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第8章 通貨制度構築編
第197話 暖房器具の制作依頼
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畑へやってきた。
ただし、食べ物以外の畑へ。
「メリル! 綿花の大量収穫って可能?」
長らく登場しなかったが、彼女はヨントスの水中捜索の時に募集した八人のうちの一人。 (第36話参照)
ヨントス捜索時に川辺に咲いていた花を見て、花を育ててみたいと言っていたので、花を育てる畑を任せていた。町に彩りを添えている花は主に彼女が育てたもの。
きっと必要になるであろうと綿花の栽培もしてもらっていた。
もう既に何度かこの綿花で布団が作られている。 (第162話参照)
「花も散って、ちょうど収穫に良い時期ですよ!」
「じゃあ収穫して、その後五分の四を布団店、五分の一を縫製所へ卸してもらえる?」
「突然ですね、布団店についてはもう何度か卸てますよ? アルトラ様の方から直接言ってくるなんて、何かあったんですか?」
「最近寒くなってきたでしょう? これ以上寒くならないうちに防寒対策しないといけないと思って」
「ええー……これ以上寒くなるんですか?」
「そう予想している」
「今までずっと暑かったですし、ここまで寒い気温なんて経験に無いから不安です……しかも今よりなお寒くなると予想してるなんて……」
「杞憂なら良いんだけど、そうでなかった場合を考えると、まだ肌寒い程度の時に対処しておかないと大変なことになりそうだからね。そういうことだから綿花の方よろしくね」
「はい」
次は布団店だ!
◇
布団店へやってきた。
布団は自前で作ってたから、初めて訪れた。
「こんにちは~」
「アルトラ様!? 突然どうされたのですか!?」
「今日はちょっとお願いに来たんですけど――」
店の中をグルリと見回す。
しかし、予想通り春、夏気候用の薄いものばかりで、冬に適していそうな布団は無い。
「寒い時用の布団の製造をお願いしたいと思います」
「ああ、確かに……最近寒いですよね。わたくしも作らねばならないかなと思っていたところです。ただ、ずっと暑かったために中々判断が付きづらかったところでして……」
「今後もしかしたら、今よりなお寒くなるかもしれないので、早いうちに作ってもらいたいと思うんですけど……出来ることなら本格的に寒くなる前にみんなに行き渡るように」
「しかし、そんなに大量に作るとなると素材が足りませんが……」
「そこはメリルにお願いしてきたんですが、足りませんか?」
「それでも、この町の住人の分を賄うには……」
それもそうか……千四百人だものね……
既に春夏気候の布団を持ってる亜人はそれを重ねて寝れば、大丈夫な場合もあるけど……
これは久しぶりに成長促進魔法の出番か。
「わかりました、その点は私が何とかするので、冬用……じゃなかった、寒くなった時用の厚めの布団の製造をお願いします。あとこれもお願いします」
と言いながら、コタツの設計図を見せる。
「コタツ布団という名前で、コタツという暖房器具に使う布団なんですけど、これも沢山作ってもらえますか?」
「素材を集めてもらえるなら……」
「それも何とかします!」
想定してた以上に綿花が必要になりそうだ……
これはちょっとカイベルに相談するか。
とりあえず、綿花の収穫と布団の製造を取り付けたから、次のところへ行こう。
◇
ドワーフの工房にやってきた。
「フィンツさん!」
「どうした? そんなに焦って」
「申し訳ないのですが、お金作りを一旦中断して暖房器具を作ってもらえませんか?」
「暖房器具って言うと……氷の国の寒さに弱い亜人が使ってるやつとかか? あまりお目にかかったことがないから上手く作れないかもしれないぞ? それに、中断してまでやることか?」
「はい、優先的にやらないと、もしかしたら死人が多数出るかもしれません!」
「そこまでか!?」
「今後気温が今以上に低くなることが予想されます! 全技術者に現在の作業を中断して、防寒対策をしてもらうよう通達してください!」
「防寒対策って言ったって、俺たちは詳しくないが、どんなものを作れば良いんだ?」
「そうですね……例えばこういう――」
電気不要のストーブの設計図、電気不要のコタツ、暖炉の設計図などを渡して、こういった暖房器具が必要であることを説明した。
「しかし、これを沢山作るとなると素材がかなり要るぞ?」
「そこは私が調達を――」
「あんた、そんなに魔力使い通しで、死なないか? ついこの間魔力過労で倒れたって聞いたぞ?」
「あの時は……眠すぎて二日間寝ただけですって。大丈夫ですよ」
「本当に大丈夫か? あんたが死にでもしたら、この町はあっという間に立ち行かなくなるぞ? この町はまだあんたで保ってるようなもんだからな」
「それも大丈夫ですよ。みんなかなり考えるようになってきてますし、私がいなくなったところで、そこまで大変なことにはならないと思います」
「だと良いがな……それに死んだら悲しむ者も多いってことも考えておけよ」
「そう……ですね……」
そういえばそうだ! いつも私が過重労働やめろって言ってるのに、自分がそれをやってるじゃないか!
「……まあいい、話を戻すか。これについて問題があるんだが、この暖炉を多くの家に設えるのは、家自体を改造しなきゃならんから短い期間では中々厳しいぞ? 少数なら出来ないこともないが、ほとんどの家に付けるとなると現実問題不可能だ。それならストーブとコタツを作ることにその分の人員や労力を割り振って、より多く作った方が良い」
家作るのはただでさえ時間がかかるのに、これを暖炉に改造するとなると……いくらドワーフさんでも不可能か。トロルの職人連中を含めても難しいわ。
「そうですね、じゃあストーブとコタツの生産をお願いします。ただ……フレハルたちの住んでいる家だけは暖炉を“確実に”作ってもらえますか?」
「何でフレハルの家だけ?」
「彼らは寒さに極端に弱いので、暖房設備が不十分だと、もしかしたら凍死する可能性があります」
「そんなにか!? 寒さに弱い種族って、アイツら一体何の種族なんだ? もうそろそろ教えてくれても良いだろ?」
「それはもう少しだけお待ちください」
「……まあいい。あとなぁこの灯油と……何だこれは豆炭? 石炭の一種か? 聞き覚えがないが、これって恐らく地球由来の技術だろ?」
あれ? 豆炭って石炭の一種かと思ってたけど、違うのか?
「そうですね、それらを使えば電気が要らないので」
後で豆炭についてカイベルに聞いておかないと……! あ、でも羊毛刈りに行かせたばかりだ……帰ってくるまで覚えておかないとな。
「それらが多く採れるのは氷の国か土の国とその近隣の国ぐらいだぞ? この町で灯油やその豆炭とかいうのを継続して確保できるか?」
確かに……燃料の継続的な確保は難しいと言わざるを得ない……
この世界では魔法である程度出来てしまうから、今まで灯油や石炭のような燃料系の物は積極的に確保しようと思わなかった。
とは言え、今更アクアリヴィアに買い出しに行ったとて、町全体の燃料を確保できるとは思えない。それに町全体の燃料を買うとするなら膨大なお金が必要になる。
ここに来て、それらを軽視していたツケが回ってくるとは……
燃料部分が足りなければ私が作れば……と思っていたけど、冬中それをやったら流石に魔力が持たない。下手したら今度こそ死ぬ。
「しかし、燃料が無いからとは言え、一体どうすれば?」
「この世界では魔力充填式にした方が、楽かもしれんぞ?」
充填式? 電気で言うところのバッテリーみたいなものかな?
「そんなこと可能なんですか?」
「魔力可動式は作った経験がある。アクアリヴィアではエレアースモのような強力な電気は自然に発生しないから、魔力を使って電気や暖房に変換する機構が主なんだよ。まあ充填式は……経験は無いがこの間作った自家発電機に付いていたソーラーパネルの構造を改変させれば可能だと思う。むしろソーラーパネルで魔力を充填するように改造すれば、人力での補充もあまり必要無くなるかもな」
発電機が足りてないことを考えると、「魔力で」と思ったことはあったけど、それを考えた時、機械を動かすためには常に魔力を流し続けなければならないと思っていた。
こういった機械を動かす限り電気同様、魔力も常に流し続けなければ動いてくれないものという先入観が働いていたみたいだ。
魔力も電気同様貯め込んで使えるなら、この町の人々は魔力を持っている者ばかりだから、自分たちで充填してくれれば燃料も要らないことになる。
「充填式良いですね! じゃあ、充填式のストーブとコタツの生産をお願いします」
「じゃあそれらの量産体制を作ろう」
「金額はどの程度ですか?」
「また資材は調達してくれるのか? だとしたら一千万で行けるぞ」
手持ちはあと一千四百万程度。これに払って残り四百万か……随分無くなってしまった……
まあ、今は防寒対策最優先か。
「それでよろしくお願いします!」
よし! これで燃料問題も解決され、暖房設備も大丈夫だ!
ただし、食べ物以外の畑へ。
「メリル! 綿花の大量収穫って可能?」
長らく登場しなかったが、彼女はヨントスの水中捜索の時に募集した八人のうちの一人。 (第36話参照)
ヨントス捜索時に川辺に咲いていた花を見て、花を育ててみたいと言っていたので、花を育てる畑を任せていた。町に彩りを添えている花は主に彼女が育てたもの。
きっと必要になるであろうと綿花の栽培もしてもらっていた。
もう既に何度かこの綿花で布団が作られている。 (第162話参照)
「花も散って、ちょうど収穫に良い時期ですよ!」
「じゃあ収穫して、その後五分の四を布団店、五分の一を縫製所へ卸してもらえる?」
「突然ですね、布団店についてはもう何度か卸てますよ? アルトラ様の方から直接言ってくるなんて、何かあったんですか?」
「最近寒くなってきたでしょう? これ以上寒くならないうちに防寒対策しないといけないと思って」
「ええー……これ以上寒くなるんですか?」
「そう予想している」
「今までずっと暑かったですし、ここまで寒い気温なんて経験に無いから不安です……しかも今よりなお寒くなると予想してるなんて……」
「杞憂なら良いんだけど、そうでなかった場合を考えると、まだ肌寒い程度の時に対処しておかないと大変なことになりそうだからね。そういうことだから綿花の方よろしくね」
「はい」
次は布団店だ!
◇
布団店へやってきた。
布団は自前で作ってたから、初めて訪れた。
「こんにちは~」
「アルトラ様!? 突然どうされたのですか!?」
「今日はちょっとお願いに来たんですけど――」
店の中をグルリと見回す。
しかし、予想通り春、夏気候用の薄いものばかりで、冬に適していそうな布団は無い。
「寒い時用の布団の製造をお願いしたいと思います」
「ああ、確かに……最近寒いですよね。わたくしも作らねばならないかなと思っていたところです。ただ、ずっと暑かったために中々判断が付きづらかったところでして……」
「今後もしかしたら、今よりなお寒くなるかもしれないので、早いうちに作ってもらいたいと思うんですけど……出来ることなら本格的に寒くなる前にみんなに行き渡るように」
「しかし、そんなに大量に作るとなると素材が足りませんが……」
「そこはメリルにお願いしてきたんですが、足りませんか?」
「それでも、この町の住人の分を賄うには……」
それもそうか……千四百人だものね……
既に春夏気候の布団を持ってる亜人はそれを重ねて寝れば、大丈夫な場合もあるけど……
これは久しぶりに成長促進魔法の出番か。
「わかりました、その点は私が何とかするので、冬用……じゃなかった、寒くなった時用の厚めの布団の製造をお願いします。あとこれもお願いします」
と言いながら、コタツの設計図を見せる。
「コタツ布団という名前で、コタツという暖房器具に使う布団なんですけど、これも沢山作ってもらえますか?」
「素材を集めてもらえるなら……」
「それも何とかします!」
想定してた以上に綿花が必要になりそうだ……
これはちょっとカイベルに相談するか。
とりあえず、綿花の収穫と布団の製造を取り付けたから、次のところへ行こう。
◇
ドワーフの工房にやってきた。
「フィンツさん!」
「どうした? そんなに焦って」
「申し訳ないのですが、お金作りを一旦中断して暖房器具を作ってもらえませんか?」
「暖房器具って言うと……氷の国の寒さに弱い亜人が使ってるやつとかか? あまりお目にかかったことがないから上手く作れないかもしれないぞ? それに、中断してまでやることか?」
「はい、優先的にやらないと、もしかしたら死人が多数出るかもしれません!」
「そこまでか!?」
「今後気温が今以上に低くなることが予想されます! 全技術者に現在の作業を中断して、防寒対策をしてもらうよう通達してください!」
「防寒対策って言ったって、俺たちは詳しくないが、どんなものを作れば良いんだ?」
「そうですね……例えばこういう――」
電気不要のストーブの設計図、電気不要のコタツ、暖炉の設計図などを渡して、こういった暖房器具が必要であることを説明した。
「しかし、これを沢山作るとなると素材がかなり要るぞ?」
「そこは私が調達を――」
「あんた、そんなに魔力使い通しで、死なないか? ついこの間魔力過労で倒れたって聞いたぞ?」
「あの時は……眠すぎて二日間寝ただけですって。大丈夫ですよ」
「本当に大丈夫か? あんたが死にでもしたら、この町はあっという間に立ち行かなくなるぞ? この町はまだあんたで保ってるようなもんだからな」
「それも大丈夫ですよ。みんなかなり考えるようになってきてますし、私がいなくなったところで、そこまで大変なことにはならないと思います」
「だと良いがな……それに死んだら悲しむ者も多いってことも考えておけよ」
「そう……ですね……」
そういえばそうだ! いつも私が過重労働やめろって言ってるのに、自分がそれをやってるじゃないか!
「……まあいい、話を戻すか。これについて問題があるんだが、この暖炉を多くの家に設えるのは、家自体を改造しなきゃならんから短い期間では中々厳しいぞ? 少数なら出来ないこともないが、ほとんどの家に付けるとなると現実問題不可能だ。それならストーブとコタツを作ることにその分の人員や労力を割り振って、より多く作った方が良い」
家作るのはただでさえ時間がかかるのに、これを暖炉に改造するとなると……いくらドワーフさんでも不可能か。トロルの職人連中を含めても難しいわ。
「そうですね、じゃあストーブとコタツの生産をお願いします。ただ……フレハルたちの住んでいる家だけは暖炉を“確実に”作ってもらえますか?」
「何でフレハルの家だけ?」
「彼らは寒さに極端に弱いので、暖房設備が不十分だと、もしかしたら凍死する可能性があります」
「そんなにか!? 寒さに弱い種族って、アイツら一体何の種族なんだ? もうそろそろ教えてくれても良いだろ?」
「それはもう少しだけお待ちください」
「……まあいい。あとなぁこの灯油と……何だこれは豆炭? 石炭の一種か? 聞き覚えがないが、これって恐らく地球由来の技術だろ?」
あれ? 豆炭って石炭の一種かと思ってたけど、違うのか?
「そうですね、それらを使えば電気が要らないので」
後で豆炭についてカイベルに聞いておかないと……! あ、でも羊毛刈りに行かせたばかりだ……帰ってくるまで覚えておかないとな。
「それらが多く採れるのは氷の国か土の国とその近隣の国ぐらいだぞ? この町で灯油やその豆炭とかいうのを継続して確保できるか?」
確かに……燃料の継続的な確保は難しいと言わざるを得ない……
この世界では魔法である程度出来てしまうから、今まで灯油や石炭のような燃料系の物は積極的に確保しようと思わなかった。
とは言え、今更アクアリヴィアに買い出しに行ったとて、町全体の燃料を確保できるとは思えない。それに町全体の燃料を買うとするなら膨大なお金が必要になる。
ここに来て、それらを軽視していたツケが回ってくるとは……
燃料部分が足りなければ私が作れば……と思っていたけど、冬中それをやったら流石に魔力が持たない。下手したら今度こそ死ぬ。
「しかし、燃料が無いからとは言え、一体どうすれば?」
「この世界では魔力充填式にした方が、楽かもしれんぞ?」
充填式? 電気で言うところのバッテリーみたいなものかな?
「そんなこと可能なんですか?」
「魔力可動式は作った経験がある。アクアリヴィアではエレアースモのような強力な電気は自然に発生しないから、魔力を使って電気や暖房に変換する機構が主なんだよ。まあ充填式は……経験は無いがこの間作った自家発電機に付いていたソーラーパネルの構造を改変させれば可能だと思う。むしろソーラーパネルで魔力を充填するように改造すれば、人力での補充もあまり必要無くなるかもな」
発電機が足りてないことを考えると、「魔力で」と思ったことはあったけど、それを考えた時、機械を動かすためには常に魔力を流し続けなければならないと思っていた。
こういった機械を動かす限り電気同様、魔力も常に流し続けなければ動いてくれないものという先入観が働いていたみたいだ。
魔力も電気同様貯め込んで使えるなら、この町の人々は魔力を持っている者ばかりだから、自分たちで充填してくれれば燃料も要らないことになる。
「充填式良いですね! じゃあ、充填式のストーブとコタツの生産をお願いします」
「じゃあそれらの量産体制を作ろう」
「金額はどの程度ですか?」
「また資材は調達してくれるのか? だとしたら一千万で行けるぞ」
手持ちはあと一千四百万程度。これに払って残り四百万か……随分無くなってしまった……
まあ、今は防寒対策最優先か。
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よし! これで燃料問題も解決され、暖房設備も大丈夫だ!
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