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第10章 アルトレリアの生活改善編(身分証明を作ろう)
第255話 その名字は……覚えにくい……
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その二日後――
名字の件で役所から呼び出しがかかったため登庁。
イチトスたちが名前を考えて来たらしいので対応してほしいとのこと。
「アルトラ様! 考えてきましたよ! 名字は『サファアコニロ』です!!」
『サファアコニロ』??
何だソレ? 人間時代からもう三十年近く生きてるけど、そんな単語一度も聞いたことないぞ?
「…………聞き慣れない名前だけど、どういう意味なの?」
「全員の考えて来た名字の頭文字を読みました!」
あ~、そういう考え方か。それなら確かに全員の考えが含まれることになる。
多分あの時カンナーから聞いたナナトスの案ね。 (第175話参照)
影響を受けやすいというか何と言うか……
けど……何だか覚えにくい名前ね……
それに、この名前になった由来って、全員覚えてられるのかしら? 七つもある由来なんて。
「まあ、それで良いなら良いかな」
一応は了承した。
が、マリリアに伝えて、公式に身分証明として残すのはちょっと待ってもらった。
数日様子を見ることにする。
この聞き慣れない言葉を、本当に彼らが覚えていられるかを検証する必要がある。
次の日――
役所にてイチトスに会ったのでフルネームを聞いてみた。
「はい! 『イチトス・トロル・サファアコニロ』です!」
よしよし、しっかり覚えてるわね。
まあ、まだ検証初日だしね。
二日後――
ハンバームちゃんの食堂へ食べに行き、ゴトスに名前を訊ねる。
「はい! 『ゴトス・トロル・サファアコニロ』です!」
その後に他の兄弟に会ってみたけど、全員まだフルネームで言える。
数日後――
少し間を開けてみた。
外で建築作業をしていたサントスに訊ねる
「えっと……『サントス・トロル・サ……サファア……コニロ』だったかな?」
もう怪しくなってきた……
そこからまた数日後――
朝、散歩兼パトロール中にナナトスと会ったから訊ねた。
「え~と……『ナナトス・トロル・ファサァ……ニコロ……』だったッスかね?」
「いや、私に聞かれても……」
昼に生態調査してるロクトスに会ったから訊ねた。
「……確か……『ロクトス・トロル・サファリ……いや、サファア……パ……じゃなくて……コニロ……?』だったような……」
今、動物のパークって言いかけたよ……
頭に「確か」って付けてる時点でもうダメだわ……
これはもうアウトね……
招集かけるか。
次の日、イチトス兄弟を招集。
「何で集められたかわかってるよね?」
「多分名字のことッスよね?」
「あなたたち自分の名前覚えてる?」
「「サファアコニロ」」
「「「ファアサニコロ」」」
「「サァファコロニ」」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
「いやいや違うだろ! サファアコニロだろ!」
「違う違う! ファアサニコロだよ!」
「それも違う! サァファコロニだ!」
もうどれがどれだか……
「はいはい、言い争いはそこまで!」
再び「パンパンッ」と手を叩いて言い争いを制止させる。
「この名前は聞き慣れない上に、正確に覚えておけない名字だということがわかりました」
「……そう……ですね……」
「じゃあ、七人に任せておいても決まらないようなので私が名付けます」
また言い争いにならないとも限らないしね。
七人だからな……何にするか。
七に由来する漫画と言ったら……ドラゴンボーノレとか? ホクトって線も。ホクトの主人公の名字の『カスミ』とかどうだろう?
『イチトス・トロル・カスミ』……うん、合わないわ。
魔闘士星矢から『セブンセンシズ』とか。もし彼らが戦士みたいな戦う職業だったらアリな名前だったかも。
オールセブンにあやかって『フィーバー』とかどうかしら?
『ナナトス・トロル・フィーバー』とかどうだろう?
……いや、何か、余計ウェーイ感が増す気がする……それに……バカみたいな名前ね……
ここは普通に――
「じゃあ、兄弟七人だから『セブンス』なんてどう?」
「普通ッスね……」
「普通じゃない名前付けて、ややこしくなったのはどこの七兄弟かしら?」
「そッスね……」
「『7』って数字は、私の故郷では縁起の良い数字だったから、悪くはないと思うよ?」
「では、我々は今後『セブンス』を名乗ることと致します!」
何とか兄弟の間の名字戦争は終結した。
役所に提出してもらった身分証明については、後々ドワーフさんの技術によりカード化され、町中に郵送された。
しばらくの間、町中で身分証を頭上に掲げて見せびらかす遊びが流行った。
余談だけど、今まで私が関わったアルトレリアの住人の名前は、種族名まで記述すると以下のようになった。
()内は職業
※【読み飛ばし可】
五十音順
男性
イクジューロ・トロル・ウルオイ (潤いの木管理官)
イチトス・トロル・セブンス (副役所長)
ウレイン・トロル・ウェザー (役所気象部所属)
オライムス・トロル・エッグラバー (役所食堂の副料理長)
カペンタ・トロル・ベストホーム (役所建築部所属)
カンナー・トロル・グランドホーム (無職)
キャンフィールド・トロル・アドジャスト (役所長補佐)
ゴトス・トロル・セブンス (役所食堂の料理人)
サントス・トロル・セブンス (役所建築部所属)
ジュゼルマリオ・レッドトロル・セントレア (第二区区長)
セキウン・トロル・ショカー (書家兼看板文字書き)
ダイクー・トロル・グランドホーム (役所建築部総務)
タイレン・トロル・ロータス (役所農林部・食物科所属)
チーノス・トロル・ファブール(役所生態調査部所属)
トーマス・マーマン・ウォルタ・ブラウン (潤いの木管理官)
トーリョ・トロル・グッドホーム (役所建築部所属)
ニートス・トロル・セブンス (役所農林部・食物科所属)
ナナトス・トロル・セブンス (無職)
フィンツ・ドワーフ・ウォール・ソイル (ドワーフ工房取締役代理)
フレアハルト・レッドドラゴン・エイトプリンス (何でも屋)
フロセル・ドワーフ・ウォール・ブリック (ドワーフ工房所属)
マーク・トロル・ガーディア (門衛)
ヨントス・トロル・セブンス (工房所属)
リーヴァント・トロル・セントラ (役所長)
リランド・トロル・スミス (鍛冶工房所属)
ルーク・トロル・ストロング (副役所長)
ルドルフ・ドワーフ・ウォール・ブリック (ドワーフ工房所属)
ロクトス・トロル・セブンス (役所生態調査部所属)
女性
アールシア・トロル・レッドローズ (役所農林部・食物科所属)
アクアリディア・クラーケン・地野 (無職)
アリシェール・レッドドラゴン・ライトアームズ (何でも屋補佐)
アルトラ・ヒューム・地野 (外交官?)
イザベリーズ・トロル・レセプト (役所受付部署所属)
エリスリーン・トロル・ガイダン (役所受付部署所属)
エルフィーレ・トロル・ファッショナー (縫製所所長)
カイベル・ヒューム・識本 (外交官補佐?)
クリスティン・トロル・ティーチャン (副役所長)
ジーメリー・トロル・グリーンリーフ (役所農林部・食物科所属)
シーラ・ルサールカ・ウエストレイク (アクアリヴィア中央銀行所属・アルトレリア銀行へ出張中)
ハントラ・トロル・ハンター (役所生態調査部部長)
ハンバーム・トロル・ミートマイスター (役所食堂料理長)
ビーメイヤ・トロル・ブルーバード (役所農林部・食物科所属)
マリリア・トロル・インフォメ (役所受付部署所属)
ミリアン・トロル・ファクトリア (工房工長)
メイフィー・トロル・ファーミング (役所農林部所属・食物科)
メリル・トロル・フルブルーム(役所農林部所属・生花科部長)
ヤポーニャ・ドワーフ・ウォール・アイアン (ドワーフ工房所属)
ラナ・トロル・グッドホーム (無職)
リア・トロル・グッドホーム (無職)
リザ・トロル・スミス (アルトレリア鍛冶工房工長)
リナ・マーメイド・ウォルタ・ブラウン (縫製所所属)
ヴァレイア・レッドドラゴン・レフトアームズ (何でも屋補佐)
※【読み飛ばしここまで】
フレアハルト、アリサ、レイアは、やっとのことで正体をきちんと明かすことができた。
レッドドラゴンについては、こちらも名字を持っておらず、アリサとレイアはそれぞれフレアハルトの右腕、左腕ということで、右左を名乗ることに。アームズは腕と兵器をかけて名付けられた。
フレアハルトに付けた『エイトプリンス』は、「どんなものが良いか?」と相談されたので、彼が『 (元)王子』で『八世』だったことを思い出し『エイトプリンス』はどうかと提案した。本人は多分永遠にその意味を知ることはないと思うが、発案した当時は私的に面白いと思って提案してしまった。本人は割と気に入ってしまったらしくそのまま採用したらしい。
直訳すれば『八王子』……こんな名前付けてしまって今更ながら浅慮だったと反省している……
なお、名字についてはこの町で名乗るだけで、レッドドラゴンの町に戻った時にそのまま使うかどうかは本人たちから聞いていないから分からない。
レッドドラゴンの町に戻っても使う場合、族長さんは『フレアハルト七世・レッドドラゴン・エイトプリンス』という訳の分からない名前になってしまうが……
今回のことで、ダイクーとカンナー、トーリョとリディアの遊び友達が親子だということが判明した。
私は……ベルゼブブかベルゼビュートを名乗ろうかと思ったが、そんな名前を付けたら各国で目を付けられそうだから、人間だった時の『地野』にした。
リディアについては、一応私が引き取ったってことで『地野』を名乗ってもらった。
その他の亜人の名字の付け方の経緯については、私には考えも及ばない理由があったため、時間があった時などにお話ししようと思う。
余談だけど、ずっと疑問に思ってたからこの機会にカイベルにフレアハルトのお父さんの年齢を聞いたところ、四百五十五歳だということが判明。
フレアハルト、「五百から五百五十歳くらい」って言ってなかったっけ?
百歳くらい違ってるじゃない!
更に蛇足だけど、私の本名を『地野 改』と知ったヒトたちの一部から、数日間「カイ様」と呼ばれるようになるものの、事情を知らない者からしたら『?』状態だったため、すぐに「アルトラ様」呼びに戻った。
更に余談だが……カイベルを『識本』という名字にしたものの、オルシンジテンで調べたら『識本』って名字の日本人は存在しないらしい。
名字の件で役所から呼び出しがかかったため登庁。
イチトスたちが名前を考えて来たらしいので対応してほしいとのこと。
「アルトラ様! 考えてきましたよ! 名字は『サファアコニロ』です!!」
『サファアコニロ』??
何だソレ? 人間時代からもう三十年近く生きてるけど、そんな単語一度も聞いたことないぞ?
「…………聞き慣れない名前だけど、どういう意味なの?」
「全員の考えて来た名字の頭文字を読みました!」
あ~、そういう考え方か。それなら確かに全員の考えが含まれることになる。
多分あの時カンナーから聞いたナナトスの案ね。 (第175話参照)
影響を受けやすいというか何と言うか……
けど……何だか覚えにくい名前ね……
それに、この名前になった由来って、全員覚えてられるのかしら? 七つもある由来なんて。
「まあ、それで良いなら良いかな」
一応は了承した。
が、マリリアに伝えて、公式に身分証明として残すのはちょっと待ってもらった。
数日様子を見ることにする。
この聞き慣れない言葉を、本当に彼らが覚えていられるかを検証する必要がある。
次の日――
役所にてイチトスに会ったのでフルネームを聞いてみた。
「はい! 『イチトス・トロル・サファアコニロ』です!」
よしよし、しっかり覚えてるわね。
まあ、まだ検証初日だしね。
二日後――
ハンバームちゃんの食堂へ食べに行き、ゴトスに名前を訊ねる。
「はい! 『ゴトス・トロル・サファアコニロ』です!」
その後に他の兄弟に会ってみたけど、全員まだフルネームで言える。
数日後――
少し間を開けてみた。
外で建築作業をしていたサントスに訊ねる
「えっと……『サントス・トロル・サ……サファア……コニロ』だったかな?」
もう怪しくなってきた……
そこからまた数日後――
朝、散歩兼パトロール中にナナトスと会ったから訊ねた。
「え~と……『ナナトス・トロル・ファサァ……ニコロ……』だったッスかね?」
「いや、私に聞かれても……」
昼に生態調査してるロクトスに会ったから訊ねた。
「……確か……『ロクトス・トロル・サファリ……いや、サファア……パ……じゃなくて……コニロ……?』だったような……」
今、動物のパークって言いかけたよ……
頭に「確か」って付けてる時点でもうダメだわ……
これはもうアウトね……
招集かけるか。
次の日、イチトス兄弟を招集。
「何で集められたかわかってるよね?」
「多分名字のことッスよね?」
「あなたたち自分の名前覚えてる?」
「「サファアコニロ」」
「「「ファアサニコロ」」」
「「サァファコロニ」」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
「いやいや違うだろ! サファアコニロだろ!」
「違う違う! ファアサニコロだよ!」
「それも違う! サァファコロニだ!」
もうどれがどれだか……
「はいはい、言い争いはそこまで!」
再び「パンパンッ」と手を叩いて言い争いを制止させる。
「この名前は聞き慣れない上に、正確に覚えておけない名字だということがわかりました」
「……そう……ですね……」
「じゃあ、七人に任せておいても決まらないようなので私が名付けます」
また言い争いにならないとも限らないしね。
七人だからな……何にするか。
七に由来する漫画と言ったら……ドラゴンボーノレとか? ホクトって線も。ホクトの主人公の名字の『カスミ』とかどうだろう?
『イチトス・トロル・カスミ』……うん、合わないわ。
魔闘士星矢から『セブンセンシズ』とか。もし彼らが戦士みたいな戦う職業だったらアリな名前だったかも。
オールセブンにあやかって『フィーバー』とかどうかしら?
『ナナトス・トロル・フィーバー』とかどうだろう?
……いや、何か、余計ウェーイ感が増す気がする……それに……バカみたいな名前ね……
ここは普通に――
「じゃあ、兄弟七人だから『セブンス』なんてどう?」
「普通ッスね……」
「普通じゃない名前付けて、ややこしくなったのはどこの七兄弟かしら?」
「そッスね……」
「『7』って数字は、私の故郷では縁起の良い数字だったから、悪くはないと思うよ?」
「では、我々は今後『セブンス』を名乗ることと致します!」
何とか兄弟の間の名字戦争は終結した。
役所に提出してもらった身分証明については、後々ドワーフさんの技術によりカード化され、町中に郵送された。
しばらくの間、町中で身分証を頭上に掲げて見せびらかす遊びが流行った。
余談だけど、今まで私が関わったアルトレリアの住人の名前は、種族名まで記述すると以下のようになった。
()内は職業
※【読み飛ばし可】
五十音順
男性
イクジューロ・トロル・ウルオイ (潤いの木管理官)
イチトス・トロル・セブンス (副役所長)
ウレイン・トロル・ウェザー (役所気象部所属)
オライムス・トロル・エッグラバー (役所食堂の副料理長)
カペンタ・トロル・ベストホーム (役所建築部所属)
カンナー・トロル・グランドホーム (無職)
キャンフィールド・トロル・アドジャスト (役所長補佐)
ゴトス・トロル・セブンス (役所食堂の料理人)
サントス・トロル・セブンス (役所建築部所属)
ジュゼルマリオ・レッドトロル・セントレア (第二区区長)
セキウン・トロル・ショカー (書家兼看板文字書き)
ダイクー・トロル・グランドホーム (役所建築部総務)
タイレン・トロル・ロータス (役所農林部・食物科所属)
チーノス・トロル・ファブール(役所生態調査部所属)
トーマス・マーマン・ウォルタ・ブラウン (潤いの木管理官)
トーリョ・トロル・グッドホーム (役所建築部所属)
ニートス・トロル・セブンス (役所農林部・食物科所属)
ナナトス・トロル・セブンス (無職)
フィンツ・ドワーフ・ウォール・ソイル (ドワーフ工房取締役代理)
フレアハルト・レッドドラゴン・エイトプリンス (何でも屋)
フロセル・ドワーフ・ウォール・ブリック (ドワーフ工房所属)
マーク・トロル・ガーディア (門衛)
ヨントス・トロル・セブンス (工房所属)
リーヴァント・トロル・セントラ (役所長)
リランド・トロル・スミス (鍛冶工房所属)
ルーク・トロル・ストロング (副役所長)
ルドルフ・ドワーフ・ウォール・ブリック (ドワーフ工房所属)
ロクトス・トロル・セブンス (役所生態調査部所属)
女性
アールシア・トロル・レッドローズ (役所農林部・食物科所属)
アクアリディア・クラーケン・地野 (無職)
アリシェール・レッドドラゴン・ライトアームズ (何でも屋補佐)
アルトラ・ヒューム・地野 (外交官?)
イザベリーズ・トロル・レセプト (役所受付部署所属)
エリスリーン・トロル・ガイダン (役所受付部署所属)
エルフィーレ・トロル・ファッショナー (縫製所所長)
カイベル・ヒューム・識本 (外交官補佐?)
クリスティン・トロル・ティーチャン (副役所長)
ジーメリー・トロル・グリーンリーフ (役所農林部・食物科所属)
シーラ・ルサールカ・ウエストレイク (アクアリヴィア中央銀行所属・アルトレリア銀行へ出張中)
ハントラ・トロル・ハンター (役所生態調査部部長)
ハンバーム・トロル・ミートマイスター (役所食堂料理長)
ビーメイヤ・トロル・ブルーバード (役所農林部・食物科所属)
マリリア・トロル・インフォメ (役所受付部署所属)
ミリアン・トロル・ファクトリア (工房工長)
メイフィー・トロル・ファーミング (役所農林部所属・食物科)
メリル・トロル・フルブルーム(役所農林部所属・生花科部長)
ヤポーニャ・ドワーフ・ウォール・アイアン (ドワーフ工房所属)
ラナ・トロル・グッドホーム (無職)
リア・トロル・グッドホーム (無職)
リザ・トロル・スミス (アルトレリア鍛冶工房工長)
リナ・マーメイド・ウォルタ・ブラウン (縫製所所属)
ヴァレイア・レッドドラゴン・レフトアームズ (何でも屋補佐)
※【読み飛ばしここまで】
フレアハルト、アリサ、レイアは、やっとのことで正体をきちんと明かすことができた。
レッドドラゴンについては、こちらも名字を持っておらず、アリサとレイアはそれぞれフレアハルトの右腕、左腕ということで、右左を名乗ることに。アームズは腕と兵器をかけて名付けられた。
フレアハルトに付けた『エイトプリンス』は、「どんなものが良いか?」と相談されたので、彼が『 (元)王子』で『八世』だったことを思い出し『エイトプリンス』はどうかと提案した。本人は多分永遠にその意味を知ることはないと思うが、発案した当時は私的に面白いと思って提案してしまった。本人は割と気に入ってしまったらしくそのまま採用したらしい。
直訳すれば『八王子』……こんな名前付けてしまって今更ながら浅慮だったと反省している……
なお、名字についてはこの町で名乗るだけで、レッドドラゴンの町に戻った時にそのまま使うかどうかは本人たちから聞いていないから分からない。
レッドドラゴンの町に戻っても使う場合、族長さんは『フレアハルト七世・レッドドラゴン・エイトプリンス』という訳の分からない名前になってしまうが……
今回のことで、ダイクーとカンナー、トーリョとリディアの遊び友達が親子だということが判明した。
私は……ベルゼブブかベルゼビュートを名乗ろうかと思ったが、そんな名前を付けたら各国で目を付けられそうだから、人間だった時の『地野』にした。
リディアについては、一応私が引き取ったってことで『地野』を名乗ってもらった。
その他の亜人の名字の付け方の経緯については、私には考えも及ばない理由があったため、時間があった時などにお話ししようと思う。
余談だけど、ずっと疑問に思ってたからこの機会にカイベルにフレアハルトのお父さんの年齢を聞いたところ、四百五十五歳だということが判明。
フレアハルト、「五百から五百五十歳くらい」って言ってなかったっけ?
百歳くらい違ってるじゃない!
更に蛇足だけど、私の本名を『地野 改』と知ったヒトたちの一部から、数日間「カイ様」と呼ばれるようになるものの、事情を知らない者からしたら『?』状態だったため、すぐに「アルトラ様」呼びに戻った。
更に余談だが……カイベルを『識本』という名字にしたものの、オルシンジテンで調べたら『識本』って名字の日本人は存在しないらしい。
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