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第12章 臨時会談編
第286話 小麦と農林部統括責任者
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「ところで小麦の方はどうするんですか? 小麦も水田ですか?」
「いや、それについてもカイベルに聞いたところ、どうやら水田じゃないらしい」
穀物だから米と同じく水田なのかと思っていた。と言うより、むしろ大量の水があったら困るようだ。
私の地元では小麦が栽培されてるところを見たことがないから、どういう栽培形態なのかすら分からなかったけど、冷涼乾燥した土地が栽培に適しているらしい。
土地活用という意味では、春から夏の温かい時期には水田で稲を育て、秋から冬に水を抜いて乾田に変え、小麦を育てるのが二毛作として相応しいらしいけど、都合の良いことに土地は沢山あるから、それぞれ別々のところで育てることにする。
ここは元々乾燥地帯だし、灼熱の土地でもなくなったから小麦の栽培には適しているかもしれない。
「大量の水分には弱いらしいから、川の近くは避けようと思う」
「じゃあ町から離れた場所に作るんですか?」
「そうね、目星は付けておいたから行ってみようか」
権利者がいない土地が沢山ある中立地帯はこういう時、土地の権利について争うことがないから便利だ。
◇
ゲートで目星を付けておいた場所まで転移。
「周りに何も無いですね! ここからだと町も見えませんけど……」
「ここで小麦育ててもらえる? 本当なら寒くなる前に種撒いた方が良かったらしい。でも、私たちには成長促進魔法がある! というわけで今から種撒いても、問題無く収穫までこぎつけると思う」
「これだけ広大だと人手も増員しないといけませんね」
「役所で臨時の人員を募集しようか」
「それと町からどれくらい離れてるんですか?」
「二十……いや、三十キロくらいかな?」
「三十キロ!? ここ来るまでに日が傾いてしまいますよ~! それに全くのゼロから畑作りしなきゃならないんですよね? ゼロ距離ドアの設置を要求します!」
第三号か……う~ん……まだ車みたいな便利な足は無いしな……
本当ならお金を払ってもらって創るところだけど……
町内で消費する食料を作ってもらうわけだしな……
「わかったよ、ここに早く来れる移動手段が出来るまで設置を検討する。ただ……」
「何ですか?」
「そうなると、役所へきちんと籍を置いてもらいたいと思う」
「それはもう置いてるんじゃないですか? 私一応、役所農林部の食物科所属ですよ?」
「まだ農林部内に責任者を立てていないから、もしゼロ距離ドア三号を作った時に『うちにもお願いします』と言われると断る口実が無い。だから『きちんとした役所の、国の機関で利用するために創ったんですよ。個人ではなく町民のために働いてるんですよ』っていう口実が欲しいわけ」
「はぁ……」
生返事。
何だか要領を得てないみたいだな……
「リーヴァントと副リーダーたちは知ってるんだけど、『空間魔法系の魔道具は滅多なことでは作らない』って話をしてあるから、きちんとした理由と説得力が無いと作ってあげることはできない」
空間魔法系の魔道具は、考えようによっては世界の常識がひっくり返ってしまうくらい危険だしね。
創った当初は、この町だけで済む話だと思ってたから考え無しに創ってしまったけど、世界規模で考えると争いのタネになりそうなことはいくらでも思い浮かぶ。
便利になるなら良いかと創ったが、今更ながら少し後悔している。
「はぁ……つまり?」
「農林部門の各科を統括できる責任者を立てて、きちんと国の機関という体を成してもらいたい。メイフィーでも良いよ」
「それって、現場に出られるんですか?」
「いや、各科への通達と庶務・雑務が主な仕事になると思うから、役所に居てもらわないといけないかな」
「えーーー! じゃあ我が子が成長する様が見られないじゃないですか! 別の人にお願いします!」
「じゃあ、この亜人が適任って亜人を役所に推薦してもらえる? 現状あなたが一番一生懸命やってくれてるから、あなたが一番権限が大きいと思ってる」
「わかりました……じゃあ誰か推薦します……」
「じゃあ今日は視察だけだから、とりあえず帰りましょうか」
「あ、待ってください。視察ついでに、例のドーーンをやって土を掘り起こしておきましょうよ!」
え? またアレやるの!? (第144話参照)
「ぜ、前回、軽るめの地震が起こったのに?」
「あれをやっていただくのと、ホントにゼロから土を耕すのでは、労力に雲泥の差がありますから! それに掘り返されてれば、開墾る場所の目印にし易いですし」
そういうわけで『土壌撹拌』で、広大な面積を掘り起こした。
以前、畑の開墾で行った時には、町との距離が近すぎて軽い地震が起こったが、今回は大分距離が離れていたこともあり、全く影響は無かったそうだ。
後日――
メイフィーの部下全員に統括をやってもらえないか打診したものの、誰もデスクワークをやりたがらず……
仕方なくジュライヤというメイフィーの妹に農林部統括を持ちかけたらしい。
姿を見たことが無かったけど、妹居たんだな~。
それもそのはず、何でも肉体労働をしたくないという理由で、メイフィーからの畑仕事への誘いを断り続けていたとか。滅多に外に出ないらしい。デスクワークならと農林部門の統括を担ってくれるということになった。
……と言うのは建前で、実際は『働きたくない!』ってごねたのを、『じゃあ今後は食費出さない!』と一喝したらしい。
農業に関してはメイフィーがあれこれ話していたのを聞き流していたらしく、それなりの知識を持っていたので、今後しっかり覚えてもらう。
ただし、責任者をやるのは断固拒否したので、管理だけジュライヤで責任者はメイフィーが務めるということで話が付いたらしい。
責任者が現場で働くメイフィーで、ジュライヤのやることはメイフィーに責任があるという何とも歪な状態だが、これは時間が空いても良い案件は家に帰ってからの通達と話し合い、緊急の話の場合はジュライヤがメイフィーをその都度探し回るという条件で責任者の肩代わりを認めた。
メイフィーがデスクワークを嫌がったけど、妹の育成のため、少しの間だけデスクワークをしてもらうよう頼み込み、渋々了承してくれた。
余談だけど、ジュライヤは頭良くする前は普通に外に出て食べ物を探したり、川から水運びもしていたりと肉体労働をしていたらしいんだけど……ナンデコウナッタ?
もう一つ余談だけど、オウガスという年の離れた弟もいるらしく、その子はリディアたち六人の遊び仲間の一人らしい。
◇
田んぼについては、メイフィーの下で働いていたニートスに、小麦畑はR・G・Bの三人に主になってお願いすることになった。
メイフィーは野菜・果物畑を主として、現場統括に格上げ。非常勤アドバイザーにカイベルを据えた。
「私が田んぼ組のリーダーですか?」
「そう、お願いできるかしら? 畑よりももしかしたらキツイと思うけど」
『もしかしたら』どころか、確実にキツイと思うけど……
「お任せください!!」
というさっぱりした流れで、二つ返事で快諾してくれ、稲作の統制はニートスにやってもらうことにした。
次男だから兄弟を統率する立場には無く、農作業先発のメイフィーには知識的な面で敵わなかったため、どうやらリーダーに任命されたってところが嬉しかったらしい。
この後、どれほどの苦労があるかも知らずに……
R・G・Bも、三人一緒ならということで、小麦の栽培を請け負ってくれた。
カイベルにアドバイザーをやってもらうから、滅多なことで失敗は無いでしょう。
「いや、それについてもカイベルに聞いたところ、どうやら水田じゃないらしい」
穀物だから米と同じく水田なのかと思っていた。と言うより、むしろ大量の水があったら困るようだ。
私の地元では小麦が栽培されてるところを見たことがないから、どういう栽培形態なのかすら分からなかったけど、冷涼乾燥した土地が栽培に適しているらしい。
土地活用という意味では、春から夏の温かい時期には水田で稲を育て、秋から冬に水を抜いて乾田に変え、小麦を育てるのが二毛作として相応しいらしいけど、都合の良いことに土地は沢山あるから、それぞれ別々のところで育てることにする。
ここは元々乾燥地帯だし、灼熱の土地でもなくなったから小麦の栽培には適しているかもしれない。
「大量の水分には弱いらしいから、川の近くは避けようと思う」
「じゃあ町から離れた場所に作るんですか?」
「そうね、目星は付けておいたから行ってみようか」
権利者がいない土地が沢山ある中立地帯はこういう時、土地の権利について争うことがないから便利だ。
◇
ゲートで目星を付けておいた場所まで転移。
「周りに何も無いですね! ここからだと町も見えませんけど……」
「ここで小麦育ててもらえる? 本当なら寒くなる前に種撒いた方が良かったらしい。でも、私たちには成長促進魔法がある! というわけで今から種撒いても、問題無く収穫までこぎつけると思う」
「これだけ広大だと人手も増員しないといけませんね」
「役所で臨時の人員を募集しようか」
「それと町からどれくらい離れてるんですか?」
「二十……いや、三十キロくらいかな?」
「三十キロ!? ここ来るまでに日が傾いてしまいますよ~! それに全くのゼロから畑作りしなきゃならないんですよね? ゼロ距離ドアの設置を要求します!」
第三号か……う~ん……まだ車みたいな便利な足は無いしな……
本当ならお金を払ってもらって創るところだけど……
町内で消費する食料を作ってもらうわけだしな……
「わかったよ、ここに早く来れる移動手段が出来るまで設置を検討する。ただ……」
「何ですか?」
「そうなると、役所へきちんと籍を置いてもらいたいと思う」
「それはもう置いてるんじゃないですか? 私一応、役所農林部の食物科所属ですよ?」
「まだ農林部内に責任者を立てていないから、もしゼロ距離ドア三号を作った時に『うちにもお願いします』と言われると断る口実が無い。だから『きちんとした役所の、国の機関で利用するために創ったんですよ。個人ではなく町民のために働いてるんですよ』っていう口実が欲しいわけ」
「はぁ……」
生返事。
何だか要領を得てないみたいだな……
「リーヴァントと副リーダーたちは知ってるんだけど、『空間魔法系の魔道具は滅多なことでは作らない』って話をしてあるから、きちんとした理由と説得力が無いと作ってあげることはできない」
空間魔法系の魔道具は、考えようによっては世界の常識がひっくり返ってしまうくらい危険だしね。
創った当初は、この町だけで済む話だと思ってたから考え無しに創ってしまったけど、世界規模で考えると争いのタネになりそうなことはいくらでも思い浮かぶ。
便利になるなら良いかと創ったが、今更ながら少し後悔している。
「はぁ……つまり?」
「農林部門の各科を統括できる責任者を立てて、きちんと国の機関という体を成してもらいたい。メイフィーでも良いよ」
「それって、現場に出られるんですか?」
「いや、各科への通達と庶務・雑務が主な仕事になると思うから、役所に居てもらわないといけないかな」
「えーーー! じゃあ我が子が成長する様が見られないじゃないですか! 別の人にお願いします!」
「じゃあ、この亜人が適任って亜人を役所に推薦してもらえる? 現状あなたが一番一生懸命やってくれてるから、あなたが一番権限が大きいと思ってる」
「わかりました……じゃあ誰か推薦します……」
「じゃあ今日は視察だけだから、とりあえず帰りましょうか」
「あ、待ってください。視察ついでに、例のドーーンをやって土を掘り起こしておきましょうよ!」
え? またアレやるの!? (第144話参照)
「ぜ、前回、軽るめの地震が起こったのに?」
「あれをやっていただくのと、ホントにゼロから土を耕すのでは、労力に雲泥の差がありますから! それに掘り返されてれば、開墾る場所の目印にし易いですし」
そういうわけで『土壌撹拌』で、広大な面積を掘り起こした。
以前、畑の開墾で行った時には、町との距離が近すぎて軽い地震が起こったが、今回は大分距離が離れていたこともあり、全く影響は無かったそうだ。
後日――
メイフィーの部下全員に統括をやってもらえないか打診したものの、誰もデスクワークをやりたがらず……
仕方なくジュライヤというメイフィーの妹に農林部統括を持ちかけたらしい。
姿を見たことが無かったけど、妹居たんだな~。
それもそのはず、何でも肉体労働をしたくないという理由で、メイフィーからの畑仕事への誘いを断り続けていたとか。滅多に外に出ないらしい。デスクワークならと農林部門の統括を担ってくれるということになった。
……と言うのは建前で、実際は『働きたくない!』ってごねたのを、『じゃあ今後は食費出さない!』と一喝したらしい。
農業に関してはメイフィーがあれこれ話していたのを聞き流していたらしく、それなりの知識を持っていたので、今後しっかり覚えてもらう。
ただし、責任者をやるのは断固拒否したので、管理だけジュライヤで責任者はメイフィーが務めるということで話が付いたらしい。
責任者が現場で働くメイフィーで、ジュライヤのやることはメイフィーに責任があるという何とも歪な状態だが、これは時間が空いても良い案件は家に帰ってからの通達と話し合い、緊急の話の場合はジュライヤがメイフィーをその都度探し回るという条件で責任者の肩代わりを認めた。
メイフィーがデスクワークを嫌がったけど、妹の育成のため、少しの間だけデスクワークをしてもらうよう頼み込み、渋々了承してくれた。
余談だけど、ジュライヤは頭良くする前は普通に外に出て食べ物を探したり、川から水運びもしていたりと肉体労働をしていたらしいんだけど……ナンデコウナッタ?
もう一つ余談だけど、オウガスという年の離れた弟もいるらしく、その子はリディアたち六人の遊び仲間の一人らしい。
◇
田んぼについては、メイフィーの下で働いていたニートスに、小麦畑はR・G・Bの三人に主になってお願いすることになった。
メイフィーは野菜・果物畑を主として、現場統括に格上げ。非常勤アドバイザーにカイベルを据えた。
「私が田んぼ組のリーダーですか?」
「そう、お願いできるかしら? 畑よりももしかしたらキツイと思うけど」
『もしかしたら』どころか、確実にキツイと思うけど……
「お任せください!!」
というさっぱりした流れで、二つ返事で快諾してくれ、稲作の統制はニートスにやってもらうことにした。
次男だから兄弟を統率する立場には無く、農作業先発のメイフィーには知識的な面で敵わなかったため、どうやらリーダーに任命されたってところが嬉しかったらしい。
この後、どれほどの苦労があるかも知らずに……
R・G・Bも、三人一緒ならということで、小麦の栽培を請け負ってくれた。
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