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第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏
【EX】第349.7話 vsデスキラービー・グリーン
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本エピソードはアルトラが知り得なかった、緑の個体と紫の個体を駆除する話です。
駆除隊の隊長たちサイドの話で、登場人物の登場期間が浅いため、人名聞いても分からない方もいると思い、本筋から離すエピソード構成にしました。
「登場人物が誰が誰か分からなくて面白くない」という方は、本筋だけで話が繋がるように書いてるので、本エピソード【EX】を飛ばしてもらっても大丈夫です。
◇◆◇
緑の個体グループ、作戦開始前――
「相手の攻撃を逆手に取ってやりましょう」
と言うのはフリアマギア。
「逆手に取るって……爆発する毒針を使うの?」
「はい」
「どういう作戦?」
「まず毒針を沢山集めてください。あなた方のような高レベルの風魔術師なら風を操って回収も容易ですよね?」
「まあ飛ばすことくらいは簡単だけど、集めるの? 爆発しちゃうんじゃない?」
「いえ、さっき逃げる時に部下の駆除隊員に無理を言って毒針を回収してもらったところ、二本だけ回収してもらえました」
「爆発せずに?」
「はい、あの毒針、何かに刺さってないと爆発しないようで、その回収された毒針は刺さらずに転がっていたものだそうです」
「なるほど、毒針を沢山集めて、逆に相手に撃ち込んでやろうってことね」
「それで、即席で作ったのがこの武器です」
と言って銃らしき武器を見せるフリアマギア。
「それって銃ってやつ? 私たちの住む風の国では珍しいものだよ? 樹の国にもあまり出回ってないって聞いたけどそれを使うの?」
「はい、これは銃弾の代わりに毒針を射出、連射できるように改造した銃です。耐久性に難がありますが、試し撃ちも済んでいますし、今回使うだけですので問題無いでしょう。そもそも今後は銃弾となる毒針の調達ができないので、一回こっきりの出番ですね」
「いつそんなの作ってたの? 退却してから対策会議始まるまでそんなに時間無かったのに」
「特殊個体に対する会議が始まる前、駆除隊全体が打ちひしがれてる間です。回収してもらった毒針が使えそうだと思って作っていました。もし私以外が緑の担当になっても、使えれば良いなと」
「あんな絶望的な雰囲気の時に? 凄い! そこまで見越してるなんて、流石エルフさんだわ!」
「いえ、それほどでも。話を戻しますが、十分に毒針を回収できたところに、ルーコスさんが――」
「なるほど、承知した。恐らく紫の個体とは違って、ヤツには効果があるだろう」
◇
そして現在――
「分断するつもりで突風を吹かせましたが……あの緑の個体はあまり風の影響を受けませんでしたね」
緑の個体は風を受け流す機構を備えているのか、風に対する抵抗力が高い。
「ここではまだ巣に近すぎて例の作戦をやると駆除隊員たちが毒に侵される可能性があります。もう少し緑の個体を巣から離れたところまで吹き飛ばせませんか?」
「やってみる」
「「「【ウィンド・カッター】!!」」」
ティナリス、セシーリア、ルーコスが放つトリプル【ウィンド・カッター】。
だが、緑の個体は三人が放った風の刃を微動だにせずに、涼風を受けたかのように受け流してしまった。
「効かない!?」
「働き蜂はこれで簡単にスライスできたのに!?」
事実、彼ら特殊個体は働き蜂とは、もはや別の生物と言っても過言ではない。
緑の個体は常に風を吹き出しており、風に対するバリアが張られているような状態。
外からの風魔法は、風のバリアにより軽減され、生半可な攻撃では届くことがない。
「それならこの姿ならどう!」
ティナリスが全身鎧を脱ぎ捨て、巨大化、怪鳥ルフの姿に戻る。その身体は体高二十メートルほどある。
「今回は毒消しがあるからこの姿でも大丈夫よ! 喰らえ【ツイスティング・サイクロン】!」
巨大な竜巻を発生させるも、緑の個体は竜巻とは別の方向に進み、竜巻を難なく回避。
「あれ? 虫のくせに冷静に避けられたわ」
「竜巻に引き寄せられもしませんね」
通常なら、恐ろしいほどの吸引力を持つ竜巻だが、緑の個体は風のバリアによって吸引力をも無効化していた。
竜巻をやり過ごした緑の個体は、ティナリスに向かって毒針を発射!
毒針は、巨大化して的が大きくなった分、回避がしづらくなったティナリスの足付近に刺さり爆発。足を負傷。
「痛ったーーー!!」
「だ、大丈夫ですか!?」
意気消沈し、すぐに人型に戻る。
「早く解毒カプセル!」
急いでカプセルを飲んで毒を無効化。
「何やってるんですか!?」
「ごめん、ちょっと焦り過ぎちゃった。あの姿ならすぐ決着付けられると思ったんだけど……」
「爆発喰らったところは大丈夫なんですか?」
「そっちは巨大化してたから問題無いよ。軽傷軽傷」
地面を二メートルも抉り取るほどの威力だが、羽毛がクッションとなり、更にルフ族の強靭な肉体により、爆発のほとんどのエネルギーを逃がすことができた。
「まだティナリス様の【ツイスティング・サイクロン】は生きてます! もう一組作って挟み撃ちしてやりましょう! 【ツイスティング・サイクロン】!」
ガルダ族のセシーリアが、巨鳥ガルダへと変身し、ティナリスの作った【ツイスティング・サイクロン】に重ねるように逆回転の同じ魔法を放つ。ティナリスより多少威力は弱いものの、十分なエネルギーを持つ竜巻。
二つの竜巻のそれぞれ逆回転する吸引力に挟みこまれた緑の個体は、先程のように回避することができず二つの竜巻の中心に引き寄せられ、風の圧力で削られる。
「まるで災害ですね……」
外から見ていたヘルヘヴン族のルーコスが一言そう零す。
「これだけやれば跡形もないでしょ。毒針作戦をやるまでもなかったかな?」
ところが、竜巻が消えてみると、そこには緑の個体の姿が。
「ウソでしょ? 二つの竜巻に挟まれたりなんかしたら普通の亜人なら跡形もないよ?」
「装甲が恐ろしく硬いんでしょうか?」
「しかし、蜂は本来甲殻を持つような生物ではないが……」
「進化した女王が生み出したものなので、普通の蜂にはない機構を備えているのかもしれません。でも、巣からはかなり遠くまで離すことができました。ここなら毒針作戦をやっても大丈夫でしょう」
しかし、二つの竜巻を喰らい、無傷とはいかなかったようで身体のあちらこちらに傷が付いている、脚が二本ほど千切れ飛んでいる。
羽も残っているものの、四つ全てがズタズタ。それでも空に飛んでいられるのは、風の魔法で飛んでいるためだ。
「もう一度二重の竜巻やれば倒せるんじゃないかな?」
「次は多分避けられると思いますよ。それにあの竜巻の挟撃を喰らって、あの程度のダメージじゃ、倒すには至らないかもしれません」
「何か怒りにも似た異質な魔力を感じます! みなさん気を付けてください!!」
地上に居たフリアマギアが空中の三人に注意を促すと、緑の個体の魔力が膨れ上がり、毒針を広範囲に連射!
回避に転じたセシーリアとルーコスだったが、ティナリスだけは違った。
「逆にチャンスなんじゃない?」
ティナリスは自分に向かってくる毒針を風で上空へ受け流し、そのままフリアマギアの下へと送る。
それでも、全ては受け流し切れず、変身していたセシーリアが身を挺してティナリスを庇い、毒針を喰らい、そして連続した爆発。
「キャアアァァァ!!」
「セシーリア!!」
「セシーリア殿!!」
再びルフへ変身し、落下していくセシーリアを追って地面に到達する前に捕まえる。
「こっちは大丈夫! 気絶はしてるけど、ガルダに変化したから傷はそれほど深くない!」
「しかしこれで主力を一人失ってしまいましたね……フリアマギア殿! 針は確保できましたか!?」
「OK! 殺傷するのに十分な毒針を確保できました! ルーコスさん! 手筈通りにお願いします!」
「承知! 【サンダーボルト】!」
「ギギャァ!!」
雷を喰らった緑の個体は、一時的に身体機能がマヒし、地面に落下。
「OK~! 手筈通りです! 喰らえ!!」
フリアマギアが銃を構え、マヒで動けない緑の個体の周囲の地面に毒針を数十発撃ち込む!
緑の個体自身の防御力が高く、針が刺さらない可能性が高いことから、毒針を地面に刺して、その爆風によってトドメを刺そうと試みる。
「みなさん、爆発します! すぐに離れてください!!」
その言葉と同時に全員が緑の個体から大きく距離を取る。
直後――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォォン!!
という連続した爆発を起こした。
同じ場所に集中的に数十本もの爆発する毒針が撃ち込まれたため、針同士が誘爆する相乗効果で瞬間的に地面が歪むほどの衝撃波が生じる。
「うわああぁぁぁ!!」
「きゃあぁぁぁ!!」
「凄い暴風だ!!」
四人は瞬間的に起こった暴風で大きく吹き飛ばされてしまった。
◇
元居た場所から離れたところまで飛ばされた四人。
「う…………ああ! ヤバイヤバイ! 毒吸ってるかも! 早くカプセル飲んでおかないと! みなさ~ん、大丈夫ですか!?」
いち早く気絶から目覚めたフリアマギアが全員に声をかける。
「だ……大丈夫……」
「ルーコスさんも早く解毒カプセル飲んでおいてください。今の爆発で多分毒吸ってますよ!」
「ああ……」
「セシーリア! 早く起きて! あなだもカプセル飲まないと!」
ティナリスが気絶しているセシーリアに声をかける。
「……う……ん……? ハッ! 蜂はどうなりました!?」
「どうだろう? 爆心地に行ってみないことには、生きてるか死んでるか分からない」
気絶から覚めたセシーリアも連れて、毒針が爆発した現場へ行く四人。
「うわっ! 凄い大穴ですね……」
「毒の風がまだ発生してるね」
「身体は跡形もなくなくなったってところか。倒したとみて良いのではないか?」
「待ってください、証拠を見つけないと安心はできません!」
倒した証拠を見つけようとするフリアマギア。
しばらく周辺を探したところ――
「あった! 緑の個体の腹部らしき残骸! あの爆発でも残ってるなんて、相当頑丈な身体の作りをしてたのね」
「おお! それでは!?」
「倒したと考えて良さそうです!」
「「やったーーー!!」」
「他の隊長たちが特殊個体を倒してくれてれば、あとは女王蜂だけだね!」
こうして四人の奮闘により、緑の個体は倒された。
駆除隊の隊長たちサイドの話で、登場人物の登場期間が浅いため、人名聞いても分からない方もいると思い、本筋から離すエピソード構成にしました。
「登場人物が誰が誰か分からなくて面白くない」という方は、本筋だけで話が繋がるように書いてるので、本エピソード【EX】を飛ばしてもらっても大丈夫です。
◇◆◇
緑の個体グループ、作戦開始前――
「相手の攻撃を逆手に取ってやりましょう」
と言うのはフリアマギア。
「逆手に取るって……爆発する毒針を使うの?」
「はい」
「どういう作戦?」
「まず毒針を沢山集めてください。あなた方のような高レベルの風魔術師なら風を操って回収も容易ですよね?」
「まあ飛ばすことくらいは簡単だけど、集めるの? 爆発しちゃうんじゃない?」
「いえ、さっき逃げる時に部下の駆除隊員に無理を言って毒針を回収してもらったところ、二本だけ回収してもらえました」
「爆発せずに?」
「はい、あの毒針、何かに刺さってないと爆発しないようで、その回収された毒針は刺さらずに転がっていたものだそうです」
「なるほど、毒針を沢山集めて、逆に相手に撃ち込んでやろうってことね」
「それで、即席で作ったのがこの武器です」
と言って銃らしき武器を見せるフリアマギア。
「それって銃ってやつ? 私たちの住む風の国では珍しいものだよ? 樹の国にもあまり出回ってないって聞いたけどそれを使うの?」
「はい、これは銃弾の代わりに毒針を射出、連射できるように改造した銃です。耐久性に難がありますが、試し撃ちも済んでいますし、今回使うだけですので問題無いでしょう。そもそも今後は銃弾となる毒針の調達ができないので、一回こっきりの出番ですね」
「いつそんなの作ってたの? 退却してから対策会議始まるまでそんなに時間無かったのに」
「特殊個体に対する会議が始まる前、駆除隊全体が打ちひしがれてる間です。回収してもらった毒針が使えそうだと思って作っていました。もし私以外が緑の担当になっても、使えれば良いなと」
「あんな絶望的な雰囲気の時に? 凄い! そこまで見越してるなんて、流石エルフさんだわ!」
「いえ、それほどでも。話を戻しますが、十分に毒針を回収できたところに、ルーコスさんが――」
「なるほど、承知した。恐らく紫の個体とは違って、ヤツには効果があるだろう」
◇
そして現在――
「分断するつもりで突風を吹かせましたが……あの緑の個体はあまり風の影響を受けませんでしたね」
緑の個体は風を受け流す機構を備えているのか、風に対する抵抗力が高い。
「ここではまだ巣に近すぎて例の作戦をやると駆除隊員たちが毒に侵される可能性があります。もう少し緑の個体を巣から離れたところまで吹き飛ばせませんか?」
「やってみる」
「「「【ウィンド・カッター】!!」」」
ティナリス、セシーリア、ルーコスが放つトリプル【ウィンド・カッター】。
だが、緑の個体は三人が放った風の刃を微動だにせずに、涼風を受けたかのように受け流してしまった。
「効かない!?」
「働き蜂はこれで簡単にスライスできたのに!?」
事実、彼ら特殊個体は働き蜂とは、もはや別の生物と言っても過言ではない。
緑の個体は常に風を吹き出しており、風に対するバリアが張られているような状態。
外からの風魔法は、風のバリアにより軽減され、生半可な攻撃では届くことがない。
「それならこの姿ならどう!」
ティナリスが全身鎧を脱ぎ捨て、巨大化、怪鳥ルフの姿に戻る。その身体は体高二十メートルほどある。
「今回は毒消しがあるからこの姿でも大丈夫よ! 喰らえ【ツイスティング・サイクロン】!」
巨大な竜巻を発生させるも、緑の個体は竜巻とは別の方向に進み、竜巻を難なく回避。
「あれ? 虫のくせに冷静に避けられたわ」
「竜巻に引き寄せられもしませんね」
通常なら、恐ろしいほどの吸引力を持つ竜巻だが、緑の個体は風のバリアによって吸引力をも無効化していた。
竜巻をやり過ごした緑の個体は、ティナリスに向かって毒針を発射!
毒針は、巨大化して的が大きくなった分、回避がしづらくなったティナリスの足付近に刺さり爆発。足を負傷。
「痛ったーーー!!」
「だ、大丈夫ですか!?」
意気消沈し、すぐに人型に戻る。
「早く解毒カプセル!」
急いでカプセルを飲んで毒を無効化。
「何やってるんですか!?」
「ごめん、ちょっと焦り過ぎちゃった。あの姿ならすぐ決着付けられると思ったんだけど……」
「爆発喰らったところは大丈夫なんですか?」
「そっちは巨大化してたから問題無いよ。軽傷軽傷」
地面を二メートルも抉り取るほどの威力だが、羽毛がクッションとなり、更にルフ族の強靭な肉体により、爆発のほとんどのエネルギーを逃がすことができた。
「まだティナリス様の【ツイスティング・サイクロン】は生きてます! もう一組作って挟み撃ちしてやりましょう! 【ツイスティング・サイクロン】!」
ガルダ族のセシーリアが、巨鳥ガルダへと変身し、ティナリスの作った【ツイスティング・サイクロン】に重ねるように逆回転の同じ魔法を放つ。ティナリスより多少威力は弱いものの、十分なエネルギーを持つ竜巻。
二つの竜巻のそれぞれ逆回転する吸引力に挟みこまれた緑の個体は、先程のように回避することができず二つの竜巻の中心に引き寄せられ、風の圧力で削られる。
「まるで災害ですね……」
外から見ていたヘルヘヴン族のルーコスが一言そう零す。
「これだけやれば跡形もないでしょ。毒針作戦をやるまでもなかったかな?」
ところが、竜巻が消えてみると、そこには緑の個体の姿が。
「ウソでしょ? 二つの竜巻に挟まれたりなんかしたら普通の亜人なら跡形もないよ?」
「装甲が恐ろしく硬いんでしょうか?」
「しかし、蜂は本来甲殻を持つような生物ではないが……」
「進化した女王が生み出したものなので、普通の蜂にはない機構を備えているのかもしれません。でも、巣からはかなり遠くまで離すことができました。ここなら毒針作戦をやっても大丈夫でしょう」
しかし、二つの竜巻を喰らい、無傷とはいかなかったようで身体のあちらこちらに傷が付いている、脚が二本ほど千切れ飛んでいる。
羽も残っているものの、四つ全てがズタズタ。それでも空に飛んでいられるのは、風の魔法で飛んでいるためだ。
「もう一度二重の竜巻やれば倒せるんじゃないかな?」
「次は多分避けられると思いますよ。それにあの竜巻の挟撃を喰らって、あの程度のダメージじゃ、倒すには至らないかもしれません」
「何か怒りにも似た異質な魔力を感じます! みなさん気を付けてください!!」
地上に居たフリアマギアが空中の三人に注意を促すと、緑の個体の魔力が膨れ上がり、毒針を広範囲に連射!
回避に転じたセシーリアとルーコスだったが、ティナリスだけは違った。
「逆にチャンスなんじゃない?」
ティナリスは自分に向かってくる毒針を風で上空へ受け流し、そのままフリアマギアの下へと送る。
それでも、全ては受け流し切れず、変身していたセシーリアが身を挺してティナリスを庇い、毒針を喰らい、そして連続した爆発。
「キャアアァァァ!!」
「セシーリア!!」
「セシーリア殿!!」
再びルフへ変身し、落下していくセシーリアを追って地面に到達する前に捕まえる。
「こっちは大丈夫! 気絶はしてるけど、ガルダに変化したから傷はそれほど深くない!」
「しかしこれで主力を一人失ってしまいましたね……フリアマギア殿! 針は確保できましたか!?」
「OK! 殺傷するのに十分な毒針を確保できました! ルーコスさん! 手筈通りにお願いします!」
「承知! 【サンダーボルト】!」
「ギギャァ!!」
雷を喰らった緑の個体は、一時的に身体機能がマヒし、地面に落下。
「OK~! 手筈通りです! 喰らえ!!」
フリアマギアが銃を構え、マヒで動けない緑の個体の周囲の地面に毒針を数十発撃ち込む!
緑の個体自身の防御力が高く、針が刺さらない可能性が高いことから、毒針を地面に刺して、その爆風によってトドメを刺そうと試みる。
「みなさん、爆発します! すぐに離れてください!!」
その言葉と同時に全員が緑の個体から大きく距離を取る。
直後――
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォォン!!
という連続した爆発を起こした。
同じ場所に集中的に数十本もの爆発する毒針が撃ち込まれたため、針同士が誘爆する相乗効果で瞬間的に地面が歪むほどの衝撃波が生じる。
「うわああぁぁぁ!!」
「きゃあぁぁぁ!!」
「凄い暴風だ!!」
四人は瞬間的に起こった暴風で大きく吹き飛ばされてしまった。
◇
元居た場所から離れたところまで飛ばされた四人。
「う…………ああ! ヤバイヤバイ! 毒吸ってるかも! 早くカプセル飲んでおかないと! みなさ~ん、大丈夫ですか!?」
いち早く気絶から目覚めたフリアマギアが全員に声をかける。
「だ……大丈夫……」
「ルーコスさんも早く解毒カプセル飲んでおいてください。今の爆発で多分毒吸ってますよ!」
「ああ……」
「セシーリア! 早く起きて! あなだもカプセル飲まないと!」
ティナリスが気絶しているセシーリアに声をかける。
「……う……ん……? ハッ! 蜂はどうなりました!?」
「どうだろう? 爆心地に行ってみないことには、生きてるか死んでるか分からない」
気絶から覚めたセシーリアも連れて、毒針が爆発した現場へ行く四人。
「うわっ! 凄い大穴ですね……」
「毒の風がまだ発生してるね」
「身体は跡形もなくなくなったってところか。倒したとみて良いのではないか?」
「待ってください、証拠を見つけないと安心はできません!」
倒した証拠を見つけようとするフリアマギア。
しばらく周辺を探したところ――
「あった! 緑の個体の腹部らしき残骸! あの爆発でも残ってるなんて、相当頑丈な身体の作りをしてたのね」
「おお! それでは!?」
「倒したと考えて良さそうです!」
「「やったーーー!!」」
「他の隊長たちが特殊個体を倒してくれてれば、あとは女王蜂だけだね!」
こうして四人の奮闘により、緑の個体は倒された。
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