208 / 589
第8章 通貨制度構築編
第205話 新年の初詣
しおりを挟む
魔界に来て初めての年明け。
今日は昨日のシンと冷え込んだ気温より幾分か暖かくなった……らしい。温度計は十三度を指している。
「アルトラ様、おはようございます」
「うん、おはよう」
急遽作った床の間にカイベルが鏡餅を供えてくれた。
玄関先に門松とお飾りも付けた。
「本日はどうしますか?」
「まず初詣だよね。せっかく神社も作ったわけだし」
実は小規模ながら神社の社も少し前に完成している。
もちろん社務所も作った。手水舎もある。
新年の目当てと言えば、当然アレだ。
【おみくじ】
クリスマスの時同様、正月についても一ヶ月ほど前から徐々に種を撒いてきた。職業として住んでくれる神主さんや巫女さんを募集しておいた。風習とか習慣とかは全く知らないだろうけど徐々に知っていってくれれば良い。
そんなことを考えていたら、リディアが起きて来た。
「アルトラ~、おはよウ……」
「おはようリディア。明けましておめでとう」
「何だソレ?」
「新年になったら言う言葉よ」
「へぇ~、そうなのカ。じゃあ明けましておめでとウ」
「今日は今年一年の祈願に行くよ」
「どこニ?」
「トロル神社」
「今日何かあるのカ?」
何も知らないから話にならないな……リディアは回覧板見ないから余計に情報入ってないしな……
よく考えたら、この町のみんながこんな感じなのよね……
新年の掛け声についても、この一ヶ月かけて一応町中に伝えてあるけど……今更ながらちょっと不安になってきた。
「そうね、じゃあ道すがら説明するよ。その前に着替えましょうか」
「なにニ?」
振袖を取り出す。
昨夜のうちの創成魔法で三人分生成しておいた。
「おぉ!? 何か派手な服出てきたナ!」
「カイベル、着付けしてもらえる?」
「はい、ですが……ちょっと生地が薄いですね……作りも多少粗さが……」
その辺りは勘弁してもらえないかしら? なにせ着たことなんて成人式の一回くらいしかないし、イメージが足りないのは否めない。
あっという間に着付けしてもらったものの……
普段締め付けられる服を着ないから苦しい……魔界に堕とされて下着ですら締め付けられるという理由で着なかったのに……
「これ苦しイ……キツイ……辛イ……」
リディアも同じ感想みたいだ。
それをよそにキリキリと容赦なく帯を巻くカイベル。
「昨日食べた年越しそばが出そうダ……」
いや、流石にもう消化してるでしょ。
それを聞いてちょっと手を緩められたようだ。
「これ着なきゃいけないのカ?」
「今日だけだから、出来れば着てもらいたいかな」
「わかっタ……綺麗だシ、我慢すル……でも服着れるのは嬉しイ!」
普段は自分の身体を変化させた服だから、実質いつも裸でいるようなもんだしな……たまのおめかしはリディアにとって新鮮なことなのだろう。
◇
というわけで、リディアに新年のことを説明しながら全員でトロル神社階段前へやってきた。
「へぇ~、新年に神様にご挨拶するのが初詣なんだナ」
「それとプラスして、今年の抱負とかやりたいこととかを神様にお伝えするのよ。あと安全とか健康とか色んなご祈願」
リディアがそのまま歩いて鳥居をくぐろうとしたので――
「待って! まず鳥居に向かってお辞儀」
黙って従うリディア。
「はい、じゃあ入って良いよ。あ、でも真ん中は歩かないようにね」
「何デ?」
「真ん中は神様が通る道だって言われてるから、私たちは右か左を通るの。左を通っていきましょうか」
「神様に会いに行く作法って面倒くさいんだナ……みんなで遊んでる時はそんなことしてないゾ?」
そういえば以前この階段上がって、境内へ駆けて行くのを見たことがあるな。 (第188話参照)
私は神職でもないし、知識も無いからどれくらい厳格にしなきゃならないかわからないけど……まあ子供が遊ぶ時くらいうるさく言う必要は無いよね。
辻褄が合わないことだが自分で自分を納得させた。
階段を上り、境内にてメイフィー、ニートス、イチトス、ナナトス、カンナー、クリスティン、ルークに会った。
「みんな明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
「皆様、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します」
「明けましておめでとう! みんな今年もよろしくナ!」
「アルトラ様、カイベルさん、リディアちゃん、明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとうッス! お三方とも良い服着てるッスね!」
「私の故郷で新年に着る『振袖』って言う服よ」
「でも、苦しいんダ、この服……」
「アルトラ様はいつもの黒くて動く服じゃないんスね」
「まあ、新年くらいは別のにしようかと思ってね」
良かった……役所や回覧板で触れ回っておいたお蔭で、新年の挨拶や、「新年は初詣に行くもの」という概念が知られつつある。今日の神社は結構な数の亜人が集まった。来年には定着しているかもしれない。まあ、『餅を食べよう!』ってことも書ておいたから、興味本位に食べたくて集まった可能性は十分にあるけど。
ただ、残念ながら振袖を着ている人は私たち以外は一人としていない。みな普段着だ。そこはまあ来年に期待というところか。
「ところで……何あの人だかり?」
「ああ、あの方々もお三方と似たような服着て来たんですよ」
え? 着物を!? 誰が?
人だかりの中心に居たのは――
「エルフィーレとリナさん?」
「あ、アルトラ様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。アルトラ様も振袖ですか?」
「振袖を知ってるなんて驚いたよ!」
「これも亡者の方から伝わったものですよ」
亡者=男性のイメージだったけど、まあ普通に女性も居るわけか。
そういえば、私は亡者で女だった。
「まさか……来てる着物はエルフィーレお手製?」
だとしたら、凄い技術水準にまで達している気がする……独学でこの短期間に可能なことなのか?
「いえいえまさかまさか!! こんな複雑なのまだまだ到底作れませんよ! 作り方すらわからないです!」
そりゃそうよね……それを聞いてちょっと安心した。作り始めて割とすぐに服作れてるってだけでも凄いのに、一年やそこらで着物なんか作れたら、超人過ぎて意味がわからない。
「新年に着る機会があるかと思って、荷物の中に入れておいたんですよ。叔母様作の振袖です」
この世界では、日本の伝統衣装である着物まで浸透しているのか……まあ着物には数百年の歴史があるし、そういう知識持ってる亡者もいるだろうから、魔界に存在してても不思議ではないか。
「みんなどんなことお願いしに来たの?」
「私は豊年満作を」
「新しい作物の発見を」
メイフィー、ニートスの畑組は豊作祈願。
「もっと良い服のアイディアが降りてくるようにと」
「私もですね。『こすぷれ』なる文化も興味あるので、アルトラ様案出しお願いします!」
エルフィーレとリナさんは服飾関連。
「健康祈願ッスかね」
「私もですぞ!」
ナナトスとイチトスは健康祈願。あなたたちは十分健康だと思うけど……
「あとは町の安全祈願ですな」
流石副役所長に選出されただけある。
それは私も祈願しておこうかな。
「俺っちは、楽に裕福に暮らしたいってのも追加で」
それは私もだわ。今考えた欲しいもの空から降って来ないかしら。
「僕は安全祈願を」
カンナーは安全祈願? 何に対する?
「クリスティンは?」
「私は外国へ行ってみたいとお願いしようかと」
そっか、外国で学びたいとか言ってたものね。
「ルークは?」
「僕はもっとこの町のお役に立てますようにと」
偉いわ~。私この子と同じ年の頃、そんなこと微塵も考えなかったわ。
流石副役所長に選出されただけある。
「ところで、この共通点のよくわからない組み合わせはなに?」
「最初は役所組で来たんですが、そこにメイフィーさんとニートスさん、ナナトスくんとカンナーくん、あとエルフィーレさんとリナさんが居たので」
と、クリスティンが話す。
なるほど、ただ偶然出来た組み合わせってだけか。
「イチトス、他の兄弟は?」
「みんなそれぞれのところの付き合いがありますからな。それぞれ初詣に来るのではないでしょうか?」
そっか、確かに兄弟全員まとまってるわけがないか。
それを聞いたクリスティンが初詣に来る前の役所の様子を話し出す。
「役所務めの他の方々も後々それぞれ初詣するみたいです。さっき受付嬢の三人がジャンケンで受付に残る人を決めてましたから。他の部署の方たちも徐々に参拝に来るんじゃないかと」
「あれ? 今日って役所休みにしてないの?」
「役所って休みになるものなんですか?」
「そりゃ年末に仕事納めしたんだから休みにするでしょう」
「今日も通常通り出勤してますよ。私も初詣終わったら通常通り勤務に戻ります」
しまった、まだ始めて初年度だったから、そういったことがちゃんと伝わってなかったか! 来年からはちゃんと休ませるようにしよう。
「副役所長みんなで来てるみたいだけど、キャンフィールドは?」
「役所に残ってますよ。誰か一人くらいは責任者が居ないといけませんし。まあご本人は『階段上るのめんどくさいからみんな行って来て良いぞ』と言ってましたけど」
「ああ、そう……一人居残りってことは、今日リーヴァントとジュゼルマリオは?」
「え? お二人ならあそこで準備してますけど……」
あ、この後餅つきやるから、その準備してくれてるのか。
こういうイベントごとの準備もしなきゃならないから、休みにしたとしても実質休みになってないようなもんかもしれないけど……
部下に丸投げしないのが彼らの人柄を表している。
代休を設けるか。
今日は昨日のシンと冷え込んだ気温より幾分か暖かくなった……らしい。温度計は十三度を指している。
「アルトラ様、おはようございます」
「うん、おはよう」
急遽作った床の間にカイベルが鏡餅を供えてくれた。
玄関先に門松とお飾りも付けた。
「本日はどうしますか?」
「まず初詣だよね。せっかく神社も作ったわけだし」
実は小規模ながら神社の社も少し前に完成している。
もちろん社務所も作った。手水舎もある。
新年の目当てと言えば、当然アレだ。
【おみくじ】
クリスマスの時同様、正月についても一ヶ月ほど前から徐々に種を撒いてきた。職業として住んでくれる神主さんや巫女さんを募集しておいた。風習とか習慣とかは全く知らないだろうけど徐々に知っていってくれれば良い。
そんなことを考えていたら、リディアが起きて来た。
「アルトラ~、おはよウ……」
「おはようリディア。明けましておめでとう」
「何だソレ?」
「新年になったら言う言葉よ」
「へぇ~、そうなのカ。じゃあ明けましておめでとウ」
「今日は今年一年の祈願に行くよ」
「どこニ?」
「トロル神社」
「今日何かあるのカ?」
何も知らないから話にならないな……リディアは回覧板見ないから余計に情報入ってないしな……
よく考えたら、この町のみんながこんな感じなのよね……
新年の掛け声についても、この一ヶ月かけて一応町中に伝えてあるけど……今更ながらちょっと不安になってきた。
「そうね、じゃあ道すがら説明するよ。その前に着替えましょうか」
「なにニ?」
振袖を取り出す。
昨夜のうちの創成魔法で三人分生成しておいた。
「おぉ!? 何か派手な服出てきたナ!」
「カイベル、着付けしてもらえる?」
「はい、ですが……ちょっと生地が薄いですね……作りも多少粗さが……」
その辺りは勘弁してもらえないかしら? なにせ着たことなんて成人式の一回くらいしかないし、イメージが足りないのは否めない。
あっという間に着付けしてもらったものの……
普段締め付けられる服を着ないから苦しい……魔界に堕とされて下着ですら締め付けられるという理由で着なかったのに……
「これ苦しイ……キツイ……辛イ……」
リディアも同じ感想みたいだ。
それをよそにキリキリと容赦なく帯を巻くカイベル。
「昨日食べた年越しそばが出そうダ……」
いや、流石にもう消化してるでしょ。
それを聞いてちょっと手を緩められたようだ。
「これ着なきゃいけないのカ?」
「今日だけだから、出来れば着てもらいたいかな」
「わかっタ……綺麗だシ、我慢すル……でも服着れるのは嬉しイ!」
普段は自分の身体を変化させた服だから、実質いつも裸でいるようなもんだしな……たまのおめかしはリディアにとって新鮮なことなのだろう。
◇
というわけで、リディアに新年のことを説明しながら全員でトロル神社階段前へやってきた。
「へぇ~、新年に神様にご挨拶するのが初詣なんだナ」
「それとプラスして、今年の抱負とかやりたいこととかを神様にお伝えするのよ。あと安全とか健康とか色んなご祈願」
リディアがそのまま歩いて鳥居をくぐろうとしたので――
「待って! まず鳥居に向かってお辞儀」
黙って従うリディア。
「はい、じゃあ入って良いよ。あ、でも真ん中は歩かないようにね」
「何デ?」
「真ん中は神様が通る道だって言われてるから、私たちは右か左を通るの。左を通っていきましょうか」
「神様に会いに行く作法って面倒くさいんだナ……みんなで遊んでる時はそんなことしてないゾ?」
そういえば以前この階段上がって、境内へ駆けて行くのを見たことがあるな。 (第188話参照)
私は神職でもないし、知識も無いからどれくらい厳格にしなきゃならないかわからないけど……まあ子供が遊ぶ時くらいうるさく言う必要は無いよね。
辻褄が合わないことだが自分で自分を納得させた。
階段を上り、境内にてメイフィー、ニートス、イチトス、ナナトス、カンナー、クリスティン、ルークに会った。
「みんな明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
「皆様、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します」
「明けましておめでとう! みんな今年もよろしくナ!」
「アルトラ様、カイベルさん、リディアちゃん、明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとうッス! お三方とも良い服着てるッスね!」
「私の故郷で新年に着る『振袖』って言う服よ」
「でも、苦しいんダ、この服……」
「アルトラ様はいつもの黒くて動く服じゃないんスね」
「まあ、新年くらいは別のにしようかと思ってね」
良かった……役所や回覧板で触れ回っておいたお蔭で、新年の挨拶や、「新年は初詣に行くもの」という概念が知られつつある。今日の神社は結構な数の亜人が集まった。来年には定着しているかもしれない。まあ、『餅を食べよう!』ってことも書ておいたから、興味本位に食べたくて集まった可能性は十分にあるけど。
ただ、残念ながら振袖を着ている人は私たち以外は一人としていない。みな普段着だ。そこはまあ来年に期待というところか。
「ところで……何あの人だかり?」
「ああ、あの方々もお三方と似たような服着て来たんですよ」
え? 着物を!? 誰が?
人だかりの中心に居たのは――
「エルフィーレとリナさん?」
「あ、アルトラ様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。アルトラ様も振袖ですか?」
「振袖を知ってるなんて驚いたよ!」
「これも亡者の方から伝わったものですよ」
亡者=男性のイメージだったけど、まあ普通に女性も居るわけか。
そういえば、私は亡者で女だった。
「まさか……来てる着物はエルフィーレお手製?」
だとしたら、凄い技術水準にまで達している気がする……独学でこの短期間に可能なことなのか?
「いえいえまさかまさか!! こんな複雑なのまだまだ到底作れませんよ! 作り方すらわからないです!」
そりゃそうよね……それを聞いてちょっと安心した。作り始めて割とすぐに服作れてるってだけでも凄いのに、一年やそこらで着物なんか作れたら、超人過ぎて意味がわからない。
「新年に着る機会があるかと思って、荷物の中に入れておいたんですよ。叔母様作の振袖です」
この世界では、日本の伝統衣装である着物まで浸透しているのか……まあ着物には数百年の歴史があるし、そういう知識持ってる亡者もいるだろうから、魔界に存在してても不思議ではないか。
「みんなどんなことお願いしに来たの?」
「私は豊年満作を」
「新しい作物の発見を」
メイフィー、ニートスの畑組は豊作祈願。
「もっと良い服のアイディアが降りてくるようにと」
「私もですね。『こすぷれ』なる文化も興味あるので、アルトラ様案出しお願いします!」
エルフィーレとリナさんは服飾関連。
「健康祈願ッスかね」
「私もですぞ!」
ナナトスとイチトスは健康祈願。あなたたちは十分健康だと思うけど……
「あとは町の安全祈願ですな」
流石副役所長に選出されただけある。
それは私も祈願しておこうかな。
「俺っちは、楽に裕福に暮らしたいってのも追加で」
それは私もだわ。今考えた欲しいもの空から降って来ないかしら。
「僕は安全祈願を」
カンナーは安全祈願? 何に対する?
「クリスティンは?」
「私は外国へ行ってみたいとお願いしようかと」
そっか、外国で学びたいとか言ってたものね。
「ルークは?」
「僕はもっとこの町のお役に立てますようにと」
偉いわ~。私この子と同じ年の頃、そんなこと微塵も考えなかったわ。
流石副役所長に選出されただけある。
「ところで、この共通点のよくわからない組み合わせはなに?」
「最初は役所組で来たんですが、そこにメイフィーさんとニートスさん、ナナトスくんとカンナーくん、あとエルフィーレさんとリナさんが居たので」
と、クリスティンが話す。
なるほど、ただ偶然出来た組み合わせってだけか。
「イチトス、他の兄弟は?」
「みんなそれぞれのところの付き合いがありますからな。それぞれ初詣に来るのではないでしょうか?」
そっか、確かに兄弟全員まとまってるわけがないか。
それを聞いたクリスティンが初詣に来る前の役所の様子を話し出す。
「役所務めの他の方々も後々それぞれ初詣するみたいです。さっき受付嬢の三人がジャンケンで受付に残る人を決めてましたから。他の部署の方たちも徐々に参拝に来るんじゃないかと」
「あれ? 今日って役所休みにしてないの?」
「役所って休みになるものなんですか?」
「そりゃ年末に仕事納めしたんだから休みにするでしょう」
「今日も通常通り出勤してますよ。私も初詣終わったら通常通り勤務に戻ります」
しまった、まだ始めて初年度だったから、そういったことがちゃんと伝わってなかったか! 来年からはちゃんと休ませるようにしよう。
「副役所長みんなで来てるみたいだけど、キャンフィールドは?」
「役所に残ってますよ。誰か一人くらいは責任者が居ないといけませんし。まあご本人は『階段上るのめんどくさいからみんな行って来て良いぞ』と言ってましたけど」
「ああ、そう……一人居残りってことは、今日リーヴァントとジュゼルマリオは?」
「え? お二人ならあそこで準備してますけど……」
あ、この後餅つきやるから、その準備してくれてるのか。
こういうイベントごとの準備もしなきゃならないから、休みにしたとしても実質休みになってないようなもんかもしれないけど……
部下に丸投げしないのが彼らの人柄を表している。
代休を設けるか。
1
あなたにおすすめの小説
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
ひきこもり娘は前世の記憶を使って転生した世界で気ままな錬金術士として生きてきます!
966
ファンタジー
「錬金術士様だ!この村にも錬金術士様が来たぞ!」
最低ランク錬金術士エリセフィーナは錬金術士の学校、|王立錬金術学園《アカデミー》を卒業した次の日に最果ての村にある|工房《アトリエ》で一人生活することになる、Fランクという最低ランクで錬金術もまだまだ使えない、モンスター相手に戦闘もできないエリナは消えかけている前世の記憶を頼りに知り合いが一人もいない最果ての村で自分の夢『みんなを幸せにしたい』をかなえるために生活をはじめる。
この物語は、最果ての村『グリムホルン』に来てくれた若き錬金術士であるエリセフィーナを村人は一生懸命支えてサポートしていき、Fランクという最低ランクではあるものの、前世の記憶と|王立錬金術学園《アカデミー》で得た知識、離れて暮らす錬金術の師匠や村でできた新たな仲間たちと一緒に便利なアイテムを作ったり、モンスター盗伐の冒険などをしていく。
錬金術士エリセフィーナは日本からの転生者ではあるものの、記憶が消えかかっていることもあり錬金術や現代知識を使ってチート、無双するような物語ではなく、転生した世界で錬金術を使って1から成長し、仲間と冒険して成功したり、失敗したりしながらも楽しくスローライフをする話です。
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
※タイトルはそのうち変更するかもしれません※
※お気に入り登録お願いします!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる