68 / 542
第3章 水の国アクアリヴィア探訪編
第67話 水の国散策
しおりを挟む
「じゃあ、私は夜まで街を散策してきますね」
「あ、お待ちください、また怪しまれることがあるかもしれませんので、騎士を一人付けます」
「そんな、騎士団の手を煩わせてしまいますし……」
「構いません、大事なお客人ですので。宿泊するホテルにもその騎士に送らせます」
「それじゃお言葉に甘えさせていただきます」
という建前なのだろうが、またスパイ容疑で戻ってくることも防ぎたいのだろう。
何せ私の格好は真っ黒だからこの街では目立つらしい。思い返してみれば、街の人たち見ても、全身黒一色の服を着てたのは私くらいだった気がする。
怪しまれて再び通報されれば、それだけで騎士団の仕事が増えてしまう。
その点、騎士を一人付けておくだけで、外国からの要人警護と同時に通報されることを未然に防げるわけだ (私が要人扱いされてるのが信じられないが……)。
あと、もう少し邪推すれば、私に対する監視。レヴィアタンが私をベルゼビュートと認めたとは言え、以前のベルゼビュートとは見た目が全く違うから警戒しておくことに越したことはない。これは多分ルーファスさん独自の判断だろう。ここまで全部私の邪推だが。
宮殿入り口付近で待つ。
しばらくして、一人の騎士が走って来た。
「貴女がベルゼビュート様でありますか?」
「はい」
あれ? 女の人だ。騎士って言うから男の騎士を付けられるのかと思った。気を遣ってくれたのかな?
「わたくし、ルーファス団長閣下のご命令によりベルゼビュート様の護衛兼ご案内をさせていただきます、リナ・ウォルタ・ブラウンと申します」
「ウォルタ・ブラウンってもしかして?」
「はい、トーマスはわたくしの兄です、この度は数々の無礼を働いたにも関わらず、兄に生きるチャンスをお与えいただきありがとう存じます」
深々とお辞儀をされる。
「いえ、トーマスさんは業務に忠実だっただけで、特に失礼なことはされていません」
そう、散々失礼なことをしたのはリッチの方であって、トーマスさんではない。
「急な訪問にも関わらず騎士を護衛に付けるなど、応対していただきありがとうございます、本日はよろしくお願いします」
こちらも深くお辞儀する。
「しかし、不問にすることは密約だったはずですけど……」
「兄も真面目な方なので、私がベルゼビュート様の護衛に付くことになったと聞いて黙っていられなかったのでしょう」
まあ、別に話されたところで、私に不利益があるわけではないし特に問題無いか。
むしろそれを話したことによって不利益を被るのはトーマスさんの方だけど、そういうことも話してしまうところが真面目だってことなのかな。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
リナさんを連れて散策を開始する。
水の国というだけあり水路が多く、船が多く行き交う。地球で言うところのヴェネツィアのような感じの街だ。
水は澄んで綺麗、すくってそのまま飲めそうな気すらする。
水辺は船だけかと思いきや、水棲の亜人が多いためか、水の中を泳いでいる者も多くいる。よく目に付くのは人魚や半魚人のような人たち。
ただ、人間界の常識では、人魚は足が尾ヒレになっているため、陸で歩くことができないが、この世界の人魚は陸に上がったら、普通の足に変化した。あれが魔法で変化させたのか、陸に上がった時の身体的な特性なのかは聞いてみないとわからないが。
「夜まではいかが致しましょうか?」
「この街の様子を見てみたいから、繁華街でも連れていってくれると嬉しいです」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ショッピングモールだ!」
人間界で言うところのショッピングモールのようなところへ連れて来てくれた。
ショーウィンドに服が並んでいる。ガラス張りのショーケースを見るのは久しぶりだ。
魔界へ来て早数ヵ月経つけど、この光景を見るのは久しぶりだ。
とは言え、生前の私は仕事漬けの毎日を送っていたから、ショッピングモールなどテレビで見たくらいで生で見るのは数年振りにすらなるかもしれないが。
「何かお買い物されますか?」
それを聞いて、ショッピングでもしていこうか……とも思ったが、一応私は今仕事で来ているのだ。
村の人たちだけあくせく働かせておいて、自分だけ買い物を楽しむというわけにはいかない。
街に来たから自分が普段使いで着る服一着だけでも買おうか……とも思ったが、やっぱり一番最初は自分の村で作られたものを着たい。というわけでエルフィーレ製の服が出来るまで私の普段着は保留。
食べ物くらいなら買っていってあげようか。特に川の掘削がんばってる彼らには激励の意味でも。
ショーケースに並べられたお菓子って手もあるけど、いきなりこのレベルのお菓子を最初に食べてしまうと村で作られたものを口に出来なくなってしまうかもしれない。
ここは果物程度に抑えておこう。
「じゃあ、青果店にでも連れて行ってもらえるかしら?」
ショッピングモール内にある青果店に連れて来てもらった。
ここで何か美味しそうな果物をみんなに買って行ってあげよう。
………………
ああ……そうだった……私お金持ってないから買い物できないんだった……
ホテルに直行するか……
「ごめんなさい、私この国の通貨持ってないから買い物できないんだった。そのままホテルに直行します」
「買い物に使うお金はこちらで出すようにと言付かっております」
ん? 何だって? 聞き違えたかな? 買ってくれるって聞こえたけど……
「ごめんなさい、よく聞き取れなかったので、もう一度お願いします」
「『家買って』と言われない限りは、全てこちらでお出しするよう言われています」
聞き違いじゃなかった!
「ホントに良いんですか!?」
「はい、ベルゼビュート様には疑似太陽の恩があるからと仰っておりました、実際あの太陽が無ければこの街は未だに電気や火などの人工的な光で照らすしかありませんでしたので。国民みんなが喜んでおりますよ」
疑似太陽様様ね!
ホントは勝手に持ってかれたものだけど、一応恩義に感じてくれてはいるのね。
お言葉に甘えて果物を大量に購入。
この際だからお米と小麦の苗も買って行こうか。わざわざ野生で見つけなくてもここで買って行けば育てることができる。これだけ大きい街なのだからきっとあるはず。
その他、村で育てられそうな野菜果物の種苗も買って行こう。
あと現場の男と言えば酒。彼らは酒をまだ口にしたことがないはずだ。買って行ってやろう。
大量に食べ物や種苗を買い込んだ。
「そ……そんなに買い込んで大丈夫ですか? 傷んでしまいますよ?」
「大丈夫、ここに入れておくから」
亜空間収納ポケットを出す。
「空間魔法ですか?」
「そう、この中に入れておくと腐らないし傷まないの」
「へぇ~、そんな使い方が出来るんですね! 我が国の空間術士にも教えておきます!」
その後、紙やペンなどの文房具を買う。紙は特に大量に買っておく。
これからの村の運営には必要不可欠だろう。
あと、その他いろいろな物、道具、村の運営に役立ちそうなものを大量に買って行く。
「ホントにこんなに買って良いの?」
心配になってきて一応確認する。
「『家』までは大丈夫です」
じゃあ、遠慮無く色々買わせてもらう。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ホクホク気分でホテルへの道に付いた。
その道中。
何かあの水路変な気がする……
見た目は何もなってないし、流れている水も綺麗だ。しかし、何か微かに黒いものを感じる。
「ねぇ、リナさん」
「はい?」
「最近何かおかしいことない? 例えば街の人複数が同時にお腹壊したとか、皮膚になんらかの異常が見られるとか」
「いいえ? そんな話は今のところは聞いていませんが……どうかされたのですか?」
「ううん、それなら良いの。気のせいかもしれない」
ホントに気のせいかもしれないし、確定的でないことを言って、わざわざ不安にさせることもないだろう。
私の魔力感知は多少優れてるくらいで、フレアハルトほどの力は無い。気のせいは十分あり得る。
私は気になりつつも、今日宿泊予定のホテルへと歩を進めた。
