異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

文字の大きさ
上 下
37 / 74
第2章

(31)たたたっ、誕生祭だよ!③

しおりを挟む
「すみません、お待たせしました……ソフィア様?どうかなさいましたか」

「あ、いいえ!なんでもないですよ」

さっきの人には申し訳なかったな……顔色悪いなんて言って。また会ったらちゃんと謝っとこう。

《((おーいソフィア、今どこにおるかの?))》

「((グライ!スピーレも一緒なの?))」

《((うむ、おるぞ?))》

「((私達家族でしょ!なんで何も言わずにどこか行くの!!))」

もー、私はプンプンだよ!!

《((す、すまん……))》

「((私は今から聖堂に行くの!今そこに)いるなら、そこで待ってなさい!!))」

「ソ…ソフィア様?」

「神父様!さっ、聖堂に行きましょう!」

「え、は…はい!」











聖堂に行くと、グライとスピーレが騎士団の人達と一緒にいるのが見えた。

「((グライ!スピーレ!))」

私がプンプンで念を飛ばすと、グライ達の背筋がぴんと伸びる。

『あ、ああ……』

《ソ、ソフィア……》

「私に何も言わずにどこかへ行っちゃだめ!どこか行くなら、前もって言ってから!」

『《は、はい……》』

「分かった!」

『《はい!》』

「…………家族でしょ?離れ離れになったら不安になるよ…」

〈…………ソフィア〉

私はオーヴィのもふもふした背中に顔を埋める。

「((罰として私のお触り今日1日禁止!))」

《ピギャッ!》

『えっ……』

そんな悲しい顔したって罰は罰なんだから!

「ソフィアに1本取られましたね。グライ様、スピーレ様」

「エリックさん!ジャックさん……と、あっ!」

オーヴィをいじめた人だ!でもなんで?

「ソフィア、2人を紹介しよう。国営騎士団2番隊隊長フィリップ・キヴァシエル、それから3番隊隊長アルフレッド・ベルトレアだ」

私はオーヴィの前に守るように出る。

「ソフィアです…………この人」

私は3番隊長さんに指差す。

「オーヴィが病気だったのに、いじめた人…………意地悪しちゃだめなんだよ!」

「あ、いや…その……」

「アールーフー?」

「やはり……アルフ、お前って奴は…」

「そうだと思いましたよ」

あ、エリックさん達笑ってるけど、笑ってないや。

「これが終わったら、国王に仕事増やして貰わないとな」

「やはり、アルフ……そうだったか」

国王様御一家も来たみたい。

「国王!こ、これは…………すみませんでした」

「謝るのはあちらじゃないか?」

アルフは私達の方を見る。

「強い奴がいるとつい、戦いたくなっちまって………その、すまなかった」

「((オーヴィ、謝ってるよ))」

〈((まあ、いいんじゃないか?もうしないだろう))〉

「良いって!よかったねアルフさん」

「あ、ああ」

「皆様…………時間です。ええと、始めて頂けるとありがたいのですが……」

「「「「「『〈《「あっ……」》〉』」」」」」




 



「それでは御神の御加護を賜り、ここにプリニティーバ様の誕生祭の開会を宣言致します」

まあ色々あったけど、神父様の挨拶で誕生祭が始まったよ。

「では、国王様のお言葉を賜ります」

国王のお言葉……!私は最後から2つ目。結構後ろだよ~!

「──プリニティーバ様の恩恵を受け、我々は…………」

みんな静かに聞いてる。教会だからかな?それとも国王様がみんなを惹き付けてるのかな?どちらにしてもすごい!

「ソフィア様、まだ時間はありますがこちらを」

マイルさんから祝福の詩、アビラス様のポエム本を受け取る。

「頑張ってくださいね」

「はい!」

次はこの教会の歴史だね。神父様、頑張って……!

「……そうして長い年月が経ち、我々がいるのです!」

あ、良かった。そんなに緊張してないみたい。

「ソフィア、わしの話どうだったかの?」

「国王様!威厳が感じられ、ためになるお話でした」

「それは良かったわい」

「ソフィアちゃん、大丈夫?緊張してない?」

王妃様も気にかけて下さって、嬉しいな。

「初めてなので、少し緊張してます。でも、みんながいるので大丈夫です!」

『私達も緊張するわ……!』

『ソフィア……頑張ってね!!』

エルブとアズルにギューってされて、私も元気になったよ。そしたら、光の精霊さんがたくさん現れて、

『ソノ本、読ムのノ?』

『読ムノ?』

「うん、今年は私が読むの!」

『読ム、手伝ウ!』

『ミンナ、手伝ウ!』

「ほんと?ありがとう!」

「どうしたの、ソフィアちゃん?」

「王妃様、光の精霊さん達が一緒に本を歌うって言ってます」

「……光の精霊が!」

「ソフィアちゃんだから出来ることっすね……」

「私もこのような日に巡り会えるなんて思ってもみなかった……」

「私もだ……!」

ジャックは多種に愛されるソフィアに感心し、フィリップとエリックは感動して目に涙か溜まる。アルフは、驚いた顔のままフリーズ状態。

「ソフィア様、次が出番です」

マイルは通常運転だ。

「それでは、フェアリーデイであるソフィア様に祝福の詩を代読してもらいます」

神父様の紹介で私は聖堂の中へ。私の足音だけが聞こえる。さっきより胸がドキドキする。

『大丈夫?』

「うん、大丈夫だよ」

『ミンナ、ソフィア大好キ!』

『大好キ!』

「ありがとう、みんな」

精霊さんがこっそり話しかけてくれる。ちょっと気が和らいできたよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

知らない異世界を生き抜く方法

明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。 なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。 そんな状況で生き抜く方法は?

小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!

ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。 一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて? 主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍? 「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」 『わふっ』 もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!

チートスキルを貰って転生したけどこんな状況は望んでない

カナデ
ファンタジー
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。 一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、どんなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。 そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。 ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!! その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。 自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。 彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう? ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味(はあまりなくなります)な異世界転生のお話となります。 (R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします) どんどんのんびりほのぼのな感じになって行きます。(思い出したようにシリアスさんが出たり) チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。 今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。 ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。 力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。 5/2 HOT女性12位になってました!ありがとうございます! 5/3 HOT女性8位(午前9時)表紙入りしてました!ありがとうございます! 5/3 HOT女性4位(午後9時)まで上がりました!ありがとうございます<(_ _)> 5/4 HOT女性2位に起きたらなってました!!ありがとうございます!!頑張ります! 5/5 HOT女性1位に!(12時)寝ようと思ってみたら驚きました!ありがとうございます!!

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

モブで可哀相? いえ、幸せです!

みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。 “あんたはモブで可哀相”。 お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

処理中です...