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第7章 川完成編
第159話 スライムによる水浄化実験 その2
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「見つけてきました」
「お前それ……」
「まさかそれを入れるのか?」
「はい、これもちゃんと実験しておかないと、スライムが浄化してくれるかわからないので」
探してきたのは、獣の糞。最近獣の種類が増えたからガルムのものかピビッグのものか、はたまた他の獣のものなのか、何のものかは定かじゃないけど。
恐らくこれには寄生虫みたいなものも含まれている可能性があるから、これが浄化されれば、もうほとんど完全と言って良いくらい問題が無くなる。
「…………自分のか?」
「違いますよ! 最近その辺に増えてきた獣のものです!」
「それを入れられるスライムが気の毒だな……」
でも、浄水施設にしろ、下水施設にしろ、この近くに獣がいる限りこういうのが混入しないとも限らない。
ここはアクアリヴィアのように洗練されている都市というわけではないから、都市部に比べれば混入の可能性はかなり高いと思う。
「じゃあ、入れまーす」
例の“ブツ”をスライムに乗せると――
瞬く間に取り込み、すぐさま分解してしまった。
出て来た水は少量。元々こういうのも食料にしている生物だから、分解できないはずはなかった。
ただ、普通のスライムなら以前戦った巨大スライムのように徐々に変色していってしまうけど、この変異させたスライムは透明を保っている。
(第74話参照)
「身体は全く濁らないな。こいつを施設で使っても見た目上は問題無さそうだ。細菌やらウィルスやら寄生虫やらがいないかどうかコイツの分泌液を調べよう。そういえば、生物の死体とかはどうなんだ? ちゃんと分解されるのか?」
「じゃあ試してみましょうか」
亜空間収納ポケットからガルムの死体を取り出す。
「お前さん……そんなにストックしてるのか?」
「ええ、まあ……この中腐らないので……」
「死体だぞ?」
「まあ、それでもお肉なので。殺してしまった以上はちゃんと食べてあげるのが供養かなと。他にもカトブレパスやイクシオン、デンキヒツジなんかがありますけど、酒の肴にどうですか? もしものための保存用なので大量にとはいきませんけど、少量なら分けますよ?」
「お、くれるのか? どれも仕留めにくい上に外国産の生物でアクアリヴィアじゃ高級品だからな、じゃあ後で少し分けてくれ」
「じゃあ後ほど」
取り出したガルムの腕を切り落として、スライムに乗せる。
「一瞬ではないがジワジワ分解してるな。また下から分泌液が出てる。これも採取しておくか。分解途中のものも一応調べておいた方が良い。腐った肉とかならどうなんだろうな?」
それは流石に亜空間収納ポケットにもストックが無い。
「腐った死体が無いか、ちょっと探してきます」
ゲートで村の外へ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
三十分後――
「見つけてきました!」
「お前さん、苦手なもの無いのか? “獣のアレ”とか“腐ったソレ”とか普通に探して持ってくるが……」
「そりゃあ、素手で触るのは嫌ですけど……手につかなければそれほどでも」
創成魔法でゴム手袋を作り、採取作業が終わったら焼却処分している。これの素材となるものは私自身の魔力だから焼却したとて、資源が減るわけではない。
「まあいい、さっきのガルムの腕はお前さんがいない間に骨だけになったぞ」
分解能力結構凄いな……
たった三十分で骨だけになるとは……
残っている骨も入れた時と比べるとかなり縮んでいる気がする。
「じゃあこの腐ったお肉も入れますよ?」
「ああ」
ほとんど入れたと同時に分解された。やっぱり柔らかくなってるからかな?
「問題無さそうだな。また分泌液が出てるな。ワシが調べたいのは新鮮な死体より、むしろ腐ってる方の死体だからな。こっちの分泌液に異常があればスライムを浄水施設で使えなくなるしな。これも採取、っと。石みたいな無機物はどうなんだろうな?」
「入れてみますか?」
近くにある少し大きめの石を掴んでスライムに入れてみた。
「反応してるぞ? コイツ石まで溶かすのか?」
「わかりません。…………と思ったら反応が無くなりましたね。無機物はお気に召さないみたいですね」
周りの土は少量だから食べてしまったのか、石はそのままの形で残った。むしろ余分なものが全部食べられて、宝石並みに……とはいかないが、随分ピカピカな状態で出て来た。
試しにスライムの上に大量に土をかけてみたところ、半分以上が下から排出された。どうやら少量なら食べてるのかもしれない。もしくは厳選して自分が好きな土だけ食べてるか。
………………その結果、もう一度水槽を綺麗にする必要に駆られた。水滴もきちんと全部拭く。
「布とか皮とか金属とかも試しておくか」
金属を入れたところ、全く形が変わらずそのまま残った。金属も石同様汚れが取れてピッカピカ。これ、もしかして洗濯も可能なんじゃない?
と思ったのも束の間――
布や皮を入れてみたところ、これらは生物由来だから分解されてしまった……これは洗濯には向かないな……
あ、これアレだ、ちょっとエッチな漫画や凄くエッチな漫画に出てくる服だけ都合良く溶かすスライムそのものだ。
思わぬモンスターが生まれてしまったかもしれない…………いや、私は分解能力までいじってないから、普通のスライムもこんな感じなんだろう。むしろ亜人が食べられなくなっただけマシになったと言えるかも。
……いや、分解能力が上がってないはずない。たった三十分で骨になってるなら、以前巨大スライムの捕えられた子供達が無傷で済むはずがない!
“常に清浄を保つ”という条件が、もしかしたら分解能力を上げてしまったのかもしれない。
「これはどうだろうな?」
フロセルさんが、どこからか誰かの髪の毛と埃が混じったもの持って来た。
「多分髪の毛は残るんじゃないですかね? 亜人のものですし。試してみましょう。あっ、一瞬で消えましたね。あれ? 髪の毛まで無い」
意外だった。
亜人の髪の毛だから消化はされないかと思ったけど、もう元々の持ち主にくっ付いてなくて、生体反応が無いから、ただのゴミと判断したのかな?
「これならコンクリの貯水槽に入れておけるな。ただ、石を食べないとなるとそれを回収するための沈殿槽とかは必要になってくるかもな」
「アルトラよ? これって亜人は絶対に食べないんだよな? じゃあ腕を入れても大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思いますけど……」
「とりゃ!」
という掛け声と共にスライムに腕を突っ込む。
ルドルフさんの悪ふざけが始まった……
「ぐああぁぁぁ!!!」
ルドルフさんの突然の悲鳴。
え? どうしたの? 亜人は食べられないはずなのに……
まさか、私の創成魔法による変質が甘かった!? さっき入れた亜人の髪の毛が無くなったのはそういうこと!?
泡も出てる! ホントに溶かされてるんだ!
「ルドルフさん!? 早く腕を抜いて!」
「抜けん!! ぐぁあぁあぁ!!」
まずい、こうなったら私が手を突っ込んで内側から破裂させて……
「な~んちゃって!」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「ビックリしたか? がっはっは! いや~ホントに溶けんな!」
「………………どういうこと?」
「何事も実証してみないとわからんだろ?」
「腕は溶けてなかったの?」
「何ともないな、むしろ突っ込んでる間心地いいくらいだったぞ。何か別のことに使えるんじゃないか? 例えばリラクゼーション施設とか」
「出て来てた泡は?」
「知らん。体に付いてた小さい微生物か菌か何かを食ってたんじゃないか? 掘削作業で体に土が付いとるからそれかもしれんな」
ちょっと待てよ……? ってことは亜人に付いてる常在菌とかまで食べるのかしら? それはちょっとまずいかも。
人間のケースで言うなら常在菌が存在しないと抵抗力が弱くなるって話を聞いたことがある。亜人と人間を同じ状態と考えて良いかはわからないけど、もしかしたらこのスライムに接触した亜人は病気になりやすくなってしまうかもしれない。
これは亜人由来の菌も食べないように変質させて……いや亜人に“くっ付いてる菌”を食べないように変質させておこう。
“亜人由来の菌”でくくると、亜人の身体を離れて毒化した菌 (黄色ブドウ球菌とか)も食べてくれなくなりそうだし。
そんな考えを巡らせていると、ヘパイトスさんが無言でルドルフさんに近付いて――
ゴツンッ!!
