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第9章 七大国会談編
第222話 異性に無頓着過ぎるフレアハルトに色々聞いてみた
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「あら? あなたまだ居たの?」
縫製所の別の部屋にさっき追い出したフレアハルトがいた。
「まだ帰って良いと言われておらんからな。寒いから別の部屋に入れてもらって茶と菓子をいただいていたところだ」
「もう帰って良いってさ」
「そうか、ではお暇するか」
さっきの反応が異性に対して無頓着過ぎると思ったから、せっかくなので異性について聞いてみる。
「ところでフレハル、あなた女の子といつも一緒にいるけど、何も感じないの?」
「感じる? いや何も。何を感じると言うのだ?」
「それは……ほら、アレ、恋愛的なやつ」
「ああ、我らの発情期が来る周期はかなり長いからな。十年周期くらいで訪れるから、発情期でもなければ特別何か感じるということはないな」
高位種族でも発情期の区切りってあるものなのね。
パンダですら一年に一回なのに、十年の周期って……それって繁殖機会ほとんど無いんじゃ……?
「……あなたいくつなの?」
見た目は二十代前半くらいに見えるのよね。ドラゴンだし、多分長生きだと思うから……私の見立てでは、百歳は超えてると見た!
「年か? 二百二十二歳だ、今年は全部同じ数字だから鮮明に覚えておる」
予想以上に年食ってた!!
「ぞ、族長さんはいくつくらいなの……?」
「父上か? 正確にはわからんが……多分五百歳から五百五十歳くらいの間だろう。昔聞いたことがあるが、もう数十年か百数十年か前のことで覚えておらん。長く生きておるから本人も数えておるかどうか……」
人間で言うなら、十分の一くらいで当てはめれば良いのかしら? ということはフレアハルトは二十二歳くらい? 族長さんは五十歳くらいってところか。
長生きだから、発情期が頻繁に訪れたら増え過ぎちゃって困るってことなのかな?
ドラゴンってただでさえ強い生物だし。
だとしたら……人間って増え過ぎなんじゃ……? 一応地球じゃ頂点に位置するって言われてるし。
う~ん、でも単純な個の強さだけで考えると、もっと大分下になるのかな? 象とか熊とかカバとかサイとかにはどうやったって素手じゃ太刀打ちできないし。下手したら自分より小さいサルにだって勝てない。一応理に適ってる?
「あなたとフレイムハルトってどれくらい離れてるの?」
「十……いや、二十だったかな……確か成人の儀は済ませてあったはずだ」
「いや、成人の儀がいつ行われるかわからないんだけど……」
「ああ、成人の儀は大体二百歳前後に行われる」
うん、まあ十や二十なら大したことないか。人間にも稀にそれくらい差がある兄弟いるし。
『ドラゴンボーノレ』の亀達人と占術ババは百八十歳くらい離れてるらしいし。大した年齢差じゃないか……いやいや、そうすると亀達人たちの異様さが際立つわ……姉弟が百八十歳差なら親は何歳なのよ?
しかも亀達人って、初登場時三百十九歳だったはずだから、占術ババは五百歳くらいってことになる。あの方々は人間って設定だったはずだけど、本当に人間なんだろうか……? おっと、話がズレてしまった。
「ドラゴンは大体そのくらいの年齢で身体が完成されるからな、それより前だと身体や鱗が柔らか過ぎて成人の儀に耐えられん」
成人まで二百年か……気の長い種族だ。
成人の儀式って、『聖炎耐火の儀』よね……? レッドドラゴンの成人式は大変だ。
「兄弟って二人だけなの?」
「下にもう二人いるな……いや今は三人だったか」
「全員男?」
「下二人が女だな。確か……三番目が百五十歳くらい。四番目はまだ生まれてそれほど経っていないと思ったが……う~ん、三十歳くらいだったかな?」
人間は三十歳はもう立派な大人ですけど……?
と言うか、私より年上なんだけど……
四番目の子とすら百九十歳差……亀達人以上の年の差兄弟だ……
「三十歳って、もしかしてまだ幼女みたいな見た目なの?」
人間の十分の一と考えるなら三歳相当だと思うけど……
「いや、それほど頻繁に会うわけではないが、お主とそれほど変わらん見た目だと思うぞ。もしかしたらもう少し上に見えるかもしれん」
必ずしも十分の一に当てはまるというわけではないのか。
「一番下は?」
「まだ生まれたばかりで、人型にはなれんと思う。幼竜だな。生まれたのはつい最近で一年経っておらんと思う」
「生まれてくる時って……卵?」
「他に何があると言うのだ?」
ドラゴンの常識では、生物の出生は卵なわけか。
う~ん、卵から生まれる生物と、こうやって会話を交わしてるってのが不思議だわ。
「私たちは卵で生まれないから」
「卵以外でどうやって生まれるのだ……? まさか……そのままの形で!?」
「そりゃそうなんだけど……」
「どうやってそんなに凹凸のある身体が体外へ出てくるのだ!? 引っかかるのではないか!?」
確かに……卵なら出っぱりとか引っかかりも無いから、ツルンと出て来くるイメージがあって、普通に出産するより楽な気がする。
なぜ人間は産卵の形態を捨ててしまったのか……
「それは……『がんばって出る』としか言えない」
「見てみたい! 誰か見せてはもらえないだろうか!?」
「うん、無理だね。あなた男だから絶対に無理」
「お主の時で良いから見せてくれ!」
「いや、無理だから! 絶対に見せない!!」
ああ、これか、彼らが裸になっても恥ずかしくない理由。
出産してるところを平気で「見せてくれ」と言える神経だから、裸見られる程度では恥ずかしいという感覚は無いのかもしれない。
この後下品な押し問答が少し続いたので割愛。
その日はそのまま解散。私とカイベルは我が家へ帰った。
翌日、正装のデザイン画を見せてもらった。
「普段黒い服を着てらっしゃるので、白を基調にデザインしてみました」
「おお、良いんじゃない? でもちょっと白さが際立つからアクセントが欲しいね。あと、スカート丈が短いからもう少し長めに」
「わかりました」
それにしても、禄にデザインの無いこの町でどうやって、あんな洗練されたデザインが出て来たのかしら?
いくら元々都会に住んでた人がアドバイスしてるって言ったって。
あ、そういえば、リナさんがファッション関係の本を持参してたっけ。防寒対策の時にも見せてもらったっけ。
そして、通貨制度開始を挟みつつ、三週間の時が流れた――
七大国会議の一週間前、服が出来たというので取りに行った。予定より随分早い。
「いかがでしょうか?」
「おぉ、良いね! イメージにピッタリ!」
一度白のフォーマルドレスを着ているので、この身体に白が似合うのは確認済み。
肩は普段の通り露出し、腕は袖口が広めのアームカバー。
ヒラヒラした長めのスカートに、白のトレンカ。
うん、可愛い可愛い!
残念なのがこれに合う履物が無いことか……ここではまだあまりきちんとした履物が作られていないため、簡素なサンダルくらいしかない。靴屋とか誰かやらないかしら?
「履物については、私が用意しましょうか? 一週間あるので今注文に行けば間に合うと思います」
リナさんが横から提案してくれた。
「ホントに!? じゃあお願い! この後アクアリヴィアへ行こう!」
フレアハルトのはフォーマルというよりは……黒い色の戦闘服のようだ。いや、フォーマル要素を残しつつという感じか。
先日デザイン画を見せられた時、自分のもの以外を確認しなかったけど、こんな仕様になってるとは……
「エルフィーレ、な、何でこんな戦闘向きな感じなの?」
「護衛ですので、やはり動きやすさ重視かなと。同じ理由で、カイベルさんもメイド要素を残しつつ、戦闘向きの服装にしてあります」
う~ん……物騒なことにならなきゃ良いけど……
金額は三着合計で二十一万イェン……
フレアハルトとカイベルの分は、私が同行を頼んだから私が支払った。
通貨制度始まったばかりとしては、軽くはない出費だが、各大国主の前で粗相するわけにはいかないし、まあ通貨制度開始に際して五百万貰ったし、必要経費として仕方がないか。
今後は外交的なものは税金から出せるようにしたいところね。
救いなのは、この世界は移動するためにはそれほどお金がかからないってところか。空間魔法万歳!
そして、あっという間に一週間の時が流れ、七大国会談開催当日――
縫製所の別の部屋にさっき追い出したフレアハルトがいた。
「まだ帰って良いと言われておらんからな。寒いから別の部屋に入れてもらって茶と菓子をいただいていたところだ」
「もう帰って良いってさ」
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さっきの反応が異性に対して無頓着過ぎると思ったから、せっかくなので異性について聞いてみる。
「ところでフレハル、あなた女の子といつも一緒にいるけど、何も感じないの?」
「感じる? いや何も。何を感じると言うのだ?」
「それは……ほら、アレ、恋愛的なやつ」
「ああ、我らの発情期が来る周期はかなり長いからな。十年周期くらいで訪れるから、発情期でもなければ特別何か感じるということはないな」
高位種族でも発情期の区切りってあるものなのね。
パンダですら一年に一回なのに、十年の周期って……それって繁殖機会ほとんど無いんじゃ……?
「……あなたいくつなの?」
見た目は二十代前半くらいに見えるのよね。ドラゴンだし、多分長生きだと思うから……私の見立てでは、百歳は超えてると見た!
「年か? 二百二十二歳だ、今年は全部同じ数字だから鮮明に覚えておる」
予想以上に年食ってた!!
「ぞ、族長さんはいくつくらいなの……?」
「父上か? 正確にはわからんが……多分五百歳から五百五十歳くらいの間だろう。昔聞いたことがあるが、もう数十年か百数十年か前のことで覚えておらん。長く生きておるから本人も数えておるかどうか……」
人間で言うなら、十分の一くらいで当てはめれば良いのかしら? ということはフレアハルトは二十二歳くらい? 族長さんは五十歳くらいってところか。
長生きだから、発情期が頻繁に訪れたら増え過ぎちゃって困るってことなのかな?
ドラゴンってただでさえ強い生物だし。
だとしたら……人間って増え過ぎなんじゃ……? 一応地球じゃ頂点に位置するって言われてるし。
う~ん、でも単純な個の強さだけで考えると、もっと大分下になるのかな? 象とか熊とかカバとかサイとかにはどうやったって素手じゃ太刀打ちできないし。下手したら自分より小さいサルにだって勝てない。一応理に適ってる?
「あなたとフレイムハルトってどれくらい離れてるの?」
「十……いや、二十だったかな……確か成人の儀は済ませてあったはずだ」
「いや、成人の儀がいつ行われるかわからないんだけど……」
「ああ、成人の儀は大体二百歳前後に行われる」
うん、まあ十や二十なら大したことないか。人間にも稀にそれくらい差がある兄弟いるし。
『ドラゴンボーノレ』の亀達人と占術ババは百八十歳くらい離れてるらしいし。大した年齢差じゃないか……いやいや、そうすると亀達人たちの異様さが際立つわ……姉弟が百八十歳差なら親は何歳なのよ?
しかも亀達人って、初登場時三百十九歳だったはずだから、占術ババは五百歳くらいってことになる。あの方々は人間って設定だったはずだけど、本当に人間なんだろうか……? おっと、話がズレてしまった。
「ドラゴンは大体そのくらいの年齢で身体が完成されるからな、それより前だと身体や鱗が柔らか過ぎて成人の儀に耐えられん」
成人まで二百年か……気の長い種族だ。
成人の儀式って、『聖炎耐火の儀』よね……? レッドドラゴンの成人式は大変だ。
「兄弟って二人だけなの?」
「下にもう二人いるな……いや今は三人だったか」
「全員男?」
「下二人が女だな。確か……三番目が百五十歳くらい。四番目はまだ生まれてそれほど経っていないと思ったが……う~ん、三十歳くらいだったかな?」
人間は三十歳はもう立派な大人ですけど……?
と言うか、私より年上なんだけど……
四番目の子とすら百九十歳差……亀達人以上の年の差兄弟だ……
「三十歳って、もしかしてまだ幼女みたいな見た目なの?」
人間の十分の一と考えるなら三歳相当だと思うけど……
「いや、それほど頻繁に会うわけではないが、お主とそれほど変わらん見た目だと思うぞ。もしかしたらもう少し上に見えるかもしれん」
必ずしも十分の一に当てはまるというわけではないのか。
「一番下は?」
「まだ生まれたばかりで、人型にはなれんと思う。幼竜だな。生まれたのはつい最近で一年経っておらんと思う」
「生まれてくる時って……卵?」
「他に何があると言うのだ?」
ドラゴンの常識では、生物の出生は卵なわけか。
う~ん、卵から生まれる生物と、こうやって会話を交わしてるってのが不思議だわ。
「私たちは卵で生まれないから」
「卵以外でどうやって生まれるのだ……? まさか……そのままの形で!?」
「そりゃそうなんだけど……」
「どうやってそんなに凹凸のある身体が体外へ出てくるのだ!? 引っかかるのではないか!?」
確かに……卵なら出っぱりとか引っかかりも無いから、ツルンと出て来くるイメージがあって、普通に出産するより楽な気がする。
なぜ人間は産卵の形態を捨ててしまったのか……
「それは……『がんばって出る』としか言えない」
「見てみたい! 誰か見せてはもらえないだろうか!?」
「うん、無理だね。あなた男だから絶対に無理」
「お主の時で良いから見せてくれ!」
「いや、無理だから! 絶対に見せない!!」
ああ、これか、彼らが裸になっても恥ずかしくない理由。
出産してるところを平気で「見せてくれ」と言える神経だから、裸見られる程度では恥ずかしいという感覚は無いのかもしれない。
この後下品な押し問答が少し続いたので割愛。
その日はそのまま解散。私とカイベルは我が家へ帰った。
翌日、正装のデザイン画を見せてもらった。
「普段黒い服を着てらっしゃるので、白を基調にデザインしてみました」
「おお、良いんじゃない? でもちょっと白さが際立つからアクセントが欲しいね。あと、スカート丈が短いからもう少し長めに」
「わかりました」
それにしても、禄にデザインの無いこの町でどうやって、あんな洗練されたデザインが出て来たのかしら?
いくら元々都会に住んでた人がアドバイスしてるって言ったって。
あ、そういえば、リナさんがファッション関係の本を持参してたっけ。防寒対策の時にも見せてもらったっけ。
そして、通貨制度開始を挟みつつ、三週間の時が流れた――
七大国会議の一週間前、服が出来たというので取りに行った。予定より随分早い。
「いかがでしょうか?」
「おぉ、良いね! イメージにピッタリ!」
一度白のフォーマルドレスを着ているので、この身体に白が似合うのは確認済み。
肩は普段の通り露出し、腕は袖口が広めのアームカバー。
ヒラヒラした長めのスカートに、白のトレンカ。
うん、可愛い可愛い!
残念なのがこれに合う履物が無いことか……ここではまだあまりきちんとした履物が作られていないため、簡素なサンダルくらいしかない。靴屋とか誰かやらないかしら?
「履物については、私が用意しましょうか? 一週間あるので今注文に行けば間に合うと思います」
リナさんが横から提案してくれた。
「ホントに!? じゃあお願い! この後アクアリヴィアへ行こう!」
フレアハルトのはフォーマルというよりは……黒い色の戦闘服のようだ。いや、フォーマル要素を残しつつという感じか。
先日デザイン画を見せられた時、自分のもの以外を確認しなかったけど、こんな仕様になってるとは……
「エルフィーレ、な、何でこんな戦闘向きな感じなの?」
「護衛ですので、やはり動きやすさ重視かなと。同じ理由で、カイベルさんもメイド要素を残しつつ、戦闘向きの服装にしてあります」
う~ん……物騒なことにならなきゃ良いけど……
金額は三着合計で二十一万イェン……
フレアハルトとカイベルの分は、私が同行を頼んだから私が支払った。
通貨制度始まったばかりとしては、軽くはない出費だが、各大国主の前で粗相するわけにはいかないし、まあ通貨制度開始に際して五百万貰ったし、必要経費として仕方がないか。
今後は外交的なものは税金から出せるようにしたいところね。
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