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第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏

第306話 亜空間収納ポケットの伝授と空間転移魔法の仕組み

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「ところで、ルイスさんその大荷物、亜空間に収納すればかさばりませんよ?」
「亜空間に収納? 亜空間とは?」
「こういう――」

 亜空間収納ポケットを出す。

「――色んな物を収納できる異空間なんですけど」
「何ですかソレ!?」
「リナさんに聞いてませんか?」
「ああ、そういえばそんな話をされたような……ですが、私では再現できなかったので……」 (第67話参照)
「イメージが大事かもしれません。異空間に“自分専用の無限に入る袋”を作るイメージで空間魔法を使うと“亜空間”という場所が構築されます」
「“袋”ですか?」
「イメージが大事です!」
「やってみます」

 ……
 …………
 ………………

 少しの沈黙。イメージを練っているみたいだ。
 イメージを練っている間に、以前カイベルから聞いた亜空間収納ポケットの仕組みについて思い返してみる。


   ◆


 (▼※ここより亜空間収納ポケットの仕組みの説明。読み飛ばし可)

「カイベル、亜空間収納ポケットってどういう仕組みになってるの? と言うか空間転移自体どういう仕組み?」
「現在私やアルトラ様が生活しているこの次元を魔界では“主次元”と呼称しています。これはこの世界に空間魔法があることが知られているため、別の次元があると認識されているためです。主次元以外の別次元を“異次元”と呼称します」
「確かに地球では主次元なんて言い方しないよね。空間魔法使える人なんか存在しないから別の次元へ行く手段なんか無いし」
「はい。そしてそれとは別に“異空間”というものが存在します」
「異空間? 異次元とは違うものなの?」
「はい。異次元と異空間は別のものと認識されており、異次元には生物が住んでいます。異次元の方にはアルトラ様と似たような人物が存在しているかもしれません」
「ああ、要するに異次元ってのは“パラレルワールド”ってこと?」
「はい」

 “異次元”って言うより“パラレルワールド”って言った方が私には分かりやすいな。

「対して“異空間”には生物がいないことになっています」
「“いないことになってる”ってことはいるかもしれないってこと?」
「そうですね。いるかもしれませんが、観測する術が無いので分かりません」
「カイベルでも分からないの?」
「分かりません。私の観測可能な領域はこの主次元だけに限ります。話を戻しますがこの“異空間”は現時点では空間魔法で距離を圧縮すためだけに使われます――

  主   異   主
  次 → 空 → 次
  元   間   元

 ――の順番で空間を切り開き、主次元と主次元の間の“異空間”というところで距離を圧縮して、一歩で別の場所への移動を可能としています」

 へぇ~、こんな仕組みなのか。

「この“異空間”を操ることができるのが空間魔術師ということになります」
「なるほど」
「対して、亜空間収納ポケットの仕組みは――

  主   亜  × 異   主
  次 → 空 →× 空 → 次
  元   間  × 間   元

 ――となっていて、×が示す通り亜空間から先へは通り抜けることができません」
「確かにそうね。亜空間収納ポケットは向かい側に出口が無いし」
「亜空間収納ポケットの仕組みは異空間を用いて、“亜空間”という本来存在しないはずの異空間を、空間魔法によって魔力で作り出したものが、アルトラ様が呼称される亜空間収納ポケットの魔法です」

 え? あれって私が意図的に作り出したものだったのか……異空間に存在する場所を私が勝手に間借りして物を放り込んでるのかと思ってた。

「そのため出口が無く、空間魔術師自身の魔力が元で作られるため、亜空間を作った本人以外にはそこに干渉できない空間となっています。ただし例外として私はアルトラ様の亜空間収納ポケットに物を“入れること”のみ干渉することができます。これは私の口腔内に“アルトラ様の”亜空間収納ポケットの入り口が設置されているためです」
「なるほど。その入り口は私が設置したものだから、間接的にカイベルも物が入れられるってわけね」
「はい」
「じゃあさ、作った本人にしか干渉できないって言うけど、カイベルなら色んな事を解析して、他人の亜空間に干渉したりとかはできないの?」
「現時点の私では出来ません。また仮に出来るとしても、それもステータス照会同様、相手方の許可が必要です」

 “現時点では”が引っかかるけど、多分教えてくれないだろうから質問は控えよう。

「もう一つ疑問なんだけど、さっき異次元パラレルワールドが存在するって話だったけど、私でもそちらへ移動することはできるの?」
「理論上異次元は存在しているようですが、実行した時に異次元のどこに繋がるか分かりませんし、戻って来られる保証も無いので、お勧めしません。もっともアルトラ様の場合、現時点ではご自身のスキル『冥獄の鎖』でこの魔界から出ることができないので、ご心配には及びませんが」

 あ……『冥獄の鎖』があるからどのみち魔界からは出られないのか…… (第105話参照)

 (▲※読み飛ばしここまで)

「あ、空間魔法のことを聞いたついでに別のことも聞いておきたいんだけど……」
「何でしょう?」
「何でゲートって、一度行ったところにしか行けないの? このシステムって何かドラゴンクエスチョンのルーラの呪文に似てない? 一度行ったことのある町にしか行けないみたいなところがソックリなんだけど……何だか凄くゲーム的なシステムじゃない? ここゲームの中じゃないでしょ?」
「それには理由があります。この魔界では木でも石ころでもあらゆるモノに微力ながら魔力があるのはご存じかと思います」 (第199話参照)
「それは知ってる」
「この魔界の生物たちは無意識に自分の歩いた場所へ魔力の残滓ざんしをバラまきながら移動します」
残滓ざんしっていうと残りカスのようなものよね?」
「はい。この魔力の残滓ざんしは普段生活しているだけで身体からこぼれ落ちています。見えるもので例えるなら、抜け落ちた髪や皮膚片、呼気、唾液といったところでしょうか。この魔力の残滓ざんしがマーキングの代わりになっていて、自分の魔力の残滓ざんしが残っている場所へゲートが繋げられるようになると、そんな感じです」

 ということは……身体から出るゴミを辿ってるってことか……

「ああ、つまり自分の遺伝子みたいなものへ、ゲートを繋ぐってことなのね」
「そういうことになります」
「だから一度足を運ばないといけないわけなのね……」

 なるほど……納得。最初から楽は出来ないってわけね……
 ん? ちょっと待てよ?

「だとしたらおかしいことが一つ出てくるわ。クリスマスの夜に私、プレゼント配って歩いたけど、入ったこともない家の中に入れたよ? それはどう説明付くの?」 (第201話から第202話参照)
「魔力の残滓ざんしは、何も物質というわけではありませんので、壁を通り抜けることくらいはあり得ることです。また、自分が移動した場所から少し離れたところくらいまでは広がります。距離にすると十から二十メートルくらいは十分広がります。魔力防御がされてない建物なら入り込む可能性もあります。アルトラ様はアルトレリアで生活されていますし、日々町中をパトロールされているので、町にある家々に魔力の残滓ざんしが入り込んでいる可能性は十分に考えられます。それを辿ることでゲートでの侵入が可能だったわけです」

 な、なるほど……私は自分の身体からこぼれ落ちたゴミを辿ってゲートを繋げてたんだな……そう考えると……ちょっと……何か残念……

「あ! さっきのパラレルワールドの話に戻るけど、その魔力の残滓ざんしが無いところにゲートを繋ぐと、どこへ行ってしまうか分からないということ?」
「はい、そのため危険があると考えています」
「行ったことがない場所に行こうとすると不具合が出るわけね」
「はい、主次元間同士の空間転移では残滓ざんしを辿らなければ移動できないので起こりませんが、次元間移動しようとすると最悪意図せずに異空間の隙間のようなところに入ってしまって抜け出られなくなることも考えられます」
「怖っ! それはやらない方が良いね……」


   ◇


 と言うようなことを聞いた。
 さて、説明が長くなってしまった。
 ルイスさんの亜空間収納ポケットに話を戻そう。イメージと構築が終わったみたいだ。

「おお! 向こうに白くて何も見えない空間が現れました! アルトラ様、これですか!?」

 空間転移ゲートの魔法はこちら側と向こう側を繋げるものだから、繋げた先の出口側の景色が見えるのに対し、亜空間収納ポケットは袋のような亜空間になっているから出口側が無い。
 出口が無い亜空間だから“白くて何も見えない空間”が見えてるってことは亜空間収納ポケットの構築に成功しているとは思うんだけれど……
 え? 白いの?
 私の亜空間は真っ暗なのに……イメージの違い? 袋をイメージしろって言ったから、白い袋をイメージしたってことかしら? イメージの仕方によってここまで違いが出るとは……

「た、多分、これだと思います。私のとは多少違いますが……試しに石か何か入れて、閉じて、再度開けてみて中に石が入っていれば、これが“自分専用の袋”かどうかがわかると思います」
「なるほど」

 私が言った通り、石を入れ、亜空間収納ポケットを閉じ、再度開いてみる。

「おお! きちんと入ってますよ! これで僕も無限収納が使えるようになったってわけですね!」
「そうですね。でも時々中に入ってるのをチェックしないと、何が入ってたか分からなくなるので、たまには中の物を取り出して確認してみるのをお勧めします」
「空間転移と違って、魔力の消費も少なく済むようですね」

 そうなのか?
 私の魔力が多いからなのか実感が湧かない。多分“向こう側に通り抜ける”という部分を構築しなくて済むから、きっと消費も少ないんだろう。

「………………」

 何か考え事をするように黙ってしまった。

「どうかしましたか?」
「アルトラ様、僕が死んだ場合、この亜空間ってどうなるんですか?」

 そんなこと考えたことないな……

「さあ? どうなるんでしょうね? 私も魔界で死んだことが無いので答えがわからないです。そもそも自分専用の亜空間は自分にしか開けないので、開けられない以上消滅したことと同義のような気がします」
「それもそうですね。ただ、そうすると重要書類とか入れておいたらマズいってことになりますね」

 確かにそうか……私も金銀財宝をいくつか入れてるから出しておくべきかな……?

「これで従姉ねえさ……サリーさんをビックリさせられますよ! 良い魔法を教えていただきありがとうございます!」
「その収納空間良いですね! 樹の国の空間魔術師にも伝えてみようと思います!」

 亜空間の構築が終わった良いタイミングで、ナナトスとロクトスがやって来た。

「アルトラ様~! お待たせしましたッス! その方たちが同行者ッスか?」
「こちら樹の国の魔王代理トライアさんとその妹さんたちのトリニアさんとトルテアさん」
「魔王代理ッスか! お美しい方々ッスね! よろしくお願いしますッス!」
「……同行させていただきます……」

 ロクトスは相変わらずの小さい声だ。

「こちらは水の国の空間魔術師ルイスさん。今回私に同行してくれる……私が同行するんだっけ?」
「どっちでも同じ意味ですね……」

 苦笑いされた……

「アルトラ様以外の空間魔術師ッスか? 初めて見たッス。どうしてまた?」
「水の国のちょっとした事情があるのよ」
「で、この二人が今回大森林に興味を持って同行するうちの町の生態調査部のロクトスとその弟のナナトス。主に賑やかしだけどロクトスの方はある程度サバイバル慣れしてると思うから」
「アルトラ様は何で樹の国に行くんスか?」
「樹の国とのちょっとした事情があるのよ」
「ちょっとした事情って?」
「国同士の話では言えないこともあるの」
「全部秘密じゃないッスか!」
「それが国ってものよ」

 まあ……疑似太陽に関連することだから、言えないのはこちらわたしの事情なんだけど……

「それにしてもあなたたちも結構な大荷物ね」
「これでも厳選した方ッスよ! ロクにーが主に食料を大量に持って行くって言うから……」
「……初めて行くところなのだから、準備はしっかりしておくに越したことはない……遭難したりしたら命に関わる……」

 と言っても、ルイスさんに比べれば、これで行くの?って感じの貧相な装備に見える。

「これじゃちょっと心許ないわね……」

 着ている服や身に着けているものも特別耐久力が高いというものでもないし、ポケットのようなものも無いから機能性も悪い。
 しっかりしてるのはリザの鍛冶工房製のサバイバルナイフくらい。
 あとは遭難した時用の食べ物が多い。

「でもルイスさんなんて、着てる物以外は手ぶらじゃないッスか!」
「ああ、これはですね――」

 さっき覚えた亜空間収納ポケットを出す。
 ちょっとドヤ顔で。

「――アルトラ様と同じくこういう収納魔法が使えるので」

 ルイスさんの鼻がどんどん高くなる……

「ええ~~! ズルいッス! アルトラ様以外にこんな便利な魔法使えるなんて!」

 テントはともかくとして寝袋すら無いのはどうだろう?

「あなたたちどうやって寝るの? 寝袋みたいなものは無いの?」
「なんスかソレ?」
「……聞き覚えある……確か外で寝るための袋状の布団に似たものだったはず……」
「へぇ~、そんなん無いから地べたに寝れば良いッスよ」

 この町にはまだ寝袋なんてサバイバル用品売ってないか。テントなんてもちろん無い。病院も薬局も存在しないため薬の類ももちろん無い。

「……まあ……今回は私が行くから問題無いわ」

 樹魔法と土魔法で簡易的な小屋を作れば雨が降ってもしのげる。

「食べ物は沢山持って来たのね。長く歩くから杖みたいなものも持って行った方が良いよ。あとそんなサンダルじゃなくて出来ることならきちんとした靴」
「アルトラ様は裸足じゃないッスか」
「あなたたちは私の頑丈さをよく知ってるでしょ? 一緒にしてたら後で泣きを見るよ?」
「もう一度装備を考えてくるッス」
「服は長袖長ズボンにして。虫とか居るからね」
「了解ッス! 虫取り網とカゴも持ってくるッス!」

 ちょっと目を輝かせてたけど、ナナトスは多分誤解している。
 ナナトスの中ではカブトムシのようなどっしりして捕まえ易いものを想像しているのだろうが、私が想定しているのは速く動いて刺す方の虫だ。

 そこへトリニアさんが口を挟む。

「あ、お待ちください! それなら今から行くユグドフロントで買い揃えれば良いと思います。森林入り口の街ですので、森歩き用の装備も売っていますから」
「それが良いですね。この町よりよほど専門性のあるものが売ってると思いますし」
「いずれにせよ、虫取り網とカゴを取りに行ってくるッス!」
「それも向こうで買った方が早いよ」
「そッスね。じゃあそうするッス」

 どうしても虫を取りたいのかな……
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