「痛ってぇ!! 何するんだ親方!!」
「おふざけが過ぎる!」
全くだ! ホントに腕が溶けてるかと思ったわ!
でもわざわざ実証してくれたお蔭で、亜人は食べられないことが証明された。こういう実験ものでは、誰を実験体に選ぶか毎回悩むから、率先してやってくれたのはありがたい。
「お前は今日一日酒無しだ!」
「えっ!? それは勘弁してくれ!」
「さて細菌やらウィルスやら寄生虫やらがいないかどうか、さっきコイツから採取した分泌液を調べよう。ちょっとドワーフ小屋までゲートで送ってくれ」
「わかりました」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
少しして、結果がわかったらしい。
「まっっったく問題無い! スライムの分泌液とは思えない! 完全に浄水だな! ただ純水にまで浄化されているから、本来水に含まれているナトリウムやカルシウムその他を足してやる必要があるな。それと水が腐らないための次亜塩素酸カルシウム、まあ消毒薬だな」
あ、消毒薬はやっぱり必要なのね……出来ることなら薬は無しで行きたかったけど……残念。
「しかし、俺たちもこれからこいつを捕まえて使おうと思うくらい優れた浄化能力だ」
「途中でう〇こ入ったとは思えねぇな」
それを口に出さないで!
実験の結果、ドワーフたちにもお墨付きもらうことができ、浄水施設、下水施設にはスライムを使うことになった。
その際、『亜人に“くっ付いてる菌”を食べないようにする』という条件を組み込んで変質させた。同じくアクアリヴィアのスライムも同じように変質させに行って来た。
「お前それ……」
「まさかそれを入れるのか?」
「はい、これもちゃんと実験しておかないと、スライムが浄化してくれるかわからないので」
探してきたのは、獣の糞。最近獣の種類が増えたからガルムのものかピビッグのものか、はたまた他の獣のものなのか、何のものかは定かじゃないけど。
恐らくこれには寄生虫みたいなものも含まれている可能性があるから、これが浄化されれば、もうほとんど完全と言って良いくらい問題が無くなる。
「…………自分のか?」
「違いますよ! 最近その辺に増えてきた獣のものです!」
「それを入れられるスライムが気の毒だな……」
でも、浄水施設にしろ、下水施設にしろ、この近くに獣がいる限りこういうのが混入しないとも限らない。
ここはアクアリヴィアのように洗練されている都市というわけではないから、都市部に比べれば混入の可能性はかなり高いと思う。
「じゃあ、入れまーす」
例の“ブツ”をスライムに乗せると――
瞬く間に取り込み、すぐさま分解してしまった。
出て来た水は少量。元々こういうのも食料にしている生物だから、分解できないはずはなかった。
ただ、普通のスライムなら以前戦った巨大スライムのように徐々に変色していってしまうけど、この変異させたスライムは透明を保っている。
(第74話参照)
「身体は全く濁らないな。こいつを施設で使っても見た目上は問題無さそうだ。細菌やらウィルスやら寄生虫やらがいないかどうかコイツの分泌液を調べよう。そういえば、生物の死体とかはどうなんだ? ちゃんと分解されるのか?」
「じゃあ試してみましょうか」
亜空間収納ポケットからガルムの死体を取り出す。
「お前さん……そんなにストックしてるのか?」
「ええ、まあ……この中腐らないので……」
「死体だぞ?」
「まあ、それでもお肉なので。殺してしまった以上はちゃんと食べてあげるのが供養かなと。他にもカトブレパスやイクシオン、デンキヒツジなんかがありますけど、酒の肴にどうですか? もしものための保存用なので大量にとはいきませんけど、少量なら分けますよ?」
「お、くれるのか? どれも仕留めにくい上に外国産の生物でアクアリヴィアじゃ高級品だからな、じゃあ後で少し分けてくれ」
「じゃあ後ほど」
取り出したガルムの腕を切り落として、スライムに乗せる。
「一瞬ではないがジワジワ分解してるな。また下から分泌液が出てる。これも採取しておくか。分解途中のものも一応調べておいた方が良い。腐った肉とかならどうなんだろうな?」
それは流石に亜空間収納ポケットにもストックが無い。
「腐った死体が無いか、ちょっと探してきます」
ゲートで村の外へ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
三十分後――
「見つけてきました!」
「お前さん、苦手なもの無いのか? “獣のアレ”とか“腐ったソレ”とか普通に探して持ってくるが……」
「そりゃあ、素手で触るのは嫌ですけど……手につかなければそれほどでも」
創成魔法でゴム手袋を作り、採取作業が終わったら焼却処分している。これの素材となるものは私自身の魔力だから焼却したとて、資源が減るわけではない。
「まあいい、さっきのガルムの腕はお前さんがいない間に骨だけになったぞ」
分解能力結構凄いな……
たった三十分で骨だけになるとは……
残っている骨も入れた時と比べるとかなり縮んでいる気がする。
「じゃあこの腐ったお肉も入れますよ?」
「ああ」
ほとんど入れたと同時に分解された。やっぱり柔らかくなってるからかな?
「問題無さそうだな。また分泌液が出てるな。ワシが調べたいのは新鮮な死体より、むしろ腐ってる方の死体だからな。こっちの分泌液に異常があればスライムを浄水施設で使えなくなるしな。これも採取、っと。石みたいな無機物はどうなんだろうな?」
「入れてみますか?」
近くにある少し大きめの石を掴んでスライムに入れてみた。
「反応してるぞ? コイツ石まで溶かすのか?」
「わかりません。…………と思ったら反応が無くなりましたね。無機物はお気に召さないみたいですね」
周りの土は少量だから食べてしまったのか、石はそのままの形で残った。むしろ余分なものが全部食べられて、宝石並みに……とはいかないが、随分ピカピカな状態で出て来た。
試しにスライムの上に大量に土をかけてみたところ、半分以上が下から排出された。どうやら少量なら食べてるのかもしれない。もしくは厳選して自分が好きな土だけ食べてるか。
………………その結果、もう一度水槽を綺麗にする必要に駆られた。水滴もきちんと全部拭く。
「布とか皮とか金属とかも試しておくか」
金属を入れたところ、全く形が変わらずそのまま残った。金属も石同様汚れが取れてピッカピカ。これ、もしかして洗濯も可能なんじゃない?
と思ったのも束の間――
布や皮を入れてみたところ、これらは生物由来だから分解されてしまった……これは洗濯には向かないな……
あ、これアレだ、ちょっとエッチな漫画や凄くエッチな漫画に出てくる服だけ都合良く溶かすスライムそのものだ。
思わぬモンスターが生まれてしまったかもしれない…………いや、私は分解能力までいじってないから、普通のスライムもこんな感じなんだろう。むしろ亜人が食べられなくなっただけマシになったと言えるかも。
……いや、分解能力が上がってないはずない。たった三十分で骨になってるなら、以前巨大スライムの捕えられた子供達が無傷で済むはずがない!
“常に清浄を保つ”という条件が、もしかしたら分解能力を上げてしまったのかもしれない。
「これはどうだろうな?」
フロセルさんが、どこからか誰かの髪の毛と埃が混じったもの持って来た。
「多分髪の毛は残るんじゃないですかね? 亜人のものですし。試してみましょう。あっ、一瞬で消えましたね。あれ? 髪の毛まで無い」
意外だった。
亜人の髪の毛だから消化はされないかと思ったけど、もう元々の持ち主にくっ付いてなくて、生体反応が無いから、ただのゴミと判断したのかな?
「これならコンクリの貯水槽に入れておけるな。ただ、石を食べないとなるとそれを回収するための沈殿槽とかは必要になってくるかもな」
「アルトラよ? これって亜人は絶対に食べないんだよな? じゃあ腕を入れても大丈夫なのか?」
「大丈夫だと思いますけど……」
「とりゃ!」
という掛け声と共にスライムに腕を突っ込む。
ルドルフさんの悪ふざけが始まった……
「ぐああぁぁぁ!!!」
ルドルフさんの突然の悲鳴。
え? どうしたの? 亜人は食べられないはずなのに……
まさか、私の創成魔法による変質が甘かった!? さっき入れた亜人の髪の毛が無くなったのはそういうこと!?
泡も出てる! ホントに溶かされてるんだ!
「ルドルフさん!? 早く腕を抜いて!」
「抜けん!! ぐぁあぁあぁ!!」
まずい、こうなったら私が手を突っ込んで内側から破裂させて……
「な~んちゃって!」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「ビックリしたか? がっはっは! いや~ホントに溶けんな!」
「………………どういうこと?」
「何事も実証してみないとわからんだろ?」
「腕は溶けてなかったの?」
「何ともないな、むしろ突っ込んでる間心地いいくらいだったぞ。何か別のことに使えるんじゃないか? 例えばリラクゼーション施設とか」
「出て来てた泡は?」
「知らん。体に付いてた小さい微生物か菌か何かを食ってたんじゃないか? 掘削作業で体に土が付いとるからそれかもしれんな」
ちょっと待てよ……? ってことは亜人に付いてる常在菌とかまで食べるのかしら? それはちょっとまずいかも。
人間のケースで言うなら常在菌が存在しないと抵抗力が弱くなるって話を聞いたことがある。亜人と人間を同じ状態と考えて良いかはわからないけど、もしかしたらこのスライムに接触した亜人は病気になりやすくなってしまうかもしれない。
これは亜人由来の菌も食べないように変質させて……いや亜人に“くっ付いてる菌”を食べないように変質させておこう。
“亜人由来の菌”でくくると、亜人の身体を離れて毒化した菌 (黄色ブドウ球菌とか)も食べてくれなくなりそうだし。
そんな考えを巡らせていると、ヘパイトスさんが無言でルドルフさんに近付いて――
ゴツンッ!!
「痛ってぇ!! 何するんだ親方!!」
「おふざけが過ぎる!」
全くだ! ホントに腕が溶けてるかと思ったわ!
でもわざわざ実証してくれたお蔭で、亜人は食べられないことが証明された。こういう実験ものでは、誰を実験体に選ぶか毎回悩むから、率先してやってくれたのはありがたい。
「お前は今日一日酒無しだ!」
「えっ!? それは勘弁してくれ!」
「さて細菌やらウィルスやら寄生虫やらがいないかどうか、さっきコイツから採取した分泌液を調べよう。ちょっとドワーフ小屋までゲートで送ってくれ」
「わかりました」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
少しして、結果がわかったらしい。
「まっっったく問題無い! スライムの分泌液とは思えない! 完全に浄水だな! ただ純水にまで浄化されているから、本来水に含まれているナトリウムやカルシウムその他を足してやる必要があるな。それと水が腐らないための次亜塩素酸カルシウム、まあ消毒薬だな」
あ、消毒薬はやっぱり必要なのね……出来ることなら薬は無しで行きたかったけど……残念。
「しかし、俺たちもこれからこいつを捕まえて使おうと思うくらい優れた浄化能力だ」
「途中でう〇こ入ったとは思えねぇな」
それを口に出さないで!
実験の結果、ドワーフたちにもお墨付きもらうことができ、浄水施設、下水施設にはスライムを使うことになった。
その際、『亜人に“くっ付いてる菌”を食べないようにする』という条件を組み込んで変質させた。同じくアクアリヴィアのスライムも同じように変質させに行って来た。
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