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第6章 アルトラの村役所長代理編
第137話 おやすみリーヴァント
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雷の国から帰ったその日。
「リーヴァント、ただいま」
「アルトラ様、お帰りなさい。雷の国はいかがでしたか?」
「エネルギー技術が凄かった! 今後はあれを目指そうと思う! でもちょっと残念なお知らせがある……」
「どうかしたのですか?」
「雷の国首都を脅かす事態が発生してしまって、電気技師を借りてくる予定が、そういうわけにもいかなくなっちゃった」
「一体何が?」
リーヴァントに事の顛末を話した。
「それは……アルトラ様たちがご無事で何よりですね。電気については、もうしばしの間我慢してもらう他ないですね……」
「あ、それとまたお土産買って来たから、みんなで食べて」
「ありがたく頂きます」
う~ん……何か淡泊な対応なのよね……
あっ! 何か……目がおかしい!
最近淡泊な対応だったのはこれが原因か!
「リーヴァント! あなたちゃんと休んでる!?」
「ああ……いえ……もうやることが多くて……休んでいられません……」
しまった……全部この人に頼んでしまえばやってくれるって考えだったから、仕事を押し付け過ぎてたかもしれない。
もう大分前から疲れが出てたんだ!
これは副リーダーも数名選んでおかないといけないな。
しばらくは私がリーヴァントの替わりをするか。
「あなたには三日間の休養を命じます! それプラス明日一日休暇の準備日を設けるので、旅行の準備をしておいてください」
「は! いや、しかし……」
「今回雷の国のトラブルの解決に貢献したお蔭でお金も手に入ったので、アクアリヴィアにでも行って休暇を楽しんで来てください。それと後々この村でも通貨制度を導入しようと考えていますので、同時にお金による売買の仕方も学んで来てください」
「りょ、旅行ですか? 仕事を休んで? そんなことをして良いのでしょうか?」
何でこの村の各機関トップは進んでブラックになろうとするのかしら?
まあ、そもそも仕事を押し付け過ぎてた一因は私にもあるけど……
「仕事休んで心が咎めると思うなら、仕事だと思って売買の仕方を学んできてください。要は買い物して来いってこと」
「は、はぁ……」
「あとここ最近まで無休で食堂を切り盛りしてたハンバーム、役所仕事で連日あちこち駆り出されてたクリスティン、連日川づくりに励んでもらっているドワーフの方々とトロルの親方衆のダイクーとカペンタにも休んでもらいます。全員で休暇を楽しんで来てください」
アクアリヴィアに休暇に行かせるからとは言え、ドワーフは職人気質だから、休暇に適してるところなんてわからないだろう。レヴィに頼んで何とか良い人に案内をお願いしよう。
まあ、これは私見であり多少偏見入ってるけど……
上記の人たちにも、三日間プラス一日の休暇を命じた。
が、親方であるヘパイトスさん以外のドワーフ三人は「どうせ休むなら家で酒飲んでる方が良い」と旅行を拒否。
二ヶ月振りに息子や孫に会いたいと、ヘパイトスさんのみ参加となった。
アクアリヴィアへ行き、レヴィに今回の休暇のことについて打診。案内役を一人貸してくれることになった。
それと同時にアクアリヴィアのお金も必要と思い、雷の国のお金を今回お小遣いとして渡す予定の水の国のお金に換金。
この間の空間魔法災害の影響か、エレノルの価値が少し、いや結構下がっていた。
くっ、アスモが我が家に訪れたばかりの頃なら五千万エレノルが五千百万ウォルだったのに……今はウォル高になって、ちょっと損した感じがする……
あと、その日のうちに各所へのお土産の配布と、エルフィーレへ羊毛を渡しに行った。
もしこの羊毛が良さそうなら、今後アスモと交渉して、デンキヒツジから刈らせてもらうようにしよう。
準備日を一日設けて、その明くる日。
「準備は良いですかー?」
「「「はい」」」
あれ? おかしいな? 人間界では旅行なんてテンション上がるもんだけど、誰も彼も不安の顔しかしてない。
あ、今気付いたけど、ここにいる人たち全員真面目を絵に描いたような人たちばかりだ!
ナナトスみたいなのがおらん!
今からでもナナトスを付けておくか? 当日に話ても嬉々として参加してくれそうだ。
でも……帰って来たらリーヴァントが「ウェーイ」ってなってたら嫌だなぁ……
「み、みなさん、せっかくの休暇ですし、もうちょっと楽しい顔をして行きましょうよ!」
ハーフドワーフのヤポーニャさんが、士気を高めようとしてくれる。彼女は父のお付きに特別参加。「二ヶ月も離れちゃったから甥にも会いたい」と言っていた。
まあ、若い子もいるし彼女らに任せよう。
全員に宿泊料金一万五千ウォルプラスお小遣い二万ウォルを渡す。
「ああ、ワシは手持ちを使うからいらんよ」
「えっ? でも……」
「良いんだ、若いもんに負担をかけるわけにはいかん」
「わかりました」
ということで、ヘパイトスさんは宿泊料金、お小遣いを受け取らなかった。
「じゃあ、ゲートでアクアリヴィアに送りますよ。きちんと売買の仕方を学んで来てください」
ゲートを出してアクアリヴィアの広場へと繋げる。
そこに待っていたのは――
「リナさん!」
「アルトラ様、二ヶ月振りです!」
まだ、そんなに時間経ってないな……久しぶりってほどじゃない。
「あなたを付けてくれるんなら安心だわ」
「おう、ウォルタ家の嬢ちゃん、よろしく頼む!」
「リナさん、それじゃあ私は村の役所仕事代理をやらなければならないから、おしゃべりはまた今度ってことで、彼らのことお願いね」
「あ、その前に一つだけ、兄は元気ですか?」
「ええ、今は村の護衛や困りごとにも対応してくれて尽力してくれてるよ、こっちとしても凄く助かってる」
「それなら良かったです。案内の方はお任せください!」
旅行組のことはリナさんにお任せして、副リーダーを選出するために我が家へ戻る。
「カイベル、リディアは?」
「いつものお友達のところです」
よし、いないな。
「オルシンジテン起動、この村の副リーダーを四人決めたいと思う、誰が良いかピックアップしてもらえる?」
「了解しました」
予想では、全員役所で働いてる人だろうと思っていた。
ピックアップされたのは、クリスティン、ルーク、イチトス、キャンフィールド。
前三人は全員責任感が強そうだ。
イチトスはここ最近は見ないけど。掘削作業が終わって別のことやってるのかな?
最後のキャンフィールドは誰だろう? 私にとっては新顔だな。
クリスティンは休暇中だから、その他の三人に、副役所長をやってもらえないか打診してみよう。
ルークは、以前役所内で見かけたから、役所で聞けば誰か知ってるはず。
イチトスは、兄弟誰かしらに聞けばわかるだろう。
残りのキャンフィールドだけど……誰なんだこれは? 名前に聞き覚えも無いし、全く手がかりがない。
とりあえず副リーダーも二人いれば大丈夫でしょう。
手始めにルークとイチトスに声をかけよう。
クリスティンは旅行から帰って来た後、最後の四人目は現時点では保留ということで。
役所へやってきた。
「あ、アルトラ様こんにちは」
「今日から三日間、私が代理を務めます。よろしくお願いします」
「リーヴァントさんから聞いております。三日間よろしくお願いします」
「早速ですが、今まで役所仕事についてほぼリーヴァントに頼っていたので、この機に副役所長を決めたいと思います。責任感がある方にお願いしたいんだけど、どなたか推薦したい人とか、相応しそうな人っている?」
オルシンジテンによるピックアップのことは伏せておく。
「推薦……ですか。そうですねぇ……ルークさんとクリスティンさんが働き者ですよね。彼らなら責任感持ってやってくれると思います」
「役所外で誰か良い人いる?」
「イチトスさんを筆頭に、ニートスさん、サントスさんも真面目ですよ」
何で彼らの弟は、ああなったのかしら?
いや、あれはあれで立派な良いところか。コミュニケーション能力が高いというのは立派なポイントの一つだ。ちょっとウェイウェイし過ぎだけど……
でも、やっぱりオルシンジテンによるピックアップは間違いないかな?
「キャンフィールドさんって知ってる?」
「どなたですか?」
役所でも把握してないのか、謎の人物ね。
「じゃあ、ルークは今どこにいるかわかる?」
「村の道に植えた、街路樹の剪定に行ってますよ」
「わかった、ありがとう、ちょっと行ってみる」
少し役所から離れたところで、街路樹の剪定をしているルークを発見。
「ルーク!」
「あ、アルトラ様、こんにちは」
「今日はちょっとあなたに話があって来たの」
「アルトラ様が? 珍しいですね。大抵リーヴァントさんから指令が下りてくるんですけど」
リーヴァントに頼みすぎだな、私。
「今回は他でもない、あなたに副役所長をやってもらいたいと思って打診に来ました」
「僕が副役所長ですか!? 僕まだそれほど重要な役をやれるほど経験を重ねてはいませんが」
それは多分この村の人々全部が同じだと思う……
私の考えでは、この村の理性的な生活のスタートは『知性上昇 (大)』からよ、多分。
「役所の受付担当のマリリアに誰が良いか聞いたら、あなたを推薦されたからあなたにやってもらいたいと思って来たの」
「僕程度では戦力になんてならないかもしれませんけど……」
この子、話し方が自信無さげなのよね……ヨントス捜索の時パーティーの中で一人だけ石化しちゃったってところも関係してるのかしら?
私としては奮闘してくれてたと評価してるんだけど。
(第34話参照)
「大丈夫です! あなたは真面目で思いやりもあるので、副リーダーに適任です! 無理強いはしないけど、出来ることならやってほしいと思ってます」
「アルトラ様がそこまで言われるのなら……やってみようと思います」
「ホント? じゃあよろしくね! まあ、リーヴァントの補佐と、彼がいない時の代理くらいだし、副リーダーも四人選出する予定だから、そこまで負担に感じなくても大丈夫よ。あ、でも無理したりはしないように。体壊してしまったら元も子もないので」
「了解しました」
よし、これで今後のリーヴァントの負担が少し減った。
「リーヴァント、ただいま」
「アルトラ様、お帰りなさい。雷の国はいかがでしたか?」
「エネルギー技術が凄かった! 今後はあれを目指そうと思う! でもちょっと残念なお知らせがある……」
「どうかしたのですか?」
「雷の国首都を脅かす事態が発生してしまって、電気技師を借りてくる予定が、そういうわけにもいかなくなっちゃった」
「一体何が?」
リーヴァントに事の顛末を話した。
「それは……アルトラ様たちがご無事で何よりですね。電気については、もうしばしの間我慢してもらう他ないですね……」
「あ、それとまたお土産買って来たから、みんなで食べて」
「ありがたく頂きます」
う~ん……何か淡泊な対応なのよね……
あっ! 何か……目がおかしい!
最近淡泊な対応だったのはこれが原因か!
「リーヴァント! あなたちゃんと休んでる!?」
「ああ……いえ……もうやることが多くて……休んでいられません……」
しまった……全部この人に頼んでしまえばやってくれるって考えだったから、仕事を押し付け過ぎてたかもしれない。
もう大分前から疲れが出てたんだ!
これは副リーダーも数名選んでおかないといけないな。
しばらくは私がリーヴァントの替わりをするか。
「あなたには三日間の休養を命じます! それプラス明日一日休暇の準備日を設けるので、旅行の準備をしておいてください」
「は! いや、しかし……」
「今回雷の国のトラブルの解決に貢献したお蔭でお金も手に入ったので、アクアリヴィアにでも行って休暇を楽しんで来てください。それと後々この村でも通貨制度を導入しようと考えていますので、同時にお金による売買の仕方も学んで来てください」
「りょ、旅行ですか? 仕事を休んで? そんなことをして良いのでしょうか?」
何でこの村の各機関トップは進んでブラックになろうとするのかしら?
まあ、そもそも仕事を押し付け過ぎてた一因は私にもあるけど……
「仕事休んで心が咎めると思うなら、仕事だと思って売買の仕方を学んできてください。要は買い物して来いってこと」
「は、はぁ……」
「あとここ最近まで無休で食堂を切り盛りしてたハンバーム、役所仕事で連日あちこち駆り出されてたクリスティン、連日川づくりに励んでもらっているドワーフの方々とトロルの親方衆のダイクーとカペンタにも休んでもらいます。全員で休暇を楽しんで来てください」
アクアリヴィアに休暇に行かせるからとは言え、ドワーフは職人気質だから、休暇に適してるところなんてわからないだろう。レヴィに頼んで何とか良い人に案内をお願いしよう。
まあ、これは私見であり多少偏見入ってるけど……
上記の人たちにも、三日間プラス一日の休暇を命じた。
が、親方であるヘパイトスさん以外のドワーフ三人は「どうせ休むなら家で酒飲んでる方が良い」と旅行を拒否。
二ヶ月振りに息子や孫に会いたいと、ヘパイトスさんのみ参加となった。
アクアリヴィアへ行き、レヴィに今回の休暇のことについて打診。案内役を一人貸してくれることになった。
それと同時にアクアリヴィアのお金も必要と思い、雷の国のお金を今回お小遣いとして渡す予定の水の国のお金に換金。
この間の空間魔法災害の影響か、エレノルの価値が少し、いや結構下がっていた。
くっ、アスモが我が家に訪れたばかりの頃なら五千万エレノルが五千百万ウォルだったのに……今はウォル高になって、ちょっと損した感じがする……
あと、その日のうちに各所へのお土産の配布と、エルフィーレへ羊毛を渡しに行った。
もしこの羊毛が良さそうなら、今後アスモと交渉して、デンキヒツジから刈らせてもらうようにしよう。
準備日を一日設けて、その明くる日。
「準備は良いですかー?」
「「「はい」」」
あれ? おかしいな? 人間界では旅行なんてテンション上がるもんだけど、誰も彼も不安の顔しかしてない。
あ、今気付いたけど、ここにいる人たち全員真面目を絵に描いたような人たちばかりだ!
ナナトスみたいなのがおらん!
今からでもナナトスを付けておくか? 当日に話ても嬉々として参加してくれそうだ。
でも……帰って来たらリーヴァントが「ウェーイ」ってなってたら嫌だなぁ……
「み、みなさん、せっかくの休暇ですし、もうちょっと楽しい顔をして行きましょうよ!」
ハーフドワーフのヤポーニャさんが、士気を高めようとしてくれる。彼女は父のお付きに特別参加。「二ヶ月も離れちゃったから甥にも会いたい」と言っていた。
まあ、若い子もいるし彼女らに任せよう。
全員に宿泊料金一万五千ウォルプラスお小遣い二万ウォルを渡す。
「ああ、ワシは手持ちを使うからいらんよ」
「えっ? でも……」
「良いんだ、若いもんに負担をかけるわけにはいかん」
「わかりました」
ということで、ヘパイトスさんは宿泊料金、お小遣いを受け取らなかった。
「じゃあ、ゲートでアクアリヴィアに送りますよ。きちんと売買の仕方を学んで来てください」
ゲートを出してアクアリヴィアの広場へと繋げる。
そこに待っていたのは――
「リナさん!」
「アルトラ様、二ヶ月振りです!」
まだ、そんなに時間経ってないな……久しぶりってほどじゃない。
「あなたを付けてくれるんなら安心だわ」
「おう、ウォルタ家の嬢ちゃん、よろしく頼む!」
「リナさん、それじゃあ私は村の役所仕事代理をやらなければならないから、おしゃべりはまた今度ってことで、彼らのことお願いね」
「あ、その前に一つだけ、兄は元気ですか?」
「ええ、今は村の護衛や困りごとにも対応してくれて尽力してくれてるよ、こっちとしても凄く助かってる」
「それなら良かったです。案内の方はお任せください!」
旅行組のことはリナさんにお任せして、副リーダーを選出するために我が家へ戻る。
「カイベル、リディアは?」
「いつものお友達のところです」
よし、いないな。
「オルシンジテン起動、この村の副リーダーを四人決めたいと思う、誰が良いかピックアップしてもらえる?」
「了解しました」
予想では、全員役所で働いてる人だろうと思っていた。
ピックアップされたのは、クリスティン、ルーク、イチトス、キャンフィールド。
前三人は全員責任感が強そうだ。
イチトスはここ最近は見ないけど。掘削作業が終わって別のことやってるのかな?
最後のキャンフィールドは誰だろう? 私にとっては新顔だな。
クリスティンは休暇中だから、その他の三人に、副役所長をやってもらえないか打診してみよう。
ルークは、以前役所内で見かけたから、役所で聞けば誰か知ってるはず。
イチトスは、兄弟誰かしらに聞けばわかるだろう。
残りのキャンフィールドだけど……誰なんだこれは? 名前に聞き覚えも無いし、全く手がかりがない。
とりあえず副リーダーも二人いれば大丈夫でしょう。
手始めにルークとイチトスに声をかけよう。
クリスティンは旅行から帰って来た後、最後の四人目は現時点では保留ということで。
役所へやってきた。
「あ、アルトラ様こんにちは」
「今日から三日間、私が代理を務めます。よろしくお願いします」
「リーヴァントさんから聞いております。三日間よろしくお願いします」
「早速ですが、今まで役所仕事についてほぼリーヴァントに頼っていたので、この機に副役所長を決めたいと思います。責任感がある方にお願いしたいんだけど、どなたか推薦したい人とか、相応しそうな人っている?」
オルシンジテンによるピックアップのことは伏せておく。
「推薦……ですか。そうですねぇ……ルークさんとクリスティンさんが働き者ですよね。彼らなら責任感持ってやってくれると思います」
「役所外で誰か良い人いる?」
「イチトスさんを筆頭に、ニートスさん、サントスさんも真面目ですよ」
何で彼らの弟は、ああなったのかしら?
いや、あれはあれで立派な良いところか。コミュニケーション能力が高いというのは立派なポイントの一つだ。ちょっとウェイウェイし過ぎだけど……
でも、やっぱりオルシンジテンによるピックアップは間違いないかな?
「キャンフィールドさんって知ってる?」
「どなたですか?」
役所でも把握してないのか、謎の人物ね。
「じゃあ、ルークは今どこにいるかわかる?」
「村の道に植えた、街路樹の剪定に行ってますよ」
「わかった、ありがとう、ちょっと行ってみる」
少し役所から離れたところで、街路樹の剪定をしているルークを発見。
「ルーク!」
「あ、アルトラ様、こんにちは」
「今日はちょっとあなたに話があって来たの」
「アルトラ様が? 珍しいですね。大抵リーヴァントさんから指令が下りてくるんですけど」
リーヴァントに頼みすぎだな、私。
「今回は他でもない、あなたに副役所長をやってもらいたいと思って打診に来ました」
「僕が副役所長ですか!? 僕まだそれほど重要な役をやれるほど経験を重ねてはいませんが」
それは多分この村の人々全部が同じだと思う……
私の考えでは、この村の理性的な生活のスタートは『知性上昇 (大)』からよ、多分。
「役所の受付担当のマリリアに誰が良いか聞いたら、あなたを推薦されたからあなたにやってもらいたいと思って来たの」
「僕程度では戦力になんてならないかもしれませんけど……」
この子、話し方が自信無さげなのよね……ヨントス捜索の時パーティーの中で一人だけ石化しちゃったってところも関係してるのかしら?
私としては奮闘してくれてたと評価してるんだけど。
(第34話参照)
「大丈夫です! あなたは真面目で思いやりもあるので、副リーダーに適任です! 無理強いはしないけど、出来ることならやってほしいと思ってます」
「アルトラ様がそこまで言われるのなら……やってみようと思います」
「ホント? じゃあよろしくね! まあ、リーヴァントの補佐と、彼がいない時の代理くらいだし、副リーダーも四人選出する予定だから、そこまで負担に感じなくても大丈夫よ。あ、でも無理したりはしないように。体壊してしまったら元も子もないので」
「了解しました」
よし、これで今後のリーヴァントの負担が少し減った。
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