「あ、お待ちください、また怪しまれることがあるかもしれませんので、騎士を一人付けます」
「そんな、騎士団の手を煩わせてしまいますし……」
「構いません、大事なお客人ですので。宿泊するホテルにもその騎士に送らせます」
「それじゃお言葉に甘えさせていただきます」
という建前なのだろうが、またスパイ容疑で戻ってくることも防ぎたいのだろう。
何せ私の格好は真っ黒だからこの街では目立つらしい。思い返してみれば、街の人たち見ても、全身黒一色の服を着てたのは私くらいだった気がする。
怪しまれて再び通報されれば、それだけで騎士団の仕事が増えてしまう。
その点、騎士を一人付けておくだけで、外国からの要人警護と同時に通報されることを未然に防げるわけだ (私が要人扱いされてるのが信じられないが……)。
あと、もう少し邪推すれば、私に対する監視。レヴィアタンが私をベルゼビュートと認めたとは言え、以前のベルゼビュートとは見た目が全く違うから警戒しておくことに越したことはない。これは多分ルーファスさん独自の判断だろう。ここまで全部私の邪推だが。
宮殿入り口付近で待つ。
しばらくして、一人の騎士が走って来た。
「貴女がベルゼビュート様でありますか?」
「はい」
あれ? 女の人だ。騎士って言うから男の騎士を付けられるのかと思った。気を遣ってくれたのかな?
「わたくし、ルーファス団長閣下のご命令によりベルゼビュート様の護衛兼ご案内をさせていただきます、リナ・ウォルタ・ブラウンと申します」
「ウォルタ・ブラウンってもしかして?」
「はい、トーマスはわたくしの兄です、この度は数々の無礼を働いたにも関わらず、兄に生きるチャンスをお与えいただきありがとう存じます」
深々とお辞儀をされる。
「いえ、トーマスさんは業務に忠実だっただけで、特に失礼なことはされていません」
そう、散々失礼なことをしたのはリッチの方であって、トーマスさんではない。
「急な訪問にも関わらず騎士を護衛に付けるなど、応対していただきありがとうございます、本日はよろしくお願いします」
こちらも深くお辞儀する。
「しかし、不問にすることは密約だったはずですけど……」
「兄も真面目な方なので、私がベルゼビュート様の護衛に付くことになったと聞いて黙っていられなかったのでしょう」
まあ、別に話されたところで、私に不利益があるわけではないし特に問題無いか。
むしろそれを話したことによって不利益を被るのはトーマスさんの方だけど、そういうことも話してしまうところが真面目だってことなのかな。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
リナさんを連れて散策を開始する。
水の国というだけあり水路が多く、船が多く行き交う。地球で言うところのヴェネツィアのような感じの街だ。
水は澄んで綺麗、すくってそのまま飲めそうな気すらする。
水辺は船だけかと思いきや、水棲の亜人が多いためか、水の中を泳いでいる者も多くいる。よく目に付くのは人魚や半魚人のような人たち。
ただ、人間界の常識では、人魚は足が尾ヒレになっているため、陸で歩くことができないが、この世界の人魚は陸に上がったら、普通の足に変化した。あれが魔法で変化させたのか、陸に上がった時の身体的な特性なのかは聞いてみないとわからないが。
「夜まではいかが致しましょうか?」
「この街の様子を見てみたいから、繁華街でも連れていってくれると嬉しいです」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ショッピングモールだ!」
人間界で言うところのショッピングモールのようなところへ連れて来てくれた。
ショーウィンドに服が並んでいる。ガラス張りのショーケースを見るのは久しぶりだ。
魔界へ来て早数ヵ月経つけど、この光景を見るのは久しぶりだ。
とは言え、生前の私は仕事漬けの毎日を送っていたから、ショッピングモールなどテレビで見たくらいで生で見るのは数年振りにすらなるかもしれないが。
「何かお買い物されますか?」
それを聞いて、ショッピングでもしていこうか……とも思ったが、一応私は今仕事で来ているのだ。
村の人たちだけあくせく働かせておいて、自分だけ買い物を楽しむというわけにはいかない。
街に来たから自分が普段使いで着る服一着だけでも買おうか……とも思ったが、やっぱり一番最初は自分の村で作られたものを着たい。というわけでエルフィーレ製の服が出来るまで私の普段着は保留。
食べ物くらいなら買っていってあげようか。特に川の掘削がんばってる彼らには激励の意味でも。
ショーケースに並べられたお菓子って手もあるけど、いきなりこのレベルのお菓子を最初に食べてしまうと村で作られたものを口に出来なくなってしまうかもしれない。
ここは果物程度に抑えておこう。
「じゃあ、青果店にでも連れて行ってもらえるかしら?」
ショッピングモール内にある青果店に連れて来てもらった。
ここで何か美味しそうな果物をみんなに買って行ってあげよう。
………………
ああ……そうだった……私お金持ってないから買い物できないんだった……
ホテルに直行するか……
「ごめんなさい、私この国の通貨持ってないから買い物できないんだった。そのままホテルに直行します」
「買い物に使うお金はこちらで出すようにと言付かっております」
ん? 何だって? 聞き違えたかな? 買ってくれるって聞こえたけど……
「ごめんなさい、よく聞き取れなかったので、もう一度お願いします」
「『家買って』と言われない限りは、全てこちらでお出しするよう言われています」
聞き違いじゃなかった!
「ホントに良いんですか!?」
「はい、ベルゼビュート様には疑似太陽の恩があるからと仰っておりました、実際あの太陽が無ければこの街は未だに電気や火などの人工的な光で照らすしかありませんでしたので。国民みんなが喜んでおりますよ」
疑似太陽様様ね!
ホントは勝手に持ってかれたものだけど、一応恩義に感じてくれてはいるのね。
お言葉に甘えて果物を大量に購入。
この際だからお米と小麦の苗も買って行こうか。わざわざ野生で見つけなくてもここで買って行けば育てることができる。これだけ大きい街なのだからきっとあるはず。
その他、村で育てられそうな野菜果物の種苗も買って行こう。
あと現場の男と言えば酒。彼らは酒をまだ口にしたことがないはずだ。買って行ってやろう。
大量に食べ物や種苗を買い込んだ。
「そ……そんなに買い込んで大丈夫ですか? 傷んでしまいますよ?」
「大丈夫、ここに入れておくから」
亜空間収納ポケットを出す。
「空間魔法ですか?」
「そう、この中に入れておくと腐らないし傷まないの」
「へぇ~、そんな使い方が出来るんですね! 我が国の空間術士にも教えておきます!」
その後、紙やペンなどの文房具を買う。紙は特に大量に買っておく。
これからの村の運営には必要不可欠だろう。
あと、その他いろいろな物、道具、村の運営に役立ちそうなものを大量に買って行く。
「ホントにこんなに買って良いの?」
心配になってきて一応確認する。
「『家』までは大丈夫です」
じゃあ、遠慮無く色々買わせてもらう。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ホクホク気分でホテルへの道に付いた。
その道中。
何かあの水路変な気がする……
見た目は何もなってないし、流れている水も綺麗だ。しかし、何か微かに黒いものを感じる。
「ねぇ、リナさん」
「はい?」
「最近何かおかしいことない? 例えば街の人複数が同時にお腹壊したとか、皮膚になんらかの異常が見られるとか」
「いいえ? そんな話は今のところは聞いていませんが……どうかされたのですか?」
「ううん、それなら良いの。気のせいかもしれない」
ホントに気のせいかもしれないし、確定的でないことを言って、わざわざ不安にさせることもないだろう。
私の魔力感知は多少優れてるくらいで、フレアハルトほどの力は無い。気のせいは十分あり得る。
私は気になりつつも、今日宿泊予定のホテルへと歩を進めた。
1
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる