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一章 出会いと約束
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「ここはもう危険だな...」
そう言い、僕は窓の外を見る。雨は止み、空は快晴になっていた。
「ここは危険そうだから、今日中にここを出て、前から連絡してた人達の所へ行こう。」
「...わかった」
少し瑞稀の反応に生気が宿っていないような気がした。
「準備、するか。」
僕は瑞稀の手を取って昨日一日使った個室に向かった。瑞稀は手元にカップ麺をいくらか抱えていた。
「で、本当に行くの?正直、信用出来ないよ...」
瑞稀がそうぽつぽつと、呟き始める。
「それもそうだけど、今は協力するしかないんだ。わかって欲しい。」
彼女は軽く頷いた後、目に溜めた涙を流し、
「誠哉くん...私...怖いよ...いつ死んじゃうかわからないから...」
そう一言こぼした。そんな彼女を僕はぎゅっと抱きしめて
「大丈夫。僕は君を守る。君は死なせないし、僕も死なない。絶対にだ。約束だ。」
そして、また強く抱きしめる。みずきは胸に顔を填めて大泣きしていた。
「この分には、まだ出発は難しそうだな...」
彼女を僕は離し、壁にもたれかけさせる。
「ちょっと、厨房の様子見てくる。」
火の手が回ってこないということは、消火がだいたいできているということだ。が、ここであと数時間過ごすと思うと、心配になったから、見に行った。
厨房の中は、少し煙たかったが、火の手は確認されなかった。僕は胸を撫で下ろし、また、個室に向かった。
部屋に戻った僕は、彼女がいるかを確認して、彼女の横に座った。
「大丈夫?落ち着いたら、教えて?」
「わかった...」
まだ少し、落ち着けていないようだ。こう、どうしたら落ち着いてくれるか考える。が、何も思い浮かばない。もう、彼女に聞くことにした。
「瑞稀?いま、なにかして欲しいこと、ある?」
少し黙り込んだ後、
「抱きしめて欲しい。」
そう、返ってきた。
「わかった。じゃあ、」
そういい、またぎゅっと抱きしめる。
~A few moments later~
「ありがと。落ち着けた。」
瑞稀はそう言ったが、一向に僕から離れようとしなかった。
「どうした?瑞稀」
僕が聞くと、
「だっていい匂いして気持ちいいんだもん」
少しむくれた声で瑞稀は言い返してきた「ギャップ萌え」とはこのことなのだろうか、そういう変な感情を持った僕がいた。
少しして、
「ぷはぁ!ありがと!気持ちよかった♪」
さっきまであんなに沈み込んでいたのに、今は真逆で、すごくにこやかになっていた。全く可愛いものだと、そう思った。
「じゃ、そろそろ出るか。」
僕はそう言って、先に準備してあったカバンを瑞稀に渡す。
「あ、スマホ忘れたらダメだぞ」
最後にそう一言添えて、僕は荒川さんに向けて、
「今から行きます。」
そう一言、送信した。
そう言い、僕は窓の外を見る。雨は止み、空は快晴になっていた。
「ここは危険そうだから、今日中にここを出て、前から連絡してた人達の所へ行こう。」
「...わかった」
少し瑞稀の反応に生気が宿っていないような気がした。
「準備、するか。」
僕は瑞稀の手を取って昨日一日使った個室に向かった。瑞稀は手元にカップ麺をいくらか抱えていた。
「で、本当に行くの?正直、信用出来ないよ...」
瑞稀がそうぽつぽつと、呟き始める。
「それもそうだけど、今は協力するしかないんだ。わかって欲しい。」
彼女は軽く頷いた後、目に溜めた涙を流し、
「誠哉くん...私...怖いよ...いつ死んじゃうかわからないから...」
そう一言こぼした。そんな彼女を僕はぎゅっと抱きしめて
「大丈夫。僕は君を守る。君は死なせないし、僕も死なない。絶対にだ。約束だ。」
そして、また強く抱きしめる。みずきは胸に顔を填めて大泣きしていた。
「この分には、まだ出発は難しそうだな...」
彼女を僕は離し、壁にもたれかけさせる。
「ちょっと、厨房の様子見てくる。」
火の手が回ってこないということは、消火がだいたいできているということだ。が、ここであと数時間過ごすと思うと、心配になったから、見に行った。
厨房の中は、少し煙たかったが、火の手は確認されなかった。僕は胸を撫で下ろし、また、個室に向かった。
部屋に戻った僕は、彼女がいるかを確認して、彼女の横に座った。
「大丈夫?落ち着いたら、教えて?」
「わかった...」
まだ少し、落ち着けていないようだ。こう、どうしたら落ち着いてくれるか考える。が、何も思い浮かばない。もう、彼女に聞くことにした。
「瑞稀?いま、なにかして欲しいこと、ある?」
少し黙り込んだ後、
「抱きしめて欲しい。」
そう、返ってきた。
「わかった。じゃあ、」
そういい、またぎゅっと抱きしめる。
~A few moments later~
「ありがと。落ち着けた。」
瑞稀はそう言ったが、一向に僕から離れようとしなかった。
「どうした?瑞稀」
僕が聞くと、
「だっていい匂いして気持ちいいんだもん」
少しむくれた声で瑞稀は言い返してきた「ギャップ萌え」とはこのことなのだろうか、そういう変な感情を持った僕がいた。
少しして、
「ぷはぁ!ありがと!気持ちよかった♪」
さっきまであんなに沈み込んでいたのに、今は真逆で、すごくにこやかになっていた。全く可愛いものだと、そう思った。
「じゃ、そろそろ出るか。」
僕はそう言って、先に準備してあったカバンを瑞稀に渡す。
「あ、スマホ忘れたらダメだぞ」
最後にそう一言添えて、僕は荒川さんに向けて、
「今から行きます。」
そう一言、送信した。
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