ろうか。
「じゃあカイベル、測定器反応しないみたいだし帰ろっか」
これでここを早々に立ち去ってしまえばそこでお終いだったのだが、すかさずこれに食いついてしまったヒトがいた。アスク先生である。
「全く反応を示さない方は初めてですが……まさかカイベルさん、魔力が全く無いんですか?」
「いえ、そんなことはありませんが……」
「だとすると測定器の不具合でしょうか? 少々お待ちください」
アスク先生が電気の供給コードを繋ぎ直し、自身でも触って確認。私と同じく白い光が輝いた。アスク先生の得意属性は光ってわけね。白天使の尊称は伊達じゃないらしい。
数値は十万八千九百三十二を表示している。一般亜人がどれくらいか分からないけど、アスク先生も相当なものなのでは?
「よし、これで大丈夫でしょう。さあ、もう一度どうぞ」
そう促されて再び球体に触れるカイベル。
すると、さっきとは違い今度はきちんと光輝く。
「数値は……おや? 十万八千九百三十二? 私と同じ数値ですか!? 凄い偶然ですね!!」
「そのようですね」
「へぇ~、魔界では光属性って珍しいんだロ? 流石カイベルだナ」
『カイベルって、あまり魔法使ってるところ見たことないけどちゃんと使えたのね!』
少し離れたところで、それとなくカイベルに魔力測定器が最初に反応しなかった理由を聞いてみたところ――
「私が生物ではないからでしょう。この世界には生体反応が無い『亡者』という存在が居るので生体反応の有無で反応させる仕組みにするわけにはいきません。ですのであの魔道具は魔力の所有の有無と生物的な特徴があるか否かで判断しているようです」
「どういうこと? 測定器が反応しなかったのは、故障とか不具合じゃなくてあなたが原因なの?」
「はい」
「じゃあ二回目に触った時に白く光ったのはどういうわけ?」
「触ったタイミングでアスク様の輝きと同等の光魔法を放って測定器が起動したように偽装しました。火魔法や氷魔法を使うとその後に、燃えた後の臭いや水などの痕跡が残ってしまうので、痕跡が残らない光魔法をと」
「なるほど。それだとあなたの得意属性は光ってことになっちゃったけど、そこは良いの?」
「問題ありません。得意属性は修練によって変化することがありますので」
へぇ~、そうなんだ。
“得意”属性って言うくらいだから、別のものを修練してそっちが得意になると変わることがあるってことなのかな。
「それに、ただ単に“得意”というだけですので、それほど重要なものではありませんし」
「あ、そう。でも魔力値は? 数字は誤魔化し利かないよね?」
「あれは直前に触ったアスク様の数値をそのままにしておいただけですよ。一応測定器は光輝いたので私が触ったことによる数値としてすんなり信じていただけたようです。怪しまれる心配は無いでしょう。彼は良くも悪くもあまりヒトを疑わない“良い人”ですので」
とのことだった。
こうしてヒヤヒヤながらこの町初めての身体検査が終わった。血液検査の結果は後日各家庭に郵送してくれるらしい。
しかしその後のアスク先生の一言により何とも言えない気持ちに……
「ところでアルトラ殿、実は私は樹の国のデスキラービー討伐ミッションで、怪我人の治療に従事していたのですが」
「あ、そうなんですか!? 気付かずすみません」
ってことは、トロルの血の誓約に関わってるヒトか。じゃあ彼からトロルの特殊な血の秘密がバレることはないだろう。
大分安心した。
「いえ、それはどうでも良いのですが、あの時見たあなたと比べて、その……少し大きくなりましたね」
「はい! 身長伸びたので!」
思わずちょっと語気強く返事してしまった。三センチ伸びたことがそんなに嬉しいんだな、私……
クリューの義体直した時、『五センチくらい大したことないやろ』なんて考えてごめん…… (第421話参照)
「いえ、そうではなく……まあ、失礼に当たるのでこれ以上は突っ込まないようにします……」
失礼に当たる?
大きくなるのは良いことじゃないのか?
含みのある言い方をされて、ちょっとモヤモヤが残ったが、何だか触れない方が良いような気がして、そのまま質問し返さずに帰った。
◇
「ところで、リディアとネッココは測定器の数値いくつだったの?」
「リディアは七万二千百六十だったゾ」
「お~、凄い!」
子供なのにこの数値か。流石は高位存在。
「ネッココは?」
『三百二十一だったわ!』
「なるほどなるほど」
こっちは極端に低いな……
「ネッココは低いナ」
『良いのよ! そんなの自覚してるんだから!』
歩く植物だからそれなりの魔力を持ってるかと思ってたけど、マンドレイクは食材とした狩られるくらいだからあまり強くはないのね。
二人の数値から一般亜人がどの程度か予想しようかと思ったけど、多分両方とも参考にはできないな。
こうして、ドタバタの身体検査はカイベルの正体を誰にも気付かれることなく、無事に終わりを迎えられた。
懸念は私に疑惑の目を向け始めているフリアマギアさんのことだが……それは今は考えないようにしよう。
ん? アレは?
「あそこにある球体はなんですか?」
アスク先生に訊ねたところ――
「ああ、あれは魔力測定器ですよ。触ったヒトのおおよその魔力総量が測れます」
魔力測定器キターー!!
多くの作品に登場する、触ったら魔力を測れるアイテムだ!
大抵どの作品でも主人公の魔力が高すぎて測定器の範囲に収まり切らず、破壊されてしまうある意味憐れなアイテム。
そして、物語中で主人公の能力の強さを示す重要な (?)アイテムだ!
「一応風の国から持って来ましたが、健康診断には関係無いので今回は使ってません。ですが、置いてあるのを気になった方が思いのほか多く、みなさん触って帰られましたね」
「わ、私も触ってみても?」
「どうぞ」
ちょっと憧れていた魔力測定器。
壊れるかどうか興味がある。何せ私の魔力は十五万あるからね!
いざ!
触れた瞬間に球体が白色に光輝く!
「わっ! アルトラ様、凄い! 十七万もあるんですね~! 魔王様ほどとは行きませんけど、このまま成長すればそれにも匹敵するようになるかもしれませんよ~!」
近くに居たネムさんが驚く。
でも――
あら? 壊れないの?
この世界の魔力測定器って丈夫なのね……私は主人公には成れなかったか……ちょっと残念。
まあ、私より強い魔王の魔力を測れるんなら、私が壊せる道理は無いか。
しかし、十七万か。魔界に来た時から少しだけ魔力の総量が上がってる。魔法も繰り返し使えば魔力の総量も上がるってわけね。
「ちなみに魔王様たちってどの程度の数値なんですか?」
「え~? 風の国は魔王様不在なんで直接見たこと無いんですけどぉ~――」
ああ……そうか、風の国の元魔王って私だ……『暴食』の大罪はまだ行方不明だから、現在魔王は空位だったんだっけ。
「――又聞きした話によると~、大体三十万から四十万の間くらいって聞いてますね~」
凄い! 魔王の魔力って私の倍以上!
ル、ルシファーに本気出されたらどうやって対処しよう……まあもう五大国と国交を結んでいるし、そうそう手は出してこないとは思うけど……
そんなことを考えていたところ、測定器の発光を見ていたアスク先生が説明してくれる。
「アルトラ殿の得意な魔力の性質は光みたいですね」
「性質?」
「ええ、最も得意な属性と言ったところです。属性にちなんだ幻影が現れます。火は炎の幻影が、氷は氷の結晶の幻影が出現するという具合に発動する幻影で得意な属性が分かる仕組みです」
「なるほど~」
「樹魔法は一瞬だけ測定器の周りに木が生え、物質魔法なら物質魔法の中でも得に得意なものの幻影が現れます。例えばガラスが得意ならガラスが、鉄なら鉄が一瞬見えるという感じに。幻影なのですぐ見えなくなりますが」
「へぇ~、面白いですね」
私がステータスを見て、『基本属性』って呼んだやつか。 (第7話参照)
「また、幻影は魔力の強さによって大きさも変わります。例えば火属性が得意で強い魔力を持つヒトなら炎が巨大な竜巻を描くような幻影が出ることもあります」
私は光が得意だったから、ただ強く発光しただけか……残念ながらちょっと面白味に欠けるな。
「あ、じゃあ空間魔法と時間魔法ってどういう幻影が見えるんですか?」
「その二つは、私もまだ見たことがないのでどういう幻影が出るか分かりません」
「分からない? 時間魔法の持ち主はごく稀にしかいないらしいのでまだしも、風の国で空間魔術師ならイルリースさんがいるじゃないですか」
「“使える”のと“得意”なのでは意味合いが違ってきますからね。彼女は空間魔法の使い手ではあっても、得意なのは風属性でしたよ」
なるほど。使えるからと言って得意とは限らないんだ。
「おお! リディアは水属性が得意みたいだゾ! 凄い水柱が出タ!」
『私も私も! ………………私は樹属性みたいね! でも何か小っさい木ねぇ……』
リディアとネッココが触ったらしいけど、二人とも私が予想していた得意属性だった。
ネッココは魔力自体が弱いらしく、出現した木の幻影も小さいものだった。
「カイベルも触ってみるカ?」
「いえ、私は別に触らなくても良いですが……」
『良いから触ってみなさいよ!』
リディアとネッココに促されて触ってみるものの――
「あレ? カイベル、ちゃんと触ってるのカ?」
『何も反応ないわね……!』
測定器は全く反応を示さず。
何だろう? またカイベルのことだから亜人では起こらない反応が起こってるのかしら?
……でも……何か不穏な匂いしかしないし、このまま無反応だったことには触れずに帰ろうか。
「じゃあカイベル、測定器反応しないみたいだし帰ろっか」
これでここを早々に立ち去ってしまえばそこでお終いだったのだが、すかさずこれに食いついてしまったヒトがいた。アスク先生である。
「全く反応を示さない方は初めてですが……まさかカイベルさん、魔力が全く無いんですか?」
「いえ、そんなことはありませんが……」
「だとすると測定器の不具合でしょうか? 少々お待ちください」
アスク先生が電気の供給コードを繋ぎ直し、自身でも触って確認。私と同じく白い光が輝いた。アスク先生の得意属性は光ってわけね。白天使の尊称は伊達じゃないらしい。
数値は十万八千九百三十二を表示している。一般亜人がどれくらいか分からないけど、アスク先生も相当なものなのでは?
「よし、これで大丈夫でしょう。さあ、もう一度どうぞ」
そう促されて再び球体に触れるカイベル。
すると、さっきとは違い今度はきちんと光輝く。
「数値は……おや? 十万八千九百三十二? 私と同じ数値ですか!? 凄い偶然ですね!!」
「そのようですね」
「へぇ~、魔界では光属性って珍しいんだロ? 流石カイベルだナ」
『カイベルって、あまり魔法使ってるところ見たことないけどちゃんと使えたのね!』
少し離れたところで、それとなくカイベルに魔力測定器が最初に反応しなかった理由を聞いてみたところ――
「私が生物ではないからでしょう。この世界には生体反応が無い『亡者』という存在が居るので生体反応の有無で反応させる仕組みにするわけにはいきません。ですのであの魔道具は魔力の所有の有無と生物的な特徴があるか否かで判断しているようです」
「どういうこと? 測定器が反応しなかったのは、故障とか不具合じゃなくてあなたが原因なの?」
「はい」
「じゃあ二回目に触った時に白く光ったのはどういうわけ?」
「触ったタイミングでアスク様の輝きと同等の光魔法を放って測定器が起動したように偽装しました。火魔法や氷魔法を使うとその後に、燃えた後の臭いや水などの痕跡が残ってしまうので、痕跡が残らない光魔法をと」
「なるほど。それだとあなたの得意属性は光ってことになっちゃったけど、そこは良いの?」
「問題ありません。得意属性は修練によって変化することがありますので」
へぇ~、そうなんだ。
“得意”属性って言うくらいだから、別のものを修練してそっちが得意になると変わることがあるってことなのかな。
「それに、ただ単に“得意”というだけですので、それほど重要なものではありませんし」
「あ、そう。でも魔力値は? 数字は誤魔化し利かないよね?」
「あれは直前に触ったアスク様の数値をそのままにしておいただけですよ。一応測定器は光輝いたので私が触ったことによる数値としてすんなり信じていただけたようです。怪しまれる心配は無いでしょう。彼は良くも悪くもあまりヒトを疑わない“良い人”ですので」
とのことだった。
こうしてヒヤヒヤながらこの町初めての身体検査が終わった。血液検査の結果は後日各家庭に郵送してくれるらしい。
しかしその後のアスク先生の一言により何とも言えない気持ちに……
「ところでアルトラ殿、実は私は樹の国のデスキラービー討伐ミッションで、怪我人の治療に従事していたのですが」
「あ、そうなんですか!? 気付かずすみません」
ってことは、トロルの血の誓約に関わってるヒトか。じゃあ彼からトロルの特殊な血の秘密がバレることはないだろう。
大分安心した。
「いえ、それはどうでも良いのですが、あの時見たあなたと比べて、その……少し大きくなりましたね」
「はい! 身長伸びたので!」
思わずちょっと語気強く返事してしまった。三センチ伸びたことがそんなに嬉しいんだな、私……
クリューの義体直した時、『五センチくらい大したことないやろ』なんて考えてごめん…… (第421話参照)
「いえ、そうではなく……まあ、失礼に当たるのでこれ以上は突っ込まないようにします……」
失礼に当たる?
大きくなるのは良いことじゃないのか?
含みのある言い方をされて、ちょっとモヤモヤが残ったが、何だか触れない方が良いような気がして、そのまま質問し返さずに帰った。
◇
「ところで、リディアとネッココは測定器の数値いくつだったの?」
「リディアは七万二千百六十だったゾ」
「お~、凄い!」
子供なのにこの数値か。流石は高位存在。
「ネッココは?」
『三百二十一だったわ!』
「なるほどなるほど」
こっちは極端に低いな……
「ネッココは低いナ」
『良いのよ! そんなの自覚してるんだから!』
歩く植物だからそれなりの魔力を持ってるかと思ってたけど、マンドレイクは食材とした狩られるくらいだからあまり強くはないのね。
二人の数値から一般亜人がどの程度か予想しようかと思ったけど、多分両方とも参考にはできないな。
こうして、ドタバタの身体検査はカイベルの正体を誰にも気付かれることなく、無事に終わりを迎えられた。
懸念は私に疑惑の目を向け始めているフリアマギアさんのことだが……それは今は考えないようにしよう。
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