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第7章 川完成編
第165話 一歩進んで五歩退がるくん
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ゴーレムに畑を守らせるようになってから、しばらく経って――
メイフィーがまた困りごとで訪れた。
「で、今度はどうしたの?」
「ガルムがゴーレムの対処法を覚えてしまったみたいで……」
「えっ!? あれに対処法があるの!?」
寝耳に水だ。鉄壁の守りだと思ってたのに……土だけど。
色んな漫画やアニメ見てきたけど、ゴーレムって言ったら大抵遺跡とか守ってて、無生物のため痛みも無く、指定したものを絶対服従で守るという性質から、壊すくらいしか止める方法が無いのに、どうやって?
「はい……ゴーレムは動きが緩慢なので、一匹または少数で付かず離れずおびき出して、その間に別の個体が畑を荒らしてました……」
そんな弱点が……
「最終的に畑にゴーレムが全くいない状態になってまして……」
「八体全部おびき出されたの!?」
「はい……」
「ど……どこまで誘い出されてたの?」
「生態調査組が見つけたみたいですが、私が聞いて確認した範囲だと、十キロくらい離れたところからトボトボと畑に戻ってくるところを目撃したみたいです。見つけた当初は何でそんなところに居るのかと疑問に思ってたそうですが、後々その原因が判明した次第です……」
ってことは……少なくとも十キロ以上付かず離れずを繰り返してたってことか……
思いも寄らない対処法を考えたもんだ……
随分と気の長り方法でおびき出したものね……
そんなに頭良いのか、あの狼……
「じゃあ、また何か考えておくよ……」
三日後――
う~ん……思い浮かばない……やっぱり柵を立てるくらいしかないかな……
でも、魔界の生物って、人間界と比べるとでかいやつもいるのよね……柵立てた程度で対処できるかどうか……
……
…………
………………
あ、一つ思い浮かんだ。
また創成魔法の出番だ。
ガルムが畑に踏み込んだ瞬間に、他の場所へ転送させる仕掛けを作ろう。
空間魔法の応用だ!
早速四隅に設置する『のような形をした魔道具を作成。
一つが親機で、三つが子機。これを四つ一組で使用する。説明はのちほど。
早速畑へ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「あ、アルトラ様、こんにちは! ここへ来たということは対処法が出来たってことですか?」
「うん、まあ上手く想定通りに行くかどうかわからないけど、とりあえず考えてきたよ。名付けて『一歩進んで五歩退がるくん』」
「……名前、カッコ悪いです……」
「…………やっぱりそうかな? じゃあ……まあ分かりやすいように『一進五退装置』で良いか。アールシア、ジーメリー、ビーメイヤ、これ持ってここ以外の畑の四隅に置いて来て。置く時の向きに注意してね」
この三人は役所長代理の時にメイフィーと一緒に開墾の手伝いを迫って来た三人。大体三人一緒にいることが多い。その名前からR・G・Bと覚えている。
(第151話の依頼達成記録を参照)
「どういう向きに置くんですか?」
「畑を囲めるような向きで置いて、直角の角が外側に向くような形で」
「「「わかりました」」」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「置いてきました」
「置いてきたよ」
「こっちもOKです」
「三人ともご苦労様」
「それで、何をするんですか?」
「ここにあるのが今持ってってもらった魔道具の親機ね。この間のゴーレムの時の魔道具と同じように、これも蓋を開けて中に物を入れられるようになってる」
「ふむふむ、それでどうなるんですか?」
「じゃあ、また実演しましょうか。メイフィー、髪の毛を」
「どうぞ」
今度は不思議そうな顔をせずに、すぐに渡してくれた。
魔道具の蓋を開けて中に髪の毛を入れる。
「じゃあ、畑に入ろうとしてみて」
「畑に入ろうと? 足を踏み入れるだけですか?」
「そう」
「じゃあ入りますよ」
畑に一歩足を踏み入れようとした瞬間。転送、今メイフィーが居た場所から二メートルほど後ろに転送された。
「あれ? 気のせいか、ちょっと後ろに下がった感じがするんですけど……いや! 何か畑がさっきより遠くに見えます! 気のせいじゃなくて実際に後ろに下がってます! どういうことですか?」
メイフィーが自分の身に何が起こったかわからず、疑問を口にする。
「この魔道具の中に爪とかの身体の一部を入れた生物と同じ種類の生物が、四つの魔道具で囲んだところへ侵入しようとすると二メートルくらい後ろへ転送される仕組み。空間魔法の応用ね」
「うーん、説明聞いてもよく分からないんですけど……」
「つまり、畑に足を踏み入れようとしても前へ行くことはできず、五歩下がるみたいなイメージかな。だから絶対に中には入れない。横から見てた三人ならどうなってるか分かったんじゃない?」
メイフィーの実験の様子を観察していた三人に訊ねる。
「メイフィーさんが畑に入った瞬間にすぐ後ろへ瞬間移動しました……」
「そうなの? 自分だけだと後ろに下がってるかどうか実感しづらいですね……」
「じゃあ、他人がどうなってるか見てみたら早いんじゃない? アールシア、ジーメリー、ビーメイヤも試してみたら?」
「メイフィーさんの髪の毛なのに、私たちにも効果があるんですか?」
「前回の魔道具と同じで、これも個々人を識別するように作ってない。だからあの中からメイフィーの髪の毛を取り出さなければ、トロル族は全員畑に入れないよ」
そこへ農作業しにニートスが来た。
「アルトラ様、こんにちは」
畑に入ろうとすると――
二メートル手前に転送された。
「凄い! ホントに二メートル手前に瞬間移動してますね!」
ニートスを横から見ていて自分がどうなっていたか理解したメイフィー。
その一方で――
「ん? あれ? どういうことだ?」
――自分の置かれている状況が理解できていないニートス。
再び歩を進めるものの、また二メートル手前へ転送。
「畑に入れない? 入っても元の場所に戻ってくる? アルトラ様、また何かやったんですか!?」
“また”って何よ。
「害獣対策よ。入れなければ畑を荒らされることもないでしょ?」
「ど、どうやって入るんですか!? 私は害獣ではないですよ!? 我々が入れなければ耕作が出来ないじゃないですか!?」
「大丈夫、魔道具の中から髪の毛を取り出せば、入れるから」
メイフィーの髪の毛を取り出して、交換でガルムの爪を入れておく。
「これなら畑を荒らされることがなくなりますね!」
「じゃあ、これも実際にどうなるか夜に確認しておこうか」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
その夜。
「あ、来ましたよ」
「あいつら毎夜来てるのね……」
『今日は来なかったね、良かったね』って日が無いのが何とも言えないわ……
「成長促進魔法があるので、毎日何かしら作物が出来てますからね」
う~ん、便利な世界。人間界にも欲しい、成長促進魔法。
「今日はゴーレムを片付けたので、逆にちょっと警戒してますね。昨日まであったゴーレムが無くなってるので不信がってるみたいです」
中々畑へ侵入しようとはしないらしい。
「私にはよく見えないからまた実況してもらえる? あ、いや待って、近くがよく見える魔法を使う」
地球のアニメ見るのによく利用する『千里眼』を応用しよう。
目の前に空間魔法のモニターのようなものを出し、ガルムの近くだけ映るように設定する。
「空間魔法の一種ですか? ガルムの様子が間近で見えるなんて便利な魔法ですね!」
「真っ暗だけどメイフィー見えてるの? これだけ近くを映してても、私には暗すぎて薄っすらとしか見えないな。ちょっと明度とコントラストを上げよう」
光魔法を足して、明度とコントラストをコントロール。かなりクッキリ見えるようになった。
「わ! 凄く良く見えるようになりましたね! 私の目でもここまでクッキリ見えないですよ! あ、畑に入りますよ!」
「すぐに後ろへ転送されたね。ガルムの動きが止まった」
「何が起こったかわからなくて思考停止してるんですかね?」
畑に侵入したはずだから、頭の中では畑の中にいると思っているのに、現実は畑の外側にいるから何が起こったのか脳で処理し切れてないのかな?
「転送された一匹もですけど、その周りのやつらも狼狽えてますね」
「全員が顔を見合わせてるね。私、獣同士が顔を見合わせてるの初めて見たよ!」
それくらい不思議な現象が起こったと思ってるわけね。
「今度は集団で侵入を試みましたよ!」
「全員転送されて、わけがわからないって顔をしてるね」
「あ、畑の側面に回りましたよ。別の場所から侵入しようとしてるんですかね?」
「どこから入ろうとしても、同じ結果になるだけなのにね」
その後も何度か侵入を試みるものの、毎回侵入を試みた場所へ戻ってくるため、最終的には諦めて帰った。
「よし! 今度は成功だ!」
「ありがとうございました。これで安心して作物を育てられますよ!」
これでガルムに悩まされることも無くなるでしょう。
メイフィーがまた困りごとで訪れた。
「で、今度はどうしたの?」
「ガルムがゴーレムの対処法を覚えてしまったみたいで……」
「えっ!? あれに対処法があるの!?」
寝耳に水だ。鉄壁の守りだと思ってたのに……土だけど。
色んな漫画やアニメ見てきたけど、ゴーレムって言ったら大抵遺跡とか守ってて、無生物のため痛みも無く、指定したものを絶対服従で守るという性質から、壊すくらいしか止める方法が無いのに、どうやって?
「はい……ゴーレムは動きが緩慢なので、一匹または少数で付かず離れずおびき出して、その間に別の個体が畑を荒らしてました……」
そんな弱点が……
「最終的に畑にゴーレムが全くいない状態になってまして……」
「八体全部おびき出されたの!?」
「はい……」
「ど……どこまで誘い出されてたの?」
「生態調査組が見つけたみたいですが、私が聞いて確認した範囲だと、十キロくらい離れたところからトボトボと畑に戻ってくるところを目撃したみたいです。見つけた当初は何でそんなところに居るのかと疑問に思ってたそうですが、後々その原因が判明した次第です……」
ってことは……少なくとも十キロ以上付かず離れずを繰り返してたってことか……
思いも寄らない対処法を考えたもんだ……
随分と気の長り方法でおびき出したものね……
そんなに頭良いのか、あの狼……
「じゃあ、また何か考えておくよ……」
三日後――
う~ん……思い浮かばない……やっぱり柵を立てるくらいしかないかな……
でも、魔界の生物って、人間界と比べるとでかいやつもいるのよね……柵立てた程度で対処できるかどうか……
……
…………
………………
あ、一つ思い浮かんだ。
また創成魔法の出番だ。
ガルムが畑に踏み込んだ瞬間に、他の場所へ転送させる仕掛けを作ろう。
空間魔法の応用だ!
早速四隅に設置する『のような形をした魔道具を作成。
一つが親機で、三つが子機。これを四つ一組で使用する。説明はのちほど。
早速畑へ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「あ、アルトラ様、こんにちは! ここへ来たということは対処法が出来たってことですか?」
「うん、まあ上手く想定通りに行くかどうかわからないけど、とりあえず考えてきたよ。名付けて『一歩進んで五歩退がるくん』」
「……名前、カッコ悪いです……」
「…………やっぱりそうかな? じゃあ……まあ分かりやすいように『一進五退装置』で良いか。アールシア、ジーメリー、ビーメイヤ、これ持ってここ以外の畑の四隅に置いて来て。置く時の向きに注意してね」
この三人は役所長代理の時にメイフィーと一緒に開墾の手伝いを迫って来た三人。大体三人一緒にいることが多い。その名前からR・G・Bと覚えている。
(第151話の依頼達成記録を参照)
「どういう向きに置くんですか?」
「畑を囲めるような向きで置いて、直角の角が外側に向くような形で」
「「「わかりました」」」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「置いてきました」
「置いてきたよ」
「こっちもOKです」
「三人ともご苦労様」
「それで、何をするんですか?」
「ここにあるのが今持ってってもらった魔道具の親機ね。この間のゴーレムの時の魔道具と同じように、これも蓋を開けて中に物を入れられるようになってる」
「ふむふむ、それでどうなるんですか?」
「じゃあ、また実演しましょうか。メイフィー、髪の毛を」
「どうぞ」
今度は不思議そうな顔をせずに、すぐに渡してくれた。
魔道具の蓋を開けて中に髪の毛を入れる。
「じゃあ、畑に入ろうとしてみて」
「畑に入ろうと? 足を踏み入れるだけですか?」
「そう」
「じゃあ入りますよ」
畑に一歩足を踏み入れようとした瞬間。転送、今メイフィーが居た場所から二メートルほど後ろに転送された。
「あれ? 気のせいか、ちょっと後ろに下がった感じがするんですけど……いや! 何か畑がさっきより遠くに見えます! 気のせいじゃなくて実際に後ろに下がってます! どういうことですか?」
メイフィーが自分の身に何が起こったかわからず、疑問を口にする。
「この魔道具の中に爪とかの身体の一部を入れた生物と同じ種類の生物が、四つの魔道具で囲んだところへ侵入しようとすると二メートルくらい後ろへ転送される仕組み。空間魔法の応用ね」
「うーん、説明聞いてもよく分からないんですけど……」
「つまり、畑に足を踏み入れようとしても前へ行くことはできず、五歩下がるみたいなイメージかな。だから絶対に中には入れない。横から見てた三人ならどうなってるか分かったんじゃない?」
メイフィーの実験の様子を観察していた三人に訊ねる。
「メイフィーさんが畑に入った瞬間にすぐ後ろへ瞬間移動しました……」
「そうなの? 自分だけだと後ろに下がってるかどうか実感しづらいですね……」
「じゃあ、他人がどうなってるか見てみたら早いんじゃない? アールシア、ジーメリー、ビーメイヤも試してみたら?」
「メイフィーさんの髪の毛なのに、私たちにも効果があるんですか?」
「前回の魔道具と同じで、これも個々人を識別するように作ってない。だからあの中からメイフィーの髪の毛を取り出さなければ、トロル族は全員畑に入れないよ」
そこへ農作業しにニートスが来た。
「アルトラ様、こんにちは」
畑に入ろうとすると――
二メートル手前に転送された。
「凄い! ホントに二メートル手前に瞬間移動してますね!」
ニートスを横から見ていて自分がどうなっていたか理解したメイフィー。
その一方で――
「ん? あれ? どういうことだ?」
――自分の置かれている状況が理解できていないニートス。
再び歩を進めるものの、また二メートル手前へ転送。
「畑に入れない? 入っても元の場所に戻ってくる? アルトラ様、また何かやったんですか!?」
“また”って何よ。
「害獣対策よ。入れなければ畑を荒らされることもないでしょ?」
「ど、どうやって入るんですか!? 私は害獣ではないですよ!? 我々が入れなければ耕作が出来ないじゃないですか!?」
「大丈夫、魔道具の中から髪の毛を取り出せば、入れるから」
メイフィーの髪の毛を取り出して、交換でガルムの爪を入れておく。
「これなら畑を荒らされることがなくなりますね!」
「じゃあ、これも実際にどうなるか夜に確認しておこうか」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
その夜。
「あ、来ましたよ」
「あいつら毎夜来てるのね……」
『今日は来なかったね、良かったね』って日が無いのが何とも言えないわ……
「成長促進魔法があるので、毎日何かしら作物が出来てますからね」
う~ん、便利な世界。人間界にも欲しい、成長促進魔法。
「今日はゴーレムを片付けたので、逆にちょっと警戒してますね。昨日まであったゴーレムが無くなってるので不信がってるみたいです」
中々畑へ侵入しようとはしないらしい。
「私にはよく見えないからまた実況してもらえる? あ、いや待って、近くがよく見える魔法を使う」
地球のアニメ見るのによく利用する『千里眼』を応用しよう。
目の前に空間魔法のモニターのようなものを出し、ガルムの近くだけ映るように設定する。
「空間魔法の一種ですか? ガルムの様子が間近で見えるなんて便利な魔法ですね!」
「真っ暗だけどメイフィー見えてるの? これだけ近くを映してても、私には暗すぎて薄っすらとしか見えないな。ちょっと明度とコントラストを上げよう」
光魔法を足して、明度とコントラストをコントロール。かなりクッキリ見えるようになった。
「わ! 凄く良く見えるようになりましたね! 私の目でもここまでクッキリ見えないですよ! あ、畑に入りますよ!」
「すぐに後ろへ転送されたね。ガルムの動きが止まった」
「何が起こったかわからなくて思考停止してるんですかね?」
畑に侵入したはずだから、頭の中では畑の中にいると思っているのに、現実は畑の外側にいるから何が起こったのか脳で処理し切れてないのかな?
「転送された一匹もですけど、その周りのやつらも狼狽えてますね」
「全員が顔を見合わせてるね。私、獣同士が顔を見合わせてるの初めて見たよ!」
それくらい不思議な現象が起こったと思ってるわけね。
「今度は集団で侵入を試みましたよ!」
「全員転送されて、わけがわからないって顔をしてるね」
「あ、畑の側面に回りましたよ。別の場所から侵入しようとしてるんですかね?」
「どこから入ろうとしても、同じ結果になるだけなのにね」
その後も何度か侵入を試みるものの、毎回侵入を試みた場所へ戻ってくるため、最終的には諦めて帰った。
「よし! 今度は成功だ!」
「ありがとうございました。これで安心して作物を育てられますよ!」
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