185 / 487
第8章 通貨制度構築編
第183話 ハロウィン
しおりを挟む
秋に近い気候になり、私の周りの木々たちも赤や黄色に色づくようになってきた。
リディアは今日も朝早くから外へ出て行く準備をしている。
「じゃあ、遊びに行ってくるナ!」
遊びにばっか行ってるけど……そろそろ勉強もした方が良いな。
通貨制度の次は学校を作ることを考えないといけないかな。
まあ……私も定職に就いてるわけではないから強く言えないんだけど……
私の今のポジションって何なのかしら?
役所員かと言えば、毎朝登庁するわけではないし、たまに外国から客が来て、その対応をするから外交員かしら?
そんなことを考えながら、歯を磨いていると。リディアが急いで帰って来た。
「アルトラ! カイベル! また空が何か変だゾ!」
外に出てみると――
「カボチャ……?」
以前のお盆の時のような奇妙な光景が広がっていた。
複数の大きめのカボチャが空に浮かんでいる。
「アルトラ、あれ何ダ? また何か変なの来たゾ?」
「そ、そうだね……」
見るからに異様な光景だ……お盆で一度経験しているから、あの時ほどの衝撃は無いが……
戸惑いながらも、地球でカボチャが関係する行事を思い浮かべる。
今日は十月三十一日。
海外で言うところの日本のお盆に当たる日、そう、ハロウィンだ!
地獄の門から亡者が出て行くのが見える。よく見るとお盆の時はほとんど日本人だったけど、今回はほとんどが外国人。
「彼らはハロウィンってお祭りで地球に帰る人たちなのよ」
「この間のキュウリとかナスが飛んできたやつと同じカ?」
「詳しくは知らないけど、多分そんな感じかな」
今日もケルベロスは、行儀良くお辞儀をして亡者たちを送り出している。
今回はキュウリやナスの代わりに、顔の付いたカボチャやシーツを被ったような見た目のお化け、コウモリなんかが、亡者を迎えに来ているみたいだ。
空からカボチャのランタンのようなものが降りて来て、亡者を空に開いた次元の穴へ連れて行く。
あ、よく見ると今回も名札付いてるわ。
英語だから私には読みづらいけど――
『Million・Smith』
『Billion・Johnson』
『Trillion・Williams』
『Quadrillion・Brown』
・
・
・
『Goldman・Davis』
『Silverman・Davis』
『Copperman・Davis』
・
・
『Diamond・Platinum・Mirror』
一番最後すっげぇキラキラネームだわ……まさにキラキラしたネーム! そんな名前付けられたら身体自体が輝きを発しそうだ。
三人名字が一緒の人がいるけど、あれは兄弟で盗賊団でもやってたのかしら? 三兄弟で地獄行きなんて……なんて親不孝者たち……!
「アルトラは今回地球へ行かないのカ?」
リディア……お盆の時、私が地球へ帰れたと思ってるのかしら? (第105話参照)
「今回は私の故郷のお祭りじゃないからね。私は関係ないかな」
地球に居ればこの時分、渋谷はコスプレした人たちでお祭り騒ぎね。
感染症が収まっていればだけど……
そうだ! この土地でもハロウィンを根付かせよう!
十月三十一日から十一月一日の役所業務終了時間までに、役所に来た子供たちには、お菓子の詰め合わせをプレゼントするって書いて回覧板を回しておこう。
子供の年齢は…………この町の子たちって自分の年齢わかってるのかしら?
まあ、いいや、子供に見える子には全員にあげよう。ちょっと大人に見える子も、子供とつるんでるならあげよう。
基準はナナトスかな。確か彼はオルシンジテンによると十五歳だったはずだから、彼以下に見える子にはあげるとしようか。
回覧板には『トリックオアトリート』と合言葉を言うことを明記。
そして配るお菓子、これは私が創成魔法で作る。
ハロウィンだけの大盤振る舞いだ!
配られた子たちの笑顔が目に浮かぶ。
早速、創成魔法でお菓子を作る。
作るお菓子は日本で売られてたものを参考にしよう。
『ベビーアスターラーメン』、『チョコ木刀』、『ビッグカツる』、『チョロルチョコ』、『うっまい棒』、『レタス太郎』、『ポテ~トチップス』、『ポッキン』、『バルーンガム』、『はっちゃんタコ』、『たけのこの林』、『きのこの森』
これだけ入れれば、十分おたのしみ袋と言えるだろう。
まあ……どれもこれも本家に比べれば味が劣るけど、私がイメージしなければならない性質上それは仕方ない。食べたのもしばらく前になるから完全にはイメージし切れないし。
魔界で食べる分には比較対象も無いし、特に問題無いでしょう。
早速、即日回覧板を回した――
リディアは今日も朝早くから外へ出て行く準備をしている。
「じゃあ、遊びに行ってくるナ!」
遊びにばっか行ってるけど……そろそろ勉強もした方が良いな。
通貨制度の次は学校を作ることを考えないといけないかな。
まあ……私も定職に就いてるわけではないから強く言えないんだけど……
私の今のポジションって何なのかしら?
役所員かと言えば、毎朝登庁するわけではないし、たまに外国から客が来て、その対応をするから外交員かしら?
そんなことを考えながら、歯を磨いていると。リディアが急いで帰って来た。
「アルトラ! カイベル! また空が何か変だゾ!」
外に出てみると――
「カボチャ……?」
以前のお盆の時のような奇妙な光景が広がっていた。
複数の大きめのカボチャが空に浮かんでいる。
「アルトラ、あれ何ダ? また何か変なの来たゾ?」
「そ、そうだね……」
見るからに異様な光景だ……お盆で一度経験しているから、あの時ほどの衝撃は無いが……
戸惑いながらも、地球でカボチャが関係する行事を思い浮かべる。
今日は十月三十一日。
海外で言うところの日本のお盆に当たる日、そう、ハロウィンだ!
地獄の門から亡者が出て行くのが見える。よく見るとお盆の時はほとんど日本人だったけど、今回はほとんどが外国人。
「彼らはハロウィンってお祭りで地球に帰る人たちなのよ」
「この間のキュウリとかナスが飛んできたやつと同じカ?」
「詳しくは知らないけど、多分そんな感じかな」
今日もケルベロスは、行儀良くお辞儀をして亡者たちを送り出している。
今回はキュウリやナスの代わりに、顔の付いたカボチャやシーツを被ったような見た目のお化け、コウモリなんかが、亡者を迎えに来ているみたいだ。
空からカボチャのランタンのようなものが降りて来て、亡者を空に開いた次元の穴へ連れて行く。
あ、よく見ると今回も名札付いてるわ。
英語だから私には読みづらいけど――
『Million・Smith』
『Billion・Johnson』
『Trillion・Williams』
『Quadrillion・Brown』
・
・
・
『Goldman・Davis』
『Silverman・Davis』
『Copperman・Davis』
・
・
『Diamond・Platinum・Mirror』
一番最後すっげぇキラキラネームだわ……まさにキラキラしたネーム! そんな名前付けられたら身体自体が輝きを発しそうだ。
三人名字が一緒の人がいるけど、あれは兄弟で盗賊団でもやってたのかしら? 三兄弟で地獄行きなんて……なんて親不孝者たち……!
「アルトラは今回地球へ行かないのカ?」
リディア……お盆の時、私が地球へ帰れたと思ってるのかしら? (第105話参照)
「今回は私の故郷のお祭りじゃないからね。私は関係ないかな」
地球に居ればこの時分、渋谷はコスプレした人たちでお祭り騒ぎね。
感染症が収まっていればだけど……
そうだ! この土地でもハロウィンを根付かせよう!
十月三十一日から十一月一日の役所業務終了時間までに、役所に来た子供たちには、お菓子の詰め合わせをプレゼントするって書いて回覧板を回しておこう。
子供の年齢は…………この町の子たちって自分の年齢わかってるのかしら?
まあ、いいや、子供に見える子には全員にあげよう。ちょっと大人に見える子も、子供とつるんでるならあげよう。
基準はナナトスかな。確か彼はオルシンジテンによると十五歳だったはずだから、彼以下に見える子にはあげるとしようか。
回覧板には『トリックオアトリート』と合言葉を言うことを明記。
そして配るお菓子、これは私が創成魔法で作る。
ハロウィンだけの大盤振る舞いだ!
配られた子たちの笑顔が目に浮かぶ。
早速、創成魔法でお菓子を作る。
作るお菓子は日本で売られてたものを参考にしよう。
『ベビーアスターラーメン』、『チョコ木刀』、『ビッグカツる』、『チョロルチョコ』、『うっまい棒』、『レタス太郎』、『ポテ~トチップス』、『ポッキン』、『バルーンガム』、『はっちゃんタコ』、『たけのこの林』、『きのこの森』
これだけ入れれば、十分おたのしみ袋と言えるだろう。
まあ……どれもこれも本家に比べれば味が劣るけど、私がイメージしなければならない性質上それは仕方ない。食べたのもしばらく前になるから完全にはイメージし切れないし。
魔界で食べる分には比較対象も無いし、特に問題無いでしょう。
早速、即日回覧板を回した――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
63
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる