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第8章 通貨制度構築編
第187話 実は激ヤバだった潤いの木
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朝から随分強い雨。
こういう日はリディアが嬉々として庭に出て、雨に当たりに行く。
銀行の建設が始まったし、一応見に行ってみるか。下手したらこんな状態でも作業しようとする人がいるかもしれないし。
そういうわけで建設現場に来た。
誰もいない。ちゃんと休んでるみたいで良かった。
今日は私も家でゴロゴロするか。
二千二一年十一月十二日
今日も強い雨……
今は頼まれ事も無いし、こう強い雨だと日課の散歩兼パトロールも出来ないので、役所へゲート転移。
お客さんもあまり来ないため、一日中受付嬢三人と駄弁っていた。
窓から町の様子を見ると、傘を差している人がチラホラ出てくるようになった。傘が普及し始めたのかもしれない。
二千二一年十一月十三日
今日も雨だ……
夜、久しぶりに再びフィギュア作りに手を出したところ、アニメを見ていたリディアが急に立ち上がって、作ってるところをわざわざ見に来て、チラッと一瞥し、「フッ……」と鼻で笑った後にトイレに向かった……
わざわざ遠回りしてバカにしていったのか!?
絶対上手くなってやる! と気持ちでは思ったが、結局酷い顔の胸像が二体に増えた……
二千二一年十一月十四日
今日も雨。
家でゴロゴロ。雷もゴロゴロ。
今日は雷も強いので、流石のリディアもお留守番。リディアを捕まえる時に雷魔法を浴びせたから未だに軽くトラウマになっているらしい。雷が鳴っている間は少し緊張して見える。
何だか何もしない日を数行程度で何日もかけて日記に綴ると、『ゾンビハザード』のゾンビ化する直前の飼育係の日誌みたいになってきたわね……
二千二一年十一月十五日
今日も雨。というかドシャ降り。
リディアは連日大喜び。
でも、ここ最近気温が下がって来たのか、雨に濡れた後ふるえてかえ て来た。
カイベル あたたかいスープを作 てくれて、うまかっ です。
十一がつ十六にち
今日もごう雨だ……
さすがにまい日雨だと、リディア 外え行かなくな た。外え行 ても友だちとあそべないかららしい。
「雨ばかりでつまんなイ! アニメ見せてくレ!」とせがまれ? たため、こん負けしてしかたなくとくべつに一日じゅうアニメを見せた。
十七にち
かゆい うま
ここで日記は途絶えている……
もう約一週間続けて強い雨。
最近、豪雨が多い気がする。あの洪水時に似てる気がするわね……
(第13~14話参照)
日記でふざけてる場合じゃないかも……
そこで第六感が働いたのか、フッとある考えが頭をよぎる。
もしかして、『水の量を不正に増やしてしまったのではないか?』と……
生前、『地球を循環する水の量は決まっている』という記事をネットで見たことがある。
これは、水として川や海に有ろうが、蒸発して大気中に霧散していようが、雲として空に浮かんでいようが、氷として海に浮かんでいようが、地球全体としての水の量はずっと変わらないという考え方。
雨によって新しい水が生まれていると私たちは思っていても、地球全体から見れば、どこかしらの水が蒸発して雲になり循環して、私たちの住む地域で雨を降らせているだけで、水の量自体はほとんど変わらないということらしい。
私たちが水を飲んで、水が減っているように見えても、私たちは常に汗やその他の体液で水分を出し、それらが蒸発しているから、巡り巡って地球全体の水分量は変わらないということだそうだ。
つまり、その『地球の水理論』と同じように、元々の“冥球全体の水の量は決まっていた”が、私が水の循環とは全く無関係に水を出し続ける潤いの木を作り出してしまったために、この星で決まっていたはずの水の量が増えてしまったのではないかと予想した。
私の考えすぎだと良いんだけど……
恐る恐るカイベルに聞いてみる。
「カイベル、この星の水分量って、もしかして私が潤いの木を作ったことによって劇的に増えてたりする?」
「先に結論を申しますと増えています。現時点で〇.〇〇〇〇五パーセントほど増加しているようです。このまま潤いの木が水を出し続ければ、湧水量次第では数十年から数百年で大地のほぼ全てが沈み、いずれこの星自体が水に飲み込まれてしまうでしょう。潤いの木は水中でも活動可能なので、水中に沈んでも水を出し続けます。遠い未来、最終的には大気圏、果ては重力圏を超えて宇宙へと流出する可能性があります。この星は完全な水棲生物の星になると思われます。いえ、この星の外側には闇の帳がありますし、それ以上外へは出ないかもしれませんが、いずれにせよ星全体が水に沈むことには変わりありません」
うわぁ……想定してた以上に最悪の事態だった……
水の無い土地に水を作って万々歳と思ったら、比較にならないほどヤバい事態を引き起こしていた……
〇.〇〇〇〇五パーセントでこの豪雨なのか……これが一パーセントなんてことになったらどれほどの影響が出るんだろう……
と言うか――
「カイベル! 何で危機を知らせてくれなかったの!」
「現時点でアルトレリアの人々に対してただちに命の危機がある状況と判断しませんでした。ですので〇.〇〇〇一パーセントに達した時に言おうかと。アルトラ様はそこに達する前に気付かれたので」
「ちなみに〇.〇〇〇一パーセントになったらどういう状態になるの?」
「この辺りでは晴れの日……つまり疑似太陽の光が地表に届く日がほぼ皆無になります。が、魔界全域で考えると微々たる変化です。水の国は強い雨が、雷の国は豪雨が多少多くなります。これ以外の国も土の国は――」
「もういいもういい、気候に変動があるのはわかったわ」
そこまで行ったら既に大ごとじゃないの……!
いくら町の人に直接的な命の危機が無いって言ったって……
後で、気候の変動によって危機的状況になりそうな時には報告してもらうようカイベルに条件を付け足しておこう。
それにしても早い段階で気付いて良かった……
でも、どうしよう? 潤いの木を切り倒すか? でもそうするとアルトレリアのみんなの生活が……せっかくみんなで頑張って川も完成したってのに……
「これに対する案は何かある?」
「そうですね……潤いの木と対となる木を作るのはどうでしょうか?」
「対の木? フレアハルトのところで作った炎を噴出する木みたいなやつ?」
あれはレッドドラゴンの町以外に出すにはあまりにも危険過ぎる。
あ、そういえばあの時カイベルはレッドドラゴンの町へ一緒に行かなかったんだっけ。カイベルはこのこと知らないんだ。
「いえ、それですと蒸発しても水分量自体は大気中に霧散するだけで、冥球全体の水の量はあまり変わりません」
あれ?
カイベルには一度として炎を吹き出す木を見せたことがないが、なぜか私が炎を吹き出す木を作ったことを知っているかのように否定された。
ああ、そういえば、カイベルの前身のオルシンジテンには『とある物を作った時点でオルシンジテンの検索結果に載る』 (第109話参照)っていう驚愕の機能があったんだっけ。
恐らくカイベルにそのまま継承されてるんだろう。
ってことは、今後は“私が何かやったことは全部知ってる”ものと思って話をしても良いかもしれない。
「なので、例えば大気の水分量を調整する木を作るとかはどうでしょうか? 水分が異常に増加した場合に限り、周囲の生物に健康的な悪影響を与えないように徐々に水分を吸収して消し去るとかにしてはどうでしょう? 創成魔法ならそういう風に都合良く調整することが可能なのではないでしょうか? その消し去る過程とは別に水分を栄養として果実を付けるようにすると、町の方々にはなお喜ばれると思います」
なるほど、ここでも木か……木って便利だな。もう全部木にさせてしまえば良いと思う。まあ……創成魔法ありきの結論だけどね。
私は水分を調整する魔道具を作って、管理しようかと思ったけど、自然物の方が後々まで残って良いかもしれない。
魔道具だと壊れた時、もし私が生きていなかったら誰にも修復できないし。
『消し去る』ってところを考えると、樹魔法+空間魔法+創成魔法……かな?
「可能であれば枯れても、伐採されても、ごく短い時間で次世代の木として再生されるようにするのが良いのではないかと思われます」
「それは良い考えね! 次に晴れる日は?」
「明日は終日にかけて晴れです」
「よし、じゃあ木を作ろう!」
こういう日はリディアが嬉々として庭に出て、雨に当たりに行く。
銀行の建設が始まったし、一応見に行ってみるか。下手したらこんな状態でも作業しようとする人がいるかもしれないし。
そういうわけで建設現場に来た。
誰もいない。ちゃんと休んでるみたいで良かった。
今日は私も家でゴロゴロするか。
二千二一年十一月十二日
今日も強い雨……
今は頼まれ事も無いし、こう強い雨だと日課の散歩兼パトロールも出来ないので、役所へゲート転移。
お客さんもあまり来ないため、一日中受付嬢三人と駄弁っていた。
窓から町の様子を見ると、傘を差している人がチラホラ出てくるようになった。傘が普及し始めたのかもしれない。
二千二一年十一月十三日
今日も雨だ……
夜、久しぶりに再びフィギュア作りに手を出したところ、アニメを見ていたリディアが急に立ち上がって、作ってるところをわざわざ見に来て、チラッと一瞥し、「フッ……」と鼻で笑った後にトイレに向かった……
わざわざ遠回りしてバカにしていったのか!?
絶対上手くなってやる! と気持ちでは思ったが、結局酷い顔の胸像が二体に増えた……
二千二一年十一月十四日
今日も雨。
家でゴロゴロ。雷もゴロゴロ。
今日は雷も強いので、流石のリディアもお留守番。リディアを捕まえる時に雷魔法を浴びせたから未だに軽くトラウマになっているらしい。雷が鳴っている間は少し緊張して見える。
何だか何もしない日を数行程度で何日もかけて日記に綴ると、『ゾンビハザード』のゾンビ化する直前の飼育係の日誌みたいになってきたわね……
二千二一年十一月十五日
今日も雨。というかドシャ降り。
リディアは連日大喜び。
でも、ここ最近気温が下がって来たのか、雨に濡れた後ふるえてかえ て来た。
カイベル あたたかいスープを作 てくれて、うまかっ です。
十一がつ十六にち
今日もごう雨だ……
さすがにまい日雨だと、リディア 外え行かなくな た。外え行 ても友だちとあそべないかららしい。
「雨ばかりでつまんなイ! アニメ見せてくレ!」とせがまれ? たため、こん負けしてしかたなくとくべつに一日じゅうアニメを見せた。
十七にち
かゆい うま
ここで日記は途絶えている……
もう約一週間続けて強い雨。
最近、豪雨が多い気がする。あの洪水時に似てる気がするわね……
(第13~14話参照)
日記でふざけてる場合じゃないかも……
そこで第六感が働いたのか、フッとある考えが頭をよぎる。
もしかして、『水の量を不正に増やしてしまったのではないか?』と……
生前、『地球を循環する水の量は決まっている』という記事をネットで見たことがある。
これは、水として川や海に有ろうが、蒸発して大気中に霧散していようが、雲として空に浮かんでいようが、氷として海に浮かんでいようが、地球全体としての水の量はずっと変わらないという考え方。
雨によって新しい水が生まれていると私たちは思っていても、地球全体から見れば、どこかしらの水が蒸発して雲になり循環して、私たちの住む地域で雨を降らせているだけで、水の量自体はほとんど変わらないということらしい。
私たちが水を飲んで、水が減っているように見えても、私たちは常に汗やその他の体液で水分を出し、それらが蒸発しているから、巡り巡って地球全体の水分量は変わらないということだそうだ。
つまり、その『地球の水理論』と同じように、元々の“冥球全体の水の量は決まっていた”が、私が水の循環とは全く無関係に水を出し続ける潤いの木を作り出してしまったために、この星で決まっていたはずの水の量が増えてしまったのではないかと予想した。
私の考えすぎだと良いんだけど……
恐る恐るカイベルに聞いてみる。
「カイベル、この星の水分量って、もしかして私が潤いの木を作ったことによって劇的に増えてたりする?」
「先に結論を申しますと増えています。現時点で〇.〇〇〇〇五パーセントほど増加しているようです。このまま潤いの木が水を出し続ければ、湧水量次第では数十年から数百年で大地のほぼ全てが沈み、いずれこの星自体が水に飲み込まれてしまうでしょう。潤いの木は水中でも活動可能なので、水中に沈んでも水を出し続けます。遠い未来、最終的には大気圏、果ては重力圏を超えて宇宙へと流出する可能性があります。この星は完全な水棲生物の星になると思われます。いえ、この星の外側には闇の帳がありますし、それ以上外へは出ないかもしれませんが、いずれにせよ星全体が水に沈むことには変わりありません」
うわぁ……想定してた以上に最悪の事態だった……
水の無い土地に水を作って万々歳と思ったら、比較にならないほどヤバい事態を引き起こしていた……
〇.〇〇〇〇五パーセントでこの豪雨なのか……これが一パーセントなんてことになったらどれほどの影響が出るんだろう……
と言うか――
「カイベル! 何で危機を知らせてくれなかったの!」
「現時点でアルトレリアの人々に対してただちに命の危機がある状況と判断しませんでした。ですので〇.〇〇〇一パーセントに達した時に言おうかと。アルトラ様はそこに達する前に気付かれたので」
「ちなみに〇.〇〇〇一パーセントになったらどういう状態になるの?」
「この辺りでは晴れの日……つまり疑似太陽の光が地表に届く日がほぼ皆無になります。が、魔界全域で考えると微々たる変化です。水の国は強い雨が、雷の国は豪雨が多少多くなります。これ以外の国も土の国は――」
「もういいもういい、気候に変動があるのはわかったわ」
そこまで行ったら既に大ごとじゃないの……!
いくら町の人に直接的な命の危機が無いって言ったって……
後で、気候の変動によって危機的状況になりそうな時には報告してもらうようカイベルに条件を付け足しておこう。
それにしても早い段階で気付いて良かった……
でも、どうしよう? 潤いの木を切り倒すか? でもそうするとアルトレリアのみんなの生活が……せっかくみんなで頑張って川も完成したってのに……
「これに対する案は何かある?」
「そうですね……潤いの木と対となる木を作るのはどうでしょうか?」
「対の木? フレアハルトのところで作った炎を噴出する木みたいなやつ?」
あれはレッドドラゴンの町以外に出すにはあまりにも危険過ぎる。
あ、そういえばあの時カイベルはレッドドラゴンの町へ一緒に行かなかったんだっけ。カイベルはこのこと知らないんだ。
「いえ、それですと蒸発しても水分量自体は大気中に霧散するだけで、冥球全体の水の量はあまり変わりません」
あれ?
カイベルには一度として炎を吹き出す木を見せたことがないが、なぜか私が炎を吹き出す木を作ったことを知っているかのように否定された。
ああ、そういえば、カイベルの前身のオルシンジテンには『とある物を作った時点でオルシンジテンの検索結果に載る』 (第109話参照)っていう驚愕の機能があったんだっけ。
恐らくカイベルにそのまま継承されてるんだろう。
ってことは、今後は“私が何かやったことは全部知ってる”ものと思って話をしても良いかもしれない。
「なので、例えば大気の水分量を調整する木を作るとかはどうでしょうか? 水分が異常に増加した場合に限り、周囲の生物に健康的な悪影響を与えないように徐々に水分を吸収して消し去るとかにしてはどうでしょう? 創成魔法ならそういう風に都合良く調整することが可能なのではないでしょうか? その消し去る過程とは別に水分を栄養として果実を付けるようにすると、町の方々にはなお喜ばれると思います」
なるほど、ここでも木か……木って便利だな。もう全部木にさせてしまえば良いと思う。まあ……創成魔法ありきの結論だけどね。
私は水分を調整する魔道具を作って、管理しようかと思ったけど、自然物の方が後々まで残って良いかもしれない。
魔道具だと壊れた時、もし私が生きていなかったら誰にも修復できないし。
『消し去る』ってところを考えると、樹魔法+空間魔法+創成魔法……かな?
「可能であれば枯れても、伐採されても、ごく短い時間で次世代の木として再生されるようにするのが良いのではないかと思われます」
「それは良い考えね! 次に晴れる日は?」
「明日は終日にかけて晴れです」
「よし、じゃあ木を作ろう!」
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