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第10章 アルトレリアの生活改善編(身分証明を作ろう)
第250話 身分証明を作ろう!
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一ヶ月に一回ほど催される定例の集会。
普段は特別何かがあるわけではないため集合して、私の挨拶後、解散。暇がある人はおしゃべりを交わして時間を潰す。
今回はちょっと特別。
「みなさん、おはようございます!」
「「「おはようございます!」」」
「普段は挨拶くらいで終わるところですが、今回はちょっとお伝えすることがあります」
みなシーンとして聞き耳を立てる。
「七大国会談に参加した結果、この町及び中立地帯が国として認められました!」
……
…………
………………
シーンとする。
まあ予想してたよ……会議の時も反応薄かったしね……
「あの……国になったってどういうことですか? 国として認められたらどうなるんですか?」
私は会議で説明したことを、集まってくれた町民に手短に説明する。
「そこで、この村も大分発展してきましたし、七大国会談の結果、今後いろんな国の人たちも入ってくるかもしれないので、身分を証明するものを作ろうと思います!」
「身分証明? 身分証明って何だ?」
「自分の身分を証明するもの?」
「そんなのこの町に必要になるの?」
「また何か新しいこと始めるんだな」
ザワザワザワ
「はい!」
「はい、ナナトスくん、どうぞ!」
こういう時、ナナトスは率先して質問してくれるから円滑に進みやすくて良いわね。
「身分証明って何で必要なんスか?」
「良い質問ですねぇ~、実はアクアリヴィアに行って、身分が証明できない事態になって困ったことがありました。具体的に言うと自分を何者か証明できません。それによって不都合なことは、騎士長さんが宿泊施設を紹介してくれたのですが、いざ紹介された宿泊施設に行ってみると、私がいくら『本物のアルトラです!』と口頭で説明しても、相手は私の顔も何も知らないから信じてもらうことができず泊まることができませんでした。その時に同行してくれた方がその宿泊施設と懇意にしてる方だったので事なきを得ましたが……ちなみにこの場にいるリナさんなんですけど」
「あの時はその後に別の理由があって結局泊まることはできませんでしたね」 (第72~75話参照)
リナさんは少し上を見ながら、死んだ魚のような目で語っている……
「何があったんスか?」
「それはまあこの場では話さないので、後々個人的に私かリナさんに聞いてください……」
あの時はしばらく臭いが取れなくて大変だった……
うっ……思い出しただけで臭いと吐き気が想起される……
「あと、身分を証明できないことによってスパイ容疑で逮捕されてしまいました」
「「「逮捕!?」」」
「もちろん冤罪なんですが、手を拘束されて吊り上げられて、百回くらい鞭打ち喰らって終いには剣で一刀両断されました」 (第65話参照)
「「「一刀両断された!?」」」
「何で生きてられるんですか!?」
「あ~……私の身体の方が剣より硬くて、剣の方が欠けてしまったので……」
「一刀両断されたら、再生力の高い我々トロルでも流石に生きてられるかどうか……」
「アルトラ様って前々から化け物染みてると思ってたッスけど、いよいよ亜人かどうかすら怪しくなってきたッスね」
「………………」
………………化け物かぁ~……まあ、別に問題無いか。
「あの時は大変でしたね……私も当事者なんで、いまだに申し訳なく思ってるんですが……」
と、トーマス。
「あなたは見てただけで、全く悪くないから! 職務を全うしただけ」
一応トーマスをフォローしておく。
「ですので、七大国会談で一部とは言え国に類するところが認められた今、今後外国へ出国することも見越して、自分の身分を証明できるものを作っておきたいと思います」
特にこれから外国に派遣される大使には絶対的に必要だろうしね。
本当は戸籍にしたかったところだけど、あれって結構複雑だからな……
私もアレに関わったことなんてほとんどないから詳しいところまではわからないし。
身分証明なら簡単な家族構成と年齢と生年月日、名前、あと出身地と現在住む場所の名前くらいで済むし。住所の番地とかまだ決まってないけど、それは後々にでも考えるか。
……いや、この際だから今回住所まで決めてしまうのもアリか。
「とりあえず、こんな感じのことを書いてもらって役所で管理する身分証明にしようと思います」
身分証明のサンプルを何人かに配る。
配られた人のところへ数人が覗きに行く。
「はい!」
「はい、マリリアさん、どうぞ!」
「家族構成は良いとして、私たち自分の年齢も生年月日もわからないんですけど……」
「え!? 生まれて何年経ってるかわからないの!?」
「そもそも、『年』とか『月』とか『日にち』という概念があることすら、アルトラ様がここに来てから知りましたし」
う~ん……リディアやレッドドラゴンたちのように体内時計は持たないか……
「一日中ずっと真っ暗でしたから、一日がいつ終わったかすら、今までは知りませんでした」
それもそうか……私たち地球人は昼と夜があるから、時計とか無くても一日が切り替わったのが何となくわかるけど、冥球に住む彼らは常闇のところに住んでいたからわからなかったのか。
実際、地球でも白夜のあるような緯度の高い地域は、深夜になっているのに気付かず、外で遊び続けてた子供がいたって話を聞いたことがあるし。
「わかりました、全員の生年月日を調べるので一週間ください。何とか全員分まとめてみます」
「そんなこと可能なんですか!?」
「私が触ってその人の魔力を確かめることで、その人が何年生きてるかわかります」
嘘である。
触っただけで何年生きてるかなんてわかるわけがない。
過去にハンバームちゃんとかダイクーとかカペンタの年齢が分かっていたのは、ただ単にオルシンジテンの情報を元に知っていただけである。
触るのは、『触ることでその人がどれくらい生きてきたかわかる』という嘘を信じ込ませるためのフリで、全員に触った上で、後でカイベルに生年月日を調べてもらって一覧を作成してもらう予定。
「流石アルトラ様だ!」
「じゃあ、数日かけて各家を訪問するので身体を触らせてもらいますね。了承いただけるよう、ここに来ていない近所の住民などに話をしておいてもらえると助かります」
普段は特別何かがあるわけではないため集合して、私の挨拶後、解散。暇がある人はおしゃべりを交わして時間を潰す。
今回はちょっと特別。
「みなさん、おはようございます!」
「「「おはようございます!」」」
「普段は挨拶くらいで終わるところですが、今回はちょっとお伝えすることがあります」
みなシーンとして聞き耳を立てる。
「七大国会談に参加した結果、この町及び中立地帯が国として認められました!」
……
…………
………………
シーンとする。
まあ予想してたよ……会議の時も反応薄かったしね……
「あの……国になったってどういうことですか? 国として認められたらどうなるんですか?」
私は会議で説明したことを、集まってくれた町民に手短に説明する。
「そこで、この村も大分発展してきましたし、七大国会談の結果、今後いろんな国の人たちも入ってくるかもしれないので、身分を証明するものを作ろうと思います!」
「身分証明? 身分証明って何だ?」
「自分の身分を証明するもの?」
「そんなのこの町に必要になるの?」
「また何か新しいこと始めるんだな」
ザワザワザワ
「はい!」
「はい、ナナトスくん、どうぞ!」
こういう時、ナナトスは率先して質問してくれるから円滑に進みやすくて良いわね。
「身分証明って何で必要なんスか?」
「良い質問ですねぇ~、実はアクアリヴィアに行って、身分が証明できない事態になって困ったことがありました。具体的に言うと自分を何者か証明できません。それによって不都合なことは、騎士長さんが宿泊施設を紹介してくれたのですが、いざ紹介された宿泊施設に行ってみると、私がいくら『本物のアルトラです!』と口頭で説明しても、相手は私の顔も何も知らないから信じてもらうことができず泊まることができませんでした。その時に同行してくれた方がその宿泊施設と懇意にしてる方だったので事なきを得ましたが……ちなみにこの場にいるリナさんなんですけど」
「あの時はその後に別の理由があって結局泊まることはできませんでしたね」 (第72~75話参照)
リナさんは少し上を見ながら、死んだ魚のような目で語っている……
「何があったんスか?」
「それはまあこの場では話さないので、後々個人的に私かリナさんに聞いてください……」
あの時はしばらく臭いが取れなくて大変だった……
うっ……思い出しただけで臭いと吐き気が想起される……
「あと、身分を証明できないことによってスパイ容疑で逮捕されてしまいました」
「「「逮捕!?」」」
「もちろん冤罪なんですが、手を拘束されて吊り上げられて、百回くらい鞭打ち喰らって終いには剣で一刀両断されました」 (第65話参照)
「「「一刀両断された!?」」」
「何で生きてられるんですか!?」
「あ~……私の身体の方が剣より硬くて、剣の方が欠けてしまったので……」
「一刀両断されたら、再生力の高い我々トロルでも流石に生きてられるかどうか……」
「アルトラ様って前々から化け物染みてると思ってたッスけど、いよいよ亜人かどうかすら怪しくなってきたッスね」
「………………」
………………化け物かぁ~……まあ、別に問題無いか。
「あの時は大変でしたね……私も当事者なんで、いまだに申し訳なく思ってるんですが……」
と、トーマス。
「あなたは見てただけで、全く悪くないから! 職務を全うしただけ」
一応トーマスをフォローしておく。
「ですので、七大国会談で一部とは言え国に類するところが認められた今、今後外国へ出国することも見越して、自分の身分を証明できるものを作っておきたいと思います」
特にこれから外国に派遣される大使には絶対的に必要だろうしね。
本当は戸籍にしたかったところだけど、あれって結構複雑だからな……
私もアレに関わったことなんてほとんどないから詳しいところまではわからないし。
身分証明なら簡単な家族構成と年齢と生年月日、名前、あと出身地と現在住む場所の名前くらいで済むし。住所の番地とかまだ決まってないけど、それは後々にでも考えるか。
……いや、この際だから今回住所まで決めてしまうのもアリか。
「とりあえず、こんな感じのことを書いてもらって役所で管理する身分証明にしようと思います」
身分証明のサンプルを何人かに配る。
配られた人のところへ数人が覗きに行く。
「はい!」
「はい、マリリアさん、どうぞ!」
「家族構成は良いとして、私たち自分の年齢も生年月日もわからないんですけど……」
「え!? 生まれて何年経ってるかわからないの!?」
「そもそも、『年』とか『月』とか『日にち』という概念があることすら、アルトラ様がここに来てから知りましたし」
う~ん……リディアやレッドドラゴンたちのように体内時計は持たないか……
「一日中ずっと真っ暗でしたから、一日がいつ終わったかすら、今までは知りませんでした」
それもそうか……私たち地球人は昼と夜があるから、時計とか無くても一日が切り替わったのが何となくわかるけど、冥球に住む彼らは常闇のところに住んでいたからわからなかったのか。
実際、地球でも白夜のあるような緯度の高い地域は、深夜になっているのに気付かず、外で遊び続けてた子供がいたって話を聞いたことがあるし。
「わかりました、全員の生年月日を調べるので一週間ください。何とか全員分まとめてみます」
「そんなこと可能なんですか!?」
「私が触ってその人の魔力を確かめることで、その人が何年生きてるかわかります」
嘘である。
触っただけで何年生きてるかなんてわかるわけがない。
過去にハンバームちゃんとかダイクーとかカペンタの年齢が分かっていたのは、ただ単にオルシンジテンの情報を元に知っていただけである。
触るのは、『触ることでその人がどれくらい生きてきたかわかる』という嘘を信じ込ませるためのフリで、全員に触った上で、後でカイベルに生年月日を調べてもらって一覧を作成してもらう予定。
「流石アルトラ様だ!」
「じゃあ、数日かけて各家を訪問するので身体を触らせてもらいますね。了承いただけるよう、ここに来ていない近所の住民などに話をしておいてもらえると助かります」
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