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第9章 七大国会談編
第241話 太陽と詰問と植物の精霊の特殊性
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「あの太陽はどういった経緯で出現したのですか~?」
ある程度聞かれるんじゃないかと予想はしてたけど、真っ先に核心的な質問が来たわね……とりあえず現時点では誤魔化しておくのが吉か。
「それが……七大国会談で言ったように、あれの出現した経緯はわかりません」
「水の国にも同じように出現したそうですね~」
「なぜでしょうね? もしかしたら、これから七大国で続々と出現するとか?」
「そうなるとわたくしたちとしては嬉しいのですけどね~」
「しかし、何かの原因が無ければ、あんな特殊なものが突然出現するとは思えないのですが……例えば誰かが意図的に作り出したとか」
というトリニアさんの言葉と共に、三人の疑いの視線が集まる。
まあ、普通そう考えるよね~……
「数千年何も無かったところに、突然の地獄の門付近の急激な環境の変化……何も無かったところになぜか突然文明が起こったことも不思議です」
「水すら無かったと聞いていますが、今は全く様変わりしてますし。それにルシファー殿は会談で『中立地帯には頭の悪い亜人くらいしか住んでいない』と言っていたのに、今日対応してくれた方々には教養が見て取れました。とても『頭の悪い亜人』には当てはまりません。レヴィアタン様は『不毛の土地を水と緑溢れる地へ作り変えた』と言ってましたが、環境改善だけでどうこう出来るものとは思えません」
「川の無いところに川を作り、草一つ生えない場所を緑で生い茂る地へ作り変える。そして、もし彼らが元々『頭の悪い亜人』だったとしたら、あなたが現れた途端に知性の急激な上昇……どう考えてもあなたが関わっているとしか思えないのですよ~」
凄く詰問してくる……
「残念ですが、私にはあれが何なのか分かりかねますし、『頭の悪い亜人』についても心当たりがありません。環境改善についても彼らが頑張ってくれた結果です」
「どうしてもあなたではないと?」
「も、もちろんです。魔王が出来ないことなのに、一介の亜人である私に出来るはずがありませんから」
「一介の亜人ですか……魔王たちの反応はそうではありませんでしたが……」
「あなたが登場した時には、魔王の方々は全員驚愕してましたしね」
「わたくしたちもマモン様のお付きで二百数十年、七大国会談に臨んでいますが、魔王たち全員があのような顔をしたのは初めてでしたよ~?」
う……! 確かに魔王をざわつかせておいて“一介の亜人”は無理があるか……
「…………まあ、今日は挨拶だけのつもりでしたので、これ以上の追求はしないでおきます。せっかく作っていただいたお食事も冷めてしまいますしね」
「私も答えることができることなら答えるのですが、あれについては本当に分からないので……」
真っ赤な嘘である。
しかし、まだ不確定要素が多いため、誤魔化しておく方が良い。
本当のことは後でも言える。
「ところで、ここに来た時から気になっていたのですが、アレは何ですか?」
トリニアさんが屋上から下を見下ろして、指し示したものは――
どれのことを聞いてるんだろう? 最近町中に色んな物が増えたからどれを指してるのか分からない……
「え、と……どれのことですか?」
「あの文字のようなものです。ところどころにありますが魔界文字ではないですよね?」
「ああ、あれは日本語です」
「ニホンゴ?」
「この土地には文字というものが無かったので、魔界文字と一緒に私の故郷の文字を広めました。私としては故郷の文字の方が読むのが楽なので」
「なるほど、地球由来の文字ということですね~。亡者の方が私たちには分からない文字を書いてるのを見たことがありますが、それと同じということなんですね~」
「しかし、この地には文字が無かったんですね。『頭の悪い亜人』に心当たりが無いと言ってませんでしたか?」
墓穴を掘ったか!?
「あああの、頭が悪くはないけど、この地に文字は無かったということです!」
「「「ふ~ん」」」
多少の猜疑心を感じる……
「まあ、今日のところはそういうことにしておきます。この場で追及したところで、双方に得は無いでしょうし」
この場は有耶無耶にしてくれたが、多分今後こんなことが続くだろう。一国ですらこうなのだから、他の国が突っ込んでこないわけがない。
協定を結んだ五大国には、目に付くものくらいはバラしてしまった方が良いかもしれない……
例えばゼロ距離ドアと潤いの木。これらはもうそこに存在しているため、見れば一発でどういうものか分かってしまう。町の重要な機関だし、今更隠すこともできないから、誤魔化すことができない。誤魔化すにしてもせいぜい「私が作ったものではないですよ? 発掘・発見されたものですよ」程度のことしか対抗策が無い。
ゼロ距離ドアはまだ“魔道具”ということで説明付く可能性は微レ存 (※)だけど、一番の問題が潤いの木の方。
どこの世界に無限に水を放出し続ける木がある? こんなのどう考えても自然に発生するわけないじゃない! しかも枝を払って水量を調整できるって、もし自分が初めてコレのことを聞いたら「は? 何言ってるの? 頭大丈夫?」って言ってしまいそうだ。
う~ん……やっぱり会談に参加したことで自分の首絞めちゃったかな……
(※微レ存:『微粒子レベルで存在している』の略語)
その後は、ハンバームちゃんの作った料理を頂き、他愛ない雑談に終始した。
◇
そして、トライアさんたちが帰国する時――
「あの……最後にちょっと聞いて良いですか?」
「はい、なんでしょう~?」
「あなたたちどうやってここへ来たんですか? 空間転移魔法ではないですよね?」
「はい、歩いて来ました~」
歩いて!?
樹の国がどれくらい離れてるかわからないけど、たった一日でここまで歩いて来れるものなの!?
「あ、冗談ですよ~」
お? おぉ……嘘なのか、ビックリした……最近私は空間魔法に頼り過ぎてるのかもしれない……
『空間魔法じゃない=じゃあ、歩きだ!』なんて答えをあっさり受け入れてしまっていた……
「私たち木の高位精霊はちょっと特殊な生態をしてましてね、自分たちからある程度離れた範囲にある生きている植物に意識を転移させて、そちらで身体を形成できるのです。移動距離だけで考えるなら空間転移魔法の下位互換という感じでしょうか。地続きであれば一日あれば世界一周も可能だと思います。今回アルトレリアにもこの能力を繰り返して来ました」
な、何て特殊な生態!
「そういうわけで、一日でここに来るのもそれほど難しいことではありません」
「じゃあ、町の者が突然現れたって思ったのは……」
「はい~、この町の街路樹で身体を形成したため、そう思われたのかと~」
ん? 身体を形成? ってことは……
「トライアさんたちが帰る時は、木の身体だけ残るんですか?」
「い~え? 木に触れると身体が徐々に小さくなって、最終的には花びらが散るように姿を消します。身体を残したりしないので大丈夫ですよ~」
そうなのか、別の場所で身体を形成するって言うから、乗り捨てる感覚なのかと思った。
「では、そろそろお暇しますね。アルトラ様、アルトレリアの皆様、本日は突然押しかけたにも関わらず、わざわざお食事会を開いていただきありがとうございました。大変おいしゅうございました~」
「では我々はこれにて失礼致します」
「末永く良い関係を続けられることを願っております」
「わざわざご足労いただき、ありがとうございました。有意義な時間を過ごすことができました」
「あ、そうでした~、これを聞くのを忘れてました。ちょっとこちらへ」
「はい?」
トライアさんに促され、そちらへ移動。
そして小声で――
「アルトラさんって、ベルゼビュートさんですよね?」
バレてた!?
「いつから気付いてたんですか!?」
「七大国会談の時には気付いてましたよ~。わたくしと次女のトリニアは前々世のあなたがご存命中に七大国会談でお会いしているのでその魔力の波長を覚えていました。そういう意味でもあなたを只者ではないと思っています」
「なぜ知らぬフリをしてくれたんですか?」
「何か隠しているような雰囲気がありましたので、あの場で言わないのが適切かなと~。その……恐い方も何人かいましたので……」
きっとサタナエルとルシファーのことを言っているのだろうな……
「ありがとうございました! 助かりました! あの場でバラされてたらより大きなトラブルを呼び込んでいたと思います」
「わたくしも確認が取れてスッキリしました~。それでは、次は二ヶ月後の会談でお会いしましょう~」
「「では、皆様これにて失礼致します」」
三人とも役所近くにあった街路樹を媒介にして、一瞬で花が散るようにこの場から消えた。
「す、凄く行動力のある方々でしたね」
「そうだね……まさか七大国会談の次の日に突然訪問されるとは思わなかったよ」
ある程度聞かれるんじゃないかと予想はしてたけど、真っ先に核心的な質問が来たわね……とりあえず現時点では誤魔化しておくのが吉か。
「それが……七大国会談で言ったように、あれの出現した経緯はわかりません」
「水の国にも同じように出現したそうですね~」
「なぜでしょうね? もしかしたら、これから七大国で続々と出現するとか?」
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「しかし、何かの原因が無ければ、あんな特殊なものが突然出現するとは思えないのですが……例えば誰かが意図的に作り出したとか」
というトリニアさんの言葉と共に、三人の疑いの視線が集まる。
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「川の無いところに川を作り、草一つ生えない場所を緑で生い茂る地へ作り変える。そして、もし彼らが元々『頭の悪い亜人』だったとしたら、あなたが現れた途端に知性の急激な上昇……どう考えてもあなたが関わっているとしか思えないのですよ~」
凄く詰問してくる……
「残念ですが、私にはあれが何なのか分かりかねますし、『頭の悪い亜人』についても心当たりがありません。環境改善についても彼らが頑張ってくれた結果です」
「どうしてもあなたではないと?」
「も、もちろんです。魔王が出来ないことなのに、一介の亜人である私に出来るはずがありませんから」
「一介の亜人ですか……魔王たちの反応はそうではありませんでしたが……」
「あなたが登場した時には、魔王の方々は全員驚愕してましたしね」
「わたくしたちもマモン様のお付きで二百数十年、七大国会談に臨んでいますが、魔王たち全員があのような顔をしたのは初めてでしたよ~?」
う……! 確かに魔王をざわつかせておいて“一介の亜人”は無理があるか……
「…………まあ、今日は挨拶だけのつもりでしたので、これ以上の追求はしないでおきます。せっかく作っていただいたお食事も冷めてしまいますしね」
「私も答えることができることなら答えるのですが、あれについては本当に分からないので……」
真っ赤な嘘である。
しかし、まだ不確定要素が多いため、誤魔化しておく方が良い。
本当のことは後でも言える。
「ところで、ここに来た時から気になっていたのですが、アレは何ですか?」
トリニアさんが屋上から下を見下ろして、指し示したものは――
どれのことを聞いてるんだろう? 最近町中に色んな物が増えたからどれを指してるのか分からない……
「え、と……どれのことですか?」
「あの文字のようなものです。ところどころにありますが魔界文字ではないですよね?」
「ああ、あれは日本語です」
「ニホンゴ?」
「この土地には文字というものが無かったので、魔界文字と一緒に私の故郷の文字を広めました。私としては故郷の文字の方が読むのが楽なので」
「なるほど、地球由来の文字ということですね~。亡者の方が私たちには分からない文字を書いてるのを見たことがありますが、それと同じということなんですね~」
「しかし、この地には文字が無かったんですね。『頭の悪い亜人』に心当たりが無いと言ってませんでしたか?」
墓穴を掘ったか!?
「あああの、頭が悪くはないけど、この地に文字は無かったということです!」
「「「ふ~ん」」」
多少の猜疑心を感じる……
「まあ、今日のところはそういうことにしておきます。この場で追及したところで、双方に得は無いでしょうし」
この場は有耶無耶にしてくれたが、多分今後こんなことが続くだろう。一国ですらこうなのだから、他の国が突っ込んでこないわけがない。
協定を結んだ五大国には、目に付くものくらいはバラしてしまった方が良いかもしれない……
例えばゼロ距離ドアと潤いの木。これらはもうそこに存在しているため、見れば一発でどういうものか分かってしまう。町の重要な機関だし、今更隠すこともできないから、誤魔化すことができない。誤魔化すにしてもせいぜい「私が作ったものではないですよ? 発掘・発見されたものですよ」程度のことしか対抗策が無い。
ゼロ距離ドアはまだ“魔道具”ということで説明付く可能性は微レ存 (※)だけど、一番の問題が潤いの木の方。
どこの世界に無限に水を放出し続ける木がある? こんなのどう考えても自然に発生するわけないじゃない! しかも枝を払って水量を調整できるって、もし自分が初めてコレのことを聞いたら「は? 何言ってるの? 頭大丈夫?」って言ってしまいそうだ。
う~ん……やっぱり会談に参加したことで自分の首絞めちゃったかな……
(※微レ存:『微粒子レベルで存在している』の略語)
その後は、ハンバームちゃんの作った料理を頂き、他愛ない雑談に終始した。
◇
そして、トライアさんたちが帰国する時――
「あの……最後にちょっと聞いて良いですか?」
「はい、なんでしょう~?」
「あなたたちどうやってここへ来たんですか? 空間転移魔法ではないですよね?」
「はい、歩いて来ました~」
歩いて!?
樹の国がどれくらい離れてるかわからないけど、たった一日でここまで歩いて来れるものなの!?
「あ、冗談ですよ~」
お? おぉ……嘘なのか、ビックリした……最近私は空間魔法に頼り過ぎてるのかもしれない……
『空間魔法じゃない=じゃあ、歩きだ!』なんて答えをあっさり受け入れてしまっていた……
「私たち木の高位精霊はちょっと特殊な生態をしてましてね、自分たちからある程度離れた範囲にある生きている植物に意識を転移させて、そちらで身体を形成できるのです。移動距離だけで考えるなら空間転移魔法の下位互換という感じでしょうか。地続きであれば一日あれば世界一周も可能だと思います。今回アルトレリアにもこの能力を繰り返して来ました」
な、何て特殊な生態!
「そういうわけで、一日でここに来るのもそれほど難しいことではありません」
「じゃあ、町の者が突然現れたって思ったのは……」
「はい~、この町の街路樹で身体を形成したため、そう思われたのかと~」
ん? 身体を形成? ってことは……
「トライアさんたちが帰る時は、木の身体だけ残るんですか?」
「い~え? 木に触れると身体が徐々に小さくなって、最終的には花びらが散るように姿を消します。身体を残したりしないので大丈夫ですよ~」
そうなのか、別の場所で身体を形成するって言うから、乗り捨てる感覚なのかと思った。
「では、そろそろお暇しますね。アルトラ様、アルトレリアの皆様、本日は突然押しかけたにも関わらず、わざわざお食事会を開いていただきありがとうございました。大変おいしゅうございました~」
「では我々はこれにて失礼致します」
「末永く良い関係を続けられることを願っております」
「わざわざご足労いただき、ありがとうございました。有意義な時間を過ごすことができました」
「あ、そうでした~、これを聞くのを忘れてました。ちょっとこちらへ」
「はい?」
トライアさんに促され、そちらへ移動。
そして小声で――
「アルトラさんって、ベルゼビュートさんですよね?」
バレてた!?
「いつから気付いてたんですか!?」
「七大国会談の時には気付いてましたよ~。わたくしと次女のトリニアは前々世のあなたがご存命中に七大国会談でお会いしているのでその魔力の波長を覚えていました。そういう意味でもあなたを只者ではないと思っています」
「なぜ知らぬフリをしてくれたんですか?」
「何か隠しているような雰囲気がありましたので、あの場で言わないのが適切かなと~。その……恐い方も何人かいましたので……」
きっとサタナエルとルシファーのことを言っているのだろうな……
「ありがとうございました! 助かりました! あの場でバラされてたらより大きなトラブルを呼び込んでいたと思います」
「わたくしも確認が取れてスッキリしました~。それでは、次は二ヶ月後の会談でお会いしましょう~」
「「では、皆様これにて失礼致します」」
三人とも役所近くにあった街路樹を媒介にして、一瞬で花が散るようにこの場から消えた。
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