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第4章 アルトラの受難編
第106話 トラブルメーカー
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最近平和で何も無い日が続いている。
何も無いことは良いことだ、これぞスローライフ!
日課の散歩兼パトロールと行こうか。
しかし今日の平和はここで終わりを告げた。
村の出口付近に来ると、怒鳴り声が聞こえてきた。
「おい、二人とも喧嘩するな!!」
「お前は黙ってろ!!」
「何でそういう態度なんだ!!」
何? 諍いなんてほとんど無いこの村で珍しいわね。
近付いてみると、アクアリヴィアから連れて来たトーマス、リッチと……村の門衛のマークかな?
トーマスとリッチには、川が出来しだい、潤いの木の管理をお願いする予定だったけど、今はまだ出来てないから、元・騎士ということで村の入り口の門衛を担当してもらっていた。
「何があったの?」
「アルトラ様、リッチの態度があまりに傍若無人だったため、いい加減頭に来てしまいまして。この男、この村に来た時から酷い言動なんです!」
「傍若無人? リッチ、そうなの?」
「ええ! 私はここにいるべき者ではないと思っているので! こんな下等なトロル共とは一緒にいられませんよ!」
否定しない……か……最初から仲良くしようって考えが無いってことなのかな……
「お前……もっと周りと仲良くしようと思わないのか?」
トーマスが諭そうとするが――
「この村で仲良くする必要があるか? 私は女王直下の上級貴族だぞ? 何でこんな辺境に送られた上に、下等種族などと一緒に生活しなければならないのだ?」
「貴様ーー! その言葉許せん!!」
「やめろ!!」
リッチとマークが取っ組み合いになり、トーマスが間に入る。
少しの間黙って見ていたが、これは口を出さないとダメだな。
「ふぅ……ハイ、ストップ!!」
まだ取っ組み合いを止めようとしない。
「二人ともストップ!!!」
ビクッとして動きを止めた。
「リッチ、衝突するのは仕方ない、それも理解を深めるための一つ方法という可能性だって無いとは言い切れない。異種族を見下すのも仕方ない。でもそれは心の中だけに留めておくべきこと。諍いの原因に成り兼ねないから口や態度に出すことは許さない。何がそんなに気に入らないの?」
「そんなもの……全部ですよ! ここに飛ばされたのも気に入らない、周りの者がトロルだらけなのも気に入らない、村に何も無いことが気に入らない、こんなところに来る原因になったあなたももちろん気に入らない! 上司があなたのような小娘なのも気に入らない! 私はすぐにでもアクアリヴィアの中央区に帰りたいんですよ!」
小娘って……私多分あなたと同じくらいか、少し上くらいだと思うけど……
「あなた、もしかして任務で出た先の勤務地でもそんな態度取ってるの?」
「ええ、私の家は力がありますから、上官に圧力をかけてすぐに中央区へ戻してもらいます」
う~ん、彼はもうダメかもわからんね……
「お前……アルトラ様のご厚意で死罪を免れたというのに、何てこと言うんだ!」
「うるさい! 私はこんなところに来たくなかったのだ! 街で適当にパトロールして、適当に悪人を捕まえて、安泰で楽しく暮らせるのが一番良い。あなたさえ……あなたさえ来なければ、私はもっと上の階級に昇れたのに! あんな田舎者を蹴落として騎士団長にもなれたはずだったのに! あなたが来た所為で全部台無しだ!」
田舎者……文脈から考えると多分ルーファスさんのことかな?
「あなたが私を捕まえた結果、何もしてないのに冤罪で拷問にかけられたんだけど、それはどう思ってるの?」
「“私が”悪人と認定したものを捕まえて、何も吐かないから拷問にかけたまでだ! 私はなんら悪いことはしていない!」
う~ん清々しいほどのクズ発言……これはきっと表に出てきてない冤罪も多いかもしれないな……
「ふぅ……そう、残念ね。じゃあ約束通りカエルになってもらうわね」
マークを除いた二人に緊張が走る。
マークは何が何だかわからないという顔。
「と思ったけど、もう少し猶予をあげます。正直言って亜人をそんな状態にするのは気が進まない。もう少し考えて、この村の住人と仲良くなれるような考えを持ってください」
「ふん! この村に馴染むことなど一生ありませんよ!」
持ち場を離れてどこかへ行ってしまった……
「付き合いに慣れてしまえば気の良い人ばかりで良い村だと思うんだけどなぁ……」
はぁ……この世には全く相容れない人がいるんだなと痛感する……生前も死後の現在もそんな人に会ったことは一度もないから…………
…………ああ……いたな、今までの人生で一人。あの社長めっ!
多分、今私は苦虫を嚙み潰したような顔をしているだろう。
こんなことで、生前のパワハラ上司を思い浮かべるとは…………あの頃は毎日のように口論が絶えなかったっけ。出来ないって言ってるのに、やれとか、明らかにスケジュールパンパンなのに別の仕事取り付けてきたりとか。今頃他の社員たちは精神壊れてないかしら?
でも社長の方がまだマシなくらいで、リッチは更に輪をかけて話が通じない……どうすれば良いかな……
「トーマス、リッチって昔からあんな感じなの?」
「そうですね、昔から傲慢だったと噂には聞いています。私は進んで関わろうとはしませんでしたが士官学校時代からの同期です。しかし当時よりむしろ……『騎士』という権力を行使できる立場になってからは、傲慢さにも拍車がかかってしまったような気がしますね……実を言うと騎士団に入ってバディを組まされた時には、悪評を聞いていたのでかなり不安でした」
私はお貴族様の知り合いはいないから、どう扱って良いかわからないんだよなぁ……
あの様子を見るに、多分今までは権力を笠に着て、周りの者に絶対服従させるように生きてきたんだろう……だから自分を殊更に褒めたりご機嫌取りをしてくれないこの村の住人は気に入らないと。
超自分中心主義で、自分が良ければ後はどうでも良い、というタイプに見える。さっきの拷問のくだりを聞いて更にそう見えた。
アニメや漫画で言うところだと周りに裏切られて没落する貴族の典型だ。私には没落フラグとしか思えない。
フレアハルトと違って冗談で「我を褒めろ」って言ってるんじゃなくて、本気で周りは自分を称えなければならないと思っているようだから性質が悪い。
あのタイプは、圧倒的力の差を見せつけても、芯の部分で『アルトラは絶対に私を殺さない』ということを計算しているからあの態度を取れるのだろう。
猶予をあげて『次は本当カエルにする』って示唆したけど、多分それも本気とは思ってないだろうな。
少し静観してダメなら……その時はルーファスさんに相談かな……
「二人ともごめんね、こんなことになってしまって」
いくらなんでも死罪は可哀想だ、と思って身柄を預かったその結果がこれか……
死罪にならなかったことを感謝されるどころか、恨まれるとは……思い通りにはいかないものだ……
唯一の救いは、その時に死罪を免れさせた片方は良い子だったってことかな。
「アルトラ様が謝ることではないですよ」
「そうですよ、悪いのは態度を改めないリッチの方で……」
「二人は上手くやれてるようね」
「トーマスは良いやつなんで!」
「この村の人たちは親しみやすくて居心地良いですよ」
この二人は大丈夫そうか。
トーマスたちが来る以前にフレアハルトがお試し入村してるから、トロル村でもある程度異種族を受け入れる体制が出来てたみたいね。
まあ、そもそも領主の私が異種族だしね。
「ありがとう、二人とも持ち場に戻って」
「「はい」」
リッチが多少なりとも態度を改めてくれれば良いんだけど……
何も無いことは良いことだ、これぞスローライフ!
日課の散歩兼パトロールと行こうか。
しかし今日の平和はここで終わりを告げた。
村の出口付近に来ると、怒鳴り声が聞こえてきた。
「おい、二人とも喧嘩するな!!」
「お前は黙ってろ!!」
「何でそういう態度なんだ!!」
何? 諍いなんてほとんど無いこの村で珍しいわね。
近付いてみると、アクアリヴィアから連れて来たトーマス、リッチと……村の門衛のマークかな?
トーマスとリッチには、川が出来しだい、潤いの木の管理をお願いする予定だったけど、今はまだ出来てないから、元・騎士ということで村の入り口の門衛を担当してもらっていた。
「何があったの?」
「アルトラ様、リッチの態度があまりに傍若無人だったため、いい加減頭に来てしまいまして。この男、この村に来た時から酷い言動なんです!」
「傍若無人? リッチ、そうなの?」
「ええ! 私はここにいるべき者ではないと思っているので! こんな下等なトロル共とは一緒にいられませんよ!」
否定しない……か……最初から仲良くしようって考えが無いってことなのかな……
「お前……もっと周りと仲良くしようと思わないのか?」
トーマスが諭そうとするが――
「この村で仲良くする必要があるか? 私は女王直下の上級貴族だぞ? 何でこんな辺境に送られた上に、下等種族などと一緒に生活しなければならないのだ?」
「貴様ーー! その言葉許せん!!」
「やめろ!!」
リッチとマークが取っ組み合いになり、トーマスが間に入る。
少しの間黙って見ていたが、これは口を出さないとダメだな。
「ふぅ……ハイ、ストップ!!」
まだ取っ組み合いを止めようとしない。
「二人ともストップ!!!」
ビクッとして動きを止めた。
「リッチ、衝突するのは仕方ない、それも理解を深めるための一つ方法という可能性だって無いとは言い切れない。異種族を見下すのも仕方ない。でもそれは心の中だけに留めておくべきこと。諍いの原因に成り兼ねないから口や態度に出すことは許さない。何がそんなに気に入らないの?」
「そんなもの……全部ですよ! ここに飛ばされたのも気に入らない、周りの者がトロルだらけなのも気に入らない、村に何も無いことが気に入らない、こんなところに来る原因になったあなたももちろん気に入らない! 上司があなたのような小娘なのも気に入らない! 私はすぐにでもアクアリヴィアの中央区に帰りたいんですよ!」
小娘って……私多分あなたと同じくらいか、少し上くらいだと思うけど……
「あなた、もしかして任務で出た先の勤務地でもそんな態度取ってるの?」
「ええ、私の家は力がありますから、上官に圧力をかけてすぐに中央区へ戻してもらいます」
う~ん、彼はもうダメかもわからんね……
「お前……アルトラ様のご厚意で死罪を免れたというのに、何てこと言うんだ!」
「うるさい! 私はこんなところに来たくなかったのだ! 街で適当にパトロールして、適当に悪人を捕まえて、安泰で楽しく暮らせるのが一番良い。あなたさえ……あなたさえ来なければ、私はもっと上の階級に昇れたのに! あんな田舎者を蹴落として騎士団長にもなれたはずだったのに! あなたが来た所為で全部台無しだ!」
田舎者……文脈から考えると多分ルーファスさんのことかな?
「あなたが私を捕まえた結果、何もしてないのに冤罪で拷問にかけられたんだけど、それはどう思ってるの?」
「“私が”悪人と認定したものを捕まえて、何も吐かないから拷問にかけたまでだ! 私はなんら悪いことはしていない!」
う~ん清々しいほどのクズ発言……これはきっと表に出てきてない冤罪も多いかもしれないな……
「ふぅ……そう、残念ね。じゃあ約束通りカエルになってもらうわね」
マークを除いた二人に緊張が走る。
マークは何が何だかわからないという顔。
「と思ったけど、もう少し猶予をあげます。正直言って亜人をそんな状態にするのは気が進まない。もう少し考えて、この村の住人と仲良くなれるような考えを持ってください」
「ふん! この村に馴染むことなど一生ありませんよ!」
持ち場を離れてどこかへ行ってしまった……
「付き合いに慣れてしまえば気の良い人ばかりで良い村だと思うんだけどなぁ……」
はぁ……この世には全く相容れない人がいるんだなと痛感する……生前も死後の現在もそんな人に会ったことは一度もないから…………
…………ああ……いたな、今までの人生で一人。あの社長めっ!
多分、今私は苦虫を嚙み潰したような顔をしているだろう。
こんなことで、生前のパワハラ上司を思い浮かべるとは…………あの頃は毎日のように口論が絶えなかったっけ。出来ないって言ってるのに、やれとか、明らかにスケジュールパンパンなのに別の仕事取り付けてきたりとか。今頃他の社員たちは精神壊れてないかしら?
でも社長の方がまだマシなくらいで、リッチは更に輪をかけて話が通じない……どうすれば良いかな……
「トーマス、リッチって昔からあんな感じなの?」
「そうですね、昔から傲慢だったと噂には聞いています。私は進んで関わろうとはしませんでしたが士官学校時代からの同期です。しかし当時よりむしろ……『騎士』という権力を行使できる立場になってからは、傲慢さにも拍車がかかってしまったような気がしますね……実を言うと騎士団に入ってバディを組まされた時には、悪評を聞いていたのでかなり不安でした」
私はお貴族様の知り合いはいないから、どう扱って良いかわからないんだよなぁ……
あの様子を見るに、多分今までは権力を笠に着て、周りの者に絶対服従させるように生きてきたんだろう……だから自分を殊更に褒めたりご機嫌取りをしてくれないこの村の住人は気に入らないと。
超自分中心主義で、自分が良ければ後はどうでも良い、というタイプに見える。さっきの拷問のくだりを聞いて更にそう見えた。
アニメや漫画で言うところだと周りに裏切られて没落する貴族の典型だ。私には没落フラグとしか思えない。
フレアハルトと違って冗談で「我を褒めろ」って言ってるんじゃなくて、本気で周りは自分を称えなければならないと思っているようだから性質が悪い。
あのタイプは、圧倒的力の差を見せつけても、芯の部分で『アルトラは絶対に私を殺さない』ということを計算しているからあの態度を取れるのだろう。
猶予をあげて『次は本当カエルにする』って示唆したけど、多分それも本気とは思ってないだろうな。
少し静観してダメなら……その時はルーファスさんに相談かな……
「二人ともごめんね、こんなことになってしまって」
いくらなんでも死罪は可哀想だ、と思って身柄を預かったその結果がこれか……
死罪にならなかったことを感謝されるどころか、恨まれるとは……思い通りにはいかないものだ……
唯一の救いは、その時に死罪を免れさせた片方は良い子だったってことかな。
「アルトラ様が謝ることではないですよ」
「そうですよ、悪いのは態度を改めないリッチの方で……」
「二人は上手くやれてるようね」
「トーマスは良いやつなんで!」
「この村の人たちは親しみやすくて居心地良いですよ」
この二人は大丈夫そうか。
トーマスたちが来る以前にフレアハルトがお試し入村してるから、トロル村でもある程度異種族を受け入れる体制が出来てたみたいね。
まあ、そもそも領主の私が異種族だしね。
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