172 / 533
第7章 川完成編
第171話 正式な村の名前を決めるため、投票を行った!
しおりを挟む
川完成から一週間、散歩するたびに、紙を目の前にペンを持って考え込んでいる人をよく見るようになった。
みんな真剣に考えてるのね。
私も何か考えなきゃいけないのかな? という気になってくる。
まあ、私は主催だから、一週間後を楽しみにしながら待とうか。
そしてあっという間に一週間が経過――
五ヶ所に設置されていた投票箱が回収された。
投票箱の中身を確認するため、役所の一部屋に集まる。
集められたのは、私、トロル村のリーダー・リーヴァント、副リーダー・キャンフィールド、ルーク、イチトス、副リーダーに加え村の女性代表も兼ねたクリスティン、異種族代表レッドドラゴン族のアリサ、人魚族のトーマス、ドワーフ族のヤポーニャさん。
この人選はいずれも、『種族の中で常識的』であると判断したため。トーマスは現状村に一人しかいない人魚族だから自動的に選ばれた。ドワーフは他四人だと考え方に偏りがありそうだからヤポーニャさんを選んだ。
同じく村に一人しかいないクラーケンのリディアだが、一応声はかけてみたが、彼女は今日も友達のところへ遊びに行っている。大人の集まりに呼ばれるより、同年代の子たちと遊んでいる方が楽しいという理由。この場に集められたところで「つまんなイ……」と言うであろうことが目に浮かぶ。まあ当然と言えば当然か。
フレアハルトも元・王子であるという立場だったので呼んでいたのだが、何やら緊急で赤龍峰の方に呼ばれているということで、泣く泣くあちらへ行ったとか。出奔という形になっているとは言え、一応認められて家を出てるからか族長さんには頭が上がらないらしい。
「さて、どんなのがあるかな?」
机の上で各投票箱をひっくり返す。
「結構投票されたね」
「じゃあ、さっそく見てみましょうか」
投票箱から乱雑に放り出された紙を無作為に一枚手に取って開いてみる。
「『アルトラ村』……」
ある程度予想はしてたけど、自分の名前が村の名前になっている……
「『アルトラ村』、『アルトラ村』、『アルトラの村』……これめちゃくちゃ多いわね。あ、これだけ『アルトラ町』になってる」
「こっちにもちょっと違うのがありますよ。『アルトラ街』」
「あ、これ王国になってます。『アルトラ王国』」
数えたところ、百二票あった。そのうち、『アルトラ町』と『アルトラ街』、『アルトラ王国』、『帝都アルトラ』が一票ずつ。
帝都って、どこのよ?
あれ? この村の人数……確か千人弱だったと思ったけど……十人に一人が『アルトラ〇〇』を書いたってこと? いや、一人何票も書いてるかもしれないから、必ずしもそうとは言い切れないけど……それにしても多い。
単純に私が領主だからこその名前か? それとも人気ゆえか? フフッ
「では、それに決定ということで」
「「「異議なし!!」」」
「待て待て待て待て! 早い早い!!」
リーヴァントが早々に締めようとしたため、慌てて制止する。
「一番多いものにするのではないのですか?」
「確かに私が領主ってことになってるけど、あまりにも直接的過ぎてこれはダメかな……私としても名前そのままなのは何だか恥ずかしい」
「そうですか、分かり易くて良いと思ったのですが……では次を見てみましょう」
「次に多いのが頭に『地獄』って付く名前ですね。『地獄村』――」
まあ、立地的に地獄の地名は入ってるかなとは思った。
「『地獄の番村』」
地獄の番犬ならぬ番村か。
「『地獄に一番近い村』」
そうだけども……嫌な名前ね……臭い息とか吐くやつが出そう……
「『地獄極楽村』」
どっち?
でも温泉とか作ると、この名前は似合いそう。
「『地獄温泉村 (予定)』」
直前ので温泉とか作ると名前が似合いそうなんて考えたけど、温泉はまだ無い!
何だよ『予定』って! まだ温泉が出るかどうかすら不透明だし、予定すら無いよ!
意欲は買うけど……
「『地獄』関連は、『アルトラ村』に次いで六十四票ありました」
「まあ……却下だよね……『地獄』なんて付く村に寄り付きたくないし……」
もう頭に『地獄』って付くだけで、ラスボスの周辺感漂うわね……じゃあ、領主の私はラスボスか?
「あ、逆のやつが出てきましたよ! 『天国に一番近い村』」
いや、逆に天国から最も縁遠いんだけど……
多分、投票したのは『地獄に一番近い村』と同じ人かな……
地獄に一番近いから、せめて名前だけでも天国にしたいってことなのかな?
「『ナナトス王国』 もうこれ誰が書いたか丸わかりね……却下と」
王国でもないし……せめてナナトス村だろと。
「ははは! ナナトスらしいですね」
笑いごとじゃないぞイチトス? あなたの弟よ?
「『うるおいの村』」
自然豊かそうで良い名前ね。お肌にも良さそうな名前なんだけど、隣に水の国があるから霞んじゃうね。
「『ふもとの村』」
どこのだよ!? せめて赤龍峰麓の村とかだろ!
「こんなの出てきたよ 『フレアハルト帝国』 これ赤龍峰に棲んでるって伝説がある赤竜王の名前だよね? こっち来てまだそんなに経たないけど、聞き覚えあるよ」
「誰が書いたんでしょう? 赤竜王を崇めてる人? 昔は恐怖の対象で、現在も名前くらいは恐怖の対象としてわずかながら残ってますけど、今は麓に下りてくることも、姿を見ることもないですよね」
いや、すでに麓に下りて来まくりなんだけど……何なら既に村に住んでるんだけど……
小声でアリサに話しかける。
「あれ書いたのあなた?」
「いえ……わたくしは投票してません」
「だとしたら……」
「多分フレハル様でしょうね……目立ちたがりですので……」
正体明かせないから、鬱憤晴らしに自分の名前書いて投票したのか……? 『王国』じゃなくて『帝国』にしてるところが何とも言えないわ……
「もしくは、レイアの悪ふざけの可能性もありますけど……」
そっちの線もあり得るのか……
ん?
「『悪ふざけ』って……敬意での投稿ではないの?」
「レイアはフレハル様が、アルトラ様にバカにされるのを楽しんでるフシがありますから」
私、バカにしてたかしら? ちょっと言動に注意しないといけないわね。
「アリサは?」
「わたくしは……フフッ、フレハル様が楽しんでおられるようで満足しておりますよ。あの方が楽しんでるのが最優先ですから」
側近の鑑だわ!
でも、お姉さんかお母さんみたいな視点て見てるわけね……
「『どうぶつ王国』」
動物か……この辺りにいるのはガルム、ピビッグ、二角ウサギ、あとたまに鳥が飛んでくる……
どうぶつ王国って言うほど動物いねぇし!
「『ガルムの村』」
その名前だとガルムに乗っ取られてない?
「『わんわん村』」
確かにケルベロスとかガルムとか犬系のモンスター多いけど……もう何か悪ふざけ入って来た……
「ん? 何これ?」
投票用紙には見えない八つ折りにされたでかい紙が出てきた。開いて中を見ると――
「でっかい紙に肉球のスタンプ? 朱印? いや、黒い塗料だから黒印か」
子供が書いたらしき文字。
きちんと『び考らん』と、ひらがなと漢字混じりで書かれた備考欄が設けられており、そこに『ケルベロスから』って書いてあるわ。
多分毎朝ケルベロスと戯れに来るリディアの友達のあの子らね。
これを代弁するなら『肉球村』ってところかしら。
犬関係が続いている。
「『聖剣の村』 あ、備考欄に但し書きがありますよ。『後々聖剣が発掘される予定』」
「聖剣……聖剣って発掘されるものなのかしら? 誰だこれ書いたの……」
「あ、すみません……」
トーマス、お前か……
「アルトラ様なら作れるかなと。もしくは、偶然にも聖剣が発掘されたら良いな~……なんて」
騎士だから聖剣に憧れとかがあるのかしら? 魔界で聖剣か。魔界だから魔剣が良いってわけじゃないのね……
何か功を挙げたら作ってあげようかしら?
光属性の剣くらいなら作れそうだけど。
ここまでイマイチなのとふざけてるのしか無いな……
みんな真剣に考えてるのね。
私も何か考えなきゃいけないのかな? という気になってくる。
まあ、私は主催だから、一週間後を楽しみにしながら待とうか。
そしてあっという間に一週間が経過――
五ヶ所に設置されていた投票箱が回収された。
投票箱の中身を確認するため、役所の一部屋に集まる。
集められたのは、私、トロル村のリーダー・リーヴァント、副リーダー・キャンフィールド、ルーク、イチトス、副リーダーに加え村の女性代表も兼ねたクリスティン、異種族代表レッドドラゴン族のアリサ、人魚族のトーマス、ドワーフ族のヤポーニャさん。
この人選はいずれも、『種族の中で常識的』であると判断したため。トーマスは現状村に一人しかいない人魚族だから自動的に選ばれた。ドワーフは他四人だと考え方に偏りがありそうだからヤポーニャさんを選んだ。
同じく村に一人しかいないクラーケンのリディアだが、一応声はかけてみたが、彼女は今日も友達のところへ遊びに行っている。大人の集まりに呼ばれるより、同年代の子たちと遊んでいる方が楽しいという理由。この場に集められたところで「つまんなイ……」と言うであろうことが目に浮かぶ。まあ当然と言えば当然か。
フレアハルトも元・王子であるという立場だったので呼んでいたのだが、何やら緊急で赤龍峰の方に呼ばれているということで、泣く泣くあちらへ行ったとか。出奔という形になっているとは言え、一応認められて家を出てるからか族長さんには頭が上がらないらしい。
「さて、どんなのがあるかな?」
机の上で各投票箱をひっくり返す。
「結構投票されたね」
「じゃあ、さっそく見てみましょうか」
投票箱から乱雑に放り出された紙を無作為に一枚手に取って開いてみる。
「『アルトラ村』……」
ある程度予想はしてたけど、自分の名前が村の名前になっている……
「『アルトラ村』、『アルトラ村』、『アルトラの村』……これめちゃくちゃ多いわね。あ、これだけ『アルトラ町』になってる」
「こっちにもちょっと違うのがありますよ。『アルトラ街』」
「あ、これ王国になってます。『アルトラ王国』」
数えたところ、百二票あった。そのうち、『アルトラ町』と『アルトラ街』、『アルトラ王国』、『帝都アルトラ』が一票ずつ。
帝都って、どこのよ?
あれ? この村の人数……確か千人弱だったと思ったけど……十人に一人が『アルトラ〇〇』を書いたってこと? いや、一人何票も書いてるかもしれないから、必ずしもそうとは言い切れないけど……それにしても多い。
単純に私が領主だからこその名前か? それとも人気ゆえか? フフッ
「では、それに決定ということで」
「「「異議なし!!」」」
「待て待て待て待て! 早い早い!!」
リーヴァントが早々に締めようとしたため、慌てて制止する。
「一番多いものにするのではないのですか?」
「確かに私が領主ってことになってるけど、あまりにも直接的過ぎてこれはダメかな……私としても名前そのままなのは何だか恥ずかしい」
「そうですか、分かり易くて良いと思ったのですが……では次を見てみましょう」
「次に多いのが頭に『地獄』って付く名前ですね。『地獄村』――」
まあ、立地的に地獄の地名は入ってるかなとは思った。
「『地獄の番村』」
地獄の番犬ならぬ番村か。
「『地獄に一番近い村』」
そうだけども……嫌な名前ね……臭い息とか吐くやつが出そう……
「『地獄極楽村』」
どっち?
でも温泉とか作ると、この名前は似合いそう。
「『地獄温泉村 (予定)』」
直前ので温泉とか作ると名前が似合いそうなんて考えたけど、温泉はまだ無い!
何だよ『予定』って! まだ温泉が出るかどうかすら不透明だし、予定すら無いよ!
意欲は買うけど……
「『地獄』関連は、『アルトラ村』に次いで六十四票ありました」
「まあ……却下だよね……『地獄』なんて付く村に寄り付きたくないし……」
もう頭に『地獄』って付くだけで、ラスボスの周辺感漂うわね……じゃあ、領主の私はラスボスか?
「あ、逆のやつが出てきましたよ! 『天国に一番近い村』」
いや、逆に天国から最も縁遠いんだけど……
多分、投票したのは『地獄に一番近い村』と同じ人かな……
地獄に一番近いから、せめて名前だけでも天国にしたいってことなのかな?
「『ナナトス王国』 もうこれ誰が書いたか丸わかりね……却下と」
王国でもないし……せめてナナトス村だろと。
「ははは! ナナトスらしいですね」
笑いごとじゃないぞイチトス? あなたの弟よ?
「『うるおいの村』」
自然豊かそうで良い名前ね。お肌にも良さそうな名前なんだけど、隣に水の国があるから霞んじゃうね。
「『ふもとの村』」
どこのだよ!? せめて赤龍峰麓の村とかだろ!
「こんなの出てきたよ 『フレアハルト帝国』 これ赤龍峰に棲んでるって伝説がある赤竜王の名前だよね? こっち来てまだそんなに経たないけど、聞き覚えあるよ」
「誰が書いたんでしょう? 赤竜王を崇めてる人? 昔は恐怖の対象で、現在も名前くらいは恐怖の対象としてわずかながら残ってますけど、今は麓に下りてくることも、姿を見ることもないですよね」
いや、すでに麓に下りて来まくりなんだけど……何なら既に村に住んでるんだけど……
小声でアリサに話しかける。
「あれ書いたのあなた?」
「いえ……わたくしは投票してません」
「だとしたら……」
「多分フレハル様でしょうね……目立ちたがりですので……」
正体明かせないから、鬱憤晴らしに自分の名前書いて投票したのか……? 『王国』じゃなくて『帝国』にしてるところが何とも言えないわ……
「もしくは、レイアの悪ふざけの可能性もありますけど……」
そっちの線もあり得るのか……
ん?
「『悪ふざけ』って……敬意での投稿ではないの?」
「レイアはフレハル様が、アルトラ様にバカにされるのを楽しんでるフシがありますから」
私、バカにしてたかしら? ちょっと言動に注意しないといけないわね。
「アリサは?」
「わたくしは……フフッ、フレハル様が楽しんでおられるようで満足しておりますよ。あの方が楽しんでるのが最優先ですから」
側近の鑑だわ!
でも、お姉さんかお母さんみたいな視点て見てるわけね……
「『どうぶつ王国』」
動物か……この辺りにいるのはガルム、ピビッグ、二角ウサギ、あとたまに鳥が飛んでくる……
どうぶつ王国って言うほど動物いねぇし!
「『ガルムの村』」
その名前だとガルムに乗っ取られてない?
「『わんわん村』」
確かにケルベロスとかガルムとか犬系のモンスター多いけど……もう何か悪ふざけ入って来た……
「ん? 何これ?」
投票用紙には見えない八つ折りにされたでかい紙が出てきた。開いて中を見ると――
「でっかい紙に肉球のスタンプ? 朱印? いや、黒い塗料だから黒印か」
子供が書いたらしき文字。
きちんと『び考らん』と、ひらがなと漢字混じりで書かれた備考欄が設けられており、そこに『ケルベロスから』って書いてあるわ。
多分毎朝ケルベロスと戯れに来るリディアの友達のあの子らね。
これを代弁するなら『肉球村』ってところかしら。
犬関係が続いている。
「『聖剣の村』 あ、備考欄に但し書きがありますよ。『後々聖剣が発掘される予定』」
「聖剣……聖剣って発掘されるものなのかしら? 誰だこれ書いたの……」
「あ、すみません……」
トーマス、お前か……
「アルトラ様なら作れるかなと。もしくは、偶然にも聖剣が発掘されたら良いな~……なんて」
騎士だから聖剣に憧れとかがあるのかしら? 魔界で聖剣か。魔界だから魔剣が良いってわけじゃないのね……
何か功を挙げたら作ってあげようかしら?
光属性の剣くらいなら作れそうだけど。
ここまでイマイチなのとふざけてるのしか無いな……
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる