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第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏
第321話 vsマンイーター その2
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トリニアさんが木々たちの声を聞いてくれたお蔭ですぐに二体目のマンイーターが見つかった。身体に花の咲いた個体。恐らく雌と思われる。花で雄とか雌とか不思議でしかないが、雌雄あるというので、多分雌なんだろう。
が、すでに腹 (茎)の中に二人の影。飲み込まれてしまっているらしい。
「ロクトス! ナナトス!」
幸いにも中の様子がシルエットとして見えていて、もがいている様子から生きてはいるらしいことは分かった。
でも、早く救い出さないとドロドロに溶けてしまう!
かと言って、さっきのように炎で焼尽なんてしたら、中の二人が焼け死んでしまうし……
「と、とりあえず水を流し込んで中の強酸を希釈させましょう!」
強酸の樹液を薄めるため、ルイスさんがマンイーターの頭上から水魔法を放つも、何かに弾かれて中には入らない。
「どういうこと!?」
よく見ると口の部分に蓋がされている。さっき牙だと思っていたギザギザした部分は、獲物を捕らえて逃さないための蓋の役割をするものだったらしい。
マズイマズイマズイ! 早くしないと溶かされちゃう!
そうだ!
「二人ともナイフ使って中から出られない?」
二人に自力で脱出できないか、それとなく聞いてみるものの……液体の中にいるためこちらの声は聞こえないのか、動きに変化が無い。
と言うか……ロクトスは既にナイフを使って脱出を試みてるようにも見える。あの中が硬いのか、それとも別の要素があるのか中から切り裂いて出てくる様子は無い。
この二人の行動の変化の無さに、自分の頭からサーッと血の気が引くのが分かった。
マズイマズイマズイ!! 早くしないと溶ける前に溺れる!
急いで物質魔法で刀と鞘を作る。職人の打ったものと比べれば遥かに見劣りするが、ある程度切れれば良い! 確か私の刀の使用レベルも10だから達人級の動きができるはず! (第7話のステータス欄参照)
前方へと跳躍し、ロクトスとナナトスのシルエットがあるところより、かなり上の部分を真一文字に切り裂いた。
留め金の役割をしていた口の部分が無くなったため、マンイーター自身の体内にある液体の重さに耐えきれず、大量にこぼれ出し、それに呼応するように身体が崩壊。
ロクトスとナナトスが中から転がり出て来た。
「ブハァ……!!」
「ガハッ!! ゲホッ!!」
「ロクトスさん! ナナトスさん! 大丈夫ですか!?」
「つ、捕まった時に咄嗟に息止めたから何とか溺れずに済んだッス……」
「……同じく……」
「でもそのままにしておくと徐々に肉が溶けだしてしまうので、すぐ水で洗ってください」
「そ、そうなんスか!? あの液体怖えぇッスね!!」
「全身浸かれる水があれば良いのですが……特に鼻の中とか耳の中とか、ちゃんと洗い流しておかないと……」
「……何か身体がヌルヌルする……」
「多分皮膚の表面が溶けてヌルヌルになってるんじゃない?」
「うぅ……そういえば身体中ヒリヒリして痛いッス……」
「……服も大部分溶かされた……」
「おわぁ!! 腕の産毛が無くなってるッス! まさか髪の毛も!?」
「い、今のところは大丈夫よ。でも早く洗わないと抜け落ちるかもね」
「ひぃ~~!!」
トロル族は、毒には強い耐性があるけど、酸にはあまり耐性無しか。
やっぱりケルベロスの口内細菌を中和したのは正解だった。 (第28話参照)
とりあえず、早く身体を洗わないと溶けてしまう。
土魔法で囲いを作り、その中を水で満たして即席で洗い場を作った。
「あなたたちナイフ持ってたよね? それで切り裂いて出て来られなかったの?」
「……何度も試した……けど、中がヌルヌルしてて全然刃が刺さらなかった……ナイフ程度じゃ中から切り裂いて出るのは難しいと思った方が良い……刃渡りがもっとあれば違う結果だったかも……」
「まあ無事で良かったわ。でもそのままだと溶けてしまうから、さっさと身体を洗い流して。今洗い場作ったから」
「ありがてぇッス!」
「……アルトラ様、ありがと……」
『亜人を好んで食べる』って辺り、あの液体の中には血とか肉とか混じってる可能性があるし、感染症とか大丈夫なのかとか気になるけど……まあ病気知らずの彼らなら多分大丈夫か。
それに消化液で滅菌されて無菌の可能性だってあるし。
二人が身体を洗い終わるまで小休憩。
今後出番があるかどうか分からないが、作った刀は亜空間収納ポケットに放り込んだ。
◇
「身体はサッパリしたッス……でも服がビリビリになちゃったッスけど……」
「町に買いに戻るのも面倒だし、私が修復するよ」
「アルトラ様、そんなことも出来るんですか!?」
トリニアさんに驚かれた。
「まあ、一度見ていてイメージはし易いので、似たような服を再現することは可能だと思います。細かいところに差異はあるかもしれませんが」
創成魔法の便利なところね。
ということで、服の破れた部分を掴んで……ハイ修復した!
「いや~、アルトラ様便利ッスね」
「……ホント、便利……」
多分素直に褒めてるんだろうけど、『便利』って言われると使われてる気がする……まあ便利なんだろう。それは自分でも認めてるし。
悪気は感じないし、一応敬意は感じるからプラマイゼロかな。
「ん? ポケットの穴が半分くらい塞がってるッス。修復をお願いするッス」
「そんなのナイフで切れば良いじゃん」
「そんなことしたら後でほつれるじゃないッスか!」
村が発展して、贅沢になったなコイツら……生活水準が上がると贅沢になる。これは人型生物の性なのかな。
「……ここの紋様、前と違ってるけど……」
「そこは別に良いんじゃない? 機能と関わりが無いし。気に入らなかったら、後で自分で修復して」
流石に細かい紋様までは覚えていない。そこまで記憶力良くはない。
「マンイーターの討伐、ありがとうございました。では、元通りになったということで、次のキャンプ地を目指しましょう」
が、すでに腹 (茎)の中に二人の影。飲み込まれてしまっているらしい。
「ロクトス! ナナトス!」
幸いにも中の様子がシルエットとして見えていて、もがいている様子から生きてはいるらしいことは分かった。
でも、早く救い出さないとドロドロに溶けてしまう!
かと言って、さっきのように炎で焼尽なんてしたら、中の二人が焼け死んでしまうし……
「と、とりあえず水を流し込んで中の強酸を希釈させましょう!」
強酸の樹液を薄めるため、ルイスさんがマンイーターの頭上から水魔法を放つも、何かに弾かれて中には入らない。
「どういうこと!?」
よく見ると口の部分に蓋がされている。さっき牙だと思っていたギザギザした部分は、獲物を捕らえて逃さないための蓋の役割をするものだったらしい。
マズイマズイマズイ! 早くしないと溶かされちゃう!
そうだ!
「二人ともナイフ使って中から出られない?」
二人に自力で脱出できないか、それとなく聞いてみるものの……液体の中にいるためこちらの声は聞こえないのか、動きに変化が無い。
と言うか……ロクトスは既にナイフを使って脱出を試みてるようにも見える。あの中が硬いのか、それとも別の要素があるのか中から切り裂いて出てくる様子は無い。
この二人の行動の変化の無さに、自分の頭からサーッと血の気が引くのが分かった。
マズイマズイマズイ!! 早くしないと溶ける前に溺れる!
急いで物質魔法で刀と鞘を作る。職人の打ったものと比べれば遥かに見劣りするが、ある程度切れれば良い! 確か私の刀の使用レベルも10だから達人級の動きができるはず! (第7話のステータス欄参照)
前方へと跳躍し、ロクトスとナナトスのシルエットがあるところより、かなり上の部分を真一文字に切り裂いた。
留め金の役割をしていた口の部分が無くなったため、マンイーター自身の体内にある液体の重さに耐えきれず、大量にこぼれ出し、それに呼応するように身体が崩壊。
ロクトスとナナトスが中から転がり出て来た。
「ブハァ……!!」
「ガハッ!! ゲホッ!!」
「ロクトスさん! ナナトスさん! 大丈夫ですか!?」
「つ、捕まった時に咄嗟に息止めたから何とか溺れずに済んだッス……」
「……同じく……」
「でもそのままにしておくと徐々に肉が溶けだしてしまうので、すぐ水で洗ってください」
「そ、そうなんスか!? あの液体怖えぇッスね!!」
「全身浸かれる水があれば良いのですが……特に鼻の中とか耳の中とか、ちゃんと洗い流しておかないと……」
「……何か身体がヌルヌルする……」
「多分皮膚の表面が溶けてヌルヌルになってるんじゃない?」
「うぅ……そういえば身体中ヒリヒリして痛いッス……」
「……服も大部分溶かされた……」
「おわぁ!! 腕の産毛が無くなってるッス! まさか髪の毛も!?」
「い、今のところは大丈夫よ。でも早く洗わないと抜け落ちるかもね」
「ひぃ~~!!」
トロル族は、毒には強い耐性があるけど、酸にはあまり耐性無しか。
やっぱりケルベロスの口内細菌を中和したのは正解だった。 (第28話参照)
とりあえず、早く身体を洗わないと溶けてしまう。
土魔法で囲いを作り、その中を水で満たして即席で洗い場を作った。
「あなたたちナイフ持ってたよね? それで切り裂いて出て来られなかったの?」
「……何度も試した……けど、中がヌルヌルしてて全然刃が刺さらなかった……ナイフ程度じゃ中から切り裂いて出るのは難しいと思った方が良い……刃渡りがもっとあれば違う結果だったかも……」
「まあ無事で良かったわ。でもそのままだと溶けてしまうから、さっさと身体を洗い流して。今洗い場作ったから」
「ありがてぇッス!」
「……アルトラ様、ありがと……」
『亜人を好んで食べる』って辺り、あの液体の中には血とか肉とか混じってる可能性があるし、感染症とか大丈夫なのかとか気になるけど……まあ病気知らずの彼らなら多分大丈夫か。
それに消化液で滅菌されて無菌の可能性だってあるし。
二人が身体を洗い終わるまで小休憩。
今後出番があるかどうか分からないが、作った刀は亜空間収納ポケットに放り込んだ。
◇
「身体はサッパリしたッス……でも服がビリビリになちゃったッスけど……」
「町に買いに戻るのも面倒だし、私が修復するよ」
「アルトラ様、そんなことも出来るんですか!?」
トリニアさんに驚かれた。
「まあ、一度見ていてイメージはし易いので、似たような服を再現することは可能だと思います。細かいところに差異はあるかもしれませんが」
創成魔法の便利なところね。
ということで、服の破れた部分を掴んで……ハイ修復した!
「いや~、アルトラ様便利ッスね」
「……ホント、便利……」
多分素直に褒めてるんだろうけど、『便利』って言われると使われてる気がする……まあ便利なんだろう。それは自分でも認めてるし。
悪気は感じないし、一応敬意は感じるからプラマイゼロかな。
「ん? ポケットの穴が半分くらい塞がってるッス。修復をお願いするッス」
「そんなのナイフで切れば良いじゃん」
「そんなことしたら後でほつれるじゃないッスか!」
村が発展して、贅沢になったなコイツら……生活水準が上がると贅沢になる。これは人型生物の性なのかな。
「……ここの紋様、前と違ってるけど……」
「そこは別に良いんじゃない? 機能と関わりが無いし。気に入らなかったら、後で自分で修復して」
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