23 / 531
第2章 トロル集落の生活改善編
第22話 トロル集落水没
しおりを挟む
我が家に帰って来た。
今日は大分歴史が動いた日に違いない。
雨の降らないこの土地で雨を降らせ、真っ暗の土地に疑似太陽という光を作り、トロルの知性を進化させ、停滞していた時間を進めた。
「でも、たった四日であんなに集落が様変わりしてるとはビックリね」
水の補給源は出来た、獲物も彼ら自身で持続的に狩ることができるようになっている。大地が冷えたことにより、これまでにいなかった食材……もとい生物が流入してくるようになった。
もう彼らが栄養失調になることは恐らくないだろう。
私が何もしなくても、衣食住全てで改善が図られている。
「じゃあ、次は私が食べたいものを作る番だ」
水も出来たし、水田を作りたい。
そして……年貢の取り立てだ!
まあ、ここからはそれほど急いでやる必要も無くなった。
プランをのんびり考えていこうか。
今日はもう休もう。
◇
しかし、次の日の明け方。
ドンドンドンドン!!!
「うわっ!! なに!?」
地獄の門前に住み始めて、初めて家のドアをノックされている。しかもかなり荒々しく激しく。
借金取りに来られるのってこんな感覚かな?
「アルトラ様はここに居られますか?」
誰だこんな時間に……
ガチャ
「はい、どなた?」
眠い目をこすりつつ玄関先に出る。
「集落の塩作り三兄弟の内のえーと……」
「はぁ……ニートスです……」
「……ハァ……サントス……です……」
「どうかしたの?」
汗だくだ、よほど息せき切って走ってきたのか。
「ああ……本当に居た……ハァ……良かった……ハァ……」
「……はぁ……大きい方の……家かと思いましたが……でかい狼が寝ていたので……はぁ……焦りました……」
ごめんね、前に初めて来た人もそっち見て騙されてたのよ……
「それで何があったの?」
「村が水没しております!!」
……
…………
………………
「は?」
◇
急いで集落へ飛ぶ、トロル二人は空を飛べないので後から来させる。
二人から聞いた話によると、潤いの木の湧水量が多過ぎて、集落全体が水没してきているらしい。
二人は急いで走ってきたけど、相当の時間を有したとのこと。
私が歩いて十二時間かかった距離だから、この二人が急いで走ってきたとしても、推算でしかないけど多分五時間くらいはかかってると予想される。集落を出発してから五時間……
出発時にはもう既に家の一階部分が沈みかけている状態だったらしい。つまり、今はもう二階に迫っててもおかしくない。
「しまった……そこまで想定してなかった……側溝を作って水を逃がす場所を作らないといけなかったわけか。潤いの木の湧水量を舐めてた……」
思えば、私は潤いの木の試運転を碌にしていない。作った時にはすぐに霧と化してしまったので、ここまで湧水量があるとは考えなかったのだ! (第12話参照)
「あの集落、ただでさえ壁に囲まれてるのに……そのままにしておいたら集落が沈んだダム湖みたいになっちゃう!」
以前は飛んで一時間だったが、かなり飛ばして三十分で着いた。
この集落は山を下った先にあるから、飛んでくる途中から既に水没しているのが見えていた。
「アルトラ様~!!」
向こうから声がかかるも、暗くてよく見えない。
光魔法で光球を空に浮かべ、疑似太陽より小規模な村を照らせるくらいの光源を作った。これは後でことが終わったら消しておこう。
辺りが照らされ、状況が明るみになった。
予想通りもう一階部分は水没、二階がある新しく建てている最中の家くらいしか水没していないところが無いくらい。
多くの家は既に水の下。
作りかけだった家々も、ほとんどが流されてしまっている。
流れた家の部品がぶつかったのか、壁の穴が昨日昼間訪れた時より少し広がってしまったようだ。
平屋の家の屋根に上ってる人がいる。多分、今私を呼んだ人だ。
もう平屋の屋根も水没している、今にも流されそうだ、あれは助けておかないと危険だな。
「私に掴まって!」
とりあえず、二階のある建物へ連れて行く。
他の者がどうしたかと周囲を見回すと、山の斜面や高くなった土地へと避難しているらしいことが分かった。
「キャァ!!」
女性と女の子が流された!
あっちは壁の穴の方向! 壁の外へ流れ出たら、どこまで流れて行くかわからない。
急いで水流に突入し、二人を捕まえる。
「プハッ! 大丈夫!?」
「はぁはぁ……た、助かりました……」
「うえぇぇ~~ん……」
二人をさっきと同じ二階のある建物へ連れて行く。
この後、数分で十人ほど、緊急性のあるトロルを救出。
周囲を見回してみる。
今見える範囲には、緊急で助けないといけない人はいないようだ。
さて、これをどうやって処理するか。
正直言って、我が家出るまでは、ここまでヤバイ状況とは思ってなかった……
……
…………
………………
そうだ、先日洪水になった時に使った結界術を応用しよう。
防御魔法:水吸収の球体を作り出した。これを集落の五十か所程度、それと潤いの木周辺に八つ放つ。
これで放っておけば、水を吸収して減らしてくれるはずだ。
◇
水は潤いの木から絶えず供給されるため、中々水かさが減らなかったが、四時間程でほぼ無くなった。
村人の人数確認も終わった。どうやらこの洪水で死んだ者はいないらしい。その点だけは幸いだったか……
日本とは違って、避難アラートとか避難マニュアルとかがあるわけではないから、全員が無事だったのは奇跡に近い。
これはみんな怒ってるだろう……
私は見通しが甘くて、いつも失敗する……
村人が全員集まった。
「ごめんなさい!! 私の見通しが甘すぎて、こんな事態に発展してしまいました!! この失態の責任を取って、領主は返上します、それでも足りなければすぐにここを出ようと思います」
これはもう領主としては失格だろう。就任してからたった一日……いや半日の超スピード辞任だな……
集落全体を水没させるなんて、被害が大きすぎる。千人に近い人数が家を失ってしまった……
「何言ってるんですか!」
えっ!?
「出ていく必要なんてどこにもないさね!」
「アンタはよくやってくれてるよ! ちょっとだけ失敗しただけだ!」
リーヴァントが前に出て話す。
「アルトラ様が来なければ、今の我々の生活はありません。あなたが来なければ今でもほぼ裸で、腹を空かせ、栄養失調で、水に困り、知性も無く知的好奇心も無い、ボロ切れのような生活をしていたと思います。この地に住んで、先祖から数百年、数千年、まあ何年になるかは我々にすらわかりませんが、我々種族がこれほど知性的な生活をしたのは歴史上初めてのことでしょう。全て、あなたがここに来なければ無かったことです。幸い今回の水害で死んだ者はおりません。作りかけの家がダメになったくらいです。そんなものは作り直せば良いだけの話です。あなたに出て行かれると困るのは、むしろ我々の方です。今後ともよろしくお願いいたします」
多くの村人が私に向かって礼をする。
「みんな……今後も失敗が多いかもしれませんが、よろしくお願いします」
「失敗はなるべく無いようにしてくれよな!」
「ははは」と少しの笑いが漏れる。
空元気なのだろう、きっと言いたいこともあるだろうに、批判もせずありがたい……
何とか、首の皮一枚繋がったみたいだ。今後は気の良いこの村人のために尽力しよう。
今日は大分歴史が動いた日に違いない。
雨の降らないこの土地で雨を降らせ、真っ暗の土地に疑似太陽という光を作り、トロルの知性を進化させ、停滞していた時間を進めた。
「でも、たった四日であんなに集落が様変わりしてるとはビックリね」
水の補給源は出来た、獲物も彼ら自身で持続的に狩ることができるようになっている。大地が冷えたことにより、これまでにいなかった食材……もとい生物が流入してくるようになった。
もう彼らが栄養失調になることは恐らくないだろう。
私が何もしなくても、衣食住全てで改善が図られている。
「じゃあ、次は私が食べたいものを作る番だ」
水も出来たし、水田を作りたい。
そして……年貢の取り立てだ!
まあ、ここからはそれほど急いでやる必要も無くなった。
プランをのんびり考えていこうか。
今日はもう休もう。
◇
しかし、次の日の明け方。
ドンドンドンドン!!!
「うわっ!! なに!?」
地獄の門前に住み始めて、初めて家のドアをノックされている。しかもかなり荒々しく激しく。
借金取りに来られるのってこんな感覚かな?
「アルトラ様はここに居られますか?」
誰だこんな時間に……
ガチャ
「はい、どなた?」
眠い目をこすりつつ玄関先に出る。
「集落の塩作り三兄弟の内のえーと……」
「はぁ……ニートスです……」
「……ハァ……サントス……です……」
「どうかしたの?」
汗だくだ、よほど息せき切って走ってきたのか。
「ああ……本当に居た……ハァ……良かった……ハァ……」
「……はぁ……大きい方の……家かと思いましたが……でかい狼が寝ていたので……はぁ……焦りました……」
ごめんね、前に初めて来た人もそっち見て騙されてたのよ……
「それで何があったの?」
「村が水没しております!!」
……
…………
………………
「は?」
◇
急いで集落へ飛ぶ、トロル二人は空を飛べないので後から来させる。
二人から聞いた話によると、潤いの木の湧水量が多過ぎて、集落全体が水没してきているらしい。
二人は急いで走ってきたけど、相当の時間を有したとのこと。
私が歩いて十二時間かかった距離だから、この二人が急いで走ってきたとしても、推算でしかないけど多分五時間くらいはかかってると予想される。集落を出発してから五時間……
出発時にはもう既に家の一階部分が沈みかけている状態だったらしい。つまり、今はもう二階に迫っててもおかしくない。
「しまった……そこまで想定してなかった……側溝を作って水を逃がす場所を作らないといけなかったわけか。潤いの木の湧水量を舐めてた……」
思えば、私は潤いの木の試運転を碌にしていない。作った時にはすぐに霧と化してしまったので、ここまで湧水量があるとは考えなかったのだ! (第12話参照)
「あの集落、ただでさえ壁に囲まれてるのに……そのままにしておいたら集落が沈んだダム湖みたいになっちゃう!」
以前は飛んで一時間だったが、かなり飛ばして三十分で着いた。
この集落は山を下った先にあるから、飛んでくる途中から既に水没しているのが見えていた。
「アルトラ様~!!」
向こうから声がかかるも、暗くてよく見えない。
光魔法で光球を空に浮かべ、疑似太陽より小規模な村を照らせるくらいの光源を作った。これは後でことが終わったら消しておこう。
辺りが照らされ、状況が明るみになった。
予想通りもう一階部分は水没、二階がある新しく建てている最中の家くらいしか水没していないところが無いくらい。
多くの家は既に水の下。
作りかけだった家々も、ほとんどが流されてしまっている。
流れた家の部品がぶつかったのか、壁の穴が昨日昼間訪れた時より少し広がってしまったようだ。
平屋の家の屋根に上ってる人がいる。多分、今私を呼んだ人だ。
もう平屋の屋根も水没している、今にも流されそうだ、あれは助けておかないと危険だな。
「私に掴まって!」
とりあえず、二階のある建物へ連れて行く。
他の者がどうしたかと周囲を見回すと、山の斜面や高くなった土地へと避難しているらしいことが分かった。
「キャァ!!」
女性と女の子が流された!
あっちは壁の穴の方向! 壁の外へ流れ出たら、どこまで流れて行くかわからない。
急いで水流に突入し、二人を捕まえる。
「プハッ! 大丈夫!?」
「はぁはぁ……た、助かりました……」
「うえぇぇ~~ん……」
二人をさっきと同じ二階のある建物へ連れて行く。
この後、数分で十人ほど、緊急性のあるトロルを救出。
周囲を見回してみる。
今見える範囲には、緊急で助けないといけない人はいないようだ。
さて、これをどうやって処理するか。
正直言って、我が家出るまでは、ここまでヤバイ状況とは思ってなかった……
……
…………
………………
そうだ、先日洪水になった時に使った結界術を応用しよう。
防御魔法:水吸収の球体を作り出した。これを集落の五十か所程度、それと潤いの木周辺に八つ放つ。
これで放っておけば、水を吸収して減らしてくれるはずだ。
◇
水は潤いの木から絶えず供給されるため、中々水かさが減らなかったが、四時間程でほぼ無くなった。
村人の人数確認も終わった。どうやらこの洪水で死んだ者はいないらしい。その点だけは幸いだったか……
日本とは違って、避難アラートとか避難マニュアルとかがあるわけではないから、全員が無事だったのは奇跡に近い。
これはみんな怒ってるだろう……
私は見通しが甘くて、いつも失敗する……
村人が全員集まった。
「ごめんなさい!! 私の見通しが甘すぎて、こんな事態に発展してしまいました!! この失態の責任を取って、領主は返上します、それでも足りなければすぐにここを出ようと思います」
これはもう領主としては失格だろう。就任してからたった一日……いや半日の超スピード辞任だな……
集落全体を水没させるなんて、被害が大きすぎる。千人に近い人数が家を失ってしまった……
「何言ってるんですか!」
えっ!?
「出ていく必要なんてどこにもないさね!」
「アンタはよくやってくれてるよ! ちょっとだけ失敗しただけだ!」
リーヴァントが前に出て話す。
「アルトラ様が来なければ、今の我々の生活はありません。あなたが来なければ今でもほぼ裸で、腹を空かせ、栄養失調で、水に困り、知性も無く知的好奇心も無い、ボロ切れのような生活をしていたと思います。この地に住んで、先祖から数百年、数千年、まあ何年になるかは我々にすらわかりませんが、我々種族がこれほど知性的な生活をしたのは歴史上初めてのことでしょう。全て、あなたがここに来なければ無かったことです。幸い今回の水害で死んだ者はおりません。作りかけの家がダメになったくらいです。そんなものは作り直せば良いだけの話です。あなたに出て行かれると困るのは、むしろ我々の方です。今後ともよろしくお願いいたします」
多くの村人が私に向かって礼をする。
「みんな……今後も失敗が多いかもしれませんが、よろしくお願いします」
「失敗はなるべく無いようにしてくれよな!」
「ははは」と少しの笑いが漏れる。
空元気なのだろう、きっと言いたいこともあるだろうに、批判もせずありがたい……
何とか、首の皮一枚繋がったみたいだ。今後は気の良いこの村人のために尽力しよう。
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる