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第2章
(26)帰って来たよ、サプラーイズ!
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グレイウォルフ達に別れを告げて、冒険者ギルドに帰ると、リーリエが来ていた。
「ハンネちゃん、お疲れ様!」
「リーリエさん!ただいま戻りました」
私はリーリエさんに抱きつく。
「このまま上に行きましょうか。アーノルド、貴方も来るのよ」
「分かってるよ」
2階の個室に行くと、ダグラスさんも来ていた。
「ギルマス!?」
「ダグラスさん!お久しぶりです」
「ああ、ハンネちゃん。初めての依頼どうだった?」
「レイブンさんに詳しく教えて貰ったので楽しく出来ました!」
「それは良かったな」
ソフィアは今日の出来事を話すと、
「それは大変だったわね~」
「その大量のヒル草と……」
レイブンはマジックバックから机にヒル草を全て取り出す。ダグラスとリーリエは驚きの声を漏らす。
「これがエリク草だ!」
「これは、報酬額が跳ね上がるわね……」
「このヒル草も状態が良いな…」
「じゃ、じゃあ報酬を出すわね」
目の前にあるたくさんの金貨にソフィアは目をパチクリ。
「1日で大金持ちになったな!」
「私、こんなに貰えませんよ……?」
「いいんだよ、ハンネちゃん。これはハンネちゃん自身が受けた依頼の報酬と追加の報酬だ」
「そうよ。本当ならもっと払わなければならないんだからね?」
「は、はい……」
「俺も、こんなに報酬額が上がるなんて思わなかったな~」
「レイブンさん、今日は本当にありがとうございました!」
ソフィアは頭を下げる。
「良いんだよ!俺もこんな経験出来たんだからな」
優しい人だな~レイブンさん。
ソフィアがリーリエと一緒に部屋を出ると、レイブンはダグラスに尋ねる。
「ギルマス、ハンネは一体何者なんだ?」
「急にどうした?」
レイブンは真剣な眼差しだった。
「初めはどこかの令嬢かと思ったんだ。だが、子どもにしては理解が早いし、魔物の気配にも気づいていた。それにグレイウォルフの子どもが来ても、恐れもしない。ましてや、従魔と話せると言っていた」
ダグラスは黙ったまま。
「ハンネは普通の子どもじゃない。あのまま、放っておいたら…さらわれたり、悪党どもに利用されたりするかもしれない…!ハンネの親は気づいていないのか?」
「ハンネに肉親はいない。それだけは伝えておく……もしあの子のことが知りたいなら、明後日の教会の催しに参加すると良いだろう」
「……」
「ソフィアちゃん、エリック様がお戻りになられましたよ」
「はーい!じゃあさっき言ったの、お願いしますね!ふふふっ」
『楽しみ~』
『どんな顔するかしら!』
〈(少し気になるな…)〉
《((わしもソワソワしてきたわい))》
『そう言われると私もそんな気が……』
ソフィアの計画にみんなワクワク。そして……
「「「「「「お帰りなさいませ」」」」」」
「ああ戻っ…………た?」
いつもならソフィアが真っ先に出迎えてくれるのだか、今日は何故かエリックの目の前には従魔と精霊たち、そしてマイルしかいなかった。
「ソフィア?」
「ふふっ!」
ソフィアの笑い声がメイド達の中から聞こえた。
「エリックさんここですよ!」
ソフィアはシェラとツインテールのメイドの間にいた。しかもメイド服で。
「どうしたんだ?その格好」
「メイドさん達が作ってくれたんです!」
メイド達は満面の笑みを浮かべる。
「そうかそうか…………可愛いな」
あ、エリックさんの顔がとろけた。
「エリック様、エリック様……お顔が」
『『《『〈初めて見た(わい)(ぞ)、あんな顔……〉』》』』
「あ……ああ。夕餉にするか…………シェラ、ちょっと」
「……はい」
シェラはエリックの元へ。他の人はソフィアを連れてご飯の支度に向かう。
「エリック様、何でしょうか」
「今日の全員の給金、2割ほど額を上げておいてくれ」
「承知致しました」
エリックがそう伝えて屋敷の中に入る後ろで、シェラが小さくガッツポーズをしていことは誰も知らない。
「ハンネちゃん、お疲れ様!」
「リーリエさん!ただいま戻りました」
私はリーリエさんに抱きつく。
「このまま上に行きましょうか。アーノルド、貴方も来るのよ」
「分かってるよ」
2階の個室に行くと、ダグラスさんも来ていた。
「ギルマス!?」
「ダグラスさん!お久しぶりです」
「ああ、ハンネちゃん。初めての依頼どうだった?」
「レイブンさんに詳しく教えて貰ったので楽しく出来ました!」
「それは良かったな」
ソフィアは今日の出来事を話すと、
「それは大変だったわね~」
「その大量のヒル草と……」
レイブンはマジックバックから机にヒル草を全て取り出す。ダグラスとリーリエは驚きの声を漏らす。
「これがエリク草だ!」
「これは、報酬額が跳ね上がるわね……」
「このヒル草も状態が良いな…」
「じゃ、じゃあ報酬を出すわね」
目の前にあるたくさんの金貨にソフィアは目をパチクリ。
「1日で大金持ちになったな!」
「私、こんなに貰えませんよ……?」
「いいんだよ、ハンネちゃん。これはハンネちゃん自身が受けた依頼の報酬と追加の報酬だ」
「そうよ。本当ならもっと払わなければならないんだからね?」
「は、はい……」
「俺も、こんなに報酬額が上がるなんて思わなかったな~」
「レイブンさん、今日は本当にありがとうございました!」
ソフィアは頭を下げる。
「良いんだよ!俺もこんな経験出来たんだからな」
優しい人だな~レイブンさん。
ソフィアがリーリエと一緒に部屋を出ると、レイブンはダグラスに尋ねる。
「ギルマス、ハンネは一体何者なんだ?」
「急にどうした?」
レイブンは真剣な眼差しだった。
「初めはどこかの令嬢かと思ったんだ。だが、子どもにしては理解が早いし、魔物の気配にも気づいていた。それにグレイウォルフの子どもが来ても、恐れもしない。ましてや、従魔と話せると言っていた」
ダグラスは黙ったまま。
「ハンネは普通の子どもじゃない。あのまま、放っておいたら…さらわれたり、悪党どもに利用されたりするかもしれない…!ハンネの親は気づいていないのか?」
「ハンネに肉親はいない。それだけは伝えておく……もしあの子のことが知りたいなら、明後日の教会の催しに参加すると良いだろう」
「……」
「ソフィアちゃん、エリック様がお戻りになられましたよ」
「はーい!じゃあさっき言ったの、お願いしますね!ふふふっ」
『楽しみ~』
『どんな顔するかしら!』
〈(少し気になるな…)〉
《((わしもソワソワしてきたわい))》
『そう言われると私もそんな気が……』
ソフィアの計画にみんなワクワク。そして……
「「「「「「お帰りなさいませ」」」」」」
「ああ戻っ…………た?」
いつもならソフィアが真っ先に出迎えてくれるのだか、今日は何故かエリックの目の前には従魔と精霊たち、そしてマイルしかいなかった。
「ソフィア?」
「ふふっ!」
ソフィアの笑い声がメイド達の中から聞こえた。
「エリックさんここですよ!」
ソフィアはシェラとツインテールのメイドの間にいた。しかもメイド服で。
「どうしたんだ?その格好」
「メイドさん達が作ってくれたんです!」
メイド達は満面の笑みを浮かべる。
「そうかそうか…………可愛いな」
あ、エリックさんの顔がとろけた。
「エリック様、エリック様……お顔が」
『『《『〈初めて見た(わい)(ぞ)、あんな顔……〉』》』』
「あ……ああ。夕餉にするか…………シェラ、ちょっと」
「……はい」
シェラはエリックの元へ。他の人はソフィアを連れてご飯の支度に向かう。
「エリック様、何でしょうか」
「今日の全員の給金、2割ほど額を上げておいてくれ」
「承知致しました」
エリックがそう伝えて屋敷の中に入る後ろで、シェラが小さくガッツポーズをしていことは誰も知らない。
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