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第7章 川完成編
第172話 正式な名前が決定した!
しおりを挟む「あ、凄く良い響きのやつ見つけましたよ 『プラスアルトラ!』」
「おお! 凄く良い名前キタ! でも……残念ながらどこかで聞いたことあるからダメね」
『わたくしが来た!』のあの人が思い浮かぶ……
それを聞いてリーヴァントがあからさまに沈んだ。
「え? これリーヴァントの投票したもの?」
「そうです……書き綴るとこういう文字になるのですが……」
『Plus Ultra!』
「うん、余計ダメだね」
それはモロに『俺のヒーローアカデミー』のキャッチフレーズだからね。
それに、私の頭文字の綴り『U』じゃなくて『A』だからね。『Altra』だから。
しかも、その末尾の『!』はなに?
「『漢の村』」
う~ん……ムサそうな村だ……
これは多分――
塩作り三兄弟ね……
と思いながらイチトスの方を見る。
「イチトス、これあなたたちよね?」
「よくわかりましたね! 流石はアルトラ様!」
ここぞとばかりに筋肉を見せびらかす。
あまりナナトスを笑えない気がする……
「『銘酒の村 (希望)』」
「あー、これは多分父さんたちの誰かだね。作業してない時は四人集まってお酒ばっか飲んでるから」
まだこの村で酒なんか作られてないのに……『銘酒』とは、気の早い名前だ……
「『おかしていこく』」
全部ひらがな……漢字にすると『お菓子帝国』って感じかな?
これは……リディアっぽいな。お菓子ばっか好んで食べるし。
願望が滲み出て……いや、全面に出ている……
クラーケンのくせに、今現在ごくごくたまにしか手に入らない貴重な魚料理を、なぜか嫌って中々食べないという意味がわからない状態になっている。クラーケン形態の時はあんなにバリバリ貪り食ってたのに……
多分人型になっているから、骨とかが喉にひっかかって、骨を取りながら食べるのが面倒なんだろう。私も生前は同じ理由で魚は敬遠するきらいがあった。骨の有るサンマは面倒で嫌いだが、骨の無いサンマは大好きだ! もう魚は全部、骨の無い状態で海を泳いででほしいくらいだ。
今? 今は骨が喉に刺さることなんかないから骨ごと丸のみよ。
「『リーヴァント村』」
「これもあなた?」
「いえ……私ではありません。と言うか恐れ多くて村に自分の名前など付けられませんよ」
「じゃあ、誰かリーヴァントのことを好きな人が入れたのかな?」
「私にもファンがいるんですかね!」
「いるんじゃないかな? これだけ村に尽力してくれてるんだから」
奥さんって線もあるけど……
「あ、もう一つありましたよ『リーヴァント村』」
「おお……私に二票も……」
感極まってる……
これはきっと奥さん以外の誰かが投票したものね。
二票のうち一方は子供みたいな字だけど……誰だろう?
「あ、こっちにももう二票あります」
『リーヴァント村』は四票だった。
「『トーマスハーレム王国』」
「トーマスーッ!!」
「今度は私じゃないですよ……何よりもそんな恥ずかしい名前付けようなんて思いません」
「あ、違うの? 早とちりした、ごめんね……」
「トーマスさん、ファンが多いみたいですから、ファンの誰かかもしれませんね」
「あ、また出てきました『トーマスハーレム王国』」
「こっちにもあります」
「ええぇっ!!? 何で私の名前がそんなに……」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「数えてみたところ全部で二十枚ありますね。『アルトラ〇〇』、『地獄〇〇』に次ぐ三番目に多い名前ですよ!」
「トーマス、ファン凄いね!」
「え、ええ、そうですね……アハハ……」
ハーレム希望の女の子たちってことか。
美形が多い人魚族だから仕方ない……のか?
それにしても全部『トーマスハーレム王国』って、一字一句違いが無いってことは二十人が結託して投票したのかしら?
「トーマス、まさか……あちこち手を出してたりとかしてないよね?」
「断じてありません! わたくし心に決めた一人しか愛さないと決めておりますので! 何より騎士を辞めたとは言え、心は高潔な騎士ですので!」
「そこまで断言するなら信用しましょう」
「むしろ……アクアリヴィアではこれほどモテるということが無かったので、多少困惑しているくらいです……」
え!? その容姿で!?
あ、ああ、なるほど、アクアリヴィアでは美形の人魚族が普通にその辺にいるから、自分が美形の多い種族であることに気付かなかったのね。
でも、『困惑している』と言いつつも、少し嬉しそうにも見える。
ここまで、リーヴァントの『プラスアルトラ!』くらいしか良いのが無いな。
「『トロランド』」
「ト、ト、トロランド♪」って言うどこかで聞いたフレーズが頭に浮かぶ。
「『トローリア』」
「あ、この名前良いんじゃない? トロルの村でトローリア」
「良いですね!」
「ピッタリじゃないですか!」
「これにしよう! これにしよう!」
「いえ! ダメです!」
みんなが好感触の中、リーヴァントだけが異を唱えた。
「何でさ?」
「この村はアルトラ様が作ったようなものなので、『アルトラ要素』が入ってません」
「何よ、『アルトラ要素』って……そんなの別に入れなくても良いよ……」
「いえ、あなたはご自分の功績に気付いてないのです、この投票でも『アルトラ村』が多数を占めていたことからもわかると思いますが……七大魔王が作った国には魔王の名前の一部が組み込まれていますから、この村でもそれにならいましょう!」
いや、お金の時にも言ったけど、魔王と一緒にされても……そもそも支配規模が全然違うし……
「ですので、『アルトラ要素』は必要不可欠です!」
「それは絶対なの?」
「絶対です!」
この様子だと、他の名前では納得してもらえそうもないな……
「……わかったよ。でもこの先良いのが無ければ『トローリア』で決まりね」
「じゃあ、トローリアの最後が『ア』ですから、『トローリアルトラ』とかは?」
突然のクリスティンの提案に――
……
…………
………………
一同沈黙……
「ダメ……ですか?」
「変ね」
「変ですね」
「何だか溶けだしてるアルトラ様みたいですね」
「ですよね……私も思わず口に出しましたけど、口に出してから、変だな……と」
恥ずかしかったのか、耳を真っ赤にしながら顔を手で覆った。かわいい。
とは言え、もう残り少ないからそれほど良いものがあるとも思えない。
良い物が無ければ、『トローリア』で決まりかな。
「『アトマクド人X村』」
「何この謎の暗号みたいなの? どういう由来でこれになったの?」
「備考欄に書いてありますね。現在村に住んでいる種族の頭文字を取ったものだとか。『ト』はトロル、『マ』は人魚、『ク』はクラーケン、『ド』はドワーフ、『人』は人間、多分カイベルさんのことですね」
「最初の『ア』と最後の『X』は何?」
「『ア』はアルトラ様、『X』はフレハルさん達みたいです。フレハルさん達はまだ種族名を明かしてくれないのでとりあえず『X』をあてて、種族名がわかり次第入れ替えると書いてあります」
よく考えるわ……
本気で感心した。
いや、それよりもこれを投票した人から見たら、私の種族名は『アルトラ』なのか……?
「発想は面白いんだけど、それだとこの先、別の種族が住むことになった時に困りそうだから残念ながらダメかなぁ……」
「新しい種族が増えるごとに足して行けば良いんじゃないですか?」
「…………その調子で足して行って、雷の国の首都みたいに住民百万人とかになったら、種族名の頭文字取っただけでどれほどの文字数になると思う? 種族平均百人と考えても一万文字よ? 覚えられる? 現状と照らし合わせると一種族百人なんていないから、もっと凄い文字数になるかも」
「そ、それもそうですね……」
「それに新しい種族が増える度に、村の名前が変わることになってややこしくない?」
「たしかに……そうですね……」
地球で世界一長い首都名である、タイのバンコクの正式名称より圧倒的に長い名前になりそうだ……
まあ、住民百万人なんて到底行くことはないだろうけど。
「あ、これ凄く良い響きじゃないですか? 『アルトレリア』」
「アルトレリア!」
「良いですね! それ! 何かカッコイイ!」
「うん、良いんじゃないか?」
「リーヴァントさんは納得ですか?」
「素晴らしい名前ですね!」
「アルトラ様、どうですか?」
「うん、私も良いと思う」
全会一致で村の名前は『アルトレリア』に決定した。
やはり名前が私寄りで、少し気恥しいが、名前そのままじゃないだけ良い。
しばらくは後ろに『村』を付けて『アルトレリア村』を名乗ることにしよう。いや、先を見越して『アルトレリア町』を名乗るようにしよう。
浸透してきたら町を取って『アルトレリア』と呼べば良いだろう。出来ることなら後々は水の国アクアリヴィアみたいに『〇〇の町アルトレリア』って感じにしたいところね。
「じゃあ、明日、緊急集会を開いて発表しようと思う」
「あの~」
「なに?」
「式典とかやらないんですか?」
また式典!?
一週間前に川完成式典やったばっかなのに!?
「確かに! 川完成より、村の名前が変わる今回の方が重要な感じがしますね」
「良いですね! 今回も式典やりましょう!」
「え~~……」
めんどい~~……
「アルトラ様、重要なところはきちんと締めましょう!」
「…………そうね……じゃあ式典やろうか」
と言うことで、一週間後に村に対しての発表、及び、新しい町への門出を祝う式典が催される運びとなった。
名前が決まったから、これを書にしたためてもらおう。
私はあまり字が上手くないから、カイベルに書いてもら……おうと思ったのだが、やっぱり村民にお願いしようと思ってオルシンジテンにこの村で一番字が上手い人をピックアップしてもらった。
この村で一番字が上手いのは、『セキウン』という名前らしい。ちょうど書家のような名前だ。
一週間後の式典までに、新しい町の名前を書にしたためてもらうよう打診、了承を得た。
その翌日から、一週間かけて発表の舞台が組まれた。
「おお! 凄く良い名前キタ! でも……残念ながらどこかで聞いたことあるからダメね」
『わたくしが来た!』のあの人が思い浮かぶ……
それを聞いてリーヴァントがあからさまに沈んだ。
「え? これリーヴァントの投票したもの?」
「そうです……書き綴るとこういう文字になるのですが……」
『Plus Ultra!』
「うん、余計ダメだね」
それはモロに『俺のヒーローアカデミー』のキャッチフレーズだからね。
それに、私の頭文字の綴り『U』じゃなくて『A』だからね。『Altra』だから。
しかも、その末尾の『!』はなに?
「『漢の村』」
う~ん……ムサそうな村だ……
これは多分――
塩作り三兄弟ね……
と思いながらイチトスの方を見る。
「イチトス、これあなたたちよね?」
「よくわかりましたね! 流石はアルトラ様!」
ここぞとばかりに筋肉を見せびらかす。
あまりナナトスを笑えない気がする……
「『銘酒の村 (希望)』」
「あー、これは多分父さんたちの誰かだね。作業してない時は四人集まってお酒ばっか飲んでるから」
まだこの村で酒なんか作られてないのに……『銘酒』とは、気の早い名前だ……
「『おかしていこく』」
全部ひらがな……漢字にすると『お菓子帝国』って感じかな?
これは……リディアっぽいな。お菓子ばっか好んで食べるし。
願望が滲み出て……いや、全面に出ている……
クラーケンのくせに、今現在ごくごくたまにしか手に入らない貴重な魚料理を、なぜか嫌って中々食べないという意味がわからない状態になっている。クラーケン形態の時はあんなにバリバリ貪り食ってたのに……
多分人型になっているから、骨とかが喉にひっかかって、骨を取りながら食べるのが面倒なんだろう。私も生前は同じ理由で魚は敬遠するきらいがあった。骨の有るサンマは面倒で嫌いだが、骨の無いサンマは大好きだ! もう魚は全部、骨の無い状態で海を泳いででほしいくらいだ。
今? 今は骨が喉に刺さることなんかないから骨ごと丸のみよ。
「『リーヴァント村』」
「これもあなた?」
「いえ……私ではありません。と言うか恐れ多くて村に自分の名前など付けられませんよ」
「じゃあ、誰かリーヴァントのことを好きな人が入れたのかな?」
「私にもファンがいるんですかね!」
「いるんじゃないかな? これだけ村に尽力してくれてるんだから」
奥さんって線もあるけど……
「あ、もう一つありましたよ『リーヴァント村』」
「おお……私に二票も……」
感極まってる……
これはきっと奥さん以外の誰かが投票したものね。
二票のうち一方は子供みたいな字だけど……誰だろう?
「あ、こっちにももう二票あります」
『リーヴァント村』は四票だった。
「『トーマスハーレム王国』」
「トーマスーッ!!」
「今度は私じゃないですよ……何よりもそんな恥ずかしい名前付けようなんて思いません」
「あ、違うの? 早とちりした、ごめんね……」
「トーマスさん、ファンが多いみたいですから、ファンの誰かかもしれませんね」
「あ、また出てきました『トーマスハーレム王国』」
「こっちにもあります」
「ええぇっ!!? 何で私の名前がそんなに……」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「数えてみたところ全部で二十枚ありますね。『アルトラ〇〇』、『地獄〇〇』に次ぐ三番目に多い名前ですよ!」
「トーマス、ファン凄いね!」
「え、ええ、そうですね……アハハ……」
ハーレム希望の女の子たちってことか。
美形が多い人魚族だから仕方ない……のか?
それにしても全部『トーマスハーレム王国』って、一字一句違いが無いってことは二十人が結託して投票したのかしら?
「トーマス、まさか……あちこち手を出してたりとかしてないよね?」
「断じてありません! わたくし心に決めた一人しか愛さないと決めておりますので! 何より騎士を辞めたとは言え、心は高潔な騎士ですので!」
「そこまで断言するなら信用しましょう」
「むしろ……アクアリヴィアではこれほどモテるということが無かったので、多少困惑しているくらいです……」
え!? その容姿で!?
あ、ああ、なるほど、アクアリヴィアでは美形の人魚族が普通にその辺にいるから、自分が美形の多い種族であることに気付かなかったのね。
でも、『困惑している』と言いつつも、少し嬉しそうにも見える。
ここまで、リーヴァントの『プラスアルトラ!』くらいしか良いのが無いな。
「『トロランド』」
「ト、ト、トロランド♪」って言うどこかで聞いたフレーズが頭に浮かぶ。
「『トローリア』」
「あ、この名前良いんじゃない? トロルの村でトローリア」
「良いですね!」
「ピッタリじゃないですか!」
「これにしよう! これにしよう!」
「いえ! ダメです!」
みんなが好感触の中、リーヴァントだけが異を唱えた。
「何でさ?」
「この村はアルトラ様が作ったようなものなので、『アルトラ要素』が入ってません」
「何よ、『アルトラ要素』って……そんなの別に入れなくても良いよ……」
「いえ、あなたはご自分の功績に気付いてないのです、この投票でも『アルトラ村』が多数を占めていたことからもわかると思いますが……七大魔王が作った国には魔王の名前の一部が組み込まれていますから、この村でもそれにならいましょう!」
いや、お金の時にも言ったけど、魔王と一緒にされても……そもそも支配規模が全然違うし……
「ですので、『アルトラ要素』は必要不可欠です!」
「それは絶対なの?」
「絶対です!」
この様子だと、他の名前では納得してもらえそうもないな……
「……わかったよ。でもこの先良いのが無ければ『トローリア』で決まりね」
「じゃあ、トローリアの最後が『ア』ですから、『トローリアルトラ』とかは?」
突然のクリスティンの提案に――
……
…………
………………
一同沈黙……
「ダメ……ですか?」
「変ね」
「変ですね」
「何だか溶けだしてるアルトラ様みたいですね」
「ですよね……私も思わず口に出しましたけど、口に出してから、変だな……と」
恥ずかしかったのか、耳を真っ赤にしながら顔を手で覆った。かわいい。
とは言え、もう残り少ないからそれほど良いものがあるとも思えない。
良い物が無ければ、『トローリア』で決まりかな。
「『アトマクド人X村』」
「何この謎の暗号みたいなの? どういう由来でこれになったの?」
「備考欄に書いてありますね。現在村に住んでいる種族の頭文字を取ったものだとか。『ト』はトロル、『マ』は人魚、『ク』はクラーケン、『ド』はドワーフ、『人』は人間、多分カイベルさんのことですね」
「最初の『ア』と最後の『X』は何?」
「『ア』はアルトラ様、『X』はフレハルさん達みたいです。フレハルさん達はまだ種族名を明かしてくれないのでとりあえず『X』をあてて、種族名がわかり次第入れ替えると書いてあります」
よく考えるわ……
本気で感心した。
いや、それよりもこれを投票した人から見たら、私の種族名は『アルトラ』なのか……?
「発想は面白いんだけど、それだとこの先、別の種族が住むことになった時に困りそうだから残念ながらダメかなぁ……」
「新しい種族が増えるごとに足して行けば良いんじゃないですか?」
「…………その調子で足して行って、雷の国の首都みたいに住民百万人とかになったら、種族名の頭文字取っただけでどれほどの文字数になると思う? 種族平均百人と考えても一万文字よ? 覚えられる? 現状と照らし合わせると一種族百人なんていないから、もっと凄い文字数になるかも」
「そ、それもそうですね……」
「それに新しい種族が増える度に、村の名前が変わることになってややこしくない?」
「たしかに……そうですね……」
地球で世界一長い首都名である、タイのバンコクの正式名称より圧倒的に長い名前になりそうだ……
まあ、住民百万人なんて到底行くことはないだろうけど。
「あ、これ凄く良い響きじゃないですか? 『アルトレリア』」
「アルトレリア!」
「良いですね! それ! 何かカッコイイ!」
「うん、良いんじゃないか?」
「リーヴァントさんは納得ですか?」
「素晴らしい名前ですね!」
「アルトラ様、どうですか?」
「うん、私も良いと思う」
全会一致で村の名前は『アルトレリア』に決定した。
やはり名前が私寄りで、少し気恥しいが、名前そのままじゃないだけ良い。
しばらくは後ろに『村』を付けて『アルトレリア村』を名乗ることにしよう。いや、先を見越して『アルトレリア町』を名乗るようにしよう。
浸透してきたら町を取って『アルトレリア』と呼べば良いだろう。出来ることなら後々は水の国アクアリヴィアみたいに『〇〇の町アルトレリア』って感じにしたいところね。
「じゃあ、明日、緊急集会を開いて発表しようと思う」
「あの~」
「なに?」
「式典とかやらないんですか?」
また式典!?
一週間前に川完成式典やったばっかなのに!?
「確かに! 川完成より、村の名前が変わる今回の方が重要な感じがしますね」
「良いですね! 今回も式典やりましょう!」
「え~~……」
めんどい~~……
「アルトラ様、重要なところはきちんと締めましょう!」
「…………そうね……じゃあ式典やろうか」
と言うことで、一週間後に村に対しての発表、及び、新しい町への門出を祝う式典が催される運びとなった。
名前が決まったから、これを書にしたためてもらおう。
私はあまり字が上手くないから、カイベルに書いてもら……おうと思ったのだが、やっぱり村民にお願いしようと思ってオルシンジテンにこの村で一番字が上手い人をピックアップしてもらった。
この村で一番字が上手いのは、『セキウン』という名前らしい。ちょうど書家のような名前だ。
一週間後の式典までに、新しい町の名前を書にしたためてもらうよう打診、了承を得た。
その翌日から、一週間かけて発表の舞台が組まれた。
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