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第10章 アルトレリアの生活改善編(身分証明を作ろう)
第259話 この死神への勘違い
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数日後――
先日どこかへ去った死神が帰って来た。
「ど、どうだった?」
『この件、相当な極秘事項のようです。上司に伺っても分からず、そのまた上司に伺うと、私の上司ともども口外するなと固く口留めされました……それからあなたの担当は私に一任すると……そういうことで私以外の死神があなたに接触することは今後ありません』
え? 何それ? この子死神なんだから、上司も神様よね? そんな大層なことが私に降りかかってるの? 神クラスの案件? 恐い……
「そ、それで判定は……?」
『私にも上司にすらもわからないので、現時点では保留とさせていただきます。勝手に地獄送りにすると私がお咎めを受けそうですから……』
ホッ……とりあえずすぐに処刑されることは無さそうね……
『ではせっかく誘ってくれたので、私もこの町で生活しても良いですよ? 毎日あのお菓子一つください』
何で上から言われるかわからないけど、拒否したらまたガン見地獄が始まりそうだしな……
「わかったよ……毎日作ります……」
根負けしてしまった……
『ところで、この作られた身体、私にソックリですけど……胸がありますね……』
「バージョンアップしてみたよ!」
あなた私より胸が無いから。
『…………何か勘違いしているようですが、私は『男』ですよ』
「…………えっ!!? 女の子じゃないの!?」
髪の毛長いから女の子だと思ってた。
男の娘ってやつか!?
『多分、今怪しいこと想像してると思いますが、それも違います。私はれっきとした男です』
「でも、その一人称は?」
『いい大人は赤の他人に対して、俺とか僕とか言いませんよね? それと同じビジネス一人称ですよ』
な、なるほど……髪の長さに加えて声も高めだからわからなかった……
全部私の勘違いだったわけか。
あれ? とすると、お風呂やトイレを監視されなかったのは、常識的に一線引いてただけじゃなくて、それにプラスして異性だからって理由もあったってこと?
あれ? とすると、私は男性の前で爆睡したり、だらしない格好で日々生活してたってこと? 下手したら寝てる間にヨダレとか垂れてた可能性も……?
「何で男の子だって早く打ち明けてくれなかったの!?」
『いや、そもそも勘違いされているかどうかすら分かりませんし……むしろこちらが目のやり場に困ってたくらいで……』
そういえば風呂上りも普段通りパンツ一丁でバスタオルを首から下げてただけだった……普段はガン見して圧力かけてくるのに、その時は顔背けてたような気が……
そう考えると、途端に恥ずかしくなってきた……い、一応最終防衛線は首にかけたタオルで隠れててくれたけど……
一人悶々と思い出しているところに――
『そういうわけで、この義体を使うことにするので、男に作り変えてください』
「えっ……?」
『「えっ……?」って、出来るんですよね?』
完全に女の子だと思ってたから、男の身体なんて想定してなかった。いやそれよりも――
「この義体、正式に使うの? この町に住むってこと?」
『はい、初めて誘われたので、あなたに興味が湧きました。ここで少しの間生活してみたいと思います』
男だとは思ってなかったから、安易に誘ってしまったけど……男の身体なんて見たこともないからわからない……ましてや少年の身体なんて……
「……じゃあ、見せてもらえる……?」
ハッとして、慌てて口を押える。
『え? 何か言いましたか?』
あ、危なかった……思わず口に出てた……聞こえてなくて良かった……それじゃあまるっきり痴女じゃあないか!
とは言え、男性の身体を見たのは学生時代のヌードデッサンくらいしか無いからきちんと想像できない……しかもあの頃は毎回“例のモノ”が視界に入らないように後から見える範囲から描いてたし……
まさか男の身体を作らなきゃいけないイベントが起こるとは……
こんなことなら、二回もあったフレアハルトの裸でちゃんと見ておくべきだったわ……二回とも即座に顔を背けたし……
形は確か……昔見た『パステルしんちゃん』ってアニメの野っ原しんのすけが「ぞうさんぞうさん」言ってたから、あのアレな部分は象みたいな見た目なのよね……?
いや、『くノ一ツバメの胸の中』では亀みたいとか、蛇みたいとか言ってたような……蛇? そんな長いの?
象? 亀? 蛇? どんな形だよソレ……
亀と蛇だけなら『玄武』って幻想生物がいるけど、それに象が足されたら、もはや何が何だかわからない……
私の記憶の中の同人誌とネット上の動画で見た記憶、あと保健体育で習った知識とヌードデッサンの経験を総動員し、何とか男性の身体に作り変えた。
私から裸が見えないように下着だけは同時に創成。
きちんとイメージ出来てないから、多分裸になったら粗が目立つと思う……まあ、確認する気にはなれないけど……不具合があれば、その都度報告してもらおう。
『凄いですね! 私にソックリです!』
見た目は似せたけど……
「あの……下着も作ったから一応聞いておくんだけど、ブラは必要無い?」
『ありませんよ! 男ですから!』
髪の毛長くて見た目が女の子だから上が出てるのは、何と言うか……卑猥……
でも、そもそもいくら持ち主のいない肉体とは言え、他の魂が入れるものなのかしら?
「おお! 本当に動かせますよ!」
あ、ちゃんと入って動かせるんだ……人の身体って割と単純ね~。
まあ生前、地球に居た頃だって悪霊に身体乗っ取られたって話は漫画でよく聞いたことがあるし、テレビでも憑かれた人をお払いするなんて特番を放送していたから。他人の身体に入るのは可能と言えば可能なのかな?
「あ、オタクって聞いてますので、あなたとしては『こいつ……動くぞ!』の方が好みですかね?」
それは去年のお盆辺りに私が心の中で言った記憶がある……
それに人間に近い身体に入ってそれを言われたところで、「ふ~ん」としか思えない。そのセリフは何かロボット的なものに乗るからこそ活きるセリフなのだ!
『あ……』
と言った彼の方を見ると、義体から魂が抜けている。
『やっぱり、本当に霊肉一致している身体じゃないと、ソックリに作ってあっても魂が出てしまうんですね。もうちょっと調整できませんか? このままだと走った拍子にスルッと抜けてしまいそうです。この目と眉毛の間隔が離れ過ぎてませんか? 鼻が大分高過ぎます。あと指が人差し指の方が長いです、薬指を長く。肩幅が少しなで肩過ぎるかもしれません、もう少しがっしり目に。あとちょっとお腹出過ぎです、もうちょっと引き締めてください』
細かっ!!
でも、クレーム対応して作り変える。
『あと……もう十センチほど身長高くなりませんか?』
いや、もう大体同じくらいの身長だけど……
だいたい、十センチも伸ばしたらそれはもう別人なんじゃないの?
「あ、ちょっと抜けにくくなりましたね。まあ全然抜け出せないと死神の仕事に支障が出そうなので、これぐらいがちょうど良いと思います。ところでこの義体の身体能力ってどうなってるんですか?」
「ある程度あなたに合わせて簡単には壊れないくらい頑丈に作ったはずだけど生身だからね、どれくらい引き出せるかはわからない。あと作れる義体の上限が私の能力と同等程度までだから、あなたに比べたら大分弱めかも」
「なるほど、まあ多少弱かったとしてもここで生活するには十分でしょう」
こうして、町に新しい住民が加わった。
「そういえば名前まだ聞いてなかったけど、何て名前なの?」
「『クリュー』と言います」
死神クリューが町に加わった!
「で、服はどうするの? 私が創成魔法で作る?」
「いえ、ここはあなたたちのコミュニティにならって、服飾店で買おうと思います」
「お金は?」
「あっ…………すみませんが、ちょっとだけ貸してもらえるとありがたいです……」
「………………」
まあ、私が誘ってしまった以上仕方ないか。
「ああ、そうだ、これを言っておかないといけません。最初に一つ断っておきます。私は亜人の生き死にが関わることには関与しません。神の眷属である私が関わってしまうとパワーバランスが大きく崩れかねないので。この世界のことはこの世界の生物であるあなた方にお任せします」
「じゃあこの町が危機に陥ったら……?」
「自分たちで何とかしてください」
ああ……町の一員になっても、危機的状況で助けてはもらえないんだ……
一応私もこの世界の生物じゃないんだけどな……外から来た生物だし。
先日どこかへ去った死神が帰って来た。
「ど、どうだった?」
『この件、相当な極秘事項のようです。上司に伺っても分からず、そのまた上司に伺うと、私の上司ともども口外するなと固く口留めされました……それからあなたの担当は私に一任すると……そういうことで私以外の死神があなたに接触することは今後ありません』
え? 何それ? この子死神なんだから、上司も神様よね? そんな大層なことが私に降りかかってるの? 神クラスの案件? 恐い……
「そ、それで判定は……?」
『私にも上司にすらもわからないので、現時点では保留とさせていただきます。勝手に地獄送りにすると私がお咎めを受けそうですから……』
ホッ……とりあえずすぐに処刑されることは無さそうね……
『ではせっかく誘ってくれたので、私もこの町で生活しても良いですよ? 毎日あのお菓子一つください』
何で上から言われるかわからないけど、拒否したらまたガン見地獄が始まりそうだしな……
「わかったよ……毎日作ります……」
根負けしてしまった……
『ところで、この作られた身体、私にソックリですけど……胸がありますね……』
「バージョンアップしてみたよ!」
あなた私より胸が無いから。
『…………何か勘違いしているようですが、私は『男』ですよ』
「…………えっ!!? 女の子じゃないの!?」
髪の毛長いから女の子だと思ってた。
男の娘ってやつか!?
『多分、今怪しいこと想像してると思いますが、それも違います。私はれっきとした男です』
「でも、その一人称は?」
『いい大人は赤の他人に対して、俺とか僕とか言いませんよね? それと同じビジネス一人称ですよ』
な、なるほど……髪の長さに加えて声も高めだからわからなかった……
全部私の勘違いだったわけか。
あれ? とすると、お風呂やトイレを監視されなかったのは、常識的に一線引いてただけじゃなくて、それにプラスして異性だからって理由もあったってこと?
あれ? とすると、私は男性の前で爆睡したり、だらしない格好で日々生活してたってこと? 下手したら寝てる間にヨダレとか垂れてた可能性も……?
「何で男の子だって早く打ち明けてくれなかったの!?」
『いや、そもそも勘違いされているかどうかすら分かりませんし……むしろこちらが目のやり場に困ってたくらいで……』
そういえば風呂上りも普段通りパンツ一丁でバスタオルを首から下げてただけだった……普段はガン見して圧力かけてくるのに、その時は顔背けてたような気が……
そう考えると、途端に恥ずかしくなってきた……い、一応最終防衛線は首にかけたタオルで隠れててくれたけど……
一人悶々と思い出しているところに――
『そういうわけで、この義体を使うことにするので、男に作り変えてください』
「えっ……?」
『「えっ……?」って、出来るんですよね?』
完全に女の子だと思ってたから、男の身体なんて想定してなかった。いやそれよりも――
「この義体、正式に使うの? この町に住むってこと?」
『はい、初めて誘われたので、あなたに興味が湧きました。ここで少しの間生活してみたいと思います』
男だとは思ってなかったから、安易に誘ってしまったけど……男の身体なんて見たこともないからわからない……ましてや少年の身体なんて……
「……じゃあ、見せてもらえる……?」
ハッとして、慌てて口を押える。
『え? 何か言いましたか?』
あ、危なかった……思わず口に出てた……聞こえてなくて良かった……それじゃあまるっきり痴女じゃあないか!
とは言え、男性の身体を見たのは学生時代のヌードデッサンくらいしか無いからきちんと想像できない……しかもあの頃は毎回“例のモノ”が視界に入らないように後から見える範囲から描いてたし……
まさか男の身体を作らなきゃいけないイベントが起こるとは……
こんなことなら、二回もあったフレアハルトの裸でちゃんと見ておくべきだったわ……二回とも即座に顔を背けたし……
形は確か……昔見た『パステルしんちゃん』ってアニメの野っ原しんのすけが「ぞうさんぞうさん」言ってたから、あのアレな部分は象みたいな見た目なのよね……?
いや、『くノ一ツバメの胸の中』では亀みたいとか、蛇みたいとか言ってたような……蛇? そんな長いの?
象? 亀? 蛇? どんな形だよソレ……
亀と蛇だけなら『玄武』って幻想生物がいるけど、それに象が足されたら、もはや何が何だかわからない……
私の記憶の中の同人誌とネット上の動画で見た記憶、あと保健体育で習った知識とヌードデッサンの経験を総動員し、何とか男性の身体に作り変えた。
私から裸が見えないように下着だけは同時に創成。
きちんとイメージ出来てないから、多分裸になったら粗が目立つと思う……まあ、確認する気にはなれないけど……不具合があれば、その都度報告してもらおう。
『凄いですね! 私にソックリです!』
見た目は似せたけど……
「あの……下着も作ったから一応聞いておくんだけど、ブラは必要無い?」
『ありませんよ! 男ですから!』
髪の毛長くて見た目が女の子だから上が出てるのは、何と言うか……卑猥……
でも、そもそもいくら持ち主のいない肉体とは言え、他の魂が入れるものなのかしら?
「おお! 本当に動かせますよ!」
あ、ちゃんと入って動かせるんだ……人の身体って割と単純ね~。
まあ生前、地球に居た頃だって悪霊に身体乗っ取られたって話は漫画でよく聞いたことがあるし、テレビでも憑かれた人をお払いするなんて特番を放送していたから。他人の身体に入るのは可能と言えば可能なのかな?
「あ、オタクって聞いてますので、あなたとしては『こいつ……動くぞ!』の方が好みですかね?」
それは去年のお盆辺りに私が心の中で言った記憶がある……
それに人間に近い身体に入ってそれを言われたところで、「ふ~ん」としか思えない。そのセリフは何かロボット的なものに乗るからこそ活きるセリフなのだ!
『あ……』
と言った彼の方を見ると、義体から魂が抜けている。
『やっぱり、本当に霊肉一致している身体じゃないと、ソックリに作ってあっても魂が出てしまうんですね。もうちょっと調整できませんか? このままだと走った拍子にスルッと抜けてしまいそうです。この目と眉毛の間隔が離れ過ぎてませんか? 鼻が大分高過ぎます。あと指が人差し指の方が長いです、薬指を長く。肩幅が少しなで肩過ぎるかもしれません、もう少しがっしり目に。あとちょっとお腹出過ぎです、もうちょっと引き締めてください』
細かっ!!
でも、クレーム対応して作り変える。
『あと……もう十センチほど身長高くなりませんか?』
いや、もう大体同じくらいの身長だけど……
だいたい、十センチも伸ばしたらそれはもう別人なんじゃないの?
「あ、ちょっと抜けにくくなりましたね。まあ全然抜け出せないと死神の仕事に支障が出そうなので、これぐらいがちょうど良いと思います。ところでこの義体の身体能力ってどうなってるんですか?」
「ある程度あなたに合わせて簡単には壊れないくらい頑丈に作ったはずだけど生身だからね、どれくらい引き出せるかはわからない。あと作れる義体の上限が私の能力と同等程度までだから、あなたに比べたら大分弱めかも」
「なるほど、まあ多少弱かったとしてもここで生活するには十分でしょう」
こうして、町に新しい住民が加わった。
「そういえば名前まだ聞いてなかったけど、何て名前なの?」
「『クリュー』と言います」
死神クリューが町に加わった!
「で、服はどうするの? 私が創成魔法で作る?」
「いえ、ここはあなたたちのコミュニティにならって、服飾店で買おうと思います」
「お金は?」
「あっ…………すみませんが、ちょっとだけ貸してもらえるとありがたいです……」
「………………」
まあ、私が誘ってしまった以上仕方ないか。
「ああ、そうだ、これを言っておかないといけません。最初に一つ断っておきます。私は亜人の生き死にが関わることには関与しません。神の眷属である私が関わってしまうとパワーバランスが大きく崩れかねないので。この世界のことはこの世界の生物であるあなた方にお任せします」
「じゃあこの町が危機に陥ったら……?」
「自分たちで何とかしてください」
ああ……町の一員になっても、危機的状況で助けてはもらえないんだ……